第28話 動詞(も)

よみ,漢字,活用,自他,用例,相互,対語,補記,


【もう】

もうかる,儲かる,ラ行五段,自動詞,「儲かる商売」「買わずに済んで儲かった」,相互「もうける」,,利益が得られる・儲けになる、思いがけない得をする,


もうける,設ける,カ行下一段,他動詞,「一席設ける」「窓口を設ける」「規律を設ける」,,,前もって用意や準備をする、建物や機関などをこしらえる・設置する,

もうける,儲ける,カ行下一段,他動詞,「だいぶ儲けているという話だ」「子まで儲けた二人の仲」,相互「もうかる」,,金銭上の利益を得る・また思いがけない得をする、子を得る,


もうしあげる,申し上げる,ガ行下一段,他動詞,「謹んで初春のお慶びを申し上げます」,,,「言う」り謙譲語・うやうやしく言う,


もうしあげる,申し上げる,ガ行下一段,他動詞,「お答え申し上げます」「ご相談申し上げたく参上致しました」,,,「御」が付いた自分の行為を表す体現に付けてその行為の対象を敬う・〜して差し上げる,


もうしあわす,申し合わす,サ行五段,他動詞,「当日の衣装を申し合わす」,,,「もうしあわせる」に同じ,


もうしあわせる,申し合わせる,サ行変格活用,他動詞,「集合時刻を申し合わせる」,,,相談して取り決める・話し合って約束する,


もうしいれる,申し入れる,ラ行下一段,他動詞,「資金の提供を申し入れる」「話し合いを申し入れる」,,,こちらの意志や希望を相手に告げ知らせる,


もうしうける,申し受ける,カ行下一段,他動詞,「養子に申し受ける」「実費を申し受けます」「和服の仕立てを申し受けます」,,,お願いしてもらい受ける・願い出て受け取る・頂戴する、承る・引き受ける,


もうしおく,申し置く,カ行五段,他動詞「別れに際し一言申し置く」,,,「いいおく」の謙譲語・また丁寧語・申し上げておく・言っておく,


もうしおくる,申し送る,ラ行五段,他動詞,「手紙でその旨を申し送る」「後任者に申し送る」,,,先方へ伝える、事務上の事項や命令などを順送りに次の者に告げ伝える,


もうしおくれる,申し遅れる,ラ行下一段,自動詞,「申し遅れましたが私が担当の係です」,,,「いいおくれる」の謙譲語・申し上げるのがあとになる・また申し上げる機会を失う,


もうしかねる,申し兼ねる,ナ行下一段,他動詞,「はっきりとは申しかねる」,,,申し上げるのをためらう・言いにくい,


もうしかわす,申し交わす,サ行五段,他動詞,「申し交わした間柄」,,,約束する・とくに夫婦になる約束をする,


もうしきかす,申し聞かす,サ行五段,他動詞,「私から直接申し聞かしておきました」,,,「もうしきかせる」に同じ,


もうしきかせる,申し聞かせる,サ行下一段,他動詞,「二度としないようよく申し聞かせておきます」,,,「いいきかせる」の謙譲語・また改まり丁寧にいう語・言って聞かせる,


もうしこす,申し越す,サ行五段,他動詞,「申し越された件は処理いたしました」,,,手紙などを通じて言ってよこす,


もうしこむ,申し込む,マ行五段,他動詞,「抗議を申し込む」「結婚を申し込む」「試合を申し込む」「予約を申し込む」,,,意志や希望や要求などを相手方に伝える、募集などに応じて手続きをとる,


もうしそえる,申し添える,ア行下一段,他動詞,「念のため申し添えます」,,,付け加えて申し上げる,


もうしたてる,申し立てる,タ行下一段,他動詞,「異議を申し立てる」,,,とくに取り上げて申し上げる・また公的機関や上位者などに対して自分の意見や希望を強く述べる,


もうしつぐ,申し継ぐ(申し次ぐ),ガ行五段,他動詞,「次の当番へ申し継ぐ事項」,,,後任者へ言い継ぐ・申し送る,


もうしつける,申し付ける,カ行下一段,他動詞,「すぐ来るように申しつける」,,,「いいつける」の謙譲語・自分側の人間に用を言いつける・命令する,


もうしつたえる,申し伝える,ア行下一段,他動詞,「係の者に申し伝えます」,,,「いいつたえる」の謙譲語・取り次いで申す,


もうしでる,申し出る,ダ行下一段,他動詞,「参加を申し出る」,,,意見や希望なとを自分から言って出る,


もうしのべる,申し述べる,バ行下一段,他動詞,「所信を申し述べたいと存じます」,,,「いいのべる」の謙譲語・申し上げる,


もうしわたす,申し渡す,サ行五段,他動詞,「解雇を申し渡す」,,,命令や決定として下位の者に告げる・言い渡す,


もうす,申す,サ行五段,自動詞,「昨日先生に申したとおりです」「父がこのように申しております」「私は鈴木と申します」「一口に日本と申しましても」「そうは申しておらん」,,,「言う」を改まって丁寧に表現する丁寧語・「言う」を改まり丁寧にいう場合謙譲の気持ちが残るので敬うべき人の動作には用いない、へりくだる気持ちが失せて「言う」を改まり重々しくいう。現在対象を敬う謙譲語は「申し上げる」である,

もうす,申す,サ行五段,自動詞,「御助成を申しましょう」,,,「する・なす」の謙譲語・〜して差し上げる,

もうす,申す,サ行五段,自動詞,「お送り申します」「御相伴申します」,,,補助動詞。「御」などを冠したものに付いて謙譲の意を表す,


もうでる,詣でる,ダ行下一段,自動詞,「先祖の墓に詣でる」,,,貴所へ行くの意の謙譲語。神社や寺や墓などにお参りする・参詣する,



【もえ】

もえあがる,燃え上がる,ラ行五段,自動詞,「風に煽られてたちまち燃え上がった」「恋慕の情が燃え上がる」,,,燃えて炎が高く上がる、感情などが激しく高揚する,


もえさかる,燃え盛る,ラ行五段,自動詞,「燃え盛る火の手」「怒りが燃え盛る」「燃え盛る情念」,,,盛んに燃える、感情が激しく高まる,


もえだす,萌え出す,サ行五段,自動詞,「若草が萌えだす」,,,草木の芽が出始める・もえでる,

もえだす,燃え出す,サ行五段,自動詞,「焚き火が燃えだす」,,,燃え始める,


もえたつ,燃え立つ,タ行五段,自動詞,「全山が紅葉に燃え立つ」「燃え立つ思い」,,,盛んに燃える・激しく燃え上がる・また赤い色などが炎のように輝くたとえにいう、感情が激しく高ぶる,


もえつきる,燃え尽きる,カ行上一段,自動詞,「油が燃え尽きる」「燃え尽きることを知らない情熱」,,,すっかり燃えてしまう、盛り上がっていた感情がその勢いを失ってしまう,


もえつく,燃え付く,カ行五段,自動詞,「火が着物に燃えつく」,,,火がつく・火が燃え移る,


もえでる,萌え出る,ダ行下一段,自動詞,「柳が萌え出る」,,,草木が芽を出す・萌えだす,


もえひろがる,燃え広がる,ラ行五段,自動詞,「山火事が燃え広がる」「自由化の気運が燃え広がる」,,,次第に広く燃える・また物事などが大きく広がっていく,


もえる,萌える,ア行下一段,自動詞,「若草萌える野山」,相互「もやす」,,草木が芽を出す・芽ぐむ,

もえる,燃える,ア行下一段,自動詞,「紙が燃える」「ストーブの火が燃える」「愛国心に燃える」「怒りに燃える」「夕日に赤く燃える空」,相互「もやす」,,火がついて炎が立つ・燃焼する、激しく気持ちが高まる・情熱が盛んに起こる、炎のような光を放つ・光る・陽炎や蛍の光や夏の激しい陽光などにいう,



【もか】

もがく,豌く(藻掻く),カ行五段,自動詞,「相手の腕から逃れようともがく」「怠惰な生活を改めようともがく」,,,もだえ苦しんで手足をやたらに動かす・あがく、事態をなんとかしようとあせる・いらだつ,



【もき】

もぎとる,捥ぎ取る,ラ行五段,他動詞,「枝からリンゴをもぎ取る」「子どもの手からおもちゃをもぎ取る」,,,もいで取る、無理やり取り上げる,


もぎる,捥る,ラ行五段,他動詞,「トマトをもぎる」,相互「もぎれる」,,ねじって取る・もぎりとる,


もぎれる,捥れる,ラ行下一段,自動詞,「鍋の取っ手がもぎれる」,相互「もぎる」,,ねじれて取れる・もげる,



【もく】

もぐ,捥ぐ,ガ行五段,他動詞,「梨をもぐ」,相互「もげる」,,無理にねじりとる・ちぎる,


もくす,目す,サ行五段,自動詞,「本物とは目さない」,,,「もくする」の音変化,


もくする,目する,サ行変格活用,他動詞,「首謀者と目される」「誰からも秀才と目されてきた」「将来を目される」,,,目をつける・みなす、認める・評価する、注目する,

もくする,黙する,サ行変格活用,自動詞,「黙して語らず」,,,物を言うことをやめる・だまる,


もぐりこむ,潜り込む,マ行五段,自動詞,「布団に潜り込む」「敵地に潜り込む」「コネを利用して今の会社に潜り込む」,,,水中や物の下などに入り込む、ひそかにその中に走り込む・潜入する・また正規の手段をとらないで入り込む,


もぐる,潜る,ラ行五段,自動詞,「海に潜る」「コタツに潜る」「地下に潜る」,,,水の中にくぐって入る、物の中や下に入り込む、人に知られないように身を隠す・とくに官憲の目を逃れて隠れひそむ・潜伏する。「くぐる」と同字,


もくろむ,目論む,マ行五段,他動詞,「新事業を目論む」「一攫千金を目論む」,,,物事をしようとして考えをめぐらす・計画する・企てる・たくらむ。「目論(もくろん)」を活用させた語なので「目論む」と漢字に統一,



【もけ】

もげる,捥げる,ガ行下一段,自動詞,「人形の腕がもげる」,相互「もぐ」,,ちぎれて落ちる・とれる,



【もし】

もじる,捩る,ラ行五段,他動詞,「古歌をもじって世相を風刺する」,,,有名な詩文などの文句をまねて言いかえる,



【もす】

もす,模す(摸す),サ行五段,他動詞,「ギリシャ彫刻を模す」,,,「もする」の音変化,

もす,燃す,サ行五段,他動詞,「紙くずを燃す」,,,もやす・炊く,


もする,模する(摸する),サ行変格活用,他動詞,「京都を模した町並み」,,,ある形に似せて作る・まねる・また引きうつして書く,



【もた】

もだえる,悶える,ア行下一段,自動詞,「激しい痛みに身を悶える」「道ならぬ恋に悶える」,,,苦痛などのあまり体をよじる・思いわずらって苦しむ・煩悶する,


もたげる,擡げる,ガ行下一段,他動詞,「鎌首をもたげる」「不安が頭をもたげる」,,,もちあげる・おこす・増す,


もたす,持たす,サ行五段,他動詞,「子どもにお金を持たす」「費用を相手に持たす」,,,「もたせる」に同じ,

もたす,凭れる,サ行五段,他動詞,「柱に背中をもたしてタバコを吸っている」,,,もたせかける・立てかける,


もだす,黙す,サ行五段,自動詞,「黙して語らす」,,,口をつぐむ・だまる。「もくす」と同字,


もたせかける,凭せ掛ける,カ行下一段,他動詞,「脇息に肘をもたせかける」「塀に看板をもたせかける」,,,あるものを支えにしてそこにもたれるようにさせたり立てかけたりする,


もたせる,持たせる,サ行下一段,他動詞,「板前に店を一軒持たせる」「所帯を持たせる」「クラスを持たせる」「少しばかりの金を持たせる」「手土産を持たせる」「この金で今月いっぱい持たせる」「勘定は私に持たせてください」「気を持たせた言い方」,,,持つようにしてやる・持つようにさせる・また受け持たせる、持っていかせる、保つようにさせる、費用などを負担させる、相手に期待する気持ちを起こさせる,


もたつく,もたつく,カ行五段,自動詞,「審議がもたつく」,,,物事がうまくはかどらない・もたもたする,


もたらす,齎す,サ行五段,他動詞,「吉報をもたらす」「台風が災害をもたらす」「対立をもたらす」「利益をもたらす」「変化をもたらす」,,,持ってくる・持っていく、好ましくない状態を生じさせる・引き起こす・将来する・またある状態を実現させる,


もたれあう,凭れ合う(靠れ合う),ワ行五段,自動詞,「もたれあって互いを甘やかす」,,,互いに寄りかかり合う,


もたれかかる,凭れ掛かる(靠れ掛かる),ラ行五段,自動詞,「肩にもたれかかる」「他人の好意にもたれかかる」,,,体の重みをあずけるように寄りかかる、独立しないで他に頼る・甘えてすっかり頼る,


もたれこむ,凭れ込む(靠れ込む),マ行五段,自動詞,「懐にもたれ込む」,,,相手にすっかり寄りかかる・寄りかかるようにして倒れ込んだり入り込んだりする,


もたれる,凭れる(靠れる),ラ行下一段,自動詞,「柱にもたれる」「籐椅子にもたれる」「食べ過ぎで胃がもたれる」,,,人や物に自分の体の重みをあずける・寄りかかる、食べた物が消化されないて胃に残り重苦しく感じられる。「凭」はよる・もたれる・寄りかかる、「靠」はたがう・よる・もたれる意。かな書きに統一,



【もち】

もちあう,持ち合う,ワ行五段,自動詞,「足りないぶんは皆で持ち合う」「需要と供給が持ち合っている」,,,双方が分け合って持つ、双方の力がつり合う,

もちあう,持ち合う,ワ行五段,他動詞,「荷物を二人で持ち合う」,,,互いに持つ,

もちあう,保ち合う(持ち合う),ワ行五段,自動詞,「高値で保ち合う」,,,相場が持ち合いの状態になっている,


もちあがる,持ち上がる,ラ行五段,自動詞,「荷物が持ち上がらない」「地震で家の土台が持ち上がる」「厄介な問題が持ち上がる」「縁談が持ち上がる」「六年生まで持ち上がって教える」,相互「もちあげる」,,他から力が働いて物が上のほうへ上がる、急に事が起こる、学級担任の教師が生徒の進級とともに同じ学級の担任を続ける,


もちあげる,持ち上げる,ガ行下一段,他動詞,「バーベルを持ち上げる」「ジャッキで持ち上げる」「読んでいた本から頭を持ち上げる」「持ち上げられていい気になる」,相互「もちあがる」,,手で持ったり下から支えたりして物を上のほうへ上げる、頭などを上のほうへ起こす・もたげる、褒めておだて上げる,


もちあるく,持ち歩く,カ行五段,他動詞,「多額の現金を持ち歩く」,,,手に持ったり身につけたりして歩く,


もちあわす,持ち合わす,サ行五段,他動詞,「小銭を持ち合わしていない」,,,「もちあわせる」に同じ,


もちあわせる,持ち合わせる,サ行下一段,他動詞,「持ち合わせた傘を貸す」,,,ちょうどそのときに持っている,


もちいる,用いる,ア行上一段,他動詞,「調味料に用いる」「新しい方法を用いる」「人の意見を用いない」「人材を選んで用いる」「供応に意を用いる」,,,用に当てて使う・使用する、よいとして取り上げる・採用する、見込んで職につかせる・任用する、心を十分働かせる・心を労する,


もちかえす,持ち返す,サ行五段,自動詞,「経営が少し持ち返した」,,,悪い方向へ進んだ状態や成り行きが元に戻る,


もちかえる,持ち帰る,ラ行五段,他動詞,「釣った魚を持ち帰る」「課題として持ち帰る」,,,持って帰る、議題などもう一度元の部署で検討するために持って帰る,

もちかえる,持ち替える,ア行下一段,他動詞,「途中で左手に持ち替える」「ペンを銃に持ち替える」,,,持つ手を一方から他方に替える・また持ち方を替える、持つものを替える,


もちかける,持ち掛ける,カ行下一段,他動詞,「儲け話を持ちかける」,,,話を持ち出して働きかける・相手を誘うように話を仕掛ける,


もちきる,持ち切る,ラ行五段,他動詞,「巧みな話術で座を持ち切る」「費用を持ち切る」「両手で持ちきれないほどの荷物」,,,最後まで持ち続ける・終わりまでその状態を続ける・そのすべてを持つ,


もちくずす,持ち崩す,サ行五段,他動詞,「酒で身を持ち崩す」「身代を持ち崩す」,,,身持ちを悪くする・品行を乱す・また財産を使い果たす,


もちこす,持ち越す,サ行五段,他動詞,「勝負を明日に持ち越す」,,,決着や処理のつかない状態で次の時期や段階へ移る,


もちこたえる,持ち堪える,ア行下一段,「援軍到着まで持ちこたえる」,,,ある状態をどうにか保つ・支えて踏みこたえる,


もちこむ,持ち込む,マ行五段,他動詞,「車内に危険物を持ち込まないこと」「縁談を持ち込む」「出版社に企画を持ち込む」「粘って延長戦に持ち込む」「有罪に持ち込む」,,,物を持って中に入る、相談や用件などを持ってくる・また交渉を仕掛ける、事の決着をつけないまま次の段階まで持っていく・また頑張って目的の段階にまで持っていく,


もちさる,持ち去る,ラ行五段,他動詞,「金目の物を持ち去る」,,,物を持って他の所へ行ってしまう,


もちだす,持ち出す,サ行五段,他動詞,「ベランダに椅子を持ち出す」「家の金を持ち出す」「結婚話を持ち出す」「法廷に持ち出す」「会費で足りないぶんを持ち出す」「自信を持ちだす」,,,持って外へ出す・中にある物を外へ出す、ある事柄を言い出す・話題として出す、訴えて出る、余分にかかった費用などを自分の負担でまかなう、持ち始める,


もちつける,持ち付ける,カ行下一段,他動詞,「持ちつける大金」,,,ふだん持っていて慣れている・持ち慣れる,


もちなおす,持ち直す,サ行五段,自動詞,「景気がやや持ち直す」「病人が持ち直す」,,,悪くなった状態が再びよいほうへと向かう・回復する,

もちなおす,持ち直す,サ行五段,他動詞,「荷物を持ち直す」,,,物の持ち方や持つ手をかえて改めて持つ,


もちはこぶ,持ち運ぶ,バ行五段,他動詞,「会場に椅子を持ち運ぶ」,,,持って他の所へ運ぶ・運搬する,


もちふるす,持ち古す,サ行五段,他動詞,「持ち古したカバン」,,,長い間持っていて新しさをなくす,


もちまわる,持ち回る,ラ行五段,他動詞,「見本を持ち回る」「試案を持ち回る」,,,物や用件などを持って関係者のところを順に回っていく,


もちよる,持ち寄る,ラ行五段,他動詞,「案を持ち寄る」「酒や肴を持ち寄る」,,,各自が持って寄り集まる,



【もつ】

もつ,保つ(持つ),タ行五段,自動詞,「夏場でも持つ食品」「これじゃとても体が持たない」,,,長くそのままの状態を保ち続ける・もちこたえる,

もつ,持つ,タ行五段,他動詞,「重たい荷物を持つ」「右手にペンを持つ」「財布を持たないで出かける」「いつもハンカチを二枚持っている」「別荘を持つ」「栄養士の資格を持つ」「所帯を持つ」「重要な役目を持つ」「責任を持つ」「費用は会社が持つ」「ピアニストの素質を持つ人」「不思議な輝くを持つ宝石」「悩みを持つ」「大きな夢を持つ」「党首会談を持つ」「団体交渉を持つ」「旅行の計画を持つ」,,,手に取る・手の中に握る、身につける・携える・携帯する、所有している・また自分のものにする、受け持つ・担当する、自分のものとして引き受ける・負担する、身に備える・ある性質や状態などを有する、場などを設ける・設定する,


もったいぶる,勿体振る,ラ行五段,他動詞,「もったいぶって教えてくれない」,,,いかにも重々しく振る舞う,


もってまわる,持って回る,ラ行五段,他動詞,「大きなカバンを一日中持って回る」「持って回った言い方をするな」,,,持ってあちらこちらに行く、必要以上に遠回しの言い方や仕方をする,


もつれこむ,縺れ込む,マ行五段,自動詞,「調停が正式裁判にもつれ込む」,,,事態がもつれて決着がつかないままに次の段階に入る,


もつれる,縺れる,ラ行下一段,自動詞,「髪がもつれる」「足がもつれる」「交渉がもつれる」「試合がもつれる」,,,線状のものが絡まりあって解けなくなる、足や舌などが思うように動かず言語や動作に支障をきたす、事柄が入り組んで決着のつかない状態になる,



【もて】

もてあそぶ,弄ぶ(玩ぶ・翫ぶ),バ行五段,他動詞,「ハンカチをもてあそぶ」「書画骨董をもてあそぶ」「いたずらに言葉をもてあそぶ」「運命に弄ばれる」「他人の気持ちをもてあそぶ」,,,手に持って遊ぶ・手であれこれいじる、心の慰みとして愛する・賞翫する、好き勝手に扱う・楽しむかのように思いのままに操る、人を慰み者にする・なぶる。「弄」はもてあそぶ・いじる・いじくる・まさぐる・手に持って遊ぶ・おもちゃにする・なぐさみにする・巧みにあやつる・ほしいままに用いる・侮る・なぶる・からかう・たわむれる・めでる・ながめ楽しむ・奏でる・楽器を奏する、「玩」はもてあそぶ・手に持って遊ぶ・からかう・なぶる・なぐさみものにする・おもちゃにする・侮る・軽視する・めでる・めで楽しむ・なぐさみ興ずる・賞玩する・また珍重する、「翫」はもてあそぶ・手にとって遊び楽しむ・おもちゃにする・なぐさみ興ずる・なれ・侮る・なぶる・めでる・なれ親しむ意。「いじる・いじくる・まさぐる」などを「弄」で書く場合は「弄」に、かな書きするならかな書きに統一,


もてあます,もて余す,サ行五段,他動詞,「むずかる子をもて余す」「暇で時間をもて余す」「長い手足をもて余す」,,,取り扱い方や処理に困る・もちあつかう,


もてなす,もて成す,サ行五段,他動詞,「国賓としてもてなす」「よそよそしくもてなされる」「山海の珍味でもてなす」「客を酒でもてなす」,,,人を取り扱う・待遇する・あしらう、心を込めて客の世話をする・饗応する・馳走する,


もてはやす,もて囃す,サ行五段,他動詞,「珍品としてもてはやす」「若い人にもてはやされている作家」,,,盛んに褒める・多くの人が話題にする,


もてる,持てる,タ行下一段,自動詞,「座が持てない」「年上の女性からモテる」,,,保たれる・維持される、人気がある・人から行為をもたれよい扱いを受ける,



【もと】

もどす,戻す,サ行五段,他動詞,「本を棚へ戻す」「話を元に戻す」「白紙に戻す」「よりを戻す」「ひじきを水で戻す」「時計の針を十分戻す」「食べ物を戻す」「下向きだった株価が戻す」,相互「もどる」,,元の状態や元あった場所などへ返す・水に浸したり解凍したりして加工する前の状態にする、逆の方向へ返す、飲食したものを吐く・嘔吐する、下がっていた相場が回復する,

もとづく,基づく,カ行五段,自動詞,「政治の介入に基づく相場の変動」「規則に基づく処理」,,,それが基となって起こる・起因する・またそれを根拠や基盤とする,

もとめる,求める,マ行下一段,他動詞,「平和を求める」「権力を求める」「賠償を求める」「援助を求める」「退陣を求める」「職を求める」「優秀な人材を求める」「古書を求める」,,,欲しいと望む・欲しがる、相手に要求する、得ようとして探す、買って手に入れる・購入する,


もとる,悖る(戻る),ラ行五段,自動詞,「人の道にもとる」,,,道理に背く・反する。かな書きに統一,


もどる,戻る,ラ行五段,自動詞,「家に戻る」「席に戻る」「来た道を戻る」「よりが戻る」「振り出しに戻る」「貸した金が戻る」「税金が戻る」,相互「もどす」,,もとの場所に帰る、進んだ方向と逆の方向へ引き返す、もとの状態にかえる・旧に復す、本来の持ち主のもとに返る,



【もの】

ものいう,物言う,ワ行五段,自動詞,「物言うのさえ億劫だ」「金が物言う世の中」,,,言葉を口に出す・話す、よい結果を生むのに効果がある,


ものおもう,物思う,ワ行五段,自動詞,「物思う年頃になる」,,,物思いにふける・あれこれと思いわずらう,


ものがたる,物語る,ラ行五段,他動詞,「寺の縁起を物語る」「往時の繁栄を物語る出土品」,,,ある事柄について話をする・あるまとまった話をする、ある事実が事情をよくあらわす,


ものさびる,物寂びる,バ行上一段,自動詞,「物寂びた社」,,,どことなく古びてみすぼらしい感じがする・また古びて趣がある,


ものさびれる,物寂れる,ラ行下一段,自動詞,「物寂れた町外れ」,,,なんとなく寂れた感じになる,


ものする,物する,サ行変格活用,他動詞,「傑作を物する」「一句物する」,,,詩文などを作る,


ものたりる,物足りる,ラ行上一段,自動詞,「与えられたもので物足りる」,,,満足する・十分である,


ものなれる,物慣れる(物馴れる),ラ行下一段,自動詞,「物慣れた様子の店員」「物慣れない青年」,,,物事になれる・熟練する、世辞に通じる・世故に長けている,


ものもうす,物申す,サ行五段,自動詞,「役所に物申す」「若者に物申す」,,,要求や反対意見などを言う・注文をつける,



【もま】

もまれる,揉まれる,ラ行下一段,自動詞,「人混みに揉まれる」「実社会で揉まれてたくましくなる」,,,大きな力で厳しく揺り動かされる、多くの人々の中で経験や苦労を重ねて鍛えられる,



【もみ】

もみあう,揉み合う,ワ行五段,自動詞,「先を争って観衆が揉み合う」,,,双方が入り乱れ押し合って争う,


もみけす,揉み消す,サ行五段,他動詞,「タバコの火を揉み消す」「スキャンダルを揉み消す」「言葉は周囲の騒音に揉み消された」,,,火のついたものを揉んで消す、自分に都合の悪い事件やうわさなどが表沙汰になるのを手段を尽くして抑える、強大なものが圧倒するような力で他のものを消し去る,


もみこむ,揉み込む,マ行五段,他動詞,「肉に塩コショウを揉み込む」,,対語「もみだす」,揉んで中へ入れる,


もみだす,揉み出す,サ行五段,他動詞,「乳を揉み出す」「しつこい汚れを揉み出す」,,対語「もみこむ」,揉んで外に出す、揉み洗いで汚れを取り除く,


もみたてる,揉み立てる,タ行下一段,他動詞,「神輿を揉み立てる」,,,激しく揉む・盛んに揉み合う,


もみつぶす,揉み潰す,サ行五段,他動詞,「虫を揉み潰す」「大群に揉み潰される」「スキャンダルを揉み潰す」,,,揉んで潰す、力ずくで負かす、強引なやり方で消し去る・握りつぶす,


もみほぐす,揉み解す,サ行五段,他動詞,「筋肉を揉みほぐす」「緊張を揉みほぐす」,,,揉んで柔らかくする、気持ちを和らげるようにする,



【もむ】

もむ,揉む,マ行五段,他動詞,「錐を揉む」「茶を揉む」「塩でキュウリを揉む」「人込みにも稀ながら歩く」「神輿を揉む」「肩を揉む」「委員会で揉んだ議題」「一番揉んでやろう」「実社会で揉まれて成長する」「気を揉む」,,,両手の間に挟んでこする・また両手でこする、体を触れ合わせるようにして押し合う・また激しく揺り動かす、指で包み込むようにして握ったり手のひらで押したりする・あんまをする、厳しい議論をする、相手になって教えてやる、(「もまれる」の形で)世間に出ていろいろの経験をする、気をイライラさせる・苛立たせる,



【もめ】

もめる,揉める,マ行下一段,自動詞,「会議が揉める」「気が揉める」,,,争いが起きてごたごたする、いらいらする,



【もや】

もやう,舫う,ワ行五段,他動詞,「桟橋にもやう釣り船」,,,船と船をつなぎ合わせる・また杭などに船を繋ぎ止める・むやう,

もやう,催合う(最合う),ワ行五段,他動詞,「井戸を三軒でもやう」,,,寄り合って共同で事をする・また物を共同で使用する,


もやす,萌やす,サ行五段,他動詞,「大豆の芽を萌やす」,相互「もえる」,,芽が出るようにする・もやしを作る,

もやす,燃やす,サ行五段,他動詞,「落ち葉を燃やす」「闘志を燃やす」,,,燃えるようにする・燃す、感情や意欲で心を高ぶらせる,


もやつく,もやつく,カ行五段,自動詞,「胸にもやつくものがあった」,,,むしゃくしゃする・むかむかする・もやくる,


もやる,靄る,ラ行五段,自動詞,「湖面がもやってきた」,,,もやがかかる,



【もよ】

もよおす,催す,サ行五段,他動詞,「送別の宴を催す」「涙を催す」「あわれを催す」「吐き気を催す」「眠気を催す」,,,人を集めて行事などを行なう・開催する、そういう気持ちにさせる・かきたてる・さそう・また物事が起ころうとする兆候を見せる・きざす,



【もら】

もらいうける,貰い受ける,カ行下一段,他動詞,「子犬をもらい受ける」,,,もらって自分のものにする,


もらいさげる,貰い下げる,ガ行下一段,他動詞,「不要になった美品を貰い下げる」,,,役所などから下げ渡してもらう・またとくに警察に拘留されている者の身柄を引き受ける,


もらう,貰う,ワ行五段,他動詞,「金をもらう」「便りをもらう」「賞をもらう」「許可をもらう」「養子をもらう」「嫁にもらう」「そのケンカは俺がもらった」「この試合はもらった」」「このネクタイをもらおう」「病気をもらう」,,,贈られたり頼んだりして受け取り自分のものとする、頼んで手に入れる・得る、嫁や婿などを迎える、仲裁を引き受ける・あずかる、勝負事に勝つ、金を出して自分のものにする・買う、望まないものを与えられる,

もらう,貰う,ワ行五段,他動詞,「医者に診てもらう」「本を読んでもらう」「喜んでもらって私もうれしい」「土足で上がってもらっては困る」,,,補助動詞。他人の好意などにより自分が利益を受ける・また依頼してある行為をさせる・自分の行為などにより他人に利益をもたらす・他人の行為により自分が迷惑を受ける,


もらす,漏らす(洩らす),サ行五段,他動詞,「水も漏らさぬ備え」「秘密を漏らす」「本音を漏らす」「必要事項には漏らさず記入する」「一匹も漏らさず捕まえる」,相互「もる・もれる」,,液体などを漏れるようにする・こぼす、秘密や隠していることを知らせる、真鍮の思いを口に出していう・また感情を思わず表情や声に出す、必要な事柄をぬかす・落とす、とり逃がす。「漏」はもらす・水や光などを隙間から出す・秘密を外部へ知らせる、「洩」はもれる意。「洩」にもらす意が無いので「漏」に統一,

もらす,漏らす(洩らす),サ行五段,他動詞,「言い漏らす」「聞き漏らす」,,,補助動詞。必要なことをし忘れる,



【もり】

もりあがる,盛り上がる,ラ行五段,自動詞,「水面が盛り上がる」「盛り上がった筋肉」「世論が盛り上がる」「ムードが盛り上がる」,相互「もりあげる」,,盛ったように高くなる、気持ちや勢いがひときわ高まる,


もりあげる,盛り上げる,ガ行下一段,他動詞,「土を盛り上げる」「反対運動を盛り上げる」「宴会を盛り上げる」,相互「もりあがる」,,盛って高くする、気持ちや勢いやその場の雰囲気や興趣などを高める,


もりあわせる,盛り合わせる,サ行下一段,他動詞,「旬のものを盛り合わせる」,,,一つの器に材料あるいは調理法の異なる料理を二種以上一緒に盛る,


もりかえす,盛り返す,サ行五段,他動詞,「三代目が店を盛り返す」「終盤盛り返したが一歩及ばなかった」,,,いったん衰えた勢いを再び盛んにする,


もりこむ,盛り込む,マ行五段,他動詞,「重箱に料理を盛り込む」「種々のアイデアを盛り込んだ製品」,,,盛って中に入れる、計画や考えなどのあるまとまりの中に色々なものを一緒に入れる,


もりころす,盛り殺す,サ行五段,他動詞,「謀って盛り殺す」,,,毒薬を飲ませて殺す・また投薬を誤り病人を死なせる,


もりたてる,守り立てる,タ行下一段,他動詞,「攻守でピッチャーを守り立てる」「一丸となって会社を守り立てる」,,,そばから励まして助ける、衰えたものを再び盛んにする・再興する,


もりつける,盛り付ける,カ行下一段,他動詞,「色鮮やかに盛りつける」,,,料理を器にきれいにまた見栄えがよくするように盛る,



【もる】

もる,盛る,ラ行五段,他動詞,「飯を茶碗に盛る」「果物を山と盛る」「入り口に塩を盛る」「一服盛る」「新味を盛る」「共同宣言に平和への決意を盛る」「はかりに目を盛る」,,,物を容器に入れて満たす、積んで高くする・積み上げる、薬剤を調合する・またそれを与える・とくに毒を飲ませる、あるまとまりの中に別のものをもりこむ、秤や物差しなどの目をきめてしるしをつける・目盛りをする,

もる,漏る(洩る),ラ行五段,自動詞,「雨が漏る」,相互「もらす」,,「もれる」に同じ,



【もれ】

もれきく,漏れ聞く(洩れ聞く),カ行五段,他動詞,「悪い噂を漏れ聞く」「漏れ聞いたところでは」,,,ひそかに聞く・うわさや人づてに聞く,


もれる,漏れる(洩れる),ラ行下一段,自動詞,「ガスが漏れる」「声が漏れる」「情報が漏れる」「代表の選に漏れる」「ご多分に漏れず」「案内状に日時が漏れている」,相互「もらす」,,液体や気体や光などが隙間から外へ出る、秘密などが他に知れる、ある範囲から外れる・除外される・残る・当然あるべきものがない・落ちる・ぬける。「漏」はもる・もれる・水や光などが隙間からもれ出る・ばれる・秘密が外に知れる・手抜かりがある、「洩」はもれる意。常用の「漏」に統一,



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