第31話 動詞(ら〜わ)

よみ,漢字,活用,自他,用例,相互,対語,補記,


【りき】

りきみかえる,力み返る,ラ行五段,自動詞,「負けてたまるかと力みかえる」,,,甚だしく力む,


りきむ,力む,マ行五段,自動詞,「バーベルを持ち上げようと力む」「腕まくりして力んでみせる」「力まないでテストに臨む」,,,体に力を入れる・息を詰めて力を込める・いきむ、力のあるようなふりをする・強がってみせる、うまくやろうと気負う,



【りす】

りする,利する,サ行変格活用,自動詞,「利するところの大きい事業」,,,利益がある・また利益を得る,

りする,利する,サ行変格活用,他動詞,「双方を利する取引」「地形を利して公園を作る」「職権を利する」,,,利益を与える、うまく用いる・巧みに使う・利用する,

りっする,律する,サ行変格活用,他動詞,「おのれの行動を律する」「大人の考えで子どもを律するべきではない」,,,一定の規範を設けて統制や管理する、ある基準に当てはめて判断や処理する,



【りや】

りゃくす,略す,サ行五段,他動詞,「同文なので以下を略す」,,,「りゃくする」の音変化,


りゃくする,略する,サ行変格活用,他動詞,「いちいちの説明は略する」「敬称を略する」「財物を略する」「隣国の地を略する」,,,全体のうち一部分を省く・また一部を省いて簡単にする・省略する、かすめとる・奪う・攻略する,



【りよ】

りょうする,了する,サ行変格活用,他動詞,「すべての手続きを了する」「真意を了する」,,,終わる・また終える・終了する、悟る・了解する,

りょうする,領する,サ行変格活用,他動詞,「広大な土地を領する」「心を領していた悲しみ」「陳情の趣旨を領する」,,,領地として所有する、受け取る・また承知する・了承する,

りょうする,諒する,サ行変格活用,他動詞,「その点は諒せられたい」,,,やむをえないとして認める・事情を思いやって納得する・諒とする,



【るい】

るいする,類する,サ行変格活用,自動詞,「児戯に類する」「これに類する事例は多い」,,,似る・共通点を持つ・同じ仲間に属する,



【れい】

れいする,令する,サ行変格活用,自動詞,「天下に令する」,,,命令する・言いつける,

れいする,隷する,サ行変格活用,自動詞,「大国に隷する」,,,付き従う・配下となる・隷属する,

れいする,隷する,サ行変格活用,他動詞,「隣国を隷する」,,,従わせる・支配する,



【れつ】

れっする,列する,サ行変格活用,自動詞,「式典に列する」「大国に列する」,,,会合などに出席する・また仲間に加わる,

れっする,列する,サ行変格活用,他動詞,「大臣として名を列する」,,,並べる・つらねる,



【ろう】

ろうする,労する,サ行変格活用,自動詞,「労せずして手に入る」,,,苦労して働く,

ろうする,労する,サ行変格活用,他動詞,「心を労する」「骨折りを労する」,,,骨を折らせる・働かせる,

ろうする,弄する,サ行変格活用,他動詞,「策を弄する」「諧謔(かいぎゃく)を弄する」,,,もてあそぶ・思うままに操る,

ろうする,聾する,サ行変格活用,他動詞,「耳を聾する騒音」,,,耳が聞こえなくなる・また聞こえなくする。差別語とされることもあるため使用には注意が必要,



【ろく】

ろくする,録する,サ行変格活用,他動詞,「先達の業績を録する」,,,書きとどめる・記録する,



【ろん】

ろんじる,論じる,ザ行上一段,他動詞,「事の是非を論じる」,,,「ろんずる」の音変化,


ろんずる,論ずる,サ行変格活用,他動詞,「現代文学について論ずる」「環境問題を論ずる」「夜を徹して論ずる」「論ずるに足りない」「貴賤を論ぜず」,,,筋道を立てて述べる、互いに意見を戦わす・論争する・また言い争う、(多く打ち消しの語を伴って)取り立てて問題にする・問う,



【わか】

わかがえる,若返る,ラ行五段,自動詞,「若い人たちに囲まれて気持ちが若返る」「新人の加入でチームが若返る」,,,若さを取り戻す・心身が若々しい状態や気分になる、メンバーが以前より平均的に若くなる・また古びたものが新しくなる,


わかす,沸かす,サ行五段,他動詞,「風呂を沸かす」「湯を沸かす」「タイムリーヒットが場内を沸かす」,相互「わく」,,熱を加えて水などを熱くする・また煮え立たせる、熱狂させる・夢中にさせる,

わかす,湧かす(涌かす),サ行五段,他動詞,「うじを湧かす」,相互「わく」,,心ならずも虫などを発生させる・わかせる,


わかせる,沸かせる,サ行下一段,他動詞,「バンドの熱演がファンを沸かせる」,相互「わく」,,沸くようにする・熱狂させる・わかす,


わかちあう,分かち合う,ワ行五段,他動詞,「喜びも悲しみも分かち合う」,,,互いに分ける・分け合う,


わかつ,分かつ(別つ),タ行五段,他動詞,「軍勢を二手に分かつ」「タイムリーヒット希望者には実費で分かつ」「理非を分かつ」「黒白を分かつ」「昼夜を分かたぬ突貫工事」「悲しみを分かつ」「僚友と袂を分かつ」,相互「わかれる・わける」,,一つのものを離して二つ以上にする・別々にする・分ける、(「頒かつ」とも書く)それぞれに分けて配る・分配する、見分けて決める・判断する、仕切る・区別する、同じ感情をお互いに持ち合う、(「たもとを分かつ」の形で)人と別れる・また同じ行動をしてきた仲間と縁を切る。常用読みの「分」に統一,


わがねる,綰ねる,ナ行下一段,他動詞,「針金をわがねる」,,,細長いものを曲げて輪にする,


わかやぐ,若やぐ,ガ行五段,自動詞,「若やいだ声」「気持ちが若やぐ」,,,若々しくなる・また若く見える,


わかりきる,分かり切る,ラ行五段,自動詞,「わかりきったことだ」,,,すっかりわかる・十分明らかになる,


わかる,分かる(解る・判る),ラ行五段,自動詞,「物のよしあしがわかる」「言わんとすることはよくわかる」「訳がわからない」「身元がわかる」「答えがわかる」「持ち主のわからない荷物」「話のわかる人」,,,意味や区別などがはっきりする・理解する・了解する、事実などがはっきりする・判明する、物わかりがよく人情や世情に通じる。「分・判」はわかる・理解する、「解」はとける・わかる・さとる・放れる・ほぐれる・ゆるむの意,


わかれる,分かれる,ラ行下一段,自動詞,「道が四方に分かれる」「二手に分かれて敵を追う」「三章節に分かれる」「意見が分かれる」,相互「わかつ」,,一つのものが二つ以上になる・別々になる、一つのものがいくつかに区分される、区別がつく・差異を生じる,

わかれる,別れる,ラ行下一段,自動詞,「駅で人と別れる」「両親と別れて暮らす」「夫と別れる」「女と別れる」「幼くして母と別れる」,相互「わかつ」,,一緒にいたものが離れ離れになる・互いに離れて去る、夫婦や恋人などがそれまでの関係を解消する、死別する,



【わき】

わきあがる,沸き上がる,ラ行五段,自動詞,「湯が沸き上がる」「歓声が沸き上がる」「憤りが沸き上がる」,,,盛んに煮え立つ・沸騰する、興奮した雰囲気が高まる・ある感情が激しく起こる,

わきあがる,湧き上がる(涌き上がる),ラ行五段,自動詞,「入道雲が湧き上がる」「煙突から蒸気が湧き上がる」,,,下のほうから現れて上のほうへ行く,


わきおこる,沸き起こる,ラ行五段,自動詞,「沸き起こる悲しみ」「万雷の拍手が沸き起こる」,,,感情などがこみ上げてくる、歓声などが盛んに起こる,

わきおこる,湧き起こる(涌き起こる),ラ行五段,自動詞,「泉が湧き起こる」「にわかに雷雲が湧き起こる」,,,下のほうから盛んに出てくる,


わきかえる,沸き返る,ラ行五段,自動詞,「湯が沸き返る」「優勝の報に町中が沸き返る」「激しい怒りで胸の中が沸き返る」,,,激しく煮えたぎる・沸騰する、大勢の人が熱狂して大騒ぎする、怒りなどが爆発しそうになる・我慢できないほど感情が高ぶる・煮えくり返る,

わきかえる,湧き返る(涌き返る),ラ行五段,自動詞,「地下水が湧き返る」,,,勢いよく湧き出る,


わきだす,湧き出す(涌き出す),サ行五段,自動詞,「地下水が湧き出す」,,,中から外へわいて出てくる・わきでる,


わきたつ,沸き立つ,タ行五段,自動詞,「湯が沸き立つ」「鍋が沸き立つ」「勝利に沸き立つ」「血が沸き立つ」,,,盛んに沸く・煮え立つ、興奮して騒然とした状態になる、感情が高ぶる,

わきたつ,湧き立つ(涌き立つ),タ行五段,自動詞,「雲が湧き立つ」,,,下のほうから勢いよく現れる,


わきでる,湧き出る(涌き出る),ダ行下一段,自動詞,「岩間から清水が湧き出る』『涙がとめどなく湧き出る」「雲がむくむくと湧き出る」「ウジが湧き出る」「愛情が湧き出る」「アイデアが湧き出る」,,,水が地中からわいて出る、涙などが流れ出る、物が湧いたように次々と現れる、虫などが自然に発生する、考えや感情などがあふれるように生まれ出る,


わきばさむ,脇挟む,マ行五段,他動詞,「カバンを脇挟んで家を出る」,,,脇の下にはさみ抱える・またしっかりと抱える,


わきまえる,弁える(辨える),ア行下一段,他動詞,「事の善悪をわきまえる」「公私の別をわきまえない」「礼儀をわきまえる」「場所柄をわきまえない振る舞い」,,,物事の違いを見分ける・弁別する・区別する、物事の道理をよく知っている・心得ている。「弁」は常用外読み、「辨」は「弁」の旧字で常用外なのでかな書きに統一,



【わく】

わく,沸く,カ行五段,自動詞,「湯が沸く」「風呂が沸く」「ファインプレーに場内が沸く」「勝利に沸く」「ヌカ味噌が沸く」,相互「わかす・わかせる」,,水などが熱せられて沸騰する・また適当な熱さになる、感情が高ぶる・熱狂して騒ぎ立てる、発酵する,

わく,湧く(涌く),カ行五段,自動詞,「温泉が湧く」「石油が湧く」「悔し涙が湧く」「シラミが湧く」「疑問が湧く」「興味の湧かない話」「勇気が湧いてくる」「雲が湧く」「人々の間から拍手が湧く」,,,水などが地中から噴き出る、涙や汗が出る、虫などが一時に発生する、ある考えや感情が生じる、物事が次々と起こる・ある現象が急に多く現れる。「湧」はわく・水がわき出る、「涌」はわく・水がわき出る・わき上がる・噴き出る意。主に「湧」を用いる,



【わけ】

わけあう,分け合う,ワ行五段,他動詞,「収穫を皆で分け合う」「苦しみを分け合う」,,,互いに分ける,


わけいる,分け入る,ラ行五段,他動詞,「山深く分け入る」,,,かき分けて中へ入る,


わける,分ける(別ける),ラ行五段,他動詞,「ドラマを前半と後半に分ける」「五回に分けて支払う」「髪を七三に分ける」「子どもと大人に分ける」「大きさによって分ける」「財産を三人の息子に分ける」「頂きものをお隣に分ける」「この絵を分けてくださいませんか」「人波を分けて前に出る」「草の根分けて捜し出す」「勝負を分ける」「星を分ける」「ケンカを分ける」,相互「わかつ」,,一つにまとまっているものを幾つかの部分にする・分別する、種類によって区分する・分類する、幾つかに割って与える・分配する・また一部分を人に与える、「売る」を婉曲にいう語、物を左右に押し開く、勝負事で勝負がつかないとしてやめさせる・引き分けにする、仲裁してやめさせる,



【わさ】

わざわいする,災いする(禍する),サ行変格活用,自動詞,「天候が災いして観客が少なかった」,,,それが原因となって悪い結果を招く。常用読みの「災」に統一,



【わす】

わずらう,患う,ワ行五段,他動詞,「目を患う」,,,病気で苦しむ、古くは「〜に患う」の形で用いることが多かった,

わずらう,煩う,ワ行五段,自動詞,「行き煩う」「言い煩う」,,,補助動詞。〜しかねる・なかなか〜できないの意を表す,


わずらわす,煩わす,サ行五段,他動詞,「子供のことでいろいろ心を煩わす」「雑用に煩わされる」「お手を煩わしまして」,,,心配させる・悩ます、骨を折らせる,


わずらわせる,煩わせる,サ行下一段,他動詞,「他人の手を煩わせる」,,,「わずらわす」に同じ,


わする,和する,サ行変格活用,自動詞,「夫婦相和する」「応援団長の声に和して声援を送る」,,,親しむ・仲良くする、他の人に調子を合わせる,


わすれる,忘れる,ラ行下一段,他動詞,「電話番号を忘れる」「忘れられない出来事」「美しさに我を忘れる」「時の経つのを忘れる」「寝食を忘れて働く」「車の中に書類を忘れる」「歌をうたって悩みを忘れる」「戸締まりを忘れる」「銀行に行くのを忘れる」,,,覚えていたことが思い出せなくなる・記憶がなくなる、何かに熱中してうっかり気がつかずにいる、うっかりして物を置いてくる、意識的に思い出さないようにする、すべきことをしないである,



【わた】

わだかまる,蟠る,ラ行五段,自動詞,「わだかまっている蛇」「老松の根がわだかまっている」「不吉な予感が胸にわだかまっている」,,,輪状に曲がって巻いている・とぐろを巻く、入り組んで複雑に絡み合っている、心に不平や不満や不安などがあって晴れ晴れとしない,


わたくしする,私する,サ行変格活用,他動詞,「抗菌を私する」「政治を私する」,,,公のものを自分のもののように扱う・私物化する・また独り占めする,


わたす,渡す,サ行五段,他動詞,「船で人を渡す」「橋を渡す」「綱を渡す」「書類を渡す」「バトンを渡す」「土地を人手に渡す」,相互「わたる」,,人や荷物を舟で向こう岸に運ぶ、物の上を越えて一方から他方へ物が届くようにする・またがらせる・かける、こちらの手から相手の手へ移す・手渡す、自分の持っているもの権利などを他の人に与える,

わたす,渡す,サ行五段,他動詞,「見渡す」「張り渡す」,,,補助動詞。その動作が行き渡るようにする,


わたりあう,渡り合う,ワ行五段,自動詞,「真剣で渡り合う」「格上のチームと互角に渡り合う」「議会で与野党が渡り合う」,,,相手になって戦う、言葉をやりとりして激しく議論する・論戦する,


わたりあるく,渡り歩く,カ行五段,他動詞,「包丁一本で全国を渡り歩く」,,,一箇所に落ち着かず仕事や居場所を求めて点々と移り住む,


わたる,渡る(渉る),ラ行五段,他動詞,「浅瀬を歩いて渡る」「橋を渡る」「廊下を渡る」「米国に渡る」「ツバメの渡ってくる季節」「木々を渡る風」「時間が渡る」「方々の店を渡ってくる」「世の中を巧みに渡る」「家屋敷が人手に渡る」「資料が出席者全員に渡る」「四つに渡る」,相互「わたす」,,間を隔てているものの一方から他方へ越えていく、船や飛行機で海外へ行く・また海外から来る・鳥が繁殖地と越冬地の間を行き来することも言う、通り過ぎていく、あちらこちらと動いていく・渡り歩く、世の中を生きていく、他の人の所有物となる、配られてある範囲全体に届く・行き渡る、相撲で双方互角に組む。「渡」はわたる・流れを横切る・川や海を船で行く・経る・通る・移動する・至る・いきわたる・及ぶ意,

わたる,渡る(渉る),ラ行五段,他動詞,「晴れわたる」「鳴りわたる」「行き渡る」「冴えわたる」,,,補助動詞。一面に・また広く〜する・〜しつづける,

わたる,渉る(渡る),ラ行五段,他動詞,「私事にわたって恐縮です」「長時間にわたって論議する」「十年にわたる大工事」,,,ある事柄にかかわりを持つ・関係する、ある時間や期間途切れずに引き続く。「渉」はわたる・水を歩いて渡る・水上を船などで渡る・経る・経過する・通過する・歩く・歩きまわる・及ぶ・達する・連なる・かかわる・与(あずか)る・関係する・広く見聞する・調べる・研究する意。「渉」は常用外読みなのでかな書きに統一,

わたる,亘る(渡る),ラ行五段,自動詞,「関東一円にわたって被害が出た」「彼の知識は古今東西にわたっている」,,,ある範囲にまで及ぶ・また広く通じる。「亘」はわたる意。「亘」は常用外読みなのでかな書きに統一,



【わな】

わななかす,戦慄かす,サ行五段,他動詞,「全身をわななかして出番を待つ」,相互「わななく」,,わななくようにする・恐怖や緊張や寒さなどのために体や声を震えさせる,


わななく,戦慄く,カ行五段,自動詞,「怒りのあまりわななく」,相互「わななかす」,,恐怖や緊張や寒さなどのために体が震える,



【わひ】

わびいる,詫び入る,ラ行五段,他動詞,「過ちを詫び入る」,,,ひたすら謝る・丁寧にわびる,


わびる,侘びる,バ行上一段,他動詞,「待ち侘びる」「恋い侘びる」,,,補助動詞。なかなかある動作や行為をしきれなくて困る・そうする気力が失せる・〜しかねる,

わびる,詫びる,バ行上一段,他動詞,「非礼を詫びる」,,,自分の非を認めて相手の許しを請う・謝る,



【わめ】

わめく,喚く(叫く),カ行五段,自動詞,「酔漢が喚く」「向こうが喚こうが構わない」,,,大声で叫ぶ・大声をあげて騒ぐ。「喚」はわめく・おめく・さけぶ、「叫」はさけぶ・わめく・大声をあげる意。かな書きが多いが漢字で書くなら「喚」を用いるのが通例,



【わら】

わらいくずれる,笑い崩れる,ラ行下一段,他動詞,「観客はどっと笑い崩れた」,,,崩れるようにひどく笑う,


わらいこける,笑い転ける,カ行下一段,他動詞,「腹の皮がよじれるほど笑いこける」,,,「わらいころげる」に同じ,


わらいころげる,笑い転げる,ガ行下一段,他動詞,「強烈なコントに笑い転げる」,,,腹を抱え転がるようにしてひどく笑う・わらいこける,


わらいさざめく,笑いさざめく,カ行五段,他動詞,「教室から学生たちの笑いさざめく声が聞こえる」,,,大勢でにぎやかに笑う,


わらいとばす,笑い飛ばす,他動詞,「噂を笑い飛ばす」,,,問題にしないで笑って済ます,


わらう,笑う,ワ行五段,他動詞,「腹を抱えて笑う」「目だけが笑っている」「なんでも知っていますというあの態度は本当に笑っちゃうね」「栗が笑う」「山笑う」「歩き疲れて膝が笑う」,,,喜びやうれしさやおかしさや照れくささなどの気持ちから顔の表情を崩す・またそうした気持ちで声を立てる、(「笑ってしまう」「笑っちゃう」の形で)あまりひどくて相手にするのもバカバカしいほどである、花のつぼみが開く・また果物が熟して裂ける、春になって芽が出たり花が咲いたりして明るい様子になる・俳句など文学的表現に用いる、ゆるんだりほどけたりする・ほころびる・また足どりがしっかりしなくなる,

わらう,嗤う(笑う),ワ行五段,他動詞,「一円を嗤う者は一円に泣く」「間の抜けた失敗をして嗤われる」,,,あざけりバカにする・嘲笑する。「笑」はわらう・喜びわらう・うれしがる・あざわらう・あざける・侮る、「嗤」はわらう・あざわらう・さげすみわらう意,


わらえる,笑える,ア行下一段,自動詞,「さんざん頑張ってきた結果がこれだとは笑える話だ」,,,おかしくて自然に笑ってしまう・軽蔑や自嘲の気持ちが起こることにもいう,


わらかす,笑かす,サ行五段,他動詞,「こんなときに人を笑かしちゃいけない」,,,「わらわかす」の音変化,


わらわかす,笑わかす,サ行五段,他動詞,「おどけた芸で人を笑わかす」,,,笑わせる・笑わす,


わらわす,笑わす,サ行五段,他動詞,「聴衆を笑わす」,,,「わらわせる」に同じ,


わらわせる,笑わせる,サ行下一段,他動詞,「冗談で人を笑わせる」「あいつが学者だなんてまったく笑わせるよ」,,,相手が笑うように仕向ける、軽蔑や嘲笑に値することである・人をあざけって使う,



【わり】

わりあてる,割り当てる,タ行下一段,他動詞,「費用を等分に割り当てる」「割り当てられた仕事」,,,全体をいくつかに分けてそれぞれにあてがう・配分する・わりふる,


わりきる,割り切る,ラ行五段,他動詞,「ここの勘定は人数で割り切ることができない」「割り切ったものの考え方」,相互「わりきれる」,,割り算であまりを出さずに割る・整除する、ある原則に立って物事を単純明快に解釈して結論を出す・またその結論に従って決断する,


わりきれる,割り切れる,ラ行下一段,自動詞,「九は三で割り切れる」「割り切れない気持ちが残る」「仕事は仕事と簡単には割り切れない」,相互「わりきる」,,割り算をしたとき端数を出さずに割れる、(多く打ち消しの語を伴って)納得がいって気持ちがすっきりする,


わりこむ,割り込む,マ行五段,他動詞,「順番待ちの列に割り込む」「人の話に割り込む」「下限とされた線をあっさりと割り込む」,,,無理に押し分けて入り込む、取引相場で相場がある値段より安くなる,


わりだす,割り出す,サ行五段,他動詞,「坪単価を割り出す」「遺留品から犯人を割り出す」,,,計算して結果を出す・算出する、ある根拠に基づいて推論し結論を導き出す,


わりつける,割り付ける,カ行下一段,他動詞,「仕事を割りつける」「カットを体裁よく割りつける」,,,割り当てる・割り振る、割り付けをする,


わりびく,割り引く,カ行五段,他動詞,「十パーセント割り引く」「手形を割り引く」「彼の話は割り引いて聞く必要がある」,,,一定の金額から何割か安くする、手形割引する、物事を内輪に見積もる,


わりふる,割り振る,ラ行五段,他動詞,「各人に役目を割り振る」,,,全体をいくつかに分けてそれぞれにあてがう・配分する・割り当てる,


わりもどす,割り戻す,サ行五段,他動詞,「売上高に応じて割り戻す」,,,いったん受け取った金額の一部を元へ返す,



【わる】

わる,割る,ラ行五段,他動詞,「茶碗を割る」「クルミを割る」「薪を割る」「土地を三つに割る」「部屋を割って使う」「党を割る」「両者の間に割って入る」「六を二で割る」「それぞれに役を割る」「頭数で割る」「ブランデーを水で割る」「腹を割って話す」「口を割る」「志願者が定員を割る」「仕入れ値を割る」「土俵を割る」「ボールがタッチラインを割る」「激しい申し合いで額を割る」「腰を割って寄る」「ホシを割る」「手形を割る」,相互「われる」,,強い力を加え個体の物をいくつかに分けて離す、ある物をいくつの部分に分ける、まとまっているもの組織などを分裂させる、押し分けて間を離す、割り算をする・除する、分けて与える・配分する・割り当てる、他の液体に混ぜて濃度を薄める、心の中を隠さずにすっかり出す・打ち明ける・また白状する、一定数に達しないで下回る・ある水準以下になる、決まった範囲の外に出る、(サッカーなどで)ラインを越える、突き当たったり切ったりして傷をつける・できた傷の部分を開いた状態にする、(相撲で「腰を割る」の形で)足を開き膝を曲げ体をまっすぐにした姿勢で腰を低くする、追い求めて捜し出す・つきとめる、手形を割り引く,


わるがる,悪がる,ラ行五段,自動詞,「それではすまないとひどく悪がる」「無理に悪がってみせる」,,,恐縮や謝罪などの気持ちを態度や言葉に表す、悪者のように振る舞う・悪ぶる,

わるがる,悪がる,ラ行五段,他動詞,「気味を悪がって近づかない」,,,(「きまりを悪がる」「気味を悪がる」の形で)きまりが悪いと思う・気味が悪いと思う,


わるびれる,悪怯れる,ラ行下一段,自動詞,「悪びれないで答える」,,,気後れがして恥ずかしがったり卑屈な振る舞いをしたりする,



【われ】

われかえる,割れ返る,ラ行五段,自動詞,「場内が割れ返るばかりの歓声」,,,騒音や喝采などの甚だしい様子。「われる」を強めていう語,


われる,割れる(破れる),ラ行下一段,自動詞,「茶碗が割れる」「卵が割れる」「氷が割れる」「地震で地が割れる」「ぱっくりと割れた額」「意見が分ける」「党が割れる」「票が割れる」「底が割れる」「身元が割れる」「音が割れる」「場内割れんばかりの拍手」「アタマが割れそうに痛い」「九は三で割れる」「手形が割れる」「株価が割れる」,相互「わる」,,強い力が加わるなどして固体がいくつか分かれ離れる・こわれて細かくなる、裂け目ができる・また傷がついて開いた状態になる、まとまっているもの組織などが二つ以上に分かれる・分かれてまとまりがなくなる・分裂する、隠れていたものなどが現れる・秘密などが明らかになる、音が濁って聞きとりにくくなる、(「割れるような」「割れんばかりの」などの形で)物事の程度が甚だしいさまをいう、割り算であまりのない答えが出る・割り切れる、手形割引で現金化される、相場が下落してある値段以下になる,



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