第7話 動詞(く)
よみ,漢字,活用,自他,用例,相互,対語,補記,
【くい】
くいあう,食い合う,ワ行五段,自動詞,「ピラニア同士が食い合う」「選挙の地盤を食い合う」「同じ釜の飯を食い合った仲」「二つの歯車が食い合う」,相互「くいあわせる」,,互いに相手や相手のものを食う・互いに相手の領域を侵す、一つのものを一緒に食べる、組み合わせた部分がよく合わさる・噛み合う,
くいあきる,食い飽きる(食い厭きる),カ行上一段,自動詞,「刺し身は食い飽きた」,,,飽・厭」は満ち足りる意なので常用の「飽」に統一,
くいあます,食い余す,サ行五段,他動詞,「ご馳走が多くて食い余す」,,,食べ尽くさないで残す・食い残す,
くいあらす,食い荒らす,サ行五段,他動詞,「作物を野ネズミに食い荒らされる」「ご馳走を食い荒らす」「選挙地盤を食い荒らす」,,,あれこれ乱暴に食べて損害を与える、あれこれ箸をつけて食い散らかす、他の勢力範囲を侵して害を与える,
くいあらためる,悔い改める,マ行下一段,他動詞,「これまでの非行を悔い改める」,,,過去の過ちを反省して心がけを変える,
くいあわせる,食い合わせる,サ行下一段,他動詞,「スイカと天ぷらを食い合わせるのはよくない」「歯車を食い合わせる」,相互「くいあう」,,二種類以上の食べ物を一緒に食べると有害なものを同時に食べる、凹部と凸部を互いに食い込むように組み合わせる・噛み合わせる,
くいいる,食い入る,ラ行五段,自動詞,「ロープが手首に食い入る」「テレビに食い入る」「食い入るように見つめる」,,,者の内部に強く深く入り込む・食い込む、視線などが対象に深く入り込む,
くいかかる,食い掛かる,ラ行五段,自動詞,「犬が鶏に食いかかる」「昼食を食いかかったときに呼び出される」「親に食いかかる」,,,噛みつこうと飛びつく、食い始める、食ってかかる・盾突く,
くいかける,食い掛ける,カ行下一段,他動詞,「食いかけた時に電話が鳴った」「料理を食いかけたまま席を立つ」,,,食べ始める、食べ終わらずに中途でやめる,
くいかじる,食い齧る,ラ行五段,自動詞,「子供が食いかじった菓子」「ドイツ語は結局食いかじっただけだった」,,,あこち少しずつ食べる、学問や芸事などを少しだけ習ってやめてしまう,
くいかねる,食い兼ねる,ナ行下一段,自動詞,「硬くて食いかねる」「多すぎて全部は食いかねる」「一人でも食いかねるほどの薄給」,,,食べるのに苦労する、暮らしに困る,
くいきる,食い切る,ラ行五段,他動詞,「縄を食い切る」「二人分の料理を食い切ってしまう」,,,歯で噛み切る、全部食べてしまう,
くいこむ,食い込む,マ行五段,自動詞,「縄が手首に食い込む」「爪が肌に食い込む」「会議が昼休みに食い込む」「初出場で堂々二位に食い込む」「独占市場に食い込む」「予備費に食い込む」,,,強く深く入り込む・食い入る、他の範囲や領域にまで入り込む、支出が多くなって蓄えなどを減らす・赤字になる,
くいころす,食い殺す,サ行五段,自動詞,「サメに食い殺される」,,,食いついて殺す・かみ殺す,
くいさがる,食い下がる,ラ行五段,自動詞,「納得するまで質問して食い下がる」,,,強い相手に粘り強く立ち向かいどこまでも争う・粘り強く追及する,
くいさす,食い止す,サ行五段,他動詞,「朝飯を食いさしたまま出かける」,,,食べている途中でやめる,
くいしばる,食い縛る,ラ行五段,他動詞,「歯を食い縛る」,,,歯を強く噛み合わせる,
くいすぎる,食い過ぎる,ガ行上一段,他動詞,「食いすぎて腹を壊す」「この車はガソリンを食いすぎる」,,,度を越してたくさん食べる、他に比べて多量に消費する,
くいたおす,食い倒す,サ行五段,他動詞,「ソバ代を食い倒される」「親の築いた身代を食い倒す」,,,店で飲み食いをしてその代金を払わない、朝美暮らして財産をなくす・食いつぶす,
くいちがう,食い違う,ワ行五段,自動詞,「継ぎ目の模様が食い違う」「見積書と食い違う」「両者の言い分が食い違う」,,,組み合わせた部分がうまく合わない、物事や意見などがうまく一致しない,
くいちぎる,食い千切る,ラ行五段,他動詞,「肉を食いちぎる」,,,歯で噛んで切り離す・噛み切る,
くいちらす,食い散らす,サ行五段,他動詞,「子どもが食い散らしたご飯粒を拾う」「おかずを食い散らす」「食い散らすだけで一つもものにならない」,,,食べ物を食べこぼして散らかす・食い散らかす、あれこれと食べ物に少しずつ箸をつける、いろいろなことに少しずつ手を出す,
くいつく,食い付く,カ行五段,自動詞,「スッポンに食いつかれる」「食いつきそうな目つき」「机に食いついて離れない」「儲け話に食いつく」「上役に食いつく」,,,しっかりと噛みつく・食らいつく、しっかりと取りつく・しがみつく、物事に喜んで飛びつく、相手に文句や難癖をつけて迫る・噛みつく,
くいつくす,食い尽くす,サ行五段,他動詞,「携帯した食料を食い尽くす」,,,すっかり食べてしまう,
くいつなぐ,食い繋ぐ,ガ行五段,自動詞,「乾パンで食いつなぎながら救助を待つ」「アルバイトをして食いつなぐ」,,,限られた食糧を少しずつ食べて生き延びる、やりくりしながらある期間生活を続ける,
くいつぶす,食い潰す,サ行五段,他動詞,「親の身上を食い潰す」,,,遊び暮らして財産などをなくす・食い倒す,
くいつめる,食い詰める,マ行下一段,他動詞,「食い詰めて夜逃げをする」,,,借金や不品行などのために暮らしが立たなくなる,
くいとめる,食い止める,マ行下一段,他動詞,「延焼を食い止める」「侵入を食い止める」,,,物事がそれ以上進まないように防ぎ止める,
くいのばす,食い延ばす,サ行五段,他動詞,「携帯食を食い延ばして救助を待つ」「わずかな退職金で食い延ばす」,,,食べる量を少なくして長くもつようにする、出費を少なくして細々と生活を維持する,
くいはぐれる,食い逸れる,ラ行下一段,他動詞,「昼飯を食い逸れる」「手に職があれば食い逸れる心配はない」,,,時期を逃して食べ物にありつけなくなる・食べ損なう、生計を立てていくための手段をなくす。くいっぱくれる,
くいやぶる,食い破る,ラ行五段,他動詞,「猫がゴミ袋を食い破る」,,,かみついて破る,
くいる,悔いる,ア行上一段,「全非を悔いる」,,,自分の舌行為について間違いや悪い点があったことに気づき残念に思ったり反省したりする・後悔する,
【くう】
くう,食う(喰う),ワ行五段,他動詞,「飯を食う」「こんな薄給では食っていけない」「餌を替えたら魚がよく食う」「衣魚(しみ)の食った書物」「蚊に食われる」「ファスナーに布地が食われる」「この車はガソリンを食う」「手間暇食う仕事」「いたずらに年を食うばかりだ」「縄張りを食う」「強敵を食う」「脇役に食われる」「門前払いを食う」「お目玉を食う」「肩透かしを食う」「人を食った態度」「タレント志望の少女たちを食う芸能プロダクション」,相互「くわせる・くわす」,,食べ物を噛んで飲み込む・食べる、生活する・暮らしを立てる、口で物をしっかり捕らえる・食いつく、虫などがかじって物を傷める・虫などが体を刺す、しっかりと間に挟む・縄状のものが物にめり込む、金銭や時間などがかかる・費やす、(「年を食う」の形で)かなりの年齢になる、他の領分に入り込む・侵す、スポーツなどで強い相手を負かす、演劇や映画などである俳優の演技が勝っていて共演者を凌ぐ、とくに望ましくない行為を受ける、(「人を食う」の形で)バカにする・侮る、自分の利益のためにだまして人を利用する。「食」は噛んで飲み込む・食事する・飲む・生計を立てる・生活する、「喰」は食べる・食事する意,
ぐうする,遇する,サ行変格活用,他動詞,「客として丁重に遇する」,,,人をもてなす・待遇する,
【くえ】
くえる,食える,ア行下一段,自動詞,「値段の割にまあまあ食える」「今の収入では食えない」,,,食べる価値がある・おいしく感じる、生活していける,
【くき】
くぎる,句切る(区切る),ラ行五段,他動詞,「一言一言句切って話す」「広間をカーテンで区切る」,,,言葉や文章などに意味や内容や音節などのまとまりで切れ目をつける・句読点や段落を施す、境をつけていくつかに分ける・境界を設ける,
【くく】
くくりあげる,括り上げる,ガ行下一段,他動詞,「祭半纏の裾をたすきで括り上げる」,,,しっかりと縛ってずり落ちないようにする・きつく縛りつけて動かないようにする,
くくりつける,括り付ける,カ行下一段,他動詞,「荷物を車の荷台に括りつける」,,,紐などで他のものに縛りつける・比喩的に行動の自由を奪う,
くぐりぬける,潜り抜ける,カ行下一段,他動詞,「壁の穴をくぐり抜ける」「厳重な警戒をくぐり抜ける」,,,くぐって通り抜ける、困難や危険な状況を切り抜ける。「潜り」は「もぐり」と同字,
くくる,括る,ラ行五段,他動詞,「古新聞を紐で括る」「犯人を木に括る」「話を括る」「カッコで括る」「首を括る(縊るとも)」「ちょっとした傷と高を括る」「腹を括って結果を待つ」,相互「くくれる」,,紐などをかけて一つにまとめて縛る・束ねる、ある物に他の物を縛りつける・ひっくくる、物事にまとまりをつける・締めくくる、自分で首をつって命を断つ・縊死する、(「たかをくくる」の形で)物事を軽く見る・見くびる、(「はらをくくる」の形で)覚悟を決める・決意を固める,
くぐる,潜る,ラ行五段,他動詞,「暖簾をくぐって店に入る」「障害物競走ではしごをくぐる」「校門をくぐる」「海にくぐって魚介をとる」「法の網をくぐる」「火炎をくぐって脱出する」「砲煙弾雨の下をくぐる」,,,者の下や狭い間などを姿勢を低くして通って向こう側へ出る・門やトンネルなどを通り抜ける、水の中にもぐる、簡単に通り抜けることができないところを巧みにごまかして通る・厳しい監視や規律などのスキを狙って事を行なう、困難や危険の中をなんとか切り抜けていく。「もぐる」と同字,
くくれる,括れる,ラ行下一段,自動詞,「括れた顎」,相互「くくる」,,紐などが巻きついて細く締まる・紐などが食い込んだように筋ができる,
【くけ】
くける,絎ける,カ行下一段,他動詞,「袖口を絎ける」,,,和裁で布端を始末するときに縫い目の糸が表から見えないようにする縫い方をする,
【くさ】
くさす,腐す,サ行五段,他動詞,「ライバルの仕事を腐す」,,,悪意を持って悪く評する・欠点をことさらに取り上げて悪く言う・けなす,
くさむす,草生す(草産す),サ行五段,自動詞,「墓に草生す」,,,草が生える・草が生い茂る,
くさらかす,腐らかす,サ行五段,他動詞,「肉を腐らかす」,,,「くさらす」に同じ,
くさらす,腐らす,サ行五段,他動詞,「おかずを腐らす」「気を腐らす」,相互「くさる」,,腐るようになる、嫌気が差すようにしてやる気や元気をなくさせる。くさらかす,
くさる,腐る,ラ行五段,自動詞,「魚が腐る」「凍傷で指が腐る」「柱が腐る」「錆びて腐ったナイフ」「金魚鉢の水が腐る」「性根が腐っている」「気が腐る」「原稿が没になって腐っている」,相互「くさらす」,,細菌の作用で変質する・食べ物などが傷む・腐敗する、体の組織が破れ崩れる・うみただれる、木や繊維や金属などが風化したり酸化したりしてボロボロになる・朽ち崩れる・腐敗・腐食、変質して嫌なにおいがついたり汚れたりして使えなくなる、純な心が失われてダメになる・精神が救いようがなく堕落する、思い通りに事が運ばないためやる気をなくしてしまう・嫌気がさす・滅入る,
くさる,腐る,ラ行五段,自動詞,「威張り腐る」「つまらんことを言い腐る」,,,補助動詞。その動作をする人に対する軽蔑や罵りの気持ちを表す,
【くし】
くじく,挫く,カ行五段,他動詞,「足を挫く」,相互「くじける」,,手足の関節などに無理な力が加わって関節やその周りを痛める・捻挫する,
くしけずる,梳る(櫛る),ラ行五段,他動詞,「髪を梳る」,,,櫛で髪の毛をとかして整える・削る・すく,
くじける,挫ける,カ行下一段,自動詞,「足が挫ける」「気持ちが挫ける」,相互「くじく」,,手足の関節に無理な力が加わって関節やその周りを痛める・捻挫する、勢いや意欲がそがれる,
くじる,抉る,ラ行五段,他動詞,「楊枝で歯を抉る」,,,棒などで穴の中をかきまわす。「抉る」は「えぐる・こじる」と同字,
【くす】
くずおれる,頽れる,ラ行下一段,自動詞,「悲しみのあまりその場に頽れる」,,,気力が抜けてその場に崩れるようにして倒れたり座り込んだりする,
くすぐる,擽る,ラ行五段,他動詞,「脇の下をくすぐる」「母性本能をくすぐる」「虚栄心をくすぐる」「下がかったネタで観客をくすぐる」,,,皮膚の敏感な部分を軽くしげしムズムズして笑いたくなるような感じを起こさせる、人の心を軽く刺激しそわそわさせたりいい気持ちにさせたりする、演芸や文章や会話などで人をことさらに笑わせようとして滑稽なことを言ったり演じたりする,
くずす,崩す,サ行五段,他動詞,「崖を崩して道を整備する」「足場をクズ」「姿勢を崩す」「膝を崩して楽になる」「強気の構えを崩さない」「調子を崩す」「身を崩す」「相好を崩す」「字を崩して書く」「一万円札を崩す」「値を崩して売る」,相互「くずれる」,,物を壊して形を変える、整った形や状態を乱す・安定した状態を乱し悪くする、顔をほころばす、字画を省略する・行書や草書で書く、同額の小銭に替える・両替する、値段を負ける・値引きする,
ぐずつく,愚図つく,カ行五段,自動詞,「決心がつかないままぐずついている」「子どもがぐずついて寝つかない」「ぐずついた天気が続く」,,,はっきりした行動や態度をとらずにいる・ぐずぐずする、だだをこねる・ぐずる、雨が降ったりやんだりで天候がはっきりしない,
くすねる,くすねる,ナ行下一段,他動詞,「店の金をくすねる」,,,こっそり盗み取る・ごまかして自分のものにする,
くすぶる,燻ぶる,ラ行五段,自動詞,「生木がくすぶる」「焼け跡がくすぶる」「天井がくすぶる」「不満がくすぶる」「一日中下宿でくすぶる」「下積みでくすぶっている」,相互「くすべる」,,物がよく燃えないで煙ばかりを出す、煙のすすで黒くなる・すすける、争いごとなどが表に現れずにまた完全に解決しないままで続いている、閉じこもって陰気に過ごす、地位や状態などがその段階にとどまったまま低迷している,
くすべる,燻べる,バ行下一段,他動詞,「蚊いぶしを燻べる」,相互「くすぶる」,,くすぶらせる,
くすむ,くすむ,マ行五段,自動詞,「くすんだ茶色」「くすんだ存在」「暗くくすんだ顔つき」,,,黒ずんだ渋い色になる・すすけたような冴えない色になる、目立たない地味な様子になる、生気を失う・物思いに沈む,
ぐする,具する(倶する),サ行変格活用,他動詞,「父に具して行く」「必要書類を具して申請する」「供を具して出発する」,,,他の人に従って行く・連れ立つ、必要なものをすべて揃える・連れていく・一緒に来させる,
ぐずる,愚図る,ラ行五段,自動詞,「赤ん坊がぐずる」,,,期限が悪くて泣いたりすねたりする・むずかる,
くずれおちる,崩れ落ちる,タ行上一段,自動詞,「土塀が崩れ落ちる」,,,積み上げたものなどの一部分がこわれて落ちたり全体がばらばらにこわれ落ちたりする・崩壊する,
くずれかかる,崩れ掛かる,ラ行五段,自動詞,「城壁が崩れかかっている」「崩れかかった壁の下敷きになる」,,,崩れ始める・今にも崩れようとする、崩れて他の物の上にのりかかる,
くずれる,崩れる,ラ行下一段,自動詞,「崖が崩れる」「積み荷が崩れる」「人垣が崩れる」「隊形が崩れる」「姿勢が崩れる」「生活態度が崩れる」「信頼関係が崩れる」「天候は午後からしだいに崩れるでしょう」「一万円札が崩れますか」「値が崩れる」,相互「くずす」,,安定していたものが支える力を失って壊れる・壊れてバラバラになる、整っていた形や状態が乱れる・整った好ましい形や状態が悪くなる、天気が悪くなる、同額の小銭に替えられる、相場などが急落する,
【くた】
くだく,砕く(摧く),カ行五段,他動詞,「岩を砕く」「野砲を摧く」「善後策に日夜心を砕く」「会社の再建に身を砕く」「内容を砕いて説明する」,相互「くだける」,,強い力を加えて固い物や塊になっている物を細かくする、勢いを弱らせる・計画を潰す・くじく、(「心をくだく」の形で)あれこれと心を悩ます・思い悩む、(「身をくだく」の形で)労苦をいとわず賢明に尽くす・身を粉にする、物事をわかりやすく説明する・平たく言う。「砕」は細かく割る、「摧」はくじく意,
くだける,砕ける(摧ける),カ行下一段,自動詞,「コップが粉々に砕ける」「波が砕ける」「腰が砕ける」「闘志が砕ける」「雰囲気が摧けてくる」「砕けた表現」,相互「くだく」,,固い物や塊になっている物が衝撃などで小さくバラバラになる、釣り合いがとれなくなって崩れる・なにかをしようとする気持ちや勢いがすっかり衰える・くじける、堅苦しさがとれて打ち解ける、話や文章などがわかりやすくなる。「砕」は細かに割れる、「摧」はくじける意,
くださる,下さる,ラ行五段,他動詞,「祝電を下さった」,,,「与える・くれる」の尊敬・お与えになる・くだされる,
くださる,下さる,ラ行五段,他動詞,「お話しくださる」「ご理解くださる」「ご理解くださる」「助けてくださる」「お座りください」「ご覧ください」「止めてください」,,,補助動詞。恩恵を与える意を恩恵を受ける者の立場から敬意を込めて表す。「ください」の形で相手に何かを要望や懇願する意,
くだされる,下される,ラ行下一段,他動詞,「校長先生がご褒美をくだされた」,,,「与える・くれる」の尊敬。「くださる」より敬意が強い,
くだされる,下される,ラ行下一段,他動詞,「ご出席くだされたくお願い申し上げます」,,,補助動詞。恩恵を与える意を恩恵を受ける者の立場から敬意を込めて表す,
くだす,下す(降す),サ行五段,他動詞,「位を下す」「いかだを下す」「使者を下す」「褒美を下しておく」「判決を下す」「結論を下す」「断を下す」「手を下す」「虫を下す」「腹を下す(瀉すとも)」「筆を下す」,相互「くだる」,,高いところから低いところへ移す、中央から地方に派遣する、上位の人が下の者に物を与えたり命令や判断などを与えたりする、自分ではっきりと判断する、自分で実際に処理する、薬の作用などで体外へ出す、下痢をする(瀉すとも)、筆を紙の上に下ろして書く・執筆する,
くだす,降す,サ行五段,他動詞,「敵を降す」,相互「くだる」,,降参させる・従わせる、スポーツや勝負事で相手を負かす,
くだす,下す(降す),サ行五段,他動詞,「読み下す」「書き下す」,,,補助動詞。動作を滞りなく一気に終わらせる,
くたばる,くたばる,ラ行五段,自動詞,「働きすぎてくたばる」「あいつもついにくたばったか」,,,ひじょうに疲れる・衰弱する・へたばる、「死ぬ」を罵って,
くたびれる,草臥れる,ラ行下一段,自動詞,「歩き続けてくたびれる」「人生にくたびれる」「生活にくたびれた顔」「くたびれた背広」,,,疲れて元気がなくなる、気力や若さを失う、衣装などが古くみすぼらしくなる,
くたびれる,草臥れる,ラ行下一段,自動詞,「待ちくたびれる」,,,補助動詞。続けるのが疲れて嫌になる,
くだる,下る(降る),ラ行五段,他動詞,「坂を下る」「船で川を下る」「東海道を下る」「恩賜金が下る」「判決が下る」「辞令が下る」「下って明治の御代になる」「犠牲者は一千人を下らないだろう」「数段下る」「品が下る」「虫が下る」「腹が下る(瀉るとも)」「声涙ともに下る」,相互「くだす」,,高いところから低いところへ移る、中央から地方へ行く、高い地位の人から下げ渡される・下賜される、判断や命令などが言い渡さられる、時代が後世に移る、ある基準の数値や推量よりも下になる・下回る、程度や価値などが劣る、薬などの作用で体外へ出る、下痢をする、涙が流れ出る,
くだる,降る,ラ行五段,他動詞,「敵の軍門に降る」,相互「くだす」,,負けて降伏する,
【くち】
くちごもる,口籠もる,ラ行五段,自動詞,「口籠った声」「厳しく追求されて口籠る」,,,言葉や声が口の中にこもってはっきりしない、返答に窮したり言いづらい事情があったりして言うのをためらう・途中で言うのをやめる,
くちずさむ,口遊む,マ行五段,他動詞,「懐かしい歌を口ずさむ」,,,詩や歌などを思いついたままに口にしたり歌ったりする,
くちすすぐ,漱ぐ,ガ行五段,自動詞,「石に漱ぎ流れに枕す」,,,口の中を水などで洗い清める・うがいする・くちそそぐ,
くちづける,口付ける,カ行下一段,自動詞,「手の甲に口づける」,,,自分の唇を相手の唇や顔や手などに触れる・接吻する,
くちなれる,口慣れる(口馴れる),ラ行下一段,自動詞,「口慣れた調子で話す」「赴任先の食べ物にようやく口馴れてきた」,,,言い馴れる、食べ物の味が口に合うようになる。「慣」は習熟、「馴」は言うことを聞くようになる・経験を積んで楽にできるようになる意,
くちのこる,朽ち残る,ラ行五段,自動詞,「朽ち残った老杉の幹」,,,朽ちかかったまま残る・朽ちたまま残る,
くちばしる,口走る,ラ行五段,他動詞,「激怒してあらぬことまで口走る」「つい秘密を口走る」,,,無意識のうちに喋ってしまう、調子に乗って言ってはならないことをうっかり言う,
くちはてる,朽ち果てる,タ行下一段,自動詞,「朽ち果てた山小屋」「市井の片隅に朽ち果てる」,,,すっかり腐って元の形をなくしてしまう、世に知られないまま死んでしまう,
ぐちゃつく,ぐちゃつく,「雨でぐちゃついた山道」,,,ぐちゃぐちゃとする,
くちる,朽ちる,タ行上一段,自動詞,「朽ちて今にも壊れそうな廃屋」「今なお朽ちることのない名声」「世に出ることもなく朽ちる」,,,腐って形が崩れたりボロボロになったりする、評判が衰えてしまう・廃れる、虚しく人生を終える,
ぐちる,愚痴る,ラ行五段,自動詞,「いつも愚痴ってばかり言う」,,,愚痴を言う,
【くつ】
くつがえす,覆す,サ行五段,他動詞,「大波が船体を覆す」「政権を覆す」「常識を覆す」「第一審の判決を覆す」,対語「くつがえる」,,ひっくり返す・裏返す、倒して滅ぼす・転覆させる、それまで正しいものとされてきた考え方や決定を根本から変える,
くつがえる,覆る,ラ行五段,自動詞,「覆った船体」「政権が覆る」「最高裁で判決が覆った」,相互「くつがえす」,,ひっくり返る・裏返る・転覆する、倒れ滅びる、それまで正しいものとされてきた考え方や決定を根本から変えられる,
くっする,屈する,サ行変格活用,自動詞,「腰が屈する」「失敗に屈せずやり通す」「権力に屈する」「いかなる批判にも屈しない」,,,折れ曲がる・かがむ・かがまる、何かをしようとする意欲や気力がなくなる・くじける、,
くっする,屈する,サ行変格活用,他動詞,「膝を屈する」「身を屈して恐懼する」「志を屈せず」「力で相手を屈する」,,,負けて服従する・屈服する、体や指などを折り曲げる、縮める、外圧などのために気力をなくす・くじく・勢いを挫いて従わせる・服従させる,
くっつく,くっ付く,カ行五段,自動詞,「よくくっつく接着剤」「親にくっついて離れない子」「敵方にくっつく」「好いた者同士がくっつく」,相互「くっつける」,,ある物に他の物がぴったりと付く・接合する・付着する、身を寄せる・付き従う、味方になる・与する、俗に男女が夫婦の関係を持つ,
くっつける,くっ付ける,カ行下一段,他動詞,「のりでくっつける」「見本に詳しい説明をくっつける」「中立派を味方にくっつけて勝つ」「友人に姪をくっつける」,相互「くっつく」,,物と物とを隙間なくぴったりつける、中心となるもののそばに置く・関連させる、味方に加える・付き従える、俗に男女を結びつけて夫婦にする,
くつろぐ,寛ぐ,ガ行五段,自動詞,「温泉に浸かってくつろぐ」「くつろいだ雰囲気」「浴衣に着替えてくつろぐ」,,,仕事や心配事などを忘れて伸び伸びとする・心身をゆったりと休める・気兼ねなくのんびりと振る舞う、窮屈な服装や姿勢などをやめて楽な格好になる
【くと】
くどきおとす,口説き落とす,サ行五段,他動詞,「口説き落としされて選挙に出る羽目になった」,,,なかなか承知しない相手を口説いて承知させる,
くどく,口説く,カ行五段,他動詞,「親を口説いて費用をたさせる」「言葉巧みに口説く」,,,こちらの意向を相手に承知してもらおうとして熱心に説いたり頼んだりする・説得する・異性に対して自分の思いを受け入れるよう説得する・言い寄る,
【くね】
くねらす,くねらす,サ行五段,他動詞,「身をくねらす」,相互「くねる」,,くねくねさせる,
くねる,くねる,ラ行五段,自動詞,「くねった山道」,相互「くねらす」,,幾度も繰り返して折れ曲がる・くねくねする,
【くは】
くばる,配る,ラ行五段,他動詞,「カードを配る」「招待状を配る」「新聞を配る」「心を配る」「目を配る」「見張りを洋書に配る」,,,適当な量に分けてそれぞれに行き渡るようにする・割り当てて渡す、方々に届けて回る・配達する、配慮や注意などを行き渡らせる・方々に行き届かせる、必要に応じてそれぞれ適当な場所に分けて置く・配置する,
【くび】
くびる,縊る,ラ行五段,他動詞,「喉を縊らせて息絶える」,相互「くびれる」,,首を絞めて殺す,
くびれる,括れる,ラ行下一段,自動詞,「腰がくびれたデザイン」,,,物の中ほどが他の部分に比べて細くなる,
くびれる,縊れる,ラ行下一段,自動詞,「屋根裏で縊れていた」,相互「くびる」,,首をくくって死ぬ,
【くへ】
くべる,焼べる,バ行下一段,他動詞,「巻を焼べる」,,,燃やすために火に入れる,
【くほ】
くぼまる,凹まる(窪まる),ラ行五段,自動詞,「平原の窪まったところ」,,,周囲より低く落ち込んだ状態になる・へこむ。「凹」はへこむ・へこます、「窪」はへこむ・低い意,
くぼむ,凹む(窪む),マ行五段,自動詞,「目が窪む」「窪んだ土地」,,,周囲より低く落ち込む・へこむ。「凹」はへこむ・へこます、「窪」はへこむ・低い意,
【くま】
くまどる,隈取る(暈取る),ラ行五段,他動詞,「疲労の色に隈取られた顔」,,,陰影や濃淡などで境目をつける,
【くみ】
くみあう,組み合う,ワ行五段,他動詞,「肩を組み合う」「がっぷりと四つに組み合う」,相互「くみあわせる・くみあわす」,,互いに組む、互いに組み合って争う,
くみあがる,組み上がる,ラ行五段,自動詞,「家の骨組みが組み上がる」,相互「くみあげる」,,組んで出来あがる,
くみあげる,組み上げる,ガ行下一段,他動詞,「足場を組み上げていく」「予算を組み上げる」「活字を組み上げる」「計画を組み上げる」,相互「くみあがる」,,物を組んで積み上げる・構築する、すっかり組む・組み終える、考えを組み立てる・構想する,
くみあげる,汲み上げる,ガ行下一段,他動詞,「地下水を汲み上げる」「若手社員の声を汲み上げる」,,,水などを汲んで上に上げる、下部の意見などを取り上げて用いる,
くみあわす,組み合わす,サ行五段,他動詞,「両手を組み合わして祈る」,相互「くみあう」,,「くみあわせる」に同じ,
くみあわせる,組み合わせる,サ行下一段,他動詞,「何種類もの花を組み合わせた花束」「力の接近したチームを組み合わせる」「材木を十文字に組み合わせる」「指を組み合わせる」,相互「くみあう」,,二つ以上のものを取り合わせてひとまとまりにする、競技や勝負事などで戦う相手を決める、絡み合わせたり交差させたりして物を繋ぎ合わせる,
くみいれる,組み入れる,ラ行下一段,他動詞,「メンバーを組み入れる」「歳入に組み入れる」,,,全体の一部となるような形で他のものを加える・編入する,
くみいれる,汲み入れる,ラ行下一段,他動詞,「鍋に水を汲み入れる」「相手の意向を汲み入れる」,,対語「くみだす」,水などを汲んで中に入れる、考慮する・考えに入れる,
くみかえる,組み替える(組み換える),ア行下一段,他動詞,「日程を組み替える」,,,別のまとめ方で改めて組む・組み合わせを変える・編成しなおす,
くみかわす,酌み交わす,サ行五段,他動詞,「親しく酒を酌み交わす」,,,互いに杯をやり取りしながら酒を飲む,
くみこむ,組み込む,マ行五段,他動詞,「予算に組み込む」「組織下に組み込まれる」,,,全体の一部としてその中に入れる・組み入れる,
くみこむ,汲み込む,マ行五段,他動詞,「風呂に水を汲み込む」,,対語「くみだす」,水などを汲んで器の中に入れる・汲み入れる,
くみしく,組み敷く,カ行五段,他動詞,「侵入者を膝の下に組み敷く」,,,相手を倒して自分の下に押さえつける・組み伏せる,
くみする,与する(組する),サ行変格活用,自動詞,「いずれの立場にも与しない」「彼の提案に与する」,,,仲間に加わる・味方する・同意する。「与」仲間・味方になる・助ける・加勢する許す・認める・賛成する、「組」は仲間・団体・対・揃いの意なので「与」が本意,
くみだす,汲み出す,サ行五段,他動詞,「船底の水をポンプで汲み出す」,,対語「くみいれる・くみこむ」,水などを汲んで外へ出す,
くみたてる,組み立てる,タ行下一段,他動詞,「模型を組み立てる」「考えを組み立てる」,,,個々を組み合わせて一つのまとまったものを作り上げる,
くみちがう,組み違う,ワ行五段,他動詞,「部品を組み違う」,,,組み方を間違える。「くみちがえる」に同じ,
くみちがえる,組み違える,ア行下一段,他動詞,「活字を組み違える」「組み違えた棚」,,,組み方を間違える、互い違いになるように組む・組んで交差させる,
くみつく,組み付く,カ行五段,自動詞,「逃げる男に組み付いて引き倒す」,,,相手の体に手足を絡ませて取りつく,
くみとる,汲み取る,ラ行五段,他動詞,「水槽の水を汲み取る」,,,水などを汲んで取り出す・他の容器に移し入れる。「汲」は水を汲む意,
くみとる,酌み取る,ラ行五段,他動詞,「先方の意図を酌み取る」,,,相手の心情や事情を推し量る・理解する。「酌」は酒をつぐ・杯をさす・くみとる・えり分けてとる・推し量る・人の心をくみとる意,
くみふせる,組み伏せる,サ行下一段,他動詞,「賊を組み伏せる」,,,相手に組みついて倒し押さえつける・組み敷く,
くみわける,汲み分ける,カ行下一段,他動詞,「洗面器に水を汲み分ける」,,,水などを汲んで他の容器に分ける,
【くむ】
くむ,組む,マ行五段,他動詞,「四つに組む」「彼と組んで事業を始める」「腕を組む」「足を組む」「紐を組む」「足場を組む」「徒党を組む」「時間割を組む」「版を組む」,,,がっちりと互いの体に取り付き合う・取り組む、同じ目的で何かをするために仲間になる・組になる、物を互い違いに交差させたり絡み合わせたりする、材料や部分を順序に従って合わせたり結んだりしてまとまりのある全体を作り上げる、統一あるものにまとめ上げる・組織したり編成したりする、活字を指定に従って原稿通りに並べる,
くむ,汲む,マ行五段,他動詞,「井戸水を汲む」「釜から茶柄杓で湯を汲む」,,,器物や手のひらなどを使って水などをすくい取る・ポンプなどの機械によって水などを容器に移し入れる。「汲」は水をくむ意,
くむ,酌む,マ行五段,他動詞,「お茶を酌む」「苦しい心中を酌む」「相手の意向を酌む」,,,酒や茶などを器につぐ・ついで飲む、人の心の中を推し量る・立場や事情などを察してよく理解する・思いやる・酌量する。「酌」は酒をつぐ・杯をさす・くみとる・えり分けてとる・推し量る・人の心をくみとる意,
【くも】
くもらす,曇らす,サ行五段,他動詞,「湯気が鏡を曇らす」「悲報に顔を曇らす」「私情にとらわれて判断を曇らす」,相互「くもる」,,透明の度合いや光り方などを鈍くさせる、心配や悲しみで表情などを暗くする、考えや思考を鈍くさせる,
くもらせる,曇らせる,サ行下一段,他動詞,「眉を曇らせる」,相互「くもる」,,「くもらす」に同じ,
くもる,曇る,ラ行五段,自動詞,「どんよりと曇る空」「鏡が曇る」「涙で目が曇る」「悲しげに曇った表情」「声が曇る」,相互「くもらす・くもらせる」,,空が雲や霧などで覆われる、透明なものや光っていたものなどが他のものに薄く覆われたり遮られたりしてよく見通せない・輝きのない状態になる、悲しみや心配事のために心や顔つきなどに明るさが失われて沈んだ状態になる,
【くや】
くやむ,悔やむ,マ行五段,他動詞,「若い頃の不勉強が悔やまれる」「親友の死を悔やむ」,,,失敗したことや十分にできなかったことなどを後から残念に思う・後悔する、人の死を惜しみ哀しむ,
【くゆ】
くゆらす,燻らす(薫らす),サ行五段,他動詞,「タバコをくゆらす」,,,煙を緩やかに立ちのぼらせる・くゆらせる。「燻・薫」は同義,
【くら】
くらいこむ,食らい込む,マ行五段,他動詞,「三年も食らい込んだ」「人の借金を食らい込む」,,,刑務所などに入れられる、厄介なものを背負い込む,
くらいする,位する,サ行変格活用,自動詞,「業界トップに位する」「本州のほぼ中央に位する」,,,その地位や場所を占める・位置する,
くらいつく,食らい付く,カ行五段,自動詞,「魚が餌に食らいつく」「相手の腰に食らいついて離れない」「金儲けの話に食らいつく」,,,食いつく・噛みつく、しがみつく・しっかり取りつく,
くらう,食らう(喰らう),ワ行五段,他動詞,「大飯を食らう」「大酒を食らう」「小言を食らう」「パンチを食らう」,相互「くらわす・くらわせる」,,「食べる・飲む」のぞんざい、迷惑などを身に受ける・こうむる。「食」は噛んで飲み込む・食事する・飲む・生計を立てる・生活する、「喰」は食べる・食事する意,
くらす,暮らす,サ行五段,他動詞,「一日を読書で暮らす」「余生は郷里で暮らしたい」「少ない収入でなんとか暮らしている」,,,日が暮れるまで時間を過ごす・時を過ごす、日々を送る・月日を過ごす、生活する・生計を立てる,
くらす,暮らす,サ行五段,他動詞,「遊び暮らす」「泣き暮らす」,,,補助動詞。一日中そのことをし続ける意,
ぐらつく,ぐらつく,カ行五段,自動詞,「椅子がぐらつく」「奥歯がぐらつく」「自信がぐらつく」「信念がぐらつく」,,,安定しているべきものが不安定に揺れ動く・ぐらぐらする、気持ちや考えなどが揺れ動いて定まらなくなる,
くらべる,比べる(較べる・競べる),バ行下一段,他動詞,「身長を比べる」「今年は例年に比べ雪が少ない」「力の程を比べる」「腕前を比べる」,,,二つ以上のものを突き合わせて差異や優劣などを調べる・比較する、優劣や勝敗を競う・競争する。「比」は並べて善悪や優劣を考える・比較・照らし合わせる・比べ合わせる・対比、「較」は比較、「競」は競争・争う意,
くらます,晦ます(暗ます),サ行五段,他動詞,「行方をくらます」「姿をくらます」「人の目をくらます」,,,居場所をわからないようにする・見つけられないように身を隠す、行為や事実をごまかす・たぶらかす。「晦」はごまかす意,
くらむ,眩む(暗む・晦む),マ行五段,自動詞「照明に目が眩む」「目も眩むような断崖」「高熱で目が眩む」「金に目が眩む」,,,(「目がくらむ」の形で)強い光を受けて一時的に目が見えなくなる・過度の刺激を受けたり疲労から目が回る・ある物事に心を奪われて良し悪しの判断ができなくなる。「眩」は目がくらむ・めまいがする・惑う・心が惑う意,
くらわす,食らわす(喰らわす),サ行五段,他動詞,「酒でも食らわしとけ」「パンチを食らわす」「捨て台詞を食らわす」,相互「くらう」,,飲み食いさせる・食わす、強打や衝撃などを受けさせる・こうむらせる,
くらわせる,食らわせる(喰らわせる),サ行下一段,他動詞,「肘鉄を食らわせる」,相互「くらう」,,「くらわす」に同じ,
【くり】
くりあがる,繰り上がる,ラ行五段,自動詞,「先方の都合で会議の時間が三十分繰り上がる」「次点のA氏が繰り上がって議席を得た」,相互「くりあげる」,対語「くりさがる」,繰り上げられた状態になる、足し算である位の数の和が二桁になったとき一つ上の位に数が加わる,
くりあげる,繰り上げる,ガ行下一段,他動詞,「開催期日を繰り上げる」「余計を繰り上げて早めに帰る」「次点者を繰り上げる」「着順を繰り上げる」,相互「くりあがる」,対語「くりさげる」,期日や時間などを予定より早める、順に従って前に送る、算数である位の数の和が二桁になったとき一つ上の位に数を加える,
くりあわす,繰り合わす,サ行五段,他動詞,「時間を繰り合わして出席する」,,,「くりあわせる」に同じ,
くりあわせる,繰り合わせる,サ行下一段,他動詞,「日程を繰り合わせて帰郷する」,,,時間などをやりくりして都合をつける,
くりいれる,繰り入れる,ラ行下一段,他動詞,「綱を繰り入れる」「利子を元金に繰り入れる」,,対語「繰り出す」,細長いものをたぐって引き入れる・順に送り入れる、他の物や事柄の中に移動して入れる・組み入れる・編入する,
くりかえす,繰り返す,サ行五段,他動詞,「失敗を繰り返す」「歴史は繰り返す」,,,同じことをもう一度あるいは何度もする・反復する,
くりかえる,繰り替える,ア行下一段,他動詞,「予定を次の日に繰り替える」,,,他のものと入れ替える,
くりこす,繰り越す,サ行五段,他動詞,「残額を来月分へ繰り越す」,,,その期間に済まなかった物事を次へ送る、会計上繰り越しをする,
くりこむ,繰り込む,マ行五段,他動詞,「大挙して店に繰り込む」「縄を手元に繰り込む」「教育費を生活費に繰り込む」「大選手団を繰り込む」,,,大勢で揃って入り込む、手繰り寄せる、ある物事の中に組み入れる、大勢の人を入り込ませる,
くりさがる,繰り下がる,ラ行五段,自動詞,「順番が繰り下がる」,相互「くりさげる」,対語「くりあがる」,繰り下げられた状態になる、引き算である位の引かれる数が引く数よりも小さいとき引かれる数に十を加えた結果その次の位の数が一小さくなる,
くりさげる,繰り下げる,ガ行下一段,他動詞,「開演時間を繰り下げる」「順位を一つずつ繰り下げる」,相互「くりさがる」,対語「くりあげる」,期日や時間などを予定より遅くする、順に従って後に送る、引き算である位の引かれる数が引く数よりも小さいとき一つ上の位の数を一小さくして惹かれる数に十を加える,
くりだす,繰り出す,サ行五段,他動詞,「糸を繰り出す」「新手を繰り出す」「槍を繰り出す」「神輿を繰り出す」「盛り場へ繰り出す」,,対語「くりいれる」,細長いものを順々に引き出す、次々に送り出す、手元から勢いよく突き出す、大勢が揃って勢いよく出かける,
くりぬく,刳り貫く(刳り抜く),カ行五段,他動詞,「岸壁を刳り貫く」「目玉を刳り抜く」,,,物をえぐって穴を空ける、えぐって中の物を取り出す。「貫」はうがつ・突き通す、「抜」は引き抜く・抜いて取り除く・抜き出す意,
くりのべる,繰り延べる,バ行下一段,他動詞,「返済予定を繰り延べる」,,,日時や期限を先へ延ばす・延期する,
くりひろげる,繰り広げる,ガ行下一段,他動詞,「巻物を目の前に繰り広げる」「熱戦を繰り広げる」「華麗な舞台が繰り広げられる」,,,順々に広げる、新しい情景を次々に展開する,
くりもどす,繰り戻す,サ行五段,他動詞,「話を繰り戻す」,,,順々に元に戻す,
くりよせる,繰り寄せる,サ行下一段,他動詞,「漁網を繰り寄せる」「城壁に繰り寄せる敵軍」,,,たぐって手元に引き寄せる・手繰り寄せる、次々に詰め寄せる,
【くる】
くる,刳る,ラ行五段,他動詞,「刳って仕上げた木工用器」「襟を大きく刳ったドレス」,,,道具を使って者の内部や内側に穴を空ける・えぐる・くりぬく,
くる,繰る,ラ行五段,他動詞,「繭から糸を繰る」「素早く釣り糸を繰る」「雨戸を繰る」「日を繰ってみたらもう二ヶ月にもなる」「帳簿を繰る」「暦を繰る」,,,細長い物を順に引き出して物に巻きつけたり端から順に手元に引いてまとめたりする・たぐる、送り動かして移動させる、順に数える、紙などひと続きの綴じてあるものを順にめくる、綿繰り車にかけて綿花の種子を取り去る,
くる,来る,カ行変格活用,自動詞,「バスが来た」「留守に友人が来た」「便りが来る」「ようやく注文した本が来た」「この町にはまだガスが来ていない」「春が来た」「時間が来たので終わりにする」「ゆく年くる年」「もはや救いようのないところまできている」「使い詰めでガタがくる」「もともと体が弱いところへきてこの暑さですっかりまいってしまった」「ピンとくる」「胸にじんと来る温かい言葉」「数で来られたら敵わない」「疲労から来た病気」「倒産は経営の不手際から来ている」「ギリシア語から来た言葉」「酒と来るとからきし駄目だ」「甘いものと来たら目がない」,,,こちらに近づいたり着いたりする、物が届く、鉄道や水道などの設備が通じる、時間的に近づく・ある季節や時期や時間になる、事態が進んである状態に至る、何かによってある反応や感覚や感情が起こる、あるやり方でこちらに働きかける、(「からくる」の形で)そのことが原因や景気になってある事態が生じる・由来する、(「ときたら」「ときては」「とくると」などの形で)ある物事を特に取り上げて強調して言う意,
くる,来る,カ行変格活用,自動詞,「日増しに暖かくなってきた」「最近太ってきた」「再三注意してきたことだが」「改良を重ねてきた品種」「敵が押し寄せてくる」「付き添ってくる」,,,補助動詞。次第にその状態になる、前から続いている・し続ける、ある動作をしてもとに戻る・しに行って帰る,
くる,来る,カ行変格活用,自動詞,「いつか来た町」「また明日来ます」,,,自分が今いるところを再びまた以前に訪ねる・やってくる,
くる,来る,カ行変格活用,自動詞,「買い物に行ってくる」「外国の事情をつぶさに見てこようと思っている」,,,補助動詞。ある動作や状態をそのまま続けながらこちらへ近づく・そのようにしてこちらへ至る,
くるう,狂う,ワ行五段,自動詞,「気が狂う」「狂ったようにわめく」「時計が狂う」「音程の狂った歌声」「歯車が狂う」「手元が狂う」「見通しが狂う」「賭け事に狂う」「女に狂う」,相互「くるわせる・くるわす」,,働きや状態が正常でなくなる、狙いや南などが外れる・予測や計画通りにならない、異常に熱中して見境がつかなくなる・溺れる,
くるう,狂う,ワ行五段,自動詞,「踊り狂う」「荒れ狂う」,,,補助動詞。として普通の程度を越えて激しく動き回る,
くるしむ,苦しむ,マ行五段,自動詞,「病気に苦しむ」「腰に苦しむ」「貧乏で生活に苦しむ」「理解に苦しむ」「判断に苦しむ」「苦しんだ甲斐がある」,相互「くるしめる」,,体に痛みや苦しみを感じる、心につらく思う・思い悩む、思うような処理方法が見つからず困る・窮する、力を尽くして物事を行う・骨折る・苦労する,
くるしめる,マ行下一段,他動詞,「持病に苦しめられる」「無茶をして親を苦しめる」「質問責めにして講師を苦しめる」,相互「くるしむ」,,体に苦痛を与える、心に苦痛を与える、困らせる・閉口させる,
くるまる,包まる,ラ行五段,自動詞,「布団に包まって寝る」,相互「くるむ・くるめる」,,「つつまる」と同字,
くるむ,包む,マ行五段,他動詞,「書類を風呂敷で包む」,,,「つつむ」と同字,
くるめく,眩く,カ行五段,自動詞,「風にくるめく落ち葉」「目もくるめくばかりの心地」,,,物がくるくる回る・回転する、目が回る・めまいがする,
くるめる,包める,マ行下一段,他動詞,「荷物をひとつに包める」「毛布で体を包める」「うまうまと包められる」,相互「くるまる」,,ひとまとめにする・ひっくるめる、すっぽりとつつみ込む・くるむ、言葉巧みにごまかす・言いくるめる。「つつめる」と同字,
くるわす,狂わす,サ行五段,他動詞,「心を狂わす」「計画を狂わしてやる」,相互「くるう」,,「くるわせる」に同じ,
くるわせる,狂わせる,サ行下一段,他動詞,「子供の死が母親を狂わせた」「弱点を突かれたことが冷静な彼を狂わせた」「時計を狂わせる」「電波の乱れが画像を狂わせる」「天候が旅行の日程を狂わせた」,相互「くるう」,,働きや状態を正常でなくする、予定や計画が前もって考えていた通りにいかなくなる,
【くれ】
くれかかる,暮れ掛かる(暮れ懸かる),ラ行五段,自動詞,「暮れかかる秋空」,,,夕暮れになりはじめる・暮れ方になる,
くれなずむ,暮れなずむ,マ行五段,自動詞,「暮れなずむ空」,,,日が暮れそうでなかなか暮れないでいるさま,
くれのこる,暮れ残る,ラ行五段,自動詞,「暮れ残った空を渡る雁の一群」,,,日が沈んだ後しばらく明るさが残る,
くれはてる,暮れ果てる,タ行下一段,自動詞,「暮れ果てた空に星影が浮かぶ」,,,すっかり日が暮れてしまう,
くれゆく,暮れ行く,カ行五段,自動詞,「暮れ行く秋の一日」,,,日や季節や年などが暮れていく・ある期間が次第に終わりになっていく,
くれる,呉れる,ラ行下一段,他動詞,「いつも姉がお小遣いをくれる」「友達が妹に花をくれた」,,,人が自分にまたは自分の側の者にものを与える,
くれる,呉れる,ラ行下一段,他動詞,「手伝ってくれる」「秘密にしておいてくれ」「母がセーターを編んでくれる」,,,補助動詞。人が自分または自分の側の物に対して何かをする意,
くれる,呉れる,ラ行下一段,他動詞,「鳥に餌をくれる」,,,自分が相手にものを与える・相手に対してある好意をしたり加えたりする。相手を低いものとして卑しめる気持ちを込めた言い方で「くれてやる」の意になることも多い,
くれる,呉れる,ラ行下一段,他動詞,「痛い目に遭わせてくれるぞ」,,,補助動詞。こちらが相手に不利益になるようなことを与える意,
くれる,暮れる,ラ行下一段,自動詞,「日が暮れる」「今年も無事に暮れた」「今日も一日畑仕事で暮れた」,,対語「あける」,太陽が沈んであたりが暗くなる・夜になる、季節や年月が終わりに近づく、同じことを繰り返しして時が過ぎる・明け暮れする,
くれる,暮れる(暗れる),ラ行下一段,自動詞,「悲嘆に暮れる」「涙にくれる毎日」「途方に暮れる」「思案に暮れる」,,,悲しみなどで暗い気持ちのまま時を過ごす、どうしたらよいのか見通しが立たず困ってしまう・思い惑う。「暮」は迷う・苦しむ意、「暗」は知恵がない・愚かの意なので「暮」で統一,
くれる,眩れる,ラ行下一段,自動詞,「金に目が眩れる」,,,欲望に心を奪われて正常な判断ができなくなる・目がくらむ,
ぐれる,ぐれる,ラ行下一段,自動詞,「若いときにはグレたこともあった」,,,正しい道を踏み外す・不良化する,
【くろ】
くろずむ,黒ずむ,マ行五段,自動詞,「海面が黒ずんで見える」「黒ずんだ顔」,,,黒みを帯びる・黒ばむ,
くろばむ,黒ばむ,マ行五段,自動詞,「シャツの袖口が黒ばむ」,,,黒みを帯びる・黒ずむ,
【くわ】
くわえこむ,銜え込む,マ行五段,他動詞,「パイプをくわえ込む」,,,歯や唇で奥深くしっかりとくわえる,
くわえる,銜える(啣える・咥える),ア行下一段,他動詞,「楊枝をくわえる」「物欲しそうに指をくわえている」,,,口に軽く挟んで支える。「銜」は口の中にくわえる・心にとどめる・根に持つ、「啣」は「銜」の俗字、「咥」は嚼む・固いものを噛む意,
くわえる,加える,ア行下一段,他動詞,「だし汁を加える」「規約に一項を加える」「一行に加える」「役員に加える」「危害を加える」「一撃を加える」「手心を加える」「説明を加える」,相互「くわわる」,,今まであるものにさらに他のものを添えて合わせる・付け足す・数量や度合いを増す、同じことをする人の集まりに含める・仲間に入れる、ある作用を他に及ぼす・影響を与える,
くわす,食わす,サ行五段,他動詞,「何か食わしてくれ」「三年も冷や飯を食わされた」,相互「くう」,,「くわせる」に同じ,
くわせる,食わせる,サ行下一段,他動詞,「腹いっぱいに食わせる」「この収入では家族を食わせられない」「げんこつを一発食わせる」「まんまと一杯食わせてやった」「なかなか食わせる店だ」,相互「くう」,,物を食べさせる・飲食させる、扶養する・養う、(害を)与える・くらわす・こうむらせる、(「一杯食わせる」の形で)だます・あざむく、おいしい料理を出す,
くわだてる,企てる,タ行下一段,「乗っ取りを企てる」,,,計画を立てる・計画を試みるまたは実行しようとする,
くわれる,食われる,連語,自動詞,「主役が脇役に食われる」「新しく参入した会社に市場を食われる」,,,努力負けする・圧倒される,
くわわる,加わる,ラ行五段,自動詞,「会員が新しく加わる」「要素が加わる」「貫禄が加わる」「一行に加わる」「話に加わる」「暑さが加わる」「スピードが加わる」「圧力が加わる」,,,あるものにさらに他のものが添えられて数や量や程度が増す、ある事に参加する・仲間に入る、度合いが強くなる・その程度や状態が増す、ある作用が他に及ぶ・行き渡る,
【くん】
くんじる,薫じる,ザ行上一段,他動詞,「菊花薫じる秋」,,,「くんずる」の音変化,
くんずる,薫ずる,サ行変格活用,他動詞,「香を薫ずる」「緑風薫ずる候」,,,よい香りがする・かおる・かおらせる、風が若葉の香りを送ってくる,
くんずる,訓ずる,サ行変格活用,他動詞,「『話』を訓ずると『はなす』」,,,漢字を訓で読む・訓読する,
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