第39話 形容詞(や〜わ)
よみ,漢字,用例,対語,補記,
【やか】
やかましい,喧しい,「工事現場のやかましい音」「世間がやかましい」「何事にもやかましい人」「書類の手続きがやかましい」「躾にやかましい家庭」「規則がやかましい」「食べ物にやかましい人」,,声や物音などが騒がしい・うるさく不快である、いろいろいの人が話題にして騒がしい・また評判が高い、細々としていて面倒臭い・また小言が多くてわずらわしい、きびしい、好みなどが気難しい。「かしましい・かまびすしい」と同字,
【やさ】
やさしい,易しい,「易しい本」「優しく噛み砕いて話す」「誰にでもできる易しい仕事」「批評するだけなら易しい」,対語「むずかしい」,理解や習得がしやすい・単純でわかりやすい・平易である、解決や実現がたやすい・面倒なことがなく容易である,
やさしい,優しい,「優しい顔立ち」「声が優しい」「優しく慰める」「優しい言葉をかける」「気立ての優しい子」,,姿や様子などが優美である・上品で美しい、他人に対して思いやりがあり情けがこまやかである、性質が素直でしとやかである・穏和で好ましい感じである,
【やす】
やすい,安い(廉い),「安い買い物」「安くあがる」「給料が安い」,対語「たかい」,他に比べてまた普通より値段が低い・安価である,
やすい,安い,「安く見られる」「二人でお出かけとは安くない話だね」,,価値がない・軽々しい、(「安くない」の形で)男女の間が親密なさま・またそれを冷やかしていう語,
やすい,易い,「言うだけならいとも易いことだ」,,行なうのがやさしい・たやすい,
やすい,易い,「壊れやすいおもちゃ」「錆びやすい金属」「書きやすいペン」「相談しやすい人」,,補助形容詞。そうなりがちである・とかく〜する傾向にある・そうすることがたやすい・〜するのが容易である,
やすっぽい,安っぽい,「安っぽいブローチ」「安っぽいメロドラマ」「安っぽい同情はいらない」「安っぽい男」,,品物が劣っていていかにも値打ちがないように見えるさま、品格がない・下品である・また問題にする価値がない,
【やに】
やにこい,脂こい,「ヤニこい材質」「ヤニこい男」,,ヤニの成分が多い・粘りけが多い、しつこい・くどい,
やにっこい,脂っこい,「ヤニっこい焚き木」「ヤニっこい目つき」,,「やにこい」に同じ,
【やば】
やばい,やばい,「やばい商売」「連絡だけでもしておかないとやばいぞ」,,危険や不都合な状況が予測されるさま・あぶない,
【やほ】
やぼくさい,野暮臭い,「ヤボくさい身なり」,,いかにもやぼな感じである,
やぼったい,野暮ったい,「ヤボったい服装」,,やぼな感じだ・垢抜けない,
【やま】
やましい,疚しい(疾しい),「何もやましいことはしていない」,,良心がとがめる・後ろめたい。「疚」はやましい・気がとがめる・良心に恥じる、「疾」はやむ・病気になる・悩む・苦しむ意。「病(や)む」の形容詞化なのでかな書きに統一,
やまない,止まない(已まない),「ご活躍を願ってやまない」,,連語(「〜してやまない」の形で)どこまでも〜する・〜しないではいられない,
【やみ】
やみがたい,止み難い,「やみがたい追慕の念」,,抑え切れない,
【やむ】
やむない,止む無い(已む無い),「やむない決断」「やむなく同意する」,,仕方がない・やむをえない,
【やや】
ややこしい,ややこしい,「話がややこしくなってきた」,,複雑である・込み入ってわずらわしい,
【やり】
やりきれない,遣り切れない,「仕事が多くて期限までにやりきれない」「暑くてやりきれない」,,連語。やり遂げることができない、我慢できない・耐えられない,
やりにくい,遣り難い,「段取りが悪くて作業がやりにくい」,,物事を行なうのに困難を覚えるさま・うまく事を運ぶのが難しい・やりづらい,
【やる】
やるかたない,遣る方無い,「憤懣やるかたない」「やるかたない思い」,,心のわだかまりを晴らす方法がない,
やるせない,遣る瀬無い,「故意を失ったやるせない思い」,,思いを晴らすすべがない・せつない,
【やわ】
やわい,柔い,「柔い紙」「柔い造りの本」,,「やわらかい」に同じ、堅固に出来ていない・壊れやすい,
やわらかい,柔らかい,「柔らかい食べ物」「柔らかい毛布」「足腰が柔らかい」「お手柔らかに」「人当たりが柔らかい」「身のこなしが柔らかい」「柔らかい物腰」「柔らかい光」,対語「剛」,ふっくらとして堅くない・またしなやかである、穏やかである・柔和である。「柔」はやわらか・やわらかい・しなやか・弱い・弱々しい・もろい・おだやか・やさしい意。
やわらかい,軟らかい,「土質が軟らかい」「文章や表現が軟らかい」「軟らかい話」「頭が軟らかい」「軟らかい炭」「軟らかい木材」「軟らかく煮た大根」,対語「かたい」,堅苦しくない・融通がきく、手応えや歯応えがない・堅苦しくない。「軟」はやわらかい・やわらか・堅くない・強くない・しなやか・やさしい・穏やか・柔順・堅苦しくない意,
【やん】
やんごとない,止ん事無い,「やんごとない生まれ」「やんごとないお方」,,家柄や身分がひじょうに高い・高貴である,
【ゆえ】
ゆえない,故無い,「故ない寂しさ」「故なくして咎めを受ける」,,何の理由もない・いわれがない,
【ゆか】
ゆかしい,床しい(懐しい),「ゆかしい人柄」「古都のゆかしい風情」「古式ゆかしい祭礼」,,気品や情趣などがありどことなく心が惹かれるようである、なつかしく感じられる・昔がしのばれるようすである。「床・懐」ともに当て字なのでかな書きに統一,
【ゆゆ】
ゆゆしい,由由しい(忌忌しい),「由由しい事態」,,程度が甚だしい・また重大である・容易ならない。「忌忌しい」は常用外読みなので「由由しい」に統一,
【ゆる】
ゆるい,緩い,「ネジが緩くなる」「靴が緩い」「緩いカーブを描く」「緩い坂」「流れが緩い」「緩い罰則」「緩い便」,,張り具合いや締め具合か弱い・また隙間などがありぴったりとしない、曲がり方や傾斜などが急激でない、激しくない・勢いが弱い・またゆっくりしている、規則などが厳しくない・寛大である、水分が多く軟らかい,
ゆるぎない,揺るぎ無い,「揺るぎない自信」「支持基盤を揺るぎないものとする」,,動揺がない・確固としている,
【よい】
よい,良い(好い),「良い友に恵まれる」「良い品」「腕の良い職人」「感度の良いラジオ・器量が良い」「良い景色」「体もすっかり良くなった」「気分の良い朝」「良い家柄」「育ちの良い人」「懐具合いが良い」「暮らし向きが良い」「割の良い仕事」「良い値で売れる」「胃腸病に良い温泉」「海水浴に良い季節」「ちょうど良い時に来た」,対語「わるい」,人の行動や性質や事物の状態などが水準を超えているさま・質が高い・上等である・能力が優れている・上手である・うまい・美しい・素晴らしい・良好である・健全である・健康である・地位や身分が高い・また社会的にしっかりしている・経済的に栄えている・裕福である・利益の面ですぐれている・有益である・有利である・効き目がある・効果的である・向いている・ふさわしい・恰好である・好適である。「良」はよい・いい・富んでいる・豊か・すぐれている・まさっている・長じている・めでたい・うんがよい・やすらか・おだやか・すなお・おとなしい、「好」はよい・いい・このましい・正しい・すぐれている・りっぱな・人柄がよい・美しい・みめよい・睦まじい・仲がよい意,
よい,良い(好い),「私はビールが良い」「住むなら郊外が良い」,,自分の好みに合っている・望ましい,
よい,良い(善い),「日頃の行ないが善い」「態度が善い」「人柄が善い」「土地の人に良くしてもらう」「気立てが良い」「職場の人間関係が良い」「度胸の良い人」「覚悟は良いか」,対語「わるい」,人の行動や性質や事物の状態などが当否の面で適切や適当な水準に達しているさま・正しい・正当である・善である、親切である・やさしい・人と人との間が円満である・睦まじい・十分である・不足がない。「善」はよい・いい・正しい・道理に適っている・すぐれている・りっぱ・美しい・たくみ・じょうず・睦まじい・仲がよい,
よい,良い(善い),「返事に元気があって良い」「ひとりで良い思いをする」「君に会えて良かった」,,,好ましい・好感がもてる・満ち足りている・幸せである,
よい,吉い(好い・佳い),「好い日を選んで挙式する」,相互「わるい」,吉である・めでたい。「吉」はよい・すぐれている・りっぱ・善・めでたい、「佳」はよい・美しい・すぐれている・りっぱである意,
よい,良い(善い・好い・吉い・佳い),「帰ってもよい」「代理人でもよい」「よかったらお茶でどうですか」「その件はもうよい」「よい年をしてケンカなどするな」「彼の息子ももうよい年だ」,,人の行動や性質や事物の状態などが許容範囲内であるさま・許せる・承認できる・さしつかえない・支障ない・放っておいてもかまわない・どうでもよい、(「よい年」などの形で)ある程度の年齢に達している・また分別を身につけているはずだ。かな書きに統一,
よい,よい,「住みよい家」「飲みよい錠剤」,,補助形容詞。動作が簡単や容易や円滑や安楽にできるさまを表す・〜しやすい,
【よう】
ようじんぶかい,用心深い,「失礼がないように用心深く発言する」,,よく注意して十分に心を配っている・警戒心が強い,
【よか】
よからぬ,良からぬ,「良からぬ相手と付き合う」「良からぬ噂」,連語。良くない・良いとはいえない,
【よき】
よぎない,余儀無い,「辞任を余儀なくされる」「余儀ない事情で参加を見合わせる」,,他になすべき方法がない・やむをえない,
【よく】
よくぶかい,欲深い,「欲深い人」「欲深い頼み」,,欲しがる気持ちが度を超えている・欲張りである,
【よし】
よしない,由無い,「由ない言い分を繰り返す」「由ない長話」「由なく諦める」,,そうするいわれがない・理由がない、その甲斐がない・つまらない・くだらない、なすべき方法がない・しかたがない・やむをえない,
【よそ】
よそよそしい,余所余所しい,「よそよそしい態度をとる」「わざとよそよそしくする」,,隔てがましく冷淡である・親しみがない・他人行儀である,
【よね】
よねんない,余念無い,「余念なく観察する」,,一つのことに精神を集中して他のことを考えないさま,
【よろ】
よろこばしい,喜ばしい(悦ばしい),「こんな喜ばしいことはない」「喜ばしい知らせ」,,喜ぶべき状態である・うれしい,
よろしい,宜しい,「仕上がりはこちらがよろしい」「ご子息は頭がよろしい」「気分はあまりよろしくない」「育ちがよろしくていらっしゃる」「この方式のほうが利率がよろしい」「客商売によろしい立地」「看板は目立つほうがよろしい」「おとなしいお子さんでよろしいですね」「心がけがよろしい」「お二人はほんとうに仲がよろしいのね」「本日はお日柄もよろしいようで」,,「よい」の丁寧な言い方。能力や質がすぐれているさま・程度が高い、健全だ・健康だ、地位や身分が高い・また裕福だ、有利だ・価値が高い、向いている・ふさわしい・効き目がある、好ましい・望ましい、正しい・正当だ・善だ、人にやさしい・人との仲が円満だ、吉にかなってめでたい,
よろしい,宜しい,「お引き取りいただいてもよろしいですよ」「よろしい、引き受けましょう」「いつでもよろしいから一度相談に来なさい」「私のことはよろしいからどうぞそのまま続けてください」「建前などはよろしい。本音を言いたまえ」,,「よい」の丁寧なまた尊大ぶった言い方。許容範囲内であるさま、許可できる、さしつかえない・支障ない、どうでもよい・不要だ・無用だ,
【よわ】
よわい,弱い,「権力に弱い」「弱いチーム」「体が弱い」「皮膚が弱い」「気が弱い」「弱い人間」「摩擦に弱い布」「ムードに弱い人」「車に弱くて酔いやすい」「酒に弱い」「日差しが弱い」「弱い酒」「作用の弱い薬」「紐の結び方が弱い」「手をそっと弱く握る」「寂しそうに弱く笑う」「弱い声で答える」「コントラストが弱い」「印象の弱い人」「朝は弱くて起きられない」「機械に弱い」,対語「つよい」,力や技が劣っている、心身が丈夫でない・病弱である、意志が堅固でない・心がぐらつきやすい、環境や条件に屈しやすい・物事に耐える力がとぼしい、程度や度合いが小さい、ゆるみがある・固くない、決意が印字られない・厳しさがない、鮮明でない・ぼんやりしている、不得手である,
よわよわしい,弱弱しい,「弱弱しい体つき」「弱弱しい声で答える」,,いかにも弱そうである・力や元気がなさそうである,
【よん】
よんどころない,拠ん所無い(拠無い),「よんどころない事情があって欠席する」,,そうするよりしかたがない・やむをえない,
よみ,漢字,用例,対語,補記,
【りく】
りくつっぽい,理屈っぽい,「神経質で理屈っぽい人」,,理屈を言う傾向がある・理屈が多い,
【りり】
りりしい,凛凛しい(律律しい),「凛凛しい若者」,,きりっと引き締まっているさま,
【れい】
れいれいしい,麗麗しい,「麗麗しく飾る」,,ことさらに人目に立つようにするさま,
【ろく】
ろくでもない,陸でも無い(碌でも無い),「ろくでもない仕事を引き受ける」,,無意味で何の値打ちもない・くだらない,
【わか】
わかい,若い,「若い頃」「若い女性」「若い樹木」「若い芽」「若い国」「若い産業」「私より三つ若い」「気持ちが若い」「年の割に体が若い」「考え方が若い」「すぐ顔色に出るようではまだ若い」「若い番号」,,生まれてから多くの年数を経ていない・年齢が少ない、草木などが生え出てからあまり経っていない、できてからの時間が短い・まだ十分に発達していない、他の人に比べて年齢が下である、衰えていない・世紀に満ちている・若々しい、世慣れていない・経験が少なく未熟である、数字や番号が他と比べてゼロに近い・数が少ない,
わかちがたい,分かち難い,「分かちがたい絆」,,分けるのが難しい・非常に密接な関係にある,
わかわかしい,若若しい,「若若しい声」,,いかにも若く見える,
【わけ】
わけない,訳無い,「問題を訳なく解いてみせる」,,簡単である・面倒なことがない,
【わさ】
わざとがましい,態とがましい,「わざとがましいお世辞」,,「わざとらしい」に同じ,
わざとらしい,態とらしい,「わざとらしく笑ってみせる」,,いかにも意識してしたようで不自然である,
【わす】
わずらわしい,煩わしい,「近所付き合いが煩わしい」「雨の日は出かけるのが煩わしい」「煩わしい事務手続き」,,,心を悩ましてうるさい・面倒でできれば避けたい気持ちである、込み入っていて複雑である,
わすれがたい,忘れ難い,「忘れがたい経験」,,忘れられない,
わすれっぽい,忘れっぽい,「年をとると忘れっぽくなる」,,忘れやすい性質である,
【わひ】
わびしい,侘しい,「人里離れた侘しい田舎」「一人侘びしく夕食をとる」「侘しい下宿生活」「侘しい住居」,,,ひどくもの静かでさびしい、心が慰められないさま・心細い、貧しくてあわれなさま・みすぼらしい,
【わり】
わりない,理無い,「いつしかわりない仲になる」,,理屈や分別を超えて親しい・非常に親密である・多く男女関係についていう,
【わる】
わるい,悪い,「成績が悪い」「画質の悪いテレビ」「方向感覚が悪い」「やり方が悪い」「スタイルが悪い」「長めが悪い」「体調が悪い」「胃が悪い」「悪い家庭環境」「景気が悪い」「金回りが悪い」「悪い役割」「利率が悪い」「手助けしたのが帰って悪かった」「悪いところで悪い人に会ってしまった」「間(ま)が悪い」,対語「よい」,人の行動や性質や事物の状態などが水準より劣っているさま・質が低い・下等である・能力が劣っている・下手である・美的な面で劣っている・醜い、正常や良好な状態でない・すぐれない、地位や身分が低いまた社会的にしっかりしていない・経済的に衰えている・貧乏である・利益の面で劣っている・損である・ふりである・好ましくない効果やよくない結果をもたらすさま・逆効果である・ふさわしくない・服着である・不適当である,
わるい,悪い,「心がけが悪い」「人を悪く言う」「客扱いが悪い」「心の配り方が悪い」「兄弟仲が悪い」「整理が悪いからすぐ物をなくす」「結婚式には日が悪い」「占いが悪い」,対語「よい」,人の行動や性質の状態が正邪や当否の判断基準に達していないさま・正しくない・不当である・善でない・不親切である・やさしくない・人と人との間が円満でない・不足している・万全でない、不吉である・縁起がよくない・めでたくない,
わるい,悪い,「弁当の魚が悪くなっている」「心配をかけて悪いね」「悪いけれど先に帰るよ」「悪い悪い。今度埋め合わせします」,,(多く「悪くなる」の形で)食べ物が傷んでいる・食べられないほど鮮度が落ちている、謝罪や感謝の胃を表す語・申し訳ない・すまない,
わるい,悪い,「気味悪い」「気色(きしょく)悪い」,,補助形容詞。不快な気持ちを表す形容詞を作る,
わるがしこい,悪賢い,「悪賢い子ども」,,悪いほうによく知恵がまわる・ずるくて抜け目がない,
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