第47話 副詞など(あ行)

よみ,漢字,用例,補記,


【あい】

あいかわらず,相変わらず,「相変わらず貧乏暇なしだ」,今までと変わったようすが見られないさま・以前と同じように・相も変わらず,


あいついで,相次いで,「相次いで来日する」,あとに続いて・次々と,


あいにく,生憎,「あいにく留守だった」,折あしく・ぐあい悪く,


あいまって,相俟って,「実力と運が相まって合格した」,いくつかの要素が重なり合って・互いに作用し合って・一緒になって,



【あえ】

あえて,敢えて,「言いにくいことをあえて言う」「あえて驚くにはあたらない」,やりにくいことを押しきってするさま・無理に、(打消しの語を伴って)特に取り立てるほどの状態ではないことを表す・必ずしも、打消しを強める・少しも・全く,



【あか】

あかあか,赤赤,「赤赤と燃え盛る火の手」,非常に赤いさま・真っ赤なさま,

あかあか,明明,「明明とネオンが灯る」,非常に明るいさま,


あかず,飽かず(厭かず),「写真を飽かず(に)見つめている」,飽きないで・いつまでも嫌にならないで、満足せず・もの足りなく,



【あく】

あくせく,齷齪,「あくせく働く」「つまらないことにあくせくする」,細かいことを気にして落ち着かないさま・目先のことにとらわれて気持ちがせかせかするさま,


あくまで(も),飽く迄も,「あくまで(も)自説を貫く」「あくまで(も)青い海」,物事を最後までやりとおすさま・徹底的に、どこまでも・全く,


あくる,明くる,「明くる十月一日」「明くる朝」「明くる日」「明くる年」,連体語。夜や月や年などが明けての・次の・翌,



【あけ】

あけくれ,明け暮れ,「明け暮れ物思いに耽る」,副詞的に用いて。明けても暮れても・いつも・しょっちゅう,


あけて,明けて,「明けて八十歳」「明けて十年目」,新しい年を迎えたあとの年齢や年数をいう語。年が変わると,


あげて,挙げて,「国を挙げて祝う」「挙げて数えるまでもない」,多くの物事を全部含めていうときに用いる。残らず・ことごとく、一つ一つ取り上げて・いちいち,



【あさ】

あさなゆうな,朝な夕な,「朝な夕な愛唱する歌」,朝に夕に・朝晩・いつも,


あさばん,朝晩,「朝晩神様にお祈りする」,副詞的に用いて。いつも・明け暮れ,



【あし】

あしからず,悪しからず,「どうか悪しからずご了承ください」,連語。相手の希望や意向に添えない場合などに用いる語。悪く思わないで・気を悪くしないで,


あししげく,足繁く,「治療に足繁く通う」,たびたび行くさま・頻繁に,



【あた】

あたかも,恰も(宛も),「あたかも自分が体験したように」「時恰も芸術の秋」,(多く「のようだ」「のごとし」などを伴って)あるものが他によく似ていることを表す。まるで・まさしく・ちょうど、ちょうどその時,


あたふた,あたふた,「支度もそこそこにあたふたと出かけた」,慌て騒ぐさま,


あたまから,頭から,「頭から文句を言う」「頭から信用しない」,ためらうことなく・はじめから・いきなり、全く・まるで,


あたら,可惜(惜),「あたら好機を逃した」,惜しくも・残念なことに。「あったら」とも,



【あつ】

あっけらかん,あっけらかん,「あっけらかんと眺めていた」「注意されてもあっけらかんとしている」,驚いたりあきれたりしてぼんやりしているさま、何もなかったように平気でいるさま・何事もあまり気にせずけろっとしているさま,


あっさり,あっさり,「あっさり(と)した味付け」「あっさり(と)犯行を認めた」,人の性質や事物の状態などがしつこくないさま・複雑でないさま・さっぱり、時間や手間をかけずに物事が行われるさま・簡単に,


あっぷあっぷ,あっぷあっぷ,「深みであっぷあっぷともがく」「不景気であっぷあっぷしている」,水におぼれて苦しんでいるさま、物事がうまくいかないでひどく苦しんでいるさま,



【あな】

あながち,強ち,「あながち(に)嘘とは言い切れない」,断定しきれない気持ちを表す・必ずしも・一概に,



【あに】

あにはからや,豈図らんや,「あに図らんや彼が犯人だったとは」,多く文末を「とは」で結ぶ。全く思いがけないことが起こったという気持ちを表す・意外にも,



【あの】

あの,あの,「あの帽子を取ってください」「あの男がまた来たよ」,連体詞。話し手や聞き手の双方から離れた人や物をさしていう、話し手も聞き手もすでに知っている人や事柄をさしていう・例の,



【あふ】

あぶなく,危なく,「危なく落第を免れた」「危なく正面衝突するところだった」,やっとのことで・かろうじて、まかりまちがえば・もう少しのところで,



【あま】

あまた,数多,「数多の判例を集積する」「引く手数多」,数量の多いさま・たくさん・多く,


あまつさえ,剰え,「吹雪は止まず、あまつさえ日も暮れてしまった」,別の物事や状況がさらに加わるさま・そのうえ・おまけに。多く悪い事柄が重なるときに用いる,


あまねく,遍く(普く・洽く),「世間にあまねく知れ渡る」,もれなくすべてに及んでいるさま・広く・一般に。始終すべては「遍く」、広く行きわたるは「普く・洽く」,


あまり,余り,「あまり勉強すると体を壊すよ」「あまり出来はよくない」,度を越しているさま・過度に、(打ち消しの語を伴って)特に取り立てていうほどでないさま・それほど。あんまり,


あまりある,余り有る,「功績が過失を償って余りある」「彼の死は惜しんでも余りあることだ」,連語。さらに十分な余裕がある・十分である、どんなに〜してもまだ十分でない,



【あや】

あやうく,危うく,「危うく間に合った」「危うく大怪我をするところだった」,やっとのことで・かろうじて、まかりまちがえば・もう少しのところで,



【あら】

あらあら,粗粗,「事情は粗粗申し述べたとおりです」,詳細また丁寧ではなく大雑把に行なうさま・だいたい・ざっと,


あらいざらい,洗い浚い,「やったことを洗いざらい話す」,残したり隠したりせずすべてを出すさま・何から何まで全部・残らず,


あらかじめ,予め,「あらかじめ調べておく」,物事の始まる前にある事をしておくさま・前もって,


あらかた,粗方,「仕事はあらかた片付いた」「参加人員はあらかた五〇人だ」,大部分・およそ、だいたいの数量をいうときに用いる・およそ・ざっと・あらあら,


あらためて,改めて,「後日改めて書面を出します」「親が死んで改めてありがたさを知った」,再び新しく行うさま・もう一度・別の機会に、初めて経験するように感じるさま・事新しく・今さらのように,


あらぬ,有らぬ,「あらぬ方向に走り去る」「あらぬ噂を立てられる」「あらぬ横恋慕」,連体詞。違った・別の・無関係の、意外な・思いもかけない、あってはならない・不都合な,


あらまし,あらまし,「普請はあらまし出来あがった」,おおかた・おおよそ,


あらゆる,あらゆる,「あらゆる角度から検討する」「あらゆる可能性」,連体詞。あるかぎりの・すべての,


あらんかぎり,有らん限り,「あらんかぎりの力を出す」,連語。「あるかぎり」に同じ,



【あり】

ありあり,有りあり(在り在り),「顔に不満の色がありあり(と)見えた」「亡き友の姿がありあり(と)目に浮かぶ」,はっきりと外に現れるさま・明らかに、まるで現実であるかのようにはっきりと見えるさま・鮮やかに,


ありし,在りし,「在りしよき日」「在りし妻の面影」「在りしに勝る繁栄」「在りし日の面影を偲ぶ」,主に連体詞となる連語。以前の・昔の、亡くなった・生前の,


ありったけ,有りっ丈,「力をありったけ出す」,可能な限り多く・できるだけ・思う存分,


ありとあらゆる,有りと有らゆる,「ありとあらゆる手段を尽くす」,主に連体詞となる連語。ある限りすべての・ありとある。「あらゆね」を強めていう語,


ありやなしや,有りや無しや,「有りや無しやの細かい模様」,連語。あるかないか・あるかないかわからないくらい目立たないさま,



【ある】

ある,或る,「ある所」「ある日」「ある人」,連体詞。はっきり名を挙げずに物事をさす語・また漠然と物事をさしていう語,


あるいは,或いは,「あるいは歌を歌い、あるいは笛を吹く」「あるいは私が間違っていたかもしれない」「明日はあるいは雨かもしれない」,連語。同類の事柄を列挙していろいろな場合のあることを表す・一方では、ある事態が起こる可能性があるさま・ひょっとしたら,


あるかぎり,有る限り,「あるかぎりの力を出し切る」,連語。「あらんかぎり」に同じ,


あるかなきか,有るか無きか,「あるかなきかの傷」「会社ではありかなきかの人物だが」,連語。あるのかないのかわからないほどにかすかなようす・また存在が意識されないほど存在価値のないようす,


あるかなし,有るか無し,「あるかなしの汚れ」,連語。あるのかないのかわからないほどごくわずかであるようす,


あることないこと,有る事無い事,「あることないこと言い触らす」,連語。本当のことと実際にはなかったこと,


あるべき,有るべき,「教師としてあるべき姿」,連体詞となる連語。そうあるのが当然の,


あるまじき,有るまじき,「指導者にあるまじき振る舞い」,連体詞となる連語。あってはならない・不都合である・とんでもない,



【あれ】

あれかし,有れかし,「事あれかしと待ち構える」,連語。ぜひともそうあってほしいと望む心を表す,


あれきり,あれきり,「あれきり連絡がない」「あれきりで事足りた」,「あれっきり」に同じ,


あれこれ,彼此,「あれこれ(と)思い悩む」,,


あれしき,彼式,「あれしきのことで音を上げるな」,連語,


あれっきり,あれっきり,「あの人にはあれっきり会っていない」「あれっきりの話で他意はない」,かつて経験した事柄をその時を最後として一度もしていないさま・あの時だけで、見たとおりの状態でそれ以上でもそれ以下でもないさま。「あれきり」の音変化,


あれほど,彼程,「あれほどの人物は他にいない」「あれほど注意したのに言うことを聞かない」,副詞的にも用いる。あの程度・あれくらい・あんなに,

あろうことか,有ろう事か,「あろうことか大恩ある人を騙してしまった」,連語。とんでもないことに・けしからんことに,



【あわ】

あわせて,併せて(合わせて),「参加者は合わせて五〇〇名」,連語。副詞的に用いて。総計して・全部で,


あわや,あわや,「あわや人にぶつかるところだった」「あわや、と思ったときに夢から覚めた」,危険などがその身に及ぶ寸前であるさま・あやうく,


あわよくば,あわよくば,「あわよくば大金をせしめてやろう」,運がよければ・よい機会が得られれば・うまくいけば,



【あん】

あんがい,案外,「案外よくできた」,副詞的に用いて。予想が外れるさま・思いがけないさま,


あんに,暗に,「暗に辞職を迫る」,はっきり口に出さずになんとなくにおわせるさま・それとなく,


あんのじょう,案の定,「案の定失敗した」,予想していたとおりに事が運ぶさま・果たして,


あんまり,余り,「あんまりうれしくて涙が出た」「あんまりいい話ではないが」,「あまり」の音変化,







【いい】

いいかげん,好い加減,「いいかげん嫌になった」「いいかげん飽きがきた」,かなり・相当,

いいかげん,好い加減,「いい加減の湯」「小物をしまうのにいい加減の大きさの箱」,程よい程度・手ごろ・適当,


いいこ,好い子,「いい子だから静かにしてね」「いい子になる」,連語。子供を褒めていう語。よいこ,


いいざま,言い様,「『よし、行こう』と言いざま立ち上がった」,連語、(「と言い様」の形で)言うと同時に・言うやいなや,

いいざま,好い様,「肝心の本番でとちるなんて、いいザマだ」,連語。他人のみっともない行動をあざけっていう語,


いいしれない,言い知れない,「言い知れない空しさを覚える」,連語。何と言っていいかわからない・言葉で言い表せない・言い知れぬ,


いいつらのかわ,好い面の皮,「いつも引き立て役にされていい面の皮だよ」,連語。割に合わないことに出会ったときに自嘲したり同情したりしていう語。とんだ恥さらし・いい迷惑,


いいとし,好い年,「いい年をしてばかなまねをするな」「先生も、もういい年だろう」,連語。十分に分別のある年齢・多く年齢に不相当な行為などをあざける気持ちを含んで使う、相当な年輩,


いいなか,好い仲,「いい仲になる」,連語。男女が愛し合っていること・またその間柄,


いいひと,好い人,「その仕事ならいい人を紹介しよう」,連語。あることにふさわしい人・適任者,


いいめ,好い目,「一人だけいい目を見る」「いい目にあう」,連語。望んでいたような幸運・幸せな状態,



【いう】

いう,言う(謂う),「ああいう場所には近づくな」,「こう・そう・ああ・どう」に「いう」「いった」が付いた形で体言に続けて。「のような」「の類の」の意の連体詞,


いうところの,謂う所の,「それはいうところの異端である」「いうところの常識とは何か」,所謂(いわゆる)を訓読みした連語。世に言う・いわゆる,


いうなれば,言うなれば,「この町は言うなれば第二の故郷だ」,言ってみれば・たとえて言うと・いわば,



【いえ】

いえども,雖も,「老いたりといえども戦列に加わる」「雨天といえども決行する」,連語。逆接の確定条件または仮定条件を表す。〜だけれど・たとい〜でも,



【いか】

いかが,如何,「御機嫌如何」「この件はいかが致しましょうか」「その案はいかがかと思う」「お一ついかが」「あなたもご一緒にいかが」,「どう」の意の連語。状態・意見などについてたずねるさま・どう・どのように、事の成り行きについて疑問をさしはさむ気持ちを表す・どう・どんなもの、相手を誘ったり相手に勧めたりする気持ちを表す・どうですか,


いかな,如何な,「いかな名人でも簡単にはできまい」,連体詞。どんな・どのような。「いかなる」の音変化,


いかなる,如何なる,「いかなることがあろうとも驚かない」,連体詞。「いかな」に同じ,


いかに,如何に,「人間、いかに生くべきか」「彼の運命やいかに」「いかに大きな打撃を受けたか誰にもわかるまい」「いかに苦しくても頑張る」,状態などについての疑問を表す・どのように・どんなふうに、程度などについて推量する気持ちを表す・どれほど・どんなに、(「ても」などの語を伴って)逆接の意味を強める・どんなに,


いかにして,如何にして,「いかにして再興すべきか」,連語。手段や原因や理由についての疑問を表す・どうやって,


いかにも,如何にも,「いかにも残念そうだ」「いかにも、おっしゃるとおりです」「いかにも、私が本人です」「いかにも君らしい」「いかにも本物らしく見える」,連語。程度や状態の甚だしいことを表す・どう考えても・全く・実に、相手の考えを強く肯定する意を表す・なるほど・確かに、まさしく。さも,


いかばかり,如何許り,「悲しみはいかばかりかと思いやる」,どれくらい・どれほど,


いかほど,如何程,「これは一ついかほどですか」「いかほど差し上げましょうか」「これまでの苦労はいかほどであったろう」「いかほど努力しても駄目だ」,物事の程度や分量や値段などを問う意を表す・どのくらい、物事の分量や程度などが多い意を表す・また「ても・とも」などの語を伴って逆接の意を強めるのにも用いられる・どれほど多く,


いかん,如何,「君の心境や如何」,(文末に用いて)状態などについての疑問を表す・どんなであろうか,


いかんせん,如何せん,「家を建てたいが、如何せん地価が高くて手が出ない」,連語。いい方法が見いだせないことを表す・残念にも,


いかんとも,如何とも,「これ以上は如何ともしがたい」,連語。(多く打ち消しを表す語を伴って)どうにも,


いかん,いかん,「無理に行くなと言うわけにもいかん」「そんなことをしてはいかん」「もういかん、おしまいだ」,連語。ある動作が不可能であることを表す・できない・いかない・いかぬ、禁止や非難の意を表す・だめだ・いかぬ・いけない、望みがないの意を表す・いけない,



【いき】

いきいき,生き生き(活き活き),「生き生き(と)した動き」「生き生きとした筆致」,活気があふれていて勢いのよいさま・また生気があってみずみずしいさま,


いきおい,勢い,「その場の雰囲気から勢いそう答えざるをえなかった」,その時のなりゆきで・必然的に,


いきなり,行き成り,「路地からいきなり子どもが飛び出した」,何の前触れもなく急に事が起きるさま・突然・ゆきなり,



【いく】

いくえにも,幾重にも,「幾重にもお頼み申し上げます」,何度も繰り返すさま,


いくひさしく,幾久しく,「幾久しく幸多かれと祈ります」「幾久しくご交誼を賜ります」,いつまでも変わらないさま・末長く。あいさつや手紙文などに用いる,


いくぶん,幾分,「幾分気が引ける」「幾分出来が悪い」,程度が小さいさま・いくらか・少し,


いくら,幾ら,「幾ら探しても見つからない」「幾ら子どもでもわかるだろう」,量や程度の甚だしいさま・どれほど・どんなに,


いくらか,幾らか,「昨日より幾らか気分がよくなった」,数量や程度があまり多くないさま・多少,


いくらなんでも,幾ら何でも,「幾ら何でもひどすぎる」,連語。どのような事情があろうとも・理由がどうであれ,



【いけ】

いけしゃあしゃあ,いけしゃあしゃあ,「あんなに叱られたのにいけしゃあしゃあとしている」,憎らしいほど平然としているさま,


いける,生ける,「生きとし生けるもの」「生ける屍」,連体詞となる連語。生きている,



【いさ】

いさい,委細,「委細承知した」,副詞的に用いる。細かいことまですべて・万事,


いささか,聊か(些か),「この問題はいささか難しい」「いささか所見を述べる」「気勢に押されていささかたじろいだ」,,

いささかも,聊かも(些かも),「いささかも似ていない」「いささかも反省の色が見えない」,少し・わずかばかり。(打ち消しの語を伴って)少しも・ちっとも,



【いし】

いじいじ,いじいじ,「いじいじ(と)して決断が遅い」,態度がはっきりしないさま・ぐずぐず,



【いす】

いずれ,何れ(孰れ),「その場はごまかせてもいずれバレるに決まっている」「いずれ改めて伺います」,いろいろな過程を経たうえでの結果をいう・いずれにしても・結局、あまり遠くない将来をいう・そのうちに・近々,


いずれも,何れも,「いずれもすぐれた短編を集める」,どれも・だれも・それぞれ,



【いそ】

いそいそ,いそいそ,「いそいそ(と)出かける」「朝からいそいそ(と)している」,心が浮き立ち喜び勇むさま・うれしいことなどがあって動作がはずむさま,



【いた】

いたく,甚く,「いたく感動する」,程度のはなはだしいさま・非常に・ひどく,


いたって,至って,「いたって健康だ」「いたって陽気な性格」,程度のはなはだしいさま・きわめて・非常に,


いたらぬ,至らぬ,「至らぬ点はお許し下さい」,連語。配慮が不十分で行き届かない・未熟である,



【いち】

いちいち,一一,「いちいち難癖をつける」「いちいち構っていられない」,副詞的に用いる。もれなく一つ一つ・ことこまかに,


いちおう,一応(一往),「これでいちおう出来あがりだ」「いちおう見直しましょう」,十分ではないがひととおり・大略、ほぼそのとおりと思われるが念のために,。本来は「一往」,


いちがいに,一概に,「一概に悪いとは言えない」,(多くは打消しの語を伴って)細かい差異を問題にしないで一様に扱うさま・おしなべて・ひとくちに,


いちじに,一時に,「全山が一時に色づいた」「たまった仕事を一時に片づける」,同時に物事が集中して起こるさま・また短時間に集中して行うさま・一度に・いちどきに。「いちどきに・いっときに」と同字,


いちだん,一段,「一段(と)立派になった」「スピードが一段(と)加わる」,比べるとかなりの違いのあるさま・ひときわ・いっそう・ずっと,


いちど,一度,「一度食べた忘れられない味」,副詞的に用いる。いったん・ひとたび・もし,


いちどならず,一度ならず,「一度ならずにi二度までも失敗する」,連語。一度だけでなく何度も・たびたび,


いちどに,一度に,「一度に入れるのは無理だ」「一度に花が咲く」,物事が同時に行われるさま・いちじに・いちどきに,


いちどきに,一時に,「客が一時に押しかける」「一時に疲れが出る」,物事が同時に行われるさま・いちじに・いちどきに。「いちじに・いっときに」と同字,


いちばい,一倍,「一倍深刻に考えるたちだ」「人一倍努力する」,副詞的にも用いる。他よりも数量・程度が大きい・いっそう,


いちはやく,逸早く(逸速く),「いち早く現場に向かう」「いち早く手を引く」,真っ先に・すばやく,


いちばん,一番,「君がいちばん上手だ」「できるかどうか、ここで一番試してみよう」,この上なく・最も、ためしに・思いきって・ひとつ,


いちめん,一面,「怖そうに見えて、一面とてもやさしい」,副詞的にも用いる。物事のある一つの側面・ある観点,


いちもくさんに,一目散に,「一目散に逃げ出す」,(多く「一目散に」の形で副詞的に用いる)わき目もふらずに走るさま・一散(いっさん),


いちゃいちゃ,いちゃいちゃ,「臆面もなくいちゃいちゃする」,いちゃつくさま・男女がむつまじげに戯れ合うさま,


いちやく,一躍,「一躍文壇に名を馳せる」,副詞的に用いる。途中の段階を飛び越えて進む・いっぺんに評価が上がる・一足とび,


いちろ,一路,「一路帰国の途につく」,副詞的に用いる。寄り道せずまっすぐに進むこと・ひたすら,



【いつ】

いついつまでも,何時何時迄も,「いついつまでもお元気で」,「いつまでも」を強めていう語・永久に,


いつか,何時か,「いつかお会いしたい」「いつか来た道」「いつか日が暮れていた」,未来の不定の時を表す・そのうちに、過去の不定の時を表す・いつぞや・以前、時がたつのに気がつかないさま・いつのまにか,


いつかしら,何時かしら,「いつかしら夜が明けていた」,いつのまにか・知らないうちに,


いつかは,何時かは,「いつかは社長の椅子に座るだろう」「人間はいつかは死ぬものだ」,将来の事に対するかなり確かな推量や意志を表す・そのうちきっと・いずれ必ず,


いっかど,一廉(一角),「一廉の人間」,相当にすぐれているさま・格段・ひとかど。「ひとかど」と同字,


いっきに,一気に,「一気に駆け抜ける」,途中で休まずに物事をするさま・いっぺんに,


いっきょに,一挙に,「一挙に仕上げる」「一挙に劣勢を挽回する」,副詞的に用いる。一度にかためて物事をやる・ひといきに・いっぺんに,


いっけん,一見,「一見真面目そうな人」,副詞的に用いる。ちょっと見たところ,


いっこうに,一向に,「何を言われても一向に動じない」「一向に存じません」「服装には一向に構わない」,全然・まったく、(打ち消しの語を伴って)ちっとも・少しも,


いっさい,一切,「謝礼は一切受け取らない」「今後一切干渉しない」,(打ち消しの語を伴って)全然・まったく・いっせつ,


いっさいがっさい,一切合切(一切合財),「今後は一切合切関知しない」,(打ち消しの語を伴って副詞的に用いる)全然・いっさい,


いっさんに,一散に(逸散に),「一散に駆けつける」,副詞的に用いる。わき目もふらず一生懸命に走る・一目散,


いつしか,何時しか,「いつしか今年も暮れてしまった」,いつのまにか・早くも,


いっしゅ,一種,「一種独特の書体」「一種異様な雰囲気」,副詞的に用いる。どことなく・またちょっと他と異なっているさま,


いっしゅん,一瞬,「一瞬目を疑った」,副詞的に用いる。一度またたきをするほどのきわめてわずかな時間・刹那,


いっせいに,一斉に,「一斉に立ち上がる」,副詞的に用いる。同時にそろって何かをすること・同時・いちどき,


いっそ,いっそ,「そんな絵ならいっそ掛けないほうがましだ」「近頃は角帽をかぶった学生のほうがいっそ異様だ」,中途半端な状態を排して思いきったことを選ぶときに用いる・とやかく言わないで・むしろ・いっそのこと、予想に反した事を述べるときに用いる・かえって・反対に。「いっそう」の音変化,


いっそのこと,いっそのこと,「どうせ負ける相手ならいっそのこと新人をぶつけて鍛えよう」「いっそのこと焼けて無くなればいい」,中途半端な状態を排して思いきったことを選ぶときに用いる・とやかく言わないで・むしろ・いっそのこと、投げやりな気持ちになって極端な事態になることを願望するさま,


いつぞ,何時ぞ,「いつぞの年か忘れたが」,いつであったか・いつか,


いつぞや,何時ぞや,「いつぞやは失礼いたしました」,過去の不定の時を表す場合の改まった言い方・いつか・先日,


いっそう,一層,「寒さがいっそう厳しくなる」「末っ子をよりいっそう可愛がる」,程度がいちだんと進むさま・ひときわ・ますます,


いったい,一体,「いったい君は何者だ」,強い疑問やとがめる意を表す・そもそも,


いったいぜんたい,一体全体,「一体全体どうなっているんだ」,「いったい」を強めた言い方・非常に強い疑問の気持ちを表す,


いったん,一旦,「いったん怒りだすと手がつけられない」「いったん帰国する」,ひとたび・一度、ひとまず・一時的に,


いっちょう,一丁,「一丁取りかかるか」,物事を始めるときに言う語・ひとつ思いきって・それでは・さあ,

いっちょう,一朝,「一朝事あるときはすぐ駆けつけよう」,急に何かあるときにいう語・いったん・ひとたび,


いっとう,一等,「これが一等いい」「一等美しく咲き誇る」,最も・いちばん、いちだんと,


いっときに,一時に,「客が一時に押しかける」,同時に・一度に。「いちじに・いちどきに」と同字,


いつなんどき,何時何時,「いつ何時事故に遭うかわからない」,「いつ」を強めた語,


いつに,一に,「成否は一に現在の努力にかかっている」「この成功は一に努力の賜物だ」「中納言、一に黄門とも言う」,副詞的に用いる。ほかではなくもっぱらそれによるさま・ひとえに・全く、ひとつには・また・あるいは,


いっぱい,一杯,「日がいっぱい差し込む」「部屋は来客でいっぱいになる」「弓をいっぱいに引き絞る」,一定の容器や場所などに物があふれんばかりに満ちているさま、できる限り・ありったけ,


いっぱし,一端,「あれでいっぱし専門家のつもりでいる」,一人前に・人並みに・未熟なのに一人前のように振る舞うさまにもいう,


いっぱつ,一発,「一発回答」「一発賭けてみよう」,一回・一つ・思い切って行なってみる場合に副詞的にも用いる,


いっぺん,一遍,「いっぺん乗ってみたい」,一回・一度,


いっぺんこっきり,一遍こっきり,「いっぺんこっきりしか言わない」,一回を強く限定する意を表す語・一度かぎり,


いっぺんに,一遍に,「いっぺんに注文をさばききれない」「それを見ていっぺんに酔いが覚める」,多くのことを一度にまとめて行うさまを表す・いちどきに・一度に,


いつまで,何時迄,「いつまで泣いているのだ」「いつまで待てばいいのか」,いつの時まで・どの時まで,


いつまでも,何時迄も,「いつまでもお幸せに」,ある事柄が終わるときの限度がないさま・末長く,


いつも,何時も,「いつも威勢がいい」,いつと限定しないさま・どんな場合でも・常に,



【いと】

いとも,いとも,「いともたやすいことだ」,程度の甚だしいさま・非常に・きわめて,



【いな】

いな,異な,「異なことを伺いますが」「縁は異なもの味なもの」,連体詞。普通と変わった・変な・妙な,


いながら,居乍ら,「いながらにして世界情勢を知る」,(「いながらに・いながらにして」の形で)その場にじっとしていて・その場を動かないで,


いなや,否や,「カバンを置くや否や外に飛び出した」「頼みの雨は降るや否や」,連語。「〜やいなや・〜がいなや」などの形で用いる。〜とすぐに・〜と同時に、問いかけの意を表す・〜かどうか・どうだろうか,



【いに】

いにし,往にし,「往にし世」「往にし年」,連体詞。過ぎ去った,



【いの】

いのちかぎり,命限り,「命限り働く」,副詞的に用いる。全力を出し尽くして。「いのちのかぎり」に同じ,


いのちからがら,命辛辛,「命からがら逃げてくる」,命を守るのが精いっぱいのさま・やっとのことで,


いのちのかぎり,命の限り,「命の限り愛する」,命のある間じゅう・生命の続く限り・命限り。「いのちかぎり」に同じ,



【いま】

いま,今,「今考えているところだ」「桜は今花盛りだ」「今流行りのファッション」「今終わるから待っていてくれ」「今行きます」「今帰ったところだ」「今一度考えてみる」「今暫くの間」「今ひとり参ります」,副詞的にも用いる。過去と未来との境になる時・現在・ただいま・時間の流れをとらえた瞬間・この時・近い過去から近い未来へ継続している現在の時・目下、現代・現今・今の世、ごく近い未来・もうすぐに・やがて・じきに、ごく近い過去・少し前に・いましがたろさっき、さらに・そのうえろ・もう,


いまいち,今一,「いまいち迫力がない」「調子はいまいちだった」,少しだけ不足しているさま・もう一息。「今ひとつ」とも,


いまさら,今更,「今さら何を言っているんだ」「今さら注意するまでもない」,もっと早ければともかく今となっては遅すぎるという意を表す・今ごろになって、今新しく・今改めて,


いましも,今しも,「今しも列車は出発するところだった」,連語。ちょうど今,


いますこし,今少し,「今少し待ってください」,もう少し・もうちょっと,


いまだ,未だ,「いまだはっきりしない事故原因」「周囲の山々はいまだに冬の装いである」,今になってもまだ実現していないさま、以前のままであるさま。「まだ」の文語表現,


いまだかつて,未だ曾て(未だ嘗て),「未だかつて師の命に背いたことはない」,(打ち消しの語を伴って)今までに一度も,


いまだに,未だに,「いまだに雨が降っている」「いまだに忘れられない」,今になってもまだ。今もなお。「まだ」の文語表現。「今だに」は誤記,


いまに,今に,「この空では今に雨が降る」「今にやっつけてやる」,近い将来に関する推量または決意を表す・そのうち・いずれ必ず,


いまにも,今にも,「今にも笑いだしそうな表情」「今にも壊れるかもしれない」,目前に何かが起こりそうなさま・すぐにも・今まさに,


いまひとつ,今一つ,「今一ついかがですか」「今一つ演技に迫力が足りない」「景気は今一つだ」,さらに一つ・もう一つ、完全というには欠けたところのある状態・いま一息・いまいち.


いままで,今迄,「今まで仕事をしていた」「今まで行ったことがない所」,今の時まで・現在まで,


いまもって,今以て,「今もって消息不明である」,今になってもなお・いまだに,


いまや,今や,「今や決断の時」「今や沈もうとしている」「今や一流の作家だ」,今こそ・今まさに、今にも、今では・今はもう,



【いみ】

いみじくも,いみじくも,「暑さ寒さも彼岸まで、とはいみじくも言ったものだ」,非常にうまく・適切に,



【いや】

いやいや,嫌嫌,「嫌嫌承知する」「嫌嫌仕事をする」「嫌嫌ながら別れる」,しかたなく物事を行うさま・嫌だとは思いながら・しぶしぶ,


いやがうえにも,弥が上にも,「巧守巧打の連続で球場はいやがうえにも盛り上がった」,なおその上に・ますます,


いやしくも,苟も,「いやしくも人の上に立つ者のすべきことではない」「いやしくもこれが事実なら、早急に対処すべきだ」「一字一句をいやしくもせず」,仮にも・かりそめにも、もしも・万一、(打ち消しの語を伴って)いいかげんに・おろそかに,


いやでも,否でも,「いやでも噂が耳に入る」「朝までにはいやでもこの仕事を終わらせる」,たとえ好まなくても、なんとしても・是が非でも,


いやに,いやに,「何だかいやに静かな晩だ」「この本はいやに難しい」,状態が異常であるさま・妙に・変に、程度が甚だしいさま・非常に・ひどく,



【いよ】

いよいよ,愈(愈愈),「いよいよ雨が激しくなる」「昇進はいよいよ明らかだ」「いよいよもって彼が怪しい」「新社屋がいよいよ完成する」「いよいよ試合開始だ」「いよいよの時は加勢を頼むよ」,持続的に程度が高まるさま・ますます・より一層、不確定なものが確定的になるさま・まさしく、待望していた物事が成立したり実現したりするさま・とうとう・ついに、重大な事態に至ろうとしているさま・いざ,



【いら】

いらいら,苛苛,「連絡がとれず、イライラする」「喉がイライラする」,思いどおりにならなかったり不快なことがあったりして神経が高ぶるさま・いらだたしいさま,


いらざる,要らざる,「要らざる世話を焼く」,連語。不必要な・よけいな・いらぬ,


いらぬ,要らぬ,「要らぬ心配をする」,連語。不必要な・余計な・いらざる,



【いろ】

いろいろ,色色,「いろいろ(と)やってみたが駄目だった」「種類がいろいろ(と)ある」,さまざま・あれこれ・種々,


いろんな,色んな,「いろんな話をする」,連体詞。さまざまの・種々の。「いろいろな」の音変化,



【いわ】

いわく,曰く,「古人曰く」,副詞的に用いる。言うことには,


いわずかたらず,言わず語らず,「言わず語らずのうちに納得する」,連語。何も言わないこと・暗黙,


いわずとしれた,言わずと知れた,「健康が第一なのは言わずと知れたことだ」,連語。言わなくてもわかっている・わかりきった,


いわずもがな,言わずもがな,「言わずもがなのことを言う」「英語は言わずもがな、フランス語も話す」,連語。(「の」を伴って連体詞的に用いて)言わないほうがよい・言わでもの、言うまでもなく・もちろん,


いわでも,言わでも,「言わでものことを言って起こらせてしまう」,連語。言わなくてもよいこと,


いわば,言わば,「彼は、言わば業界の救世主だ」,言ってみれば・たとえて言えば,

いわゆる,所謂,「いわゆる独身貴族」「これこそ、いわゆる瓢箪から駒というものだ」,連体詞。世間一般に言われる・俗に言う・よく言う,


いわんや,况んや,「この問題は先生でも解けない。いわんや生徒に解けるはずがない」,前に述べたことから考えてこの件については言うまでもなく自明のことであるという気持ちを表す・まして・なおさら,



【いん】

いんに,陰に,「同僚を陰に批判する」,人に気づかれないようにするさま・内密に・こっそりと・かげで,







【うか】

うかうか,うかうか,「うかうかと口車に乗せられる」「同業者も増えたのでうかうかしていられない」,気がゆるんで注意が行き届かないさま・うっかり、しっかりした心構えや目的を持たずぼんやり時を過ごすさま,



【うき】

うきうき,浮き浮き,「浮き浮きと遠足に出かける」「朝から浮き浮きしている」,楽しさで心がはずむさま・うれしさのあまり落ち着いていられないさま,



【あし】

うじうじ,うじうじ,「うじうじ(と)して気に病む性分」,気おくれしたり決断がつかなかったりしてはっきりした態度をとらないさま・ぐずぐず,


うじゃうじゃ,うじゃうじゃ,「タレント志願の若者がうじゃうじゃいる」「毛虫がうじゃうじゃ(と)している」「くだらないことをうじゃうじゃ言うな」,同種のものや似たようなものがたくさん集まってうごめいているさま・特に小さいものにいう、いつまでもしまりなく長引くさま・ぐずぐず・くどくど,



【うす】

うすうす,薄薄,「前から薄薄気づいてはいた」,はっきりとではなくいくらか意識されるさま・おぼろげに,


うずうず,うずうず,「遊びに行きたくてうずうずしている」,ある行動をしたくてじっとしていられないさま・むずむず,


うすぼんやり,薄ぼんやり,「遠くに薄ぼんやりと山が見える」「薄ぼんやりした人」,物の形や事柄の印象などがあまり鮮明ではないさま、気がきかず少し間の抜けているさま,



【うた】

うだうだ,うだうだ,「今さらうだうだと何を言うか」,とるにたりないことをいつまでも言ったりするさま・ぐずぐず,


うたた,転,「うたた同情の念に堪えない」,ある状態がどんどん進行して甚だしくなるさま・いよいよ・ますます・転じてそうした状態の変化を前にして心が深く感じ入るさまにいう,



【うつ】

うっかり,うっかり,「うっかり(と)秘密を喋る」「うっかりして大事な物を置き忘れた」,ぼんやりして注意が行き届かないさま,


うっすら,薄ら,「うっすら(と)赤みが差す」「すっすら(と)記憶に残っている」「雪がうっすら(と)積もる」,濃さや明瞭度や厚さなどの程度がわずかであるさま・ほのかに・かすかに・うすく。「うすら」の音変化,


うっとり,うっとり,「音楽にうっとり(と)聞き惚れる」「うっとり(と)したまなざし」,美しいものなどに心を奪われてぼうっとしているさま、また気抜けしたさま,


うつらうつら,うつらうつら,「熱が高くて一日中うつらうつらしていた」「退屈な話を聞かされてついうつらうつらする」,疲労などのために浅い眠りにひきこまれるさま,



【うと】

うとうと,うとうと,「仕事中についうとうとしてしまった」,眠けを催して浅い眠りに落ちるさま,



【うね】

うねうね,うねうね,「うねうね(と)連なる山並み」「うねうね(と)続く一本道」「うねうね(と)した川筋」,山脈などが起伏して続くさま、曲がりくねって続いているさま・くねくね・うねくね,



【うま】

うまうま,旨旨,「旨旨とだまされた」,巧みなやり方で物事を自分の思いどおりに進めるさま・まんまと,


うまれつき,生まれつき,「生まれつき人がいい」,副詞的に用いる。生まれながらにして・生来,


うまれながら,生まれ乍ら,「生まれながらにして才能に恵まれている」「生まれながらの遊び人」,生まれた時からすでにそうであるさま・生まれつき・生来,



【うよ】

うようよ,うようよ,「毛虫がうようよいる」「小鮎がうようよしている」,小さい生き物が多数集まってうごめいているさま・うじゃうじゃ,



【うら】

うらうら,うらうら,「うらうらとした春の一日」,日ざしが明るく穏やかなさま,


うらむらくは,恨むらくは,「暇はあるのに、恨むらくはお金がない」,連語。残念なことには・恨めしいことには,


うらんかな,売らん哉,「売らんかなの姿勢が見え見えだ」,連語。何がなんでも商品を売りさえすればよいという考え方や態度,



【うろ】

うろうろ,うろうろ,「道に迷ってうろうろする」「突然の訃報に接してうろうろ(と)するばかりだ」,あてもなくあちこち歩き回るさま、どうしたらよいかわからずに困りはてているさま,


うろちょろ,うろちょろ,「そんなにうろちょろ(と)されては仕事の邪魔になる」,目ざわりになるほどあちこち動き回るさま,



【うん】

うんざり,うんざり,「あまりの長話にうんざりする」「あの作家がこんな文を書くとはうんざりしてしまう」,物事に飽きてつくづくいやになるさま、期待が外れてがっかりするさま・げんなり,



【うん】

うんと,うんと,「うんと稼いで仕送りしてやる」「前よりうんと体重が減った」,数量の多いさま・たくさん・どっさり、程度が甚だしいさま・また他と比べて差の大きいさま・非常に・ずっと,







【えい】

えいえい,永永,「永永二百余年の間」,長い年月にわたるさま,


えいやっと,えいやっと,「仕事をえいやっと終わらせる」,力を入れてまた思い切りよく事を行うさま,



【えつ】

えっちらおっちら,えっちらおっちら,「えっちらおっちら(と)坂を登っていく」,疲れたり重い物を担いだりしてたどたどしく苦しそうに歩くさま,



【えて】

えてして,得てして,「頭のいい人はえてして策に溺れるものだ」,ある事態になる傾向のあるさま・ややもすると・ともすると・とかく・えて,



【えへ】

えへらえへら,えへらえへら,「えへらえへらとするだけで返事もしない」,人を小ばかにしてまたしまりなく笑うさま,



【えも】

えもいわれぬ,えも言われぬ,「えも言われぬ趣がある」,連語。言葉で言いようもない,



【えん】

えんやらやっと,えんやらやっと,「えんやらやっと持ち上げる」,ようやくのことで・やっとのことで,







【おい】

おいおい,おいおい,「大の男がおいおい(と)泣き出した」,大声で激しく泣く声またそのさま,

おいおい,追い追い,「この問題は追い追い(と)説明します」,順を追って・だんだんに・しだいに,


おいかける,追い掛ける,「とりあえず事件発生の一報を入れ、追いかけて詳細を伝える」,(「おいかけて」の形で副詞的に用いて)ある事をしたあとに続けて事を行う・またある事に続いてさらに事が起こる,


おいそれと,おいそれと,「おいそれと承諾できる話ではない」,簡単に応じるさま,



【おう】

おうおう,往往,「こういうことは往往にしてあるものだ」,(多く「往往に・往往にして」の形で)物事がしばしばあるさま・まま,



【おお】

おおいなる,大いなる,「大いなる望み」「大いなる業績」,連体詞。大きい・また偉大な・りっぱな,


おおいに,大いに,「大いに感謝している」「今夜は大いに飲もう」,非常に・はなはだ・たくさん,


おおかた,大方,「仕事はおおかた片付いた」「おおかた寝坊でもしたのだろう」,だいたい・大部分・あらかた、恐らく・たぶん,


おおかれすくなかれ,多かれ少なかれ,「多かれ少なかれ誰にでも夢がある」,連語。数量や程度に多い少ないの差はあっても・大なり小なり,


おおきに,大きに,「大きにご苦労だった」「それは大きにありそうなことだ」,大いに・たいへん・たいそう,


おおく,多く,「初心者は多くこうした誤りを犯す」,ふつう・一般に・たいてい,


おおむね,大旨(概ね),「会員は概ね女性だ」,その状態が大部分を占めるさま・だいたい・おおよそ,


おおよそ,大凡(凡そ),「おおよそ十年くらい前」「事情はおおよそ見当がつく」「おおよそ国家としての独立を望まない者はいまい」,細部にこだわらず概略を判断するさま・だいたい・大ざっぱに・およそ、話を切り出すときの言葉・全体的にみて・一般に・いったい・そもそも,



【おき】

おきふし,起き伏し(起き臥し),「起き伏し息子の行く末を案じる」,寝てもさめても・いつも,


おぎゃあ,おぎゃあ,「おぎゃあと産声をあげる」,赤ん坊の泣き声,



【おさ】

おさおさ,おさおさ,「用意おさおさ怠りない」,(打ち消しの語を伴って)ほとんど・まったく,



【おし】

おして,押して,「熱があるのに押して出かける」,無理に・強いて,


おしなべて,押し並べて,「今年の稲作は押しなべて出来がいい」,全体にわたって・一様に・概して,


おしむらくは,惜しむらくは,「いい人だが惜しむらくは人情味に乏しい」,連語。惜しいことには・残念なことには,



【おす】

おずおず,怖ず怖ず,「怖ず怖ず(と)進み出る」,恐れてためらいながら物事をするさま・おそるおそる,



【おそ】

おそかれはやかれ,遅かれ早かれ,「遅かれ早かれ返事は寄越すだろう」,時期に遅い早いの違いはあっても・いつかは・早晩,


おそくも,遅くも,「遅くも夕方までには帰る」,遅くなったとしても・遅くとも,


おそらく,恐らく,「明日はおそらく雨だろう」,「おそらくは」に同じ。「おそらくは」の略語,


おそらくは,恐らくは,「おそらくはもう会えないだろう」,確度の高い推量を表す語・きっと,


おそるおそる,恐る恐る,「恐る恐る丸木橋を渡る」,恐れからひどく緊張して事を行うさま,


おそるべき,恐るべき,「恐るべき自然破壊」「恐るべき速さ」,恐れなければならない・恐れるのが当然の、程度が甚だしいさま・非常な,


おそれながら,恐れ乍ら,「恐れながら申し上げます」,失礼ではあるが・恐れ多いことであるが,



【おた】

おたおた,おたおた,「急な来客におたおた(と)する」,不意の出来事に驚いたり相手に気おされたりしてうろたえるさま,


おたがいに,お互いに,「お互いに助け合う」,「互いに」の美化語,



【おち】

おちおち,落ち落ち,「忙しくておちおち食事もしていられない」,(打ち消しの語を伴って)落ち着いて・安心して,



【おつ】

おっかなびっくり,おっかなびっくり,「おっかなびっくり馬に乗る」,こわがってびくびくしながら事をするさま・おそるおそる・こわごわ,


おっつけ,追っ付け,「追っつけ来るだろう」,副詞的に用いて。物事を引き続いてすぐすること,


おって,追って,「結果は追ってご連絡いたします」,近いうちに・のちほど・後日、手紙や掲示などで一応書き終えたあとさらに書き加えるときその初めに置く言葉・なお・付け加えて,


おっとり,おっとり,「おっとり(と)構える」「良家の出らしいおっとりした振る舞い」,人柄やしぐさなどが落ち着いていてこせこせとしないさま・おおようなさま,



【おと】

おどおど,おどおど,「人前ではいつもおどおどしている」,緊張や不安や恐怖心で落ち着かないさま,


おどろくなかれ,驚く勿れ,「驚くなかれ、十二月なのに桜が咲いたところがあるそうだ」,連語。驚いてはいけない・大変なことを述べるときの前置きに用いる,


おどろくべし,驚くべし,「驚くべし、発明者はまだ小さな子どもだったのだ」「驚くべき進歩」,連語。驚いたことには・話の前置きとして使う、(「驚くべき」の形で)驚くほど甚だしい,



【おな】

おなじ,同じ,「同じ買うなら安いほうがいい」,どうせ・どっちみち。「おんなじ」と同字,


おなじく,同じく,「彼と同じく私も東京生まれです」,副詞的に用いる。同様に・等しく,



【おの】

おのずから,自ずから,「この誤解は時が来れば自ずから解ける」,そのもの自体の力や成り行きに基づくさま・自然に・ひとりでに・おのずと,


おのずと,自ずと,「繰り返し読めば自ずと意味がわかってくる」,ひとりでに・おのずから,



【おほ】

おぼえず,覚えず,「迫真の演技に覚えず息を呑む」,無意識のうちに・知らず知らず,



【おめ】

おめおめ,おめおめ,「今さらおめおめ(と)帰れない」「よくもおめおめと来られたものだ」,恥ずべきことと知りながらそのままでいるさま・また恥とも思わないで平気でいるさま,


おめずおくせず,怖めず臆せず,「怖めず臆せず堂々と自分の意見を述べる」,連語。気後れしないで・恐れないで,



【おも】

おもいおもい,思い思い,「思い思い料理を注文する」,めいめいが思うままにするさま,


おもいがけず,思い掛けず,「思いがけず賞をもらう」,予期しなかったのに・思いがけなく,


おもいきった,思い切った,「思い切った改革を実施する」,連語。ためらいを捨てて大胆であるさま,


おもいきって,思い切って,「思い切って秘密を打ち明ける」「思い切ってバットを振る」,ためらう気持ちを振り切って物事をするさま・決心して、ためらうことなく物事をするさま・思い切り,


おもいきや,思いきや,「直ったと思いきやまたすぐに壊れてしまった」,連語。〜と思ったところが意外にも,


おもいきり,思い切り,「思い切り遊びたい」,満足できるまでするさま・思う存分,


おもいのまま,思いの儘,「思いのまま(に)振る舞う」,副詞的にも用いる。心に思うとおり・思う存分,


おもうさま,思う様,「思うさま酒を飲む」,満足のゆくまで・思う存分,


おもうぞんぶん,思う存分,「思う存分(に)遊びたい」「思う存分の働き」,満足がいくまで・思いきり,


おもうに,思うに(惟うに),「思うに彼はああ言う性格なのだ」,考えてみるに・推察すると。「惟」はおもう・おもんみる・よく考える,


おもうまま,思う儘,「ピアノを思うまま(に)操る」,心に思うとおりに・思うさま,


おもてむき,表向き,「表向きの理由」「表向き出張ということにしておく」,副詞的にも用いる。内実とは違った世間に対する名目・うわべ・表面上,


おもに,主に,「大学では主に物理を学んだ」,主として・大部分・ほとんど,


おもむろに,徐に,「おもむろに立ち上がる」「おもむろに口を開く」,落ち着いてゆっくりと行動するさま,


おもわず,思わず,「思わずかっとなる」「嬉しくて思わず跳び上がる」,そのつもりではないのに・考えもなく・無意識に,


おもわぬ,思わぬ,「思わぬ結果になる」「思わぬ失敗をする」,連語。思いもよらない・意外な,



【およ】

およそ,凡そ,「およそニキロ離れている」「被害はおよそどのくらいか」「およそ日本人は働きすぎるきらいがある」「これはおよそ面白くない本だ」,大まかに言って・だいたい・約、そもそも・総じて・一般に・話を切りだすときに用いる、(否定的な表現を伴って)全く・全然,


およばずながら,及ばず乍ら,「及ばずながらお手伝い致しましょう」,十分にはいかないが・人の手助けをするときなどに謙遜していう語,



【おり】

おりあしく,折悪しく,「訪問した相手は折悪しく不在だった」,対語「おりよく」。時機が悪いことに・あいにく,


おりいって,折り入って,「折り入ってお願いしたいことがあります」,深く心を込めて・特別に・ぜひとも,


おりおり,折折,「折折見かける人だ」,時々・時たま,


おりから,折柄,「折からの豪雨をついて出発」「折から聞こえる祭り囃子」,副詞的にも用いる。ちょうどその時・折しも,


おりしも,折しも,「折しも強風が吹き荒れる」,ちょうどその時・折から,


おりふし,折節,「窓の外を眺めると、折節桜が満開で」「折節見かけることもある」,ちょうどその時・折しも、時々・時おり・時たま,


おりよく,折好く,「駅に着いたら折よく電車が来た」,対語「おりあしく」。その時都合よく,



【おろ】

おろおろ,おろおろ,「父の死にただおろおろ(と)するばかりだった」,驚きや悲しみなどの衝撃でうろたえるさま,



【おん】

おんなだてら,女だてら,「女だてらに大酒を飲む」,(女に似つかわしくないという非難を込めて)女らしくもなく,


おんなじ,同じ,「おんなじ勉強するなら、もっとしっかりやれ」,どうせ・どっちみち。「おなじ」に同じ。「おなじ」と同字,



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