第12話 動詞(せ・そ)

よみ,漢字,活用,自他,用例,相互,対語,補記,


【せい】

せいす,制す,サ行五段,他動詞,「自己を制すことができない」,,,「せいする」の音変化,


せいする,制する,サ行変格活用,他動詞,「殺到する群衆を制する」「逸る心を制する」「機先を制する」「過半数を制する」「法を制する」,,,人の行動などを押さえとどめる・気持ちなどを押しとどめる、自分のものにする・支配する、規則などを決める・制定する,

せいする,征する,サ行変格活用,他動詞,「敵を征する」,,,服従しない者を攻め討つ・征伐する,

せいする,製する,サ行変格活用,自動詞,「小麦粉で製した菓子」,,,物をこしらえる・つくる,


せいだす,精出す,サ行五段,自動詞,「家業に精出す」,,,一所懸命に働く・熱心に励む,



【せお】

せおいこむ,背負い込む,マ行五段,他動詞,「多額の借金を背負い込む」「病気を背負い込む」,,,不利なことや負担になることを引き受ける。「しょいこむ」と同字,


せおう,背負う,ワ行五段,他動詞,「リュックサックを背負う」「子どもを背負う」「厄介な問題を背負わされる」「一家の生活を背負って立つ」,,,背中に乗せる、負担になることや重い責任のあることを引き受ける。「しょう」と同字,



【せか】

せかす,急かす,サ行五段,他動詞,「そろそろ急かさないと遅れる」,,,「せかせる」の音変化,


せかせる,急かせる,サ行下一段,他動詞,「仕事を急かせる」,,,催促して急がせる・せきたてる・せかす,


せかつく,せかつく,カ行五段,自動詞,「せかついて歩き回る」,,,急ごうと焦って態度が落ち着かなくなる・せかせかする,


せがむ,せがむ,マ行五段,自動詞,「母に小遣いをせがむ」,,,無理に頼む・しつこくねだる,



【せき】

せきあげる,咳き上げる,ガ行下一段,自動詞,「苦しげに咳き上げる」,,,しきりに咳をする・咳き込む。「咳」は咳をする、「急」はいそぐ・せかす・速い・すみやかの意,

せきあげる,咳き上げる(急き上げる),ガ行下一段,自動詞,「悲しみのあまりせき上げる」,,,涙がこみ上げてむせる・しゃくりあげる。「咳」は咳をする、「急」はいそぐ・せかす・速い・すみやかの意。前者は「咳」、後者は「せき」で統一,

せきあげる,塞き上げる(堰き上げる),ガ行下一段,他動詞,「川の水を塞き上げる」,,,流水をせき止める・せき止めて逆流させる,


せきこむ,咳き込む,マ行五段,自動詞,「苦しそうに咳き込む」,,,続けてひどく咳をする,

せきこむ,急き込む,マ行五段,自動詞,「急き込んで聞く」,,,心が急いていらだつ・ひどく急ぐ,


せきたつ,急き立つ,タ行五段,自動詞,「急き立つ心を鎮める」,相互「せきたてる」,,急ぎ焦る・逸る,


せきたてる,急き立てる,タ行下一段,他動詞,「仕事を急き立てる」,相互「せきたつ」,,物事を早く行なうように強く催促する・急がせる,


せきとめる,塞き止める(堰き止める),マ行下一段,他動詞,「車の流れを塞き止める」「川の水を塞き止める」「インフルエンザの流行を塞き止める」,,,流れなどをさえぎり止める、物事が広がらないように食い止める,



【せく】

せく,急く,カ行五段,他動詞,「気ばかり急く」「息が急いて苦しい」,,,早くしなければと焦る・焦っていらだつ・あわてる、呼吸が激しくなる,

せく,塞く(堰く),カ行五段,他動詞,「小川の水を塞く」,,,流れなどをさえぎってとめる・せきとめる。「塞」はふさぐ・とじる・さえぎる・うずめる・みたす・つめこむ、「堰」はせきとめる・塞ぐ意,



【せし】

せしめる,せしめる,マ行下一段,他動詞,「大金をせしめる」,,,たくみに図って自分のものにする・横取りする,



【せせ】

せせらわらう,せせら笑う,ワ行五段,他動詞,「人の失敗をせせら笑う」,,,バカにして笑う・あざけり笑う・小バカにする,


せせる,せせる,ラ行五段,他動詞,「楊枝で歯をせせる」「食べ物を汚くせせる」,,,とがった物で繰り返しつつく・つついて掘る・つつきほじくる、箸で食べ物をあちこちつつきまわす,



【せつ】

せつく,責付く,カ行五段,自動詞,「せつかれてやつと腰を上げる」,,,しきりに催促する・早くするように急き立てる・せっつく,


せっする,接する,サ行変格活用,自動詞,「川に接する住宅街」「上下を接する」「肩が接する」「名作に接する」「朗報に接する」「膝を説する」「軒を接する」,,,ひとつづきに繋がる、触る・触れる、応対する、出会う・出くわす,

せっする,接する,サ行変格活用,他動詞,「上下を接する」「膝を接する」「軒を接する」,,,繋いでひと続きにする、近くに寄せる・近づける,

せっする,節する,サ行変格活用,他動詞,「飲食を節する」「経費を節する」,,,限度を越えないようにする・控えめにする、無駄を省いて切り詰める・節約する,


ぜっする,絶する,サ行変格活用,他動詞,「古今に絶する名作」「想像を絶する」「音信を絶する」,,,(「〜に絶する」「〜を絶する」の形で)他とかけ離れる・こえる、断つ・絶える,


せっつく,責っ付く,カ行五段,自動詞,「早く行こうとせっつかれる」,,,「せつく」の音変化,


せっぱつまる,切羽詰まる,ラ行五段,自動詞,「切羽詰まって上司に泣きつく」,,,ある事態などが間近に迫ってどうにもならなくなる・身動きがとれなくなる,



【せは】

せばまる,狭まる,ラ行五段,自動詞,「相手との距離が狭まる」「川幅が狭まる」,相互「せばめる」,,間隔が詰まる・狭くなる,


せばめる,狭める,マ行下一段,他動詞,「前車との間隔を狭める」「範囲を狭める」,相互「せばまる」,,間隔を詰める・狭くする,



【せひ】

せびる,せびる,ラ行五段,他動詞,「小遣いをせびる」,,,金品を無理にもらい受けようと頼む・ねだる,



【せま】

せまる,迫る(逼る),ラ行五段,自動詞,「噴出した溶岩が人家に迫る」「激しく敵陣に迫る」「鬼気が身に迫る」「山が背後に迫っている地勢」「両岸が迫っている渓谷」「死期が迫る」「締切が迫る」「核心に迫る」「息が迫る」「思いが胸に迫る」「悠揚迫らぬ態度」「貧に迫る」「返答を迫る」「復縁を迫る」「必要に迫られる」,,,圧倒するような勢いで近づいてくる・押し寄せる・せり出している、空間敵時間的に隔たりが小さくなる・接近する・間が狭まりもう少しで届きそうである・時期や期限が近づく・ある状態に近づく、詰まって苦しむ・とくに呼吸が激しくなって息苦しくなる・感情が高ぶってきて胸が締めつけられる感じになる、息詰まってゆとりがなくなる・切羽詰まる・困窮する、相手にこちらの考えを聞き入れるように積極的に求める・強い態度で要求する・強いる。「せる」と同字,



【せめ】

せめあう,攻め合う,ワ行五段,他動詞,「大軍を繰り出して攻め合う」,,,互いに攻める・攻撃し合う,

せめあう,責め合う,ワ行五段,他動詞,「相手の非を責め合う」,,,互いに避難する・なじり合う,


せめあぐむ,攻めあぐむ,マ行五段,自動詞,「敵の堅い守りに攻めあぐむ」,,,いくら攻撃しても効果があがらず持て余す,


せめいる,攻め入る,ラ行五段,自動詞,「敵陣に攻め入る」,,,せめて敵中に入り込む・攻め込む,


せめおとす,攻め落とす,サ行五段,他動詞,「城を攻め落とす」,,,攻めて敵の守りを破る・攻略する,

せめおとす,責め落とす,サ行五段,他動詞,「親を責め落として小遣いをせしめる」「責め落とされて犯行を認める」,,,しつこくくどいて承知させる、厳しく追及して白状させる,


せめかかる,攻め掛かる,ラ行五段,自動詞「鬨の声とともに攻めかかる」,相互「せめかける」,,敵に向かって攻撃を仕掛ける・攻めはじめる,


せめかける,攻め掛ける,カ行下一段,自動詞,「夜陰に乗じて攻めかける」「次から次へと報道陣が攻めかける」,相互「せめかかる」,,敵に向かって攻撃を加える、大勢の人か押し寄せる・詰めかける,


せめぎあう,鬩ぎ合う,ワ行五段,自動詞,「春闘で労使がせめぎ合う」,,,互いに争う・対立して争う,


せめこむ,攻め込む,マ行五段,自動詞,「敵軍深く攻め込んでいく」,,,攻めて敵の中に入り込む・攻め入る,


せめさいなむ,責め苛む,マ行五段,他動詞,「両親に責めさいなまれる」,,,むごく責める・ひどくいじめる,


せめたてる,攻め立てる,タ行下一段,他動詞,「一方的に攻め立てる」,,,激しく攻撃する・しきりに攻める,

せめたてる,責め立てる,タ行下一段,他動詞,「相手の過失を責め立てる」「子どもに責め立てられて遊園地に出かける」,,,厳しく避難する・しきりに責める、しきりに催促する,


せめつける,攻め付ける,カ行下一段,他動詞,「大軍を率いて攻めつける」,,,激しい勢いで敵を攻める,

せめつける,責め付ける,カ行下一段,他動詞,「担当者の怠慢を責めつける」,,,ひどく責める・厳しく非難する,


せめなじる,攻め詰る,ラ行五段,他動詞,「失敗を責めなじる」,,,厳しく問いとがめる・問い詰める,


せめのぼる,攻め上る,ラ行五段,自動詞,「首都へ攻め上る」,,,都の方へ向かって攻めていく,


せめほろぼす,攻め滅ぼす,サ行五段,他動詞,「他領を攻め滅ぼす」,,,攻撃して敵を滅ぼす・討ち滅ぼす,


せめよせる,攻め寄せる,ラ行五段,自動詞,「本営近く攻め寄せる」,,,攻めて敵の近くまで迫る,


せめよる,攻め寄る,ラ行五段,自動詞,「夜陰に乗じて敵陣に攻め寄る」,,,「せめよせる」に同じ,


せめる,攻める,マ行下一段,他動詞,「城を攻める」「立ち合いから一気に攻める」,,,戦争や試合などでこちらから進んで戦いを仕掛ける・攻撃する,

せめる,責める,マ行下一段,他動詞,「失敗を責める」「無責任な行動を責める」「早く返答しろと責める」「子どもに攻めらて買い与える」「自らを責める」「鞭で責めて白状を強いる」「泣き落とし戦術で責める」「侘びの精神を責める」,,,過失や怠慢や違約などを取り上げて避難する・とがめる・なじる、厳しく催促する・せきたてる・しつこく求める・せがむ、苦しめる・悩ませる・苦痛を与えていじめ苦しめる・いためつける、目的を果たすために積極的な働きかけをする、一心に努力する・真剣に追い求める,



【せり】

せりあう,競り合う,ワ行五段,自動詞,「ゴール寸前で競り合う」,,,互いに競争する・競い合う,


せりあがる,迫り上がる,ラ行五段,自動詞,「町外れに小高い丘が迫り上がる」「主役が豚一勇往に迫り上がる」,相互「せりあげる」,,下方から上方へ少しずつ高くなる、劇場の迫りの装置で奈落から舞台や花道に上がる,


せりあげる,迫り上げる,ガ行下一段,他動詞,「リフトで荷物を迫り上げる」「屋台を迫り上げる」,相互「せりあがる」,,徐々に高くする・少しずつ押し上げる、劇場で俳優や大道具を迫りを用いて奈落から押し上げる,

せりあげる,競り上げる,ガ行下一段,他動詞,「互いに譲らず値を競り上げる」,,,競売で買い手が入手しようとして値段を釣り上げる,


せりおとす,競り落とす,サ行五段,他動詞,「ルノワールの絵を競り落とす」,,,買い値を競り合ってその品を手に入れる,


せりかつ,競り勝つ,タ行五段,他動詞,「一点を争う大接戦を競り勝った」,,,競り合って勝つ,


せりだす,迫り出す,サ行五段,自動詞,「腹が迫り出す」「観衆が道路に迫り出す」,,,前の方に出っ張る・突き出てくる,

せりだす,迫り出す,サ行五段,他動詞,「ひさしを大きくせり出した建物」「花道に役者を迫り出す」,,,上または前へ押し出して出す、劇場で迫りを使って俳優や大道具を舞台へ押し上げる,



【せる】

せる,競る(糶る),ラ行五段,他動詞,「僅少差で首位を競る」「仲買人が荷を競る」,,,他人に負けまいと互いに争う・きそう、競り売りで買い手が手に入れそうと争って値段が高くなる。「競」はせく・あせる・せりあげる、「糶」は糶り売りの略・競売や行商の意。常用の「競る」で統一,



【せん】

せんじだす,煎じ出す,サ行五段,他動詞,「野草から薬効成分を煎じ出す」,,,煎じて成分を出す・煮出す,


せんじつめる,煎じ詰める,マ行下一段,他動詞,「薬草を煎じ詰める」「煎じ詰めれば両者の主張は同じことになる」,,,茶や薬などをその成分がしっかり出尽くすまず煮る、行き着くところまで考えを進める,


せんじる,煎じる,ザ行上一段,,他動詞,「薬草を煎じる」,,,「せんずる」の音変化,


せんする,宣する,サ行変格活用,他動詞,「世界に向けて独立を宣する」,,,広く告げ知らせる・宣言する・宣告する,

せんする,僭する,サ行変格活用,他動詞,「公家を僭する田舎者」,,,思い上がって身分や力量の上の人を真似る・おごって身分不相応なことをする,


せんずる,煎ずる,サ行変格活用,他動詞,「ドクダミを煎ずる」,,,茶や薬草などを煮詰めて成分を取り出す,

せんずる,詮ずる,サ行変格活用,他動詞,「理を詮ずる」,,,筋道をたどって深く考える,







【そい】

そいとげる,添い遂げる,ガ行下一段,自動詞,「苦楽をともにして添い遂げる」「周囲の反対を押し切って添い遂げる」,,,結婚してから死ぬまでを夫婦として過ごす、困難や障害を乗り越えて望みどおり夫婦になる,



【そう】

そう,沿う,ワ行五段,自動詞,「流れに沿って下る」「道路に沿ってケヤキが植えてある」「要求に沿った回答」,,,長く続いているものに離れないように付き従う・何かに並行した形で続いている、(「添う・副う」とも)方針や基準となるものに従いそれから離れないようにして何かを行なう,

そう,添う(副う),ワ行五段,他動詞,「影の形に添うようにいつも一緒にいる」「病人に添って歩く」「二人を添わせてやりたい」「人には添うて見よ馬には乗って見よ」「ご希望には添いかねます」「さらに趣が添う」,相互「そえる」,,そばを離れずにいる・ぴったりつく、夫婦になる・連れ添う、親しく交際する、目的どおりになる・かなうようになる、すでにあるものの上に他のものが加わる・付け加わる。「添」は連れ添う・夫婦になる・付き添う・付き従う・かなう・適応する、「副」は付き添う・かなう・適合するの意。常用読みで「副」の意をすべて含むため「添」に統一,


そうけだつ,総毛立つ,タ行五段,自動詞,「蛇と聞いただけで総毛立つ」,,,恐怖や寒さなどのために全身の毛が逆立つ・身の毛がよだつ,


そうする,奏する,サ行変格活用,他動詞,「政務を奏する」「ピアノを奏する」「非常手段が功を奏する」,,,天子に申し上げる・奏上する(「啓する」に対して言う)、音楽を奏でる・楽器などを演奏する、成果をもたらす,

そうする,相する,サ行変格活用,他動詞,「方角を相する」,,,物事の姿やありさまなどを見てその良し悪しや吉兆などを判断する・また人相や手相や家相などを見て占う,

そうする,草する,サ行変格活用,他動詞,「条文を草する」,,,下書きを作る・原稿を書く,


ぞうする,蔵する,サ行変格活用,他動詞,「万巻の書物を蔵する」「数多くの問題を蔵している」,,,おさめる・所蔵する、中に含み持つ,



【そえ】

そえる,添える(副える),ア行下一段,他動詞,「贈り物に手紙を添える」「薬味を添える」「介護の手を添える」「興を添える」「錦上花を添える」「旅行に案内役を添える」,相互「そう」,,種となるもののそばに付ける・補助として付け加える、引き立たせるために付け加える、付き添わせる・付き従わせる。「添」は「副」の意を含み常用なので「添」で統一,



【そき】

そぎおとす,削ぎ落とす,サ行五段,他動詞,「骨についた魚の肉を削ぎ落とす」「贅肉を削ぎ落とす」,,,けずり落とす・けずりとる,


そぎとる,削ぎ取る,ラ行五段,他動詞,「耳を削ぎ取られる」,,,削いで取る・けずりとる,



【そく】

そぐ,削ぐ(殺ぐ),ガ行五段,他動詞,「敵兵の耳を削ぐ」「カミソリで削いで整髪する」「ゴボウを削いで笹がきにする」「竹を削いで槍を作る」「気勢が殺がれる」「興を殺ぐ」,相互「そげる」,,先端や出っ張りの部分を切り落とす、斜めに削る・斜めに薄く切る、先を斜めに切ってとがらせる、外に現れようとする勢いや興味や関心などを奪い去る。「削」はけずる・けずりとる・除く・消す・奪う、「殺」は減らす・けずる・省くの意,


そぐう,そぐう,ワ行五段,自動詞,「現状にそぐわない制度」,,,(多く「そぐわない」の形で用いる)釣り合う・似合う,


そくす,即す,サ行五段,自動詞,「生活に即さない行動」,,,「そくする」の音変化,


ぞくす,属す,サ行五段,自動詞,「いかなる党派にも属さない」,,,「ぞくする」の音変化,


そくする,即する,サ行変格活用,自動詞,「実情に即した対策を練る」,,,ぴったり適合する,

そくする,則する,サ行変格活用,自動詞,「内規に則して処分する」,,,基準に従う・のっとる,


ぞくする,属する,サ行変格活用,自動詞,「資料室は総務部に属する」「徳川方に属する」「桜はバラ科に属する」「旧聞に属する話」,,,その組織や集団の構成員となる・所属する・部下となる・従属する、その書類や分類の中に含まれる、ある事柄がその類のものと認められる,

ぞくする,賊する,サ行変格活用,他動詞,「国を賊する」,,,損なう・害する,


そげる,削げる(殺げる),ガ行下一段,自動詞,「頬の肉がげっそりと削げる」,相互「そぐ」,,刃物などで削られたような形になる,



【そこ】

そこなう,損なう(害う),ワ行五段,他動詞,「器物を損なう」「感情を損なう」「健康を損なう」「一兵も損なうことなく」,,,物を壊してダメにする・傷つける、人の気持ちや体の調子を悪くする、殺傷する。「損」は壊す・傷める、「害」は傷つける・殺す・壊す意,

そこなう,損なう(害う),ワ行五段,他動詞,「書き損なう」「乗り損なう」「見舞状を出し損なう」,相互「そこねる」,,補助動詞。〜するのに失敗する、〜する機会を逸する,


そこねる,損ねる,ナ行下一段,他動詞,「機嫌を損ねる」「感情を損ねる」「働きすぎて健康を損ねる」,相互「そこなう」,,人の気持ちを傷つける・体の調子を悪くする,

そこねる,損ねる,ナ行下一段,他動詞,「買い損ねる」「言い損ねる」,相互「そこなう」,,補助動詞。〜するのに失敗する・〜する機会を失う,


そしきだつ,組織立つ,タ行五段,自動詞,「組織立った活動」,,,ある秩序や体系のもとに統一される,


そしる,謗る(譏る・誹る),ラ行五段,他動詞,「影で人をそしる」,,対語「ほめる」,他人を悪く言う・非難する。「謗」は悪口を言う・非難する、「譏」は人の欠点を見つけて悪口を言う・非難する、「誹」は非難する意。すべて常用外なのでかな書きで統一,



【そそ】

そそぎこむ,注ぎ込む,マ行五段,自動詞,「石膏を型に注ぎ込む」「新製品の開発に全力を注ぎ込む」,,,流し入れる、あることに熱中し心を傾ける。「つぎこむ」と同字,


そそぐ,注ぐ(灌ぐ),ガ行五段,自動詞,「淀川は大阪湾に注ぐ」「雨が注ぐ」「降り注ぐ」,,,流れ入る・流れ込む・雨や雪などが途切れなく降りかかる。「注」は、水が流れ進む・流れ込む・降る、「灌」はそそぎかける・流し込む・流れ込む・すすぐ・あらう・酒を地に注いで神を招く意。常用なので「注」に統一。「つぐ」と同字,

そそぐ,注ぐ(灌ぐ),ガ行五段,他動詞,「田に水を注ぐ」「茶碗に酒を注ぐ」「熱い涙を注ぐ」「盆栽に水を注ぐ」「心血を注ぐ」「視線を注ぐ」「全力を注ぐ」,,,流し入れる・容器に水などをつぐ・涙を流す・水などを上からかける・ふりかける・もっぱらその方へ向ける・一つのことに集中する。「注」は、水が流れ進む・流れ込む・降る、「灌」はそそぎかける・流し込む・流れ込む・すすぐ・あらう・酒を地に注いで神を招く意。常用なので「注」に統一。「つぐ」と同字,

そそぐ,雪ぐ(濯ぐ),ガ行五段,他動詞,「手足をそそぐ」「恥辱を雪ぐ」,,,水で汚れを洗い落とす、恥や汚名を新たな名誉を得ることによって消す。「雪」はすすぐ・洗い清める・拭う・清める・除く、「濯」はすすぐ・ゆすぐ・洗い清める・潔白にする意。「雪ぐ」は「すすぐ」と同字、「濯ぐ」は「ゆすぐ」と同字,


そそくれる,そそくれる,ラ行下一段,他動詞,「言いそそくれる」,,,補助動詞。〜そびれる,


そそけだつ,そそけ立つ,タ行五段,自動詞,「コートの裏地がそそけ立つ」「髪の毛がそそけ立つ」「陰惨な映像を見てそそけ立つ」,,,「そそける」に同じ、鳥肌が立ったようになる・身の毛がよだつ・ぞっとする,


そそける,そそける,カ行下一段,自動詞,「そそけたセーター」「風で髪がそそける」,,,布や紙などが毛羽立つ・髪などがほつれる。そそけ立つ,


そそのかす,唆す(嗾す),「悪事を唆す」,,,その気になるように仕向ける・とくにおだてて悪いほうへ誘い入れる。「唆」はけしかける、「嗾」はおだてる・煽動する意。常用なので「唆」かかな書きに統一,


そそりたつ,そそり立つ,タ行五段,自動詞,「氷壁がそそり立つ」,,,高くそびえる,


そそりたてる,そそり立てる,タ行下一段,他動詞,「好奇心がそそり立てられた」,,,ある気持ちをしきりに起こさせる・あおり立てる,


そそる,そそる,ラ行五段,他動詞,「冒険心をそそる」「涙をそそる」「食欲をそそる」,,,ある感情や行動を起こさせる・誘う,



【そた】

そだつ,育つ,タ行五段,自動詞,「母乳で育つ」「麦が育つ」「若手の投手が育つ」「剣な厩舎が育つ」゜民主政治が育つ」「会社が育つ」「自立心が育つ」「愛情が育つ」,相互「そだてる」,,生まれた生物が時間が経つにつれて次第に大きくなり成熟に向かう・成長する・生長する、鍛えられ力を身につけて一人前になる、小さな規模で始めた物事が順調に発展する・ある考え方や気持ちなどが着実に伸びる,


そだてあげる,育て上げる,ガ行下一段,他動詞,「一流の演奏家に育て上げる」,,,一人前になるまで育てる・立派に育成する,


そだてる,育てる,タ行下一段,他動詞,「実の子同様に育てる」「苗を育てる」「後継者を育てる」「選手を育てる」「地場産業を育てる」「独立心を育てる」「夢を育てる」,相互「そだつ」,,手間を掛けて養い成長させる・養育する、能力などが伸びるように教え導く・手をかけてやったり教え鍛えたりして一人前として通用するまでにする、小さな規模で出発した組織や団体などを発展させる・ある考え方や気持ちなどが伸びていくように力を尽くす,



【そつ】

そっくりかえる,反っくり返る,ラ行五段,自動詞,「板が乾燥して反っくり返る」「自信ありげに反っくり返る」,,,後ろや反対側に反り曲がる・反り返る、威張って体を反らせる・威張りくさった態度をとる,



【そな】

そなえつける,備え付ける,カ行下一段,他動詞,「防犯ベルを備えつける」,,,一定の場所に設備して使えるようにしておく,


そなえる,供える,ア行下一段,他動詞,「霊前に花を供える」,,,神仏や高貴な人などに物を捧げる,

そなえる,備える(具える),ア行下一段,他動詞,「万一に備える」「地震に備える」「試験に備えて夜遅くまで勉強する」「各室に空調設備が備えてある」「応接セットを備える」「資格を備える」「あらゆる条件を備えている」「人徳を備えている」,相互「そなわる」,,ある事態が起こったときにうろたえないようにまたこれから先に起こる事態に対応できるように準備しておく・心構えをしておく、必要なときにいつでも使えるように前もって整えておく・設備や装置を用意しておく、必要なものをどこも足りないところがないように持っている・具備する、生まれたときから自分のものとして持っている・身につけている。「備」はととのえる・しつらえる・もうける・前もって用意しておく・加える・数に入れる、「具」はそろえておく・準備する意。常用の「備」に統一,


そなわる,備わる(具わる),「公共施設の備わった都市」「全室にスプリンクラーが備わっている」「気品が備わる」「生まれついて備わった才能」,相互「そなえる」,,。必要なものが不足なく揃い整っている・設備や装置などが用意してある、生まれながらに自分のものとして持っている・ある才能や性質が身についている。「備」は欠けたところがない・十分にととのって足りる・準備ができている・地位にいる、「具」はととのう・揃っている意。常用の「備」に統一,



【そね】

そねむ,嫉む(妬む),マ行五段,他動詞,「人の才能をそねむ」,,,他人の幸せや長所をうらやみねたむ・嫉妬する。「嫉・妬」は常用外なのでかな書きで統一。「嫉む・妬む」は「ねたむ」と同字,



【そは】

そばだてる,欹てる,タ行下一段,他動詞,「外の騒ぎに耳をそばだてる」「枕をそばだてる」,,,耳や目の注意力をそのほうへ集中させる・枕などから頭を持ち上げて聞き耳を立てる,


そばめる,側める,マ行下一段,他動詞,「目をそばめたくなるようなむごさ」,,,横に向ける・視線をそらす・そむける,



【そひ】

そびえる,聳える,ア行下一段,自動詞,「雲にそびえる霊峰」「高層住宅がそびえる団地」,,,山などが非常に高く立つ・そそりたつ,


そびやかす,聳やかす,サ行五段,他動詞,「肩をそびやかして歩く」,,,そびえるようにする・肩などをことさら高く上げる,


そびれる,そびれる,ラ行下一段,他動詞,「つい聞きそびれた」,,,補助動詞。その行為をする機会を失う・〜しそこなう,



【そほ】

そぼふる,そぼ降る,ラ行五段,自動詞,「小雨そぼ降る街」,,,雨がしとしと降る,



【そま】

そまる,染まる,ラ行五段,自動詞,「見事な藍に染まった布地」「全身朱に染まる」「夕日に染まる」「山が若葉の緑に染まる」「土地の風習に染まる」「悪に染まる」,,,染料や絵の具や墨などがついたりしみ込んだりしてその色になる、光の具合などであたりの色が変わる、ある考えや思想などの影響を受ける・よくない習慣がすっかり身につく,



【そむ】

そむ,染む,マ行五段,自動詞,「心に染まない縁談」「意に染まない仕事」,,,(多く打ち消しを伴って)深く感じる・強く心が惹きつけられる,


そむく,背く(叛く),カ行五段,自動詞,「約束に背く」「親の言いつけに背く」「主君に背く」「妻にまで背かれる」「四番打者の名に背かぬ大活躍」「ファンの期待に背く」,,,取り決めたことや目上の人の考えや命令などに従わずに反抗したり反対したりする・逆らう・謀反する・歯向かう、世間やある人の元から離れて行く・去る、予想されることと反対の結果になる。「背」は後ろ向きになる・背中を見せる、「叛」は謀反する・反逆する意,


そむける,背ける,カ行下一段,他動詞,「気まずさに顔を背ける」「目を背ける」,,,後ろや脇のほうへ向かせる・視線や顔をそらす,



【そめ】

そめあげる,染め上げる,ガ行下一段,自動詞,「紺色に染め上げる」,,,ある色に染めて仕上げる・染め終える,


そめかえす,染め返す,サ行五段,自動詞,「羽織を解いて染め返す」,,,色がさめたり汚れたりしたときなど改めて同じ色に染める・また別の色に染める,


そめかえる,染め替える(染め変える),ア行下一段,他動詞,「浅葱地を黒に染め替える」,,,染めてあるものを別の色に染め直す,


そめだす,染め出す,サ行五段,他動詞,「白地に紺で屋号を染め出す」,,,染めて文字や模様を表す,


そめつける,染め付ける,カ行下一段,他動詞,「花柄を染めつけた茶碗」,,,染めて色や模様をつける,


そめなおす,染め直す,サ行五段,他動詞,「母の羽織を染め直して着る」,,,染めてあるものを改めて再び染める,


そめぬく,染め抜く,カ行五段,他動詞,「家紋を染め抜く」,,,模様を地色のままに残し他の部分を染める,


そめる,初める,マ行下一段,自動詞,「桜の花の咲き初める頃」「夜が白白と明け初める」「見初める」,,,補助動詞。〜しはじめるの意,

そめる,染める,マ行下一段,他動詞,「髪を染める」「セーターを赤く染める」「紅葉が照り輝くように野山を染める」「夕日が家々の白壁を赤く染めている」「恥じらいで頬を染める」「陶器に心を染める」「悪事に手を染める」「小説に筆を染める」,,,染料などを使って色をつける・しみ込ませて色や模様をつける、光などがあたりの色を変える・ある色にする、顔を赤らめる、そのことに関心を寄せる・思いを深くする、(「手に染める」の形で)あることに取りかかる・着手する、(「筆を染める」の形で)書き始める・(筆で)絵や字を書く,


そめわける,染め分ける,カ行下一段,自動詞,「三色に染め分けた幕」,,,いくつかの色に分けて染める,



【そや】

そやす,そやす,サ行五段,他動詞,「褒めそやす」,,,おだてあげる・そそのかす,



【そよ】

そよがす,戦がす,サ行五段,他動詞,「秋風が梢をそよがす」,,,風が草や木の葉などをかすかに照らす,


そよぐ,戦ぐ,ガ行五段,「風にそよぐ葦」,,,風に吹かれて草や木の葉などがかすかに音を立てて揺れ動く,



【そら】

そらす,反らす,サ行五段,他動詞,「ベニヤ板を反らす」「身を反らす」「得意気に胸を反らす」,相互「そる」,,まっすぐな物や平らな物を弓なりに曲げる、体を後ろのほうへ弓なりに曲げる・そりかえらせる,

そらす,逸らす,サ行五段,他動詞,「話を逸らす」「視線を逸らす」「ボールを逸らす」「人を逸らさない応対ぶり」,相互「それる」,,向かうべき方向や目標から脇のほうへ向ける・他へ転じる、捕らえ損なう・逃がす・のがす,

そらとぼける,空惚ける,カ行下一段,自動詞,「空とぼけてばかりいて答えない」,,,知っているのに知らないふりをする・そらっとぼける,


そらんじる,諳んじる,ザ行上一段,他動詞,「歌詞をそらんじる」,,,「そらんずる」の音変化,


そらんずる,諳んずる,サ行変格活用,他動詞,「条文を諳んずる」,,,書いたものを見ないでその通りに言う・そらで覚える・暗証する・そらんじる,



【そり】

そりかえる,反り返る,ラ行五段,自動詞,「反り返った板」,,,反って後ろのほうへ曲がる・ひどく反る、胸を張り体をぐっと後ろへ曲げる・そっくりかえる・威張った態度などをいう,


そりこむ,剃り込む,マ行五段,他動詞,「額の隅を剃り込む」,,,生え際などを深く剃る,



【そる】

そる,反る,ラ行五段,自動詞,「表紙が反る」「板が反る」「指が反る」「反って歩く」「背中を反らせる」,相互「そらす」,,まっすぐな物や平らな物が弓なりに曲がる、体やその一部が後ろのほうへ弓なりに曲がる・のけぞる・弓なりに曲がる,

そる,剃る,ラ行五段,他動詞,「髭を剃る」,,,毛髪や髭などをカミソリなどで根元からきれいに切り落とす,



【それ】

それる,逸れる,ラ行下一段,自動詞,「弾が逸れる」「投球が逸れる」「話が脇道へ逸れる」,相互「そらす」,,別の方向へ行く・目標から外れる、本筋から離れる・通るべき筋道を外れて思いがけない方向へ行く,



【そろ】

そろう,揃う,ワ行五段,自動詞,「粒が揃う」「高さの揃った家並み」「机が一列に揃う」「足並みが揃う」「合唱の声が揃う」「条件が揃う」「資料が揃う」「走攻守の三拍子が揃った選手」,相互「そろえる」,,二つ以上のものの形や大きさなどが同じになる、整然と並ぶ、全体が一つにまとまる・調和する、必要なものやあるべきものが集まる・欠けたところなく備わる,


そろえる,揃える,ア行下一段,他動詞,「紐の長さを揃える」「彼とセーターの柄を揃える」「脱いだ履物を揃える」「両手を膝の上に揃える」「口を揃えて反対する」「色調を揃える」「スタッフを揃える」「機材を揃える」「耳を揃えて借金を返す」,相互「そろう」,,二つ以上のものの形や大きさなどを同じにする、(二つ一組のものなどを)きっちりと整った状態にする・整然と並べる、全体を一つにまとめる・調和させる、必要なものやあるべきものを集める・欠けたところがないようにする,



【そわ】

そわせる,添わせる,サ行下一段,他動詞,「付き人を添わせて外出させる」「いずれよい人を見つけて添わせてやろう」,相互「そう」,,添うようにさせる、夫婦にさせる・結婚させる,



【そん】

ぞんじあげる,存じ上げる,ガ行下一段,自動詞,「お名前は存じ上げております」「御清祥にてお過ごしのことと存じ上げます」,,,「知る・思う」の意の謙譲,


そんじる,損じる,ザ行上一段,他動詞,「上司の機嫌を損じる」,,,「そんずる」の音変化,


ぞんじる,存じる,ザ行上一段,他動詞,「私の存じるところを申し上げます」,,,「ぞんずる」の音変化,


そんする,存する,サ行変格活用,自動詞,「古くから当地に存する風習」「この世に人類の存する限り」「今なお記憶に存する」「旧態を存する制度」,,,存在する・ある、生きている・生きながらえる・生存する、無くならずに残っている、残しとどめる・たもつ,

そんする,損する,サ行変格活用,自動詞,「競馬で損する」「わざわざ出かけて損した」,,,財産や利益を失う・損をする、努力などが無駄になる,


そんずる,損ずる,サ行変格活用,自動詞,「地震で建物が損ずる」「健康が損ずる」,,,物が壊れる、状態などが悪くなる・病気になる、収益などを減らす,

そんずる,損ずる,サ行変格活用,他動詞,「叩いて机を損ずる」「名声を損ずる」「人の機嫌を損ずる」「不景気で利益を損ずる」,,,物を壊す、状態などを悪くする・病気になる、収益などを減らす,

そんずる,損ずる,サ行変格活用,他動詞,「手紙を書き損ずる」「急いては事をし損ずる」,,,補助動詞。しくじる・うっかりしそこなうなどの意,


ぞんずる,存ずる,サ行変格活用,自動詞,「知らぬ存ぜぬで埒が明かない」「お変わりなくお過ごしのことと存じます」,,,「知る・承知する」の意の謙譲、「思う・考える」の意の謙譲,



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る