第11話 動詞(す)

よみ,漢字,活用,自他,用例,相互,対語,補記,


【すい】

すいあげる,吸い上げる,ガ行下一段,他動詞,「ポンプで水を吸い上げる」「儲けの一部を親会社に吸い上げられる」「消費者の声を吸い上げる」,,,気体や液体などを吸い込んで上方へ上げる、人の利益を搾り取る、上層部が一般の人々の意見を取り上げて役立てようとする,


すいいれる,吸い入れる,ラ行下一段,他動詞,「吸入器の蒸気を吸い入れる」,相互「すいだす」,,吸って中に入れ込む・吸い込む・吸入する,


すいこむ,吸い込む,マ行五段,他動詞,「深く息を吸い込む」「地面が雨を吸い込む」「乗客の大半は駅前の競技場に吸い込まれていった」「眠りに吸い込まれる」,相互「すいだす」,,液体や気体などを吸って中の方まで入れる、人や物を中に引き入れたり包み込んだりする,


すいだす,吸い出す,サ行五段,他動詞,「蛇の毒を吸い出す」「赤ちゃんが乳を吸いだす」,相互「すいいれる・すいこむ」,,中にいるものを吸って外へ出す、吸いはじめる,


すいつく,吸い付く,カ行五段,自動詞,「ヒルがスネに吸いつく」「テレビの画面に吸いつく」,相互「すいつける」,,吸うためにぴったりとくっつく、ぴったりと付いて離れないでいる・密着する,


すいつける,吸い付ける,カ行下一段,他動詞,「磁石で鉄釘を吸いつける」「軽いタバコを吸いつけている」,相互「すいつく」,,ぴたりとくっついて離れないようにする・吸いつかせる、いつも吸っている・吸い慣れる,


すいとる,吸い取る,ラ行五段,他動詞,「養分を吸い取る」「こぼした水を雑巾で吸い取る」「掃除機でチリを吸い取る」「儲けを吸い取られる」,,,他の物の水分などを吸い出して自分の中に取り込む・吸収する、液体や気体などを吸い込ませて取り除く、他人の得た利益などを取り上げる・しぼり取る,


すいよせる,吸い寄せる,サ行下一段,他動詞,「鉄くずを磁石で吸い寄せる」「派手な宣伝で客を吸い寄せる」,,,吸って近くに引き寄せる、人の目や気持ちなどを惹きつける,



【すう】

すう,吸う,ワ行五段,他動詞,「大きく息を吸う」「タバコを吸う」「蚊が血を吸う」「蜜を吸う」「赤ん坊が指を吸う」「口を吸う」「この掃除機はよくゴミを吸う」「地面が水を吸う」「磁石が鉄を吸う」,,,気体や液体を口や鼻から体の中に引き入れる、口に引き入れるようにして含む・接吻する、引きつけるようにして中に取り込む・吸引する、水分などを染み込ませて取る・吸収する、引き寄せる・引きつける,



【すえ】

すえおく,据え置く,カ行五段,他動詞,「庭に石灯籠を据え置く」「運賃を据え置く」「拡張計画が据え置かれる」「満期の定期預金を据え置く」,,,場所を定めて据え備える、動かさないでまたてをつけないでそのままの状態にしておく、預貯金や公社債などを一定期間払い戻し償還しないでおく,


すえつける,据え付ける,カ行下一段,他動詞,「防犯カメラを据え付ける」,,,物をある場所に据えて固定する,


すえる,据える,ア行下一段,他動詞,「大砲を据える」「三脚を据える」「本陣を据える」「関所を据える」「上座に据える」「部長に据える」「見張りに据える」「度胸を据える」「腹を据える」「目を据える」「灸を据える」「印を据える」,相互「すわる」,,物をある場所に動かないように置く、建造物などを設ける、位置を定めて人を座らせる、ある地位や任務に就かせる、心をしっかりと居定まらせる、厳しい視線を置き続ける、灸をする、捺印する,

すえる,饐える,ア行下一段,他動詞,「ご飯がすえる」「すえたにおい」,,,飲食物が腐って酸っぱくなる,


すかしみる,透かし見る,マ行上一段,他動詞,「黒いガラス板から日食を透かし見る」「膜の間から透かし見る」「闇の中で透かし見る」,,,透けた物を通して向こうを見る、隙間を通して向こうを見る、よく見えないものを目を凝らして見る,


すかす,すかす,サ行五段,自動詞,「めかし込んですかす」「すかした歩き方」,,,すまし込む・気取る,

すかす,空かす,サ行五段,他動詞,「子どもがお腹を空かして待つ」,,,(「腹を空かす」などの形で)空腹になる,

すかす,透かす,サ行五段,他動詞,「板を透かして作った縁台」「剪定して枝を透かす」「手を透かす」「出ばなを透かされる」「ガラスを透かして見る」「模様を透かした紙」「こっそり透かす」,,,物と物との間隔を少しあける・すき間を作る、混んでいる物を間引いてまばらにする・間隔を粗くする、あけておく・時間をあける、タイミングを外して肩透かしを食わせる、間から通るようにする・物を通して見えるようにする、透けて見えるようにする、音を立てないで屁をする,

すかす,賺す,サ行五段,他動詞,「子どもをすかして寝させる」「脅したりすかしたりして行かせる」「弟をすかしておやつを取り上げる」,,,機嫌をとってこちらの言うことを聞き入れるようにさせる、言いくるめてだます,


すがめる,眇める,マ行下一段,他動詞,「目をすがめて狙いをつける」「ためつすがめつ」,,,片目を細くする・片目を細くして見る,


すがりつく,縋り付く,カ行五段,自動詞,「泣きながらすがりつく」「先生の一言にすがりつく」,,,頼りにしてしっかりとつかまる、たのみとする・頼る,


すがる,嵌がる,ラ行五段,自動詞,「鼻緒がうまくすがる」,,,はめ込まれる・すげられる,

すがる,縋る,ラ行五段,自動詞,「命綱にすがる」「手すりにすがって歩く」「人の情けにすがる」,,,頼りとするものに捕まる、助力を求めて頼りとする,



【すき】

すきあう,好き合う,ワ行五段,自動詞,「好き合って一緒になる」,,,互いに好く・恋し合う,


すきおこす,鋤き起こす,サ行五段,他動詞,「畑を鋤き起こす」,,,鋤で土を掘り起こして耕す,


すきかえす,漉き返す(抄き返す),サ行五段,他動詞,「漉き返して再利用する」,,,反故紙などを水に溶かし漉き直して再び紙にする。「漉・抄」はともに紙をすく意,

すきかえす,鋤き返す,サ行五段,他動詞,「他を鋤き返す」,,,鋤や鍬で土を掘り返す,


すきこのむ,好き好む,マ行五段,自動詞,「好き好んで苦労をする者はいない」,,,(多く「好き好んで」の形で)とくに好む・とりわけ好きになる,


すきこむ,漉き込む(抄き込む),マ行五段,他動詞,「雪の模様を漉き込む」,,,紙に文字や模様が現れるようにふつうの原料以外の繊維を混ぜて漉く・木の葉などを中に入れて漉く,


すぎさる,過ぎ去る,ラ行五段,自動詞,「台風が過ぎ去る」「過ぎ去ったことは言うまい」「過ぎ去りし青春の日々」,,,その場所を通り過ぎて行ってしまう、時間が経って過去のものになってしまう,


すきだす,漉き出す(抄き出す),サ行五段,他動詞,「和紙を漉き出す」,,,漉いて紙を作る,


すきとおる,透き通る(透き徹る),ラ行五段,自動詞,「湖の底まで透き通っている」「美しく響く透き通った声」,,,物を通して中や向こう側が見える、声や音が澄んでいてよく聞こえる。「通」は貫く・先へ進む・届く、「徹」は突き通す・届く意,

すきとる,剥き取る,ラ行五段,他動詞,「表の皮を剥き取る」,,,包丁で薄くはぐように切る,


すぎゆく,過ぎ行く,カ行五段,自動詞,「人々が足早に過ぎ行く」「月日が過ぎ行く」,,,通ってゆく・通り越してゆく、時が移ってゆく,


すぎる,過ぎる,ガ行上一段,他動詞,「列車は京都駅を過ぎた」「優勝パレードが過ぎていった」「嵐が過ぎる」「予定の時間が過ぎる」「過ぎた昔を懐かしむ」「夏休みもあっけなく過ぎた」「盛りを過ぎる」「六十を過ぎても髪は黒黒している」「二十歳を過ぎる」「イタズラが過ぎる」「ワガママが過ぎる」「彼には過ぎた女房だ」「これに過ぎる名誉はない」「小学校時代はごく平凡な生徒に過ぎなかった」「興の事件は氷山の一角に過ぎない」,,,ある場所を通り越す・通過する・通りすぎる、時間が経過する・時が経つ・時が移りその時間や時期が終わりになる、一定の数量を超える、普通の程度や水準を超えている、(「〜にすぎる」の形で)釣り合わないほど優れている・勝る・分以上である、(「〜にすぎない」の形で)ただ〜であるだけのことである・それ以上のものではない・〜でしかない,

すぎる,過ぎる,ガ行上一段,他動詞,「目立ちすぎる」「働きすぎる」「テレビの音が大きすぎる」「欲がなさすぎる」「地味すぎる着物」,,,補助動詞。行為や状態などが度を越えている・甚だしく〜する・甚だしく〜である,



【すく】

すく,好く,カ行五段,自動詞,「誰からも好かれる」「賭け事はどうも好きない」「好いて好かれて一緒になる」「好いた同士」,,,人や物事に心が惹きつけられる・魅力を感じる・このむ、異性として愛情を抱く,

すく,空く,カ行五段,自動詞,「ガラガラに空いた電車」「道路が空く」「腹が空く」「胸の空く思い」「手が空いたら手伝ってくれ」,,,ある空間を満たしていた人や物が少なくなってあきができる・まばらになる・減る、空腹になる、(「胸が空く」などの形で)つかえていたものがなくなりすっとする・心が晴れる、(「手が空く」の形で)当面することがなく暇ができる・暇になる。「あく」と同字,

すく,透く,カ行五段,自動詞,「板目の合せ目が透く」「川底まで透いて見える」「木の間を透いて光が漏れる」,,,隙間が生じる、物を通して中や向こう側が見える、物の間を通り抜ける,

すく,鋤く,ガ行五段,他動詞,「田を鋤く」,,,鋤や鍬などで田畑の土を耕す,

すく,梳く,カ行五段,他動詞,「髪を梳く」,,,櫛などで髪をとかす・くしけずる。「とく」と同字,

すく,剥く,カ行五段,他動詞,「皮を剥く」,,,薄く切る・薄く削り取る・そぐ,

すく,結く(編く),カ行五段,他動詞,「漁網を結く」,,,糸で網などを編む,


すくいあげる,掬い上げる,ガ行下一段,他動詞,「魚を網ですくい上げる」,,,すくって引き上げる,


すくいだす,救い出す,サ行五段,他動詞,「人質を救い出す」,,,助け出す・救出する,


すくう,掬う(抄う),ワ行五段,他動詞,「手で水をすくう」「さじで砂糖をすくう」「杓子でアクをすくう」「メダカをすくう」「足をすくわれる」「小股をすくう」,,,手のひらやさじなどを使って表面に近い部分をえぐるようにして取り出す・表面に透いているものやその中にあるものを下から受けるようにして取り出す、下から上へ素早く持ち上げる・下から持ち上げるようにして横に払う。「掬」はむすぶ・両手で汲み上げる、「抄」はさじですくい取る意,

すくう,救う(済う),ワ行五段,他動詞,「人命を救う」「地球環境を救う」「信仰に救われる」「堕落の道から生徒を救う」「重病だが本人が明るいので救われれる」「仕事がきついうえに給料が安いのでは救われない」,,,危機的な状況や苦しい境遇や悪い環境などにある人に力を貸したり金品を与えたりしてそこから抜け出させる・助ける・救助する・救済する、神仏などのちからによって平安な心的状態に導いたり迷いや悩みを取り除いたりする、好ましくない滋養体から逃れ出させ良いほうに進むように導く、(多く「救われる」の形で)悪い条件を相殺する・不安や不満などが一応解消する。「救」は力や物を貸して助ける・守る・悪事や過失をやめさせ正しくしてやる、「済」はたすける意なので「救」で統一,

すくう,巣食う,ワ行五段,自動詞,「軒にツバメが巣食う」「暴力団の巣食う町」「妄想が巣食う」「病魔が巣食う」,,,巣を作って棲む、よくない人間が集まって住む、悪い考えや病気などが宿る,


すくみあがる,竦み上がる,ラ行五段,自動詞,「にらみつけられてすくみあがる」,,,恐ろしさのあまり動けなくなる,


すくむ,竦む,マ行五段,自動詞,「断崖絶壁の上に立って足がすくむ」「恥ずかしさのあまり身がすくむ」,相互「すくめる」,,驚きや恐れや極度の緊張などのために体がこわばって動かなくなる、体が小さくなる,


すくめる,竦める,マ行下一段,他動詞,「首をすくめる」「物陰に身をすくめて隠れる」「抱きすくめる」,相互「すくむ」,,体の一部などを縮ませる・体を小さくする、押さえつける・押さえて動けないようにする,


すぐる,選る,ラ行五段,他動詞,「優秀な選手を選る」「わらを選る」,,,多くの中から優れたものを選び出す・えりぬく、こく・しごく。「える・よる」と同字,


すぐれる,優れる,ラ行下一段,自動詞,「語学に優れる」「優れた作品」,,,能力や容姿や価値などが他よりまさる・他より抜きん出る,

すぐれる,優れる(勝れる),ラ行下一段,自動詞,「健康がすぐれない」「天候がすぐれない」,,,(多く打ち消しを伴って)良い状態である。「優」はすぐれるで「劣る」の対語、「勝」はすぐれたこと・すぐれたところの意,



【すけ】

すげかえる,挿げ替える(箝げ替える),ア行下一段,他動詞,「鼻緒をすげ替える」「局長の首をすげ替える」,,,新しく別のものをすげて付け替える、その地位から外して別の人をつける。「挿」は本体にはめ込む、「箝」は差し込む・はめ込む意。かな書きで統一,


すける,透ける,カ行下一段,自動詞,「肌が透けて見える」,,,物を通してその中や向こう側が見える,


すげる,挿げる(箝げる),ガ行下一段,他動詞,「人形の首をすげる」,,,はめ込む・差し込む・そのようにして取り付ける。「挿」は本体にはめ込む、「箝」は差し込む・はめ込む意。かな書きで統一,



【すこ】

すごす,過ごす,サ行五段,自動詞,「休日は子どもと遊んで過ごした」「その後はいかがお過ごしですか」「冗談も度を過ぎると不愉快だ」「友だちに勧められてついつい過ごしてしまった」「どうぞひとつお過ごしください」,,,何かをして時間を費やす、月日を送る・暮らす、物事の程度を越す・とくに酒を飲みすぎる・酒を飲む,

すごす,過ごす,サ行五段,自動詞,「遊び過ごす」「寝過ごす」「見過ごす」「やり過ごす」,,,補助動詞。適当な程度を越して事をする・そのままにしておく,


すごむ,凄む,マ行五段,自動詞,「ハッタリで凄んで見せる」,,,人を脅すような言葉や態度をとる,


すごもる,巣籠もる,ラ行五段,自動詞,「親鳥がひなを孵すために巣籠もる」,,,鳥などが巣にこもる,



【すさ】

すさぶ,荒ぶ(遊ぶ),バ行五段,自動詞,「心が荒ぶ」「芸が荒ぶ」「嵐が荒ぶ」「吹き荒ぶ」,,,気持ちや生活態度にゆとりや潤いなどがなくなる・とげとげしくなる・荒れる、細かなところにまで注意が求められる芸などが荒れて雑になる、ある方向にいよいよ進む・とくに雨や風などの勢いが増す。「荒」は生活が荒れる・度を越す・つのる・おぼれる、「遊」は奏楽の古語・酒色の楽しみの意なので「荒」で統一,


すさむ,荒む(遊む),マ行五段,自動詞,「気持ちが荒む」「生活が荒む」「最近の彼の芸は荒んでいる」「寒風が荒む」「酒色に遊む」,,,心の持ち方や行動などが乱れてきてゆとりやおおらかさがなくなる・とげとげした状態になる、物事の繊細さや上品さが失われて粗雑になる、雨や風などの勢いが激しくなる、ふけりおぼれる「荒」は生活が荒れる・度を越す・つのる・おぼれる、「遊」は奏楽の古語・酒色の楽しみの意,



【すし】

すじだつ,筋立つ,タ行五段,自動詞,「筋立った腕」,,,筋が張る・筋張る,


すじだてる,筋立てる,タ行下一段,自動詞,「筋立てて説明する」,,,話の筋道を立てる,


すじはる,筋張る,ラ行五段,自動詞,「筋張った腕」「筋張ったものの言い方」,,,筋が表面に張り出る・筋が盛り上がっている、話や態度などが堅苦しくなる,



【すす】

すすぐ,濯ぐ,ガ行五段,他動詞,「洗濯物をすすぐ」「手足をすすぐ」,,,汚れを水で洗い落とす。「ゆすぐ」と同字,

すすぐ,漱ぐ,ガ行五段,他動詞,「口を漱ぐ」,,,水などで口の中を綺麗にする・うがいをする・ゆすぐ,

すすぐ,雪ぐ,ガ行五段,他動詞「恥を雪ぐ」「汚名を雪ぐ」,,,身に受けた恥や不名誉を除き去る,


すすける,煤ける,カ行下一段,自動詞,「鍋が煤ける」「壁が煤ける」,,,すすがついて黒く汚れる、古くなって汚れた色になる,


すすばむ,煤ばむ,マ行五段,自動詞,「壁が煤ばんでいる」,,,すすで黒くなる・すすける,


すすむ,進む,マ行五段,自動詞,「一歩進んで礼をする」「出口に向かって進む」,,対語「しりぞく」,前方に向かって動く・動いて先へ行く・前進する,

すすむ,進む,マ行五段,自動詞,「仕事が進む」「研究が進む」「開発が進む」「暑さ続きで食が進まない」「世の中が進む」「先進国の進んだ技術を学ぶ」「管理職まで進む」「中学に進む」「決商戦に進む」「近視が進む」「インフレが進む」「自然破壊が進む」「法曹界に進む」「気が進まない」「進んでつらい仕事を引き受ける」,相互「すすめる」,,物事がはかどる・進行する、盛んになる・勢いがつく、物事の程度や状態がその度合を増す・上達する・進歩や進展する、階級や段階が上がる・昇級や昇進する、病状などが悪くなる・悪化する・ひどくなる、目指す方向に行く・ある分野で身を立てる・志す、乗り気になる・積極的になる,

すすむ,進む,マ行五段,自動詞,「進んだ考えの持ち主」「この時計は日に一分進む」,相互「すすめる」,対語「おくれる」,他よりも先を行く・先行する,


すずむ,涼む,マ行五段,自動詞,「川原で涼む」,,,風に当たったり涼しい場所に行ったりして暑さを避ける,


すすめる,進める,マ行下一段,他動詞,「馬を進める」「歩を進める」「膝を進める」「工事を進める」「話を進める」「一歩進めて考える」「合理化を進める」「一階級進める」「食欲を進める酒」「念のため五分進めておく」,相互「すすむ」,,前の方へ動かして位置を移す・前進させる、予定の手順に従って物事を進行させる・はかどらせる、物事の内容や程度をさらに高める、上の地位や段階に移す、盛んにする・促す、時計の針を正しい時刻より先の時刻を示すようにする,

すすめる,勧める(奨める),マ行下一段,他動詞,「辞任を勧める」「加入を勧める」「茶菓を勧める」「風呂を勧める」「資源の有効利用を勧める行政」,,,人がその事を行なうように誘いかける・勧誘する、物を供して飲食または使用してもらおうとする、積極的に実行するようにたすけ励ます・奨励する。「勧」はすすめて行なわせる・励ます・教え導く・助けて行なわせる、「奨」は励ます・とりもつ・推す・推薦する意,

すすめる,薦める,マ行下一段,他動詞,「有望株を薦める」,,,ある人や物を褒めて採用するように説く・推薦する,


すすりあげる,啜り上げる,ガ行下一段,他動詞,「子どもがハナをすすり上げる」「すすり上げる声が聞こえる」,,,息を強く吸って鼻汁を鼻の中に入れる、鼻汁をすすって泣く・しゃくりあげる,


すすりなく,啜り泣く,カ行五段,自動詞,「物陰ですすり泣く」,,,すすりあげるようにして泣く,


すする,啜る,ラ行五段,他動詞,「粥をすする」「茶をすする」「ハナをすする」,,,液状のものを吸い込むようにして口の中に入れる、垂れた洟(はな)や鼻汁を息とともに吸い込む,



【すた】

すだく,集く,カ行五段,自動詞,「草むらにすだく虫の音」,,,虫などがあつまって賑やかに鳴く,


すだつ,巣立つ,タ行五段,自動詞,「ツバメのヒナが巣立つ」「学窓を巣立つ」,,,ひなが成長して巣から飛び立つ、子どもが親元を離れ独立する・学校を卒業して社会に出る,


すたる,廃る,ラ行五段,自動詞,「いつの間にか古い習俗が廃ってしまった」「廃ってしまった服装」「男が廃る」,,,「すたれる」に同じ、損なわれる・失われる,

すたれる,廃れる,ラ行下一段,自動詞,「流行語は廃れるのも早い」「義理人情が廃れる」「町が廃れる」「商売が廃れる」,,,使われなくなる・行なわれなくなる・使用しなくなる、盛んだったものが衰える。すたる,



【すつ】

ずっこける,ずっこける,カ行下一段,自動詞,「汗で眼鏡がずっこけそうだ」「ずっこけたことを言って笑わせる」,,,ずり落ちる、的はずれなことをする,


すっこめる,すっ込める,マ行下一段,他動詞,「頭をすっ込める」,,,ひっこめる,


すっとぶ,素っ飛ぶ,バ行五段,自動詞,「土俵下へすっ飛ぶ」「急を聞いてすっ飛んで帰る」,,,勢いよく飛ぶ・大急ぎで行く,


すっぱぬく,素っ破抜く,カ行五段,他動詞,「汚職の真相を素っ破抜く」,,,人の秘密などを不意に明るみに出す・あばく,


すっぽかす,すっぽかす,サ行五段,他動詞,「仕事をすっぽかして遊びに行く」「約束をすっぽかされる」,,,すべきことをしないで放置する・そのまま打ち捨てておく、約束を破る,


すっぽぬける,すっぽ抜ける,カ行下一段,自動詞,「強振したバットが手からすっぽ抜ける」「ドアの取っ手がすっぽ抜ける」「カーブがすっぽ抜ける」,,,うまく収まっていた物が抜けたり外れたりする、野球などで投げたボールが手元が狂って思わぬところに飛んで行く,



【すて】

すておく,捨て置く,カ行五段,他動詞,「進言を捨て置くわけにはいかない」,,,そのままにしておく・かまわないで放っておく・放置する,


すてさる,捨て去る,ラ行五段,他動詞,「過去を捨て去る」,,,思い切りよく捨てて気にかけずにいる,


すてる,捨てる(棄てる),タ行下一段,他動詞,「ゴミを捨てる」「武器を捨てて投降する」,,対語「ひろう」,不要のものとして手元から放す・ほうる・投棄する,

すてる,捨てる(棄てる),タ行下一段,他動詞,「妻子を捨てる」「捨てておけない緊急事態」「カーブを捨ててストレートに的を絞って打つ」「希望を捨てる」「最後まで勝負を捨てない」「世を捨てて山に籠もる」「一命を捨てる覚悟で困難に当たる」「タクシーを捨てて歩く」,,,今までの関係を絶ってそのまま構わないでおく・見捨てる、関わりのないものとして放っておく・放置する・見過ごす、持ち続けてきた思いなどをなくす・熱意や関心などが冷めてしまう・あきらめて手を引く、俗世間を離れる、かけがえのないものを犠牲にしてもかまわないほどの意気込みで何かを行なう、乗り物を降りてさらに先へ行く。「捨」は手放す・不要のものとして手放す・やめる・ほうっておく・諦める、「棄」は投げすてる・ほったらかす・取り上げない・退ける・用いない・見捨てる・見放す・忘れるの意。常用なので「捨」に統一,

すてる,捨てる(棄てる),タ行下一段,他動詞,「言い捨てる」「切って捨てる」,,,補助動詞。〜してしまう・〜してほうっておくの意,



【すぬ】

ずぬける,図抜ける(頭抜ける),カ行下一段,自動詞,「図抜けた才能の持ち主」「図抜けて大きな男」,,,普通の程度を遥かに超えている・並外れる・ずば抜ける。「ず」は接頭語なので「図・頭」どちらでもよい,



【すね】

すねる,拗ねる,ナ行下一段,自動詞,「すぐすねる子ども」「世をすねる」「すねて気を引く」,,,素直に人に従わないで不平がましい態度をとる、わざとよそよそしく振る舞う,



【すは】

ずばぬける,ずば抜ける,カ行下一段,自動詞,「ずば抜けた記憶力」,,,普通のものよりずっと優れている・群を抜く・ずぬける,



【すへ】

すべくくる,統べ括る,ラ行五段,他動詞,「治安を統べ括る機関」,,,ひとつにまとめ上げる・統括する,


すべらす,滑らす,サ行五段,他動詞,「足を滑らして転ぶ」「口を滑らす」,,,すべるようにする・すべらせる,


すべりこむ,滑り込む,マ行五段,自動詞,「布団に滑り込む」「本塁に滑り込む」「発車間際に滑り込む」,,対語「すべりでる」,すべって中に入る・すべるようにしてそっと中へ入る、野球で走者がすべって塁に入る、決まった時刻にかろうじて間に合う,


すべりだす,滑り出す,サ行五段,自動詞,「列車がホームから滑り出す」「新事業が滑りだす」,,,滑りはじめる・すべるように動きはじめる、活動を始める,


すべりでる,滑り出る,ダ行下一段,自動詞,「布団の外に滑り出る」,,対語「すべりこむ」,すべるようにして外に抜け出す,


すべる,滑る(辷る),ラ行五段,他動詞,「スキーで急斜面を滑り降りる」「舟が川面を滑るように下っていく」「戸がよく滑る」「凍結して路面が滑る」「足が滑る」「滑って転ぶ」「茶碗が滑って落ちる」「委員長の座を滑る」「口が滑る」「筆が滑る」「大学を滑る」,,,物の表面をなめらかに移動する、表面がなめらかで地面に接するものが安定を失って自然に動いてしまう・スリップする、つかもうとした物が支えられないで手をすり抜ける、ある地位を保てなくなる、調子に乗ったまま事が望ましくないところにまで至る・余計なことを言ったり書いたりしてしまう、試験に失敗する・落第する。「滑」はすべる、「辷」はなめらかに進む・静かに退出する・位を降りる・失脚する・踏み外す意。常用の「滑」に統一。「のめる」と同字,

すべる,統べる(総べる),バ行下一段,他動詞,「国を統べる」,,,全体をまとめて支配する・統括する。「統」は一つにまとめる・すべて治める、「総」は多くのものを集め合わせる・まとめる・すべ治める・支配する・監督する・率いる意。常用なので「統」に統一,



【すほ】

すぼまる,窄まる,ラ行五段,自動詞,「管の先がすぼまっている」,相互「すぼめる」,,すぼんだ状態になる・すぼむ。「つぼまる」と同字,


すぼむ,窄む,マ行五段,自動詞,「風船がすぼむ」「花がすぼむ」「口のすぼんだ容器」「応援の声がだんだんすぼむ」,,,膨らんでいたり開いていたりしたものが縮んで小さくなる・しぼむ、先のほうにいくに従って細くなる、勢いが衰える。「つぼむ」と同字,


すぼめる,窄める,マ行下一段,他動詞,「肩をすぼめて歩く」「傘をすぼめる」,相互「すぼまる」,,すぼむようにする・小さく縮める。「つぼめる」と同字,



【すま】

すまう,住まう,ワ行五段,自動詞,「郊外に住まっている」,,,住んでいる・住み続ける,


すます,済ます,サ行五段,他動詞,「食事を済ます」「支払いを済ます」「引き継ぎを済ます」「借金を済ます」「金で済ます」「立場上知りませんでしたでは済まされない」「お昼はそばで済ます」,,,なすべき物事を全部してしまう、借りた金などをすっかり返す・返済する、代わりのもので問題が解決したことにする・その場はそれで良いことにする・間に合わせる,

すます,済ます,サ行五段,他動詞,「刑事になりすます」,,,補助動詞。すっかりそのものになる・うまくしおおせる,

すます,澄ます(清ます),サ行五段,他動詞,「汲み置いて井戸水を澄ます」「座禅を組んで心を澄ます」「耳を澄まして聞く」「澄ました顔で人を笑わせる」「乙に澄ましている」,,対語「にごす・にごらす」,液体の濁りや汚れなどの不純物を除いて透き通った状態にする、気持ちを落ち着かせて雑念のない状態にする、(「耳を澄ます」「目を澄ます」の形で)余計なことを考えないでその事一つに注意や意識を集中する、そのようなことは自分に関係ないという顔をする・平然と構える・平気でいる、まじめな様子をする・気取る。「澄」はまじめな顔をする・気取る・素知らぬ顔をする、「清」は濁りやけがれを取り去る・曇りなくする・明らかにする,

すます,澄ます(清ます),サ行五段,他動詞,「行い澄ます」「聞き澄ます」「研ぎ澄ます」,,,補助動詞。一つのことに心を集中してその行為をする・完全に〜する,


すませる,済ませる,サ行下一段,他動詞,「食事を急いで済ませる」,,,「すます」に同じ,



【すみ】

すみあらす,住み荒らす,サ行五段,他動詞,「住み荒らされた家屋」,,,長く住んで破損したり汚したりする,


すみかえる,住み替える,ア行下一段,自動詞,「郊外の一戸建てに住み替える」,,,住居や居所を替える・移り住む,


すみきる,澄み切る,ラ行五段,自動詞,「澄み切った秋の青空」「澄み切った心境」,,,わずかな曇りもなくよく澄んでいる・心に迷いが無くなる,


すみこむ,住み込む,マ行五段,自動詞,「住み込んで働く」,,,使用人や弟子などが主人の家などに寝泊まりして仕事をする,


すみつく,住み着く,カ行五段,自動詞,「ここに住み着いて八年になる」「野良猫が棲み着く」,,,住まいが定まって落ち着く,


すみなれる,住み慣れる(住み馴れる),ラ行下一段,自動詞,「住み慣れた土地を離れる」,,,長年住んでいてその土地や家に慣れる,


すみわたる,澄み渡る,ラ行五段,自動詞,「澄み渡った秋空」,,,空や水などが一面に曇りなく澄む,



【すむ】

すむ,住む,マ行五段,自動詞,「空気の良いところに住みたい」「住む家もない」「我々とは別世界に住んでいる人」,相互「すます・すませる」,,家や場所を決めて常にそこで生活する・居住する、ある領域に身を置く・生きている,

すむ,棲む(栖む),マ行五段,自動詞,「水辺に棲む鳥」,,,動物が巣を作ってその中で生活する・生息する。「棲・栖」は同字,

すむ,済む,マ行五段,自動詞,「契約が済む」「株主総会が無事に済んだ」「借金が済む」「幸い軽傷で済んだ」「電話一本で済むことだ」「罰金だけで済んだ」「君の気が済むまで殴ってくれ」「ほんとに済まなかったね」「謝って済む問題ではない」,相互「すます・すませる」,,物事がすっかり終わる、借りを全部返す、予想していた程度以下や範囲内で収まる・解決される・その場はそれで用が足りる・間に合う、気持ちの上で満足する・気持ちが安らぐ、他人に対して言い訳が立つ・(多く打ち消しや反語の意を伴って他人に謝罪するときに用いる),

すむ,澄む(清む),マ行五段,自動詞,「池の底まで澄んで見える」「済んだ高原の空気」「澄んだ声」「『輝く』は古くは『かかやく』と澄んで発音した」,,対語「にごる」,水や空気などに濁りがなくなり透き通った状態になる、音が冴えてよく響く、清音に発音する。「澄」は清い・水が静まりかえっていてかつ清い・透き通って清い・空などに曇りがない・音などが冴える、「清」はきよまる・澄みわたる意。常用の「澄」に統一,

すむ,澄む(清む),マ行五段,自動詞,「明るく澄んだ月」「澄んだ目」「澄んだ水色」「澄んだ心で人と付き合う」,,,光や色などに曇りがなくはっきり見える、心配や雑念がなく心がすっきりしている。「澄」は清い・水が静まりかえっていてかつ清い・透き通って清い・空などに曇りがない・音などが冴える、「清」はきよまる・澄みわたる意。常用の「澄」に統一,



【すら】

ずらかる,ずらかる,ラ行五段,自動詞,「今のうちにずらかろう」,,,逃げ出す・高飛びする。もと盗人などが用いた語,


ずらす,ずらす,サ行五段,他動詞,「椅子をずらす」「予定を一週間ずらそう」,,,滑らせるようにして少し動かす・位置をちょっと横に動かす、位置や日時などを重ならないように動かす,



【すり】

すりあがる,刷り上がる,ラ行五段,自動詞,「初版が刷り上がる」「きれいに刷り上がる」,相互「すりあげる」,,印刷が出来あがる,


ずりあがる,ずり上がる,ラ行五段,自動詞,「包帯がずり上がる」,,対語「ずりおちる・ずりさがる」,ずって今までの位置より上に上がる,


すりあげる,刷り上げる,ガ行下一段,他動詞,「増刷分を徹夜で刷り上げる」,相互「すりあがる」,,印刷をし終える・印刷を完了する,


ずりおちる,ずり落ちる,タ行上一段,自動詞,「帯がずり落ちる」,,対語「ずりあがる」,ずれて落ちる・ずれて下がる,


すりおろす,摩り下ろす(摺り下ろす・摺りおろす),サ行五段,他動詞,「墨をすり下ろす」「わさびをすり下ろす」,,,すって細かくする・すって砕いたり粉にしたりする,


すりかえる,掏り替える,ア行下一段,他動詞,「偽物とすり替える」「問題をすり替える」,相互「すりかわる」,,人に気づかれないようにこっそりと別物に取り替える,


すりかわる,掏り替わる,ラ行五段,自動詞,「展示品が偽物にすり替わる」,相互「すりかえる」,,気づかないうちに他のものと入れ替わる,


すりきる,擦り切る(摩り切る・摺り切る),ラ行五段,他動詞,「鉄の棒をヤスリですり切る」,相互「すりきれる」,,すって切る・こすって切る,


すりきれる,擦り切れる(摩り切れる・摺り切れる),ラ行下一段,自動詞,「ズボンの裾がすり切れね」,相互「すりきる」,,物と物とがこすれて切れる,


すりくだく,摺り砕く(磨り砕く),カ行五段,他動詞,「アワをすり砕いて子馬に与える」,,,すって小さく下す・すりつぶす,


すりこむ,刷り込む,マ行五段,他動詞,「名刺に肩書を刷り込む」,,,同じ印刷面に刷って入れる,

すりこむ,摺り込む(摩り込む),マ行五段,他動詞,「傷口に薬をすり込む」「味噌に木の芽をすり込む」,,,こすってしみ込ませる、すり砕いて混ぜる,

ずりさがる,ずりさがる,ラ行五段,自動詞,「ズボンがずり下がる」,,対語「ずりあがる」,ずって下がる,


すりだす,磨り出す,サ行五段,他動詞,「銅板に絵をすり出す」,,,研ぎ磨いて光沢や模様を出す,


すりつける,擦り付ける(摩り付ける・摺り付ける),カ行下一段,他動詞,「猫が体をすりつけてくる」,,,こするようにしてつける,


すりつぶす,磨り潰す(擂り潰す),サ行五段,他動詞,「大豆を磨り潰す」「道楽して身代を磨り潰す」,,,すって細かく砕く・すって原形を無くする、財産をなくす・財産を使い果たす,


すりぬける,擦り抜ける,カ行下一段,他動詞,「雑踏をすり抜ける」「言い繕って急場をすり抜ける」,,,人混みや狭いところを体をこするようにして通り抜ける、他のことに紛らしてうまくまぬかれる,


すりへらす,磨り減らす(摩り減らす),サ行五段,他動詞,「靴底をすり減らして歩き回る」「すり減らした墨」「神経をすり減らす」「身代をすり減らす」,相互「すりへる」,,こすって減らす・こすって少なくする、激しく使って弱くする・使いすぎてダメにする、少しずつ減らす,


すりへる,磨り減る(摩り減る),ラ行五段,自動詞,「靴の踵がすり減る」「すり減ったタイヤ」「客の摂待で神経がすり減る」「財産がすり減る」,相互「すりへらす」,,こすれて少なくなる、使いすぎて衰える・消耗する、少しずつなくなる,


すりむく,擦り剥く,カ行五段,他動詞,「転んで膝をすりむく」,相互「すりむける」,,物にこすって皮膚をむく,


すりむける,擦り剥ける,カ行下一段,自動詞,「膝がすりむける」,相互「すりむく」,,物にこすれて皮膚がむける,


すりよる,擦り寄る(摩り寄る),ラ行五段,自動詞,「子どもがすり寄って甘える」「枕元へすり寄って病人を介抱する」,,,すれ合うほどに近寄る、膝をすって近寄る,



【する】

する,刷る(摺る),ラ行五段,他動詞,「紙幣を刷る」,,,活版や版木などの面にインクや絵の具をつけて紙を当てて文字や絵を写し取る・印刷する,

する,掏る,ラ行五段,他動詞,「財布をスられる」,,,人が身に着けている金品を気づかれないように盗み取る,

する,擦る(摩る・磨る),ラ行五段,他動詞,「マッチを擦る」「ヤスリですって仕上げる」「墨をする」「競馬で財産をすった」「元も子もすってしまう」,相互「すれる」,,物に他の物を強く触れ合わせて繰り返し動かす、賭け事などで金を使ってなくす・費やす・すり減らす。「擦」はさする・こする・なでる、「摩」はこする、「磨」はこする・摩擦する意。「擦る」は「こする・さする」と同字、「摩る」は「さする」と同字,

する,摺る,ラ行五段,他動詞,「味噌を摺る」,,,すり鉢などに入れて触れ合わせて細かく砕く,

する,為る,サ行変格活用,自動詞,「稲妻がする」「地鳴りがする」「物音がする」「においがする」「寒けがする」「動悸がする」「がっしりした骨組み」「男好きする顔」「五億円もする」「その洋服いくらした」「一年もすれば忘れるだろう」,,,ある滋養タイヤ現象の起きたことやその存在が自ずと感じられる、ある状態になる・ある状態である、(金額を表す語に付いて)それだけの価値である、(時を表す語に付いて)時間が経過する,

する,為る,サ行変格活用,他動詞,「運転をする」「仕事をする」「イタズラをする」「道路を広くする」「負担を軽くする」「女らしくする「大損をする」「やけどをする」「下痢をする」「司会をする」「仲人をする」「料理長をしている」「商売をする」「息子を先生にする」「彼を会長にする」「肘を曲げて枕とする」「失敗を教訓として生かす」「鋭い目つきをした男」「無邪気な顔をした子どもたち」「ネクタイをする」「マスクをする」「まあこれでよしとしよう」「友をよき競争相手とする」「出場を取りやめにする」「私はコーヒーにする」,,,ある事や動作や行為などを行なう・意図的にその物事や行為を行なう場合からある状態や結果になるような動作や行為を行なう場合結果としてあることを行なってしまったり望まないのにそうなったりする場合などいろいろに用いられる、ある役割を務める、ある地位にあって働く・そのことを仕事として生活を支える、(多く「〜を〜にする」「〜を〜とする」の形で)人や物事を今とは違った状態のものにならせる・ある地位に就かせたりある用に当てたりする、ある状態や性質であることを示す、身に付ける、〜であると判断を下す・みなす・決定する・選んでそれに決める,

する,為る,サ行変格活用,他動詞,「雪は降りはしたが積もらなかった」「泣きもしない」「感謝こそすれ恨むわけがない」「顔を出しさえすればよい」「日が沈もうとしている」「飛びかかろうとする」「時が過ぎようとする」「今台風が上陸したとする」「習作とすれば上々の出来だ」「親としては心配するのは当然だ」「冬にしては暖かい日が続く」「どんなに急いだにしても間に合わなかっただろう」,,,補助動詞。(「は・も・こそ・さえ」などに付いて)その動詞の意味を強調する、(「〜うとする・〜ようとする」の形で)もう少しである作用や状態が起こりそうになる・今にもある行為をしそうになる、(「〜とする・〜とすれば・〜としては・〜にしては」などの形で)〜と仮定する・〜の立場やレベルや段階で考えるなどの意、(「〜にしても・〜としても」の形で)そのような場合でもの意,

する,為る,サ行変格活用,他動詞,「お届けする」「お供します」「ご案内します」,,,補助動詞。(「お〜する」の形で)謙譲の意を表す,


ずる,ずる,ラ行五段,自動詞,「積荷が少しずってしまう」「ズボンがずって困る」「膝でずる」「足をずって歩く」,相互「ずれる」,,滑って移動する・緩んで下がる・いざり動く・引きずる,


ずるける,ずるける,カ行下一段,他動詞,「仕事をずるける」「紐がずるける」,,,するべきことを怠けてしない・横着する、結んであったものがゆるんでだらしなくなる,


ずるっこける,ずるっこける,カ行下一段,自動詞,「ずるっこけて塾をサボる」,,,「ずるける」に同じ,



【すれ】

すれあう,擦れ合う(摩れ合う),ワ行五段,自動詞,「肩と肩とがすれ合う」「すれ合っている仲」,,,物と物とが触れ合う・互いにすれる、互いに争いに組む・仲が悪くて争う,


ずれこむ,ずれ込む,マ行五段,自動詞,「会期が翌月にずれ込む」,,,予定などが別の時期まで入り込む,


すれちがう,擦れ違う,ワ行五段,自動詞,「列車がすれ違う」「彼とはすれ違ってばかりいる」「話がすれ違って結論が出ない」,,,触れ合うほど近くを反対方向に通り過ぎる、時間や位置などがずれて会えるはずが会えないままになる、議論などで論点が噛み合わない状態になる,


すれる,擦れる,ラ行下一段,自動詞,「木の葉がすれる」「靴の底がすれてきた」「袖口がすれる」「表紙がすれて破れる」,,相互「する」,物と物とが触れ合って動く・こすれる、物と物とが強く触れ合ったり絶えず接触した状態で動いたりして痛んだり減ったりする。「こすれる」と同字,


ずれる,ずれる,ラ行下一段,自動詞,「背骨がずれる」「印刷がずれる」「雨で開始の時間がずれる」「ピントのずれた発言」「時代感覚がずれている」,相互「ずる」,,元あったところから少しすべり動いて移る・あるべき位置から少し動いたり基準の位置に合わない状態になる、標準や基準から少し外れる・考え方などに隔たりができて食い違う,



【すわ】

すわりこむ,座り込む(坐り込む),マ行五段,自動詞,「玄関先に座り込んで長話をしている」「デモ隊が正門前に座り込む」,,,どっかりと座って腰を据える、目的を遂げるために座って動かない,


すわる,座る(坐る),ラ行五段,自動詞,「畳に座る」「上座に座る」「学長の椅子に座る」「後釜に座る」,,,膝を折り曲げて物の上に腰を下ろす、ある地位や役に就く。「座」はすわるところ、「坐」はいる・とどまる意なので本来「坐」が正しいが常用の「座」で統一,

すわる,据わる,ラ行五段,自動詞,「赤ん坊の首が据わる」「顔の真ん中にどっかりと据わっている鼻」「目が据わる」「性根が据わる」「腹の据わった男」「印の据わった証書」,相互「すえる」,,ぐらつかないで安定してくる・しっかりと定まる、確かな存在としてその位置を占める、ひとつ所にとどまって動かない状態になる、どっしりと落ち着いてめったなことにも動じなくなる、印が押される,



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