第18話 動詞(な)

よみ,漢字,活用,自他,用例,相互,対語,補記,


【ない】

ないまぜる,綯い交ぜる,ザ行下一段,他動詞,「五色の糸をない交ぜる」「和洋中をない交ぜた料理」,,,種々の色糸をより合わせて紐などにする、質の違うものをまぜ合わせる,



【なう】

なう,綯う,ワ行五段,他動詞,「縄をなう」,,,糸や紐などを一本により合わせる・あざなう・よる,



【なえ】

なえる,萎える,ア行下一段,自動詞,「寝たきりで手足が萎えてくる」「心が萎える」「草花が萎える」,,,体力や気力が衰えて弱る、植物などがしおれる・しなびる,



【なお】

なおす,直す,サ行五段,他動詞,「気分を直す」「化粧を直す」「故障を直す」「雨漏りの箇所を直す」「枝ぶりを直す」「姿勢を直す」「誤記を直す」「条文を直す」「下座から上座に直す」「英文を和文に直す」「新字体に直す」「メートル法に直す」「コートをジャンパーに直す」「進路に沿って向きを直す」,相互「なおる」,,元の良好な状態に戻す・元の様子に復させる・元通りに役立つようにする・修復する、良好な状態に改める・好ましい様子に整える・適切なものに改める・正す・より上位の位置に移し据える、別の状態に変える・対応するものと置き換える・別様のものに整えかえる,

なおす,直す,サ行五段,他動詞,「何度も見直す」「やり直す」,,,補助動詞。もっとよくなるように改めてもう一度する意,

なおす,治す,サ行五段,他動詞,「頭痛を治す」「虫歯を治す」,相互「なおる」,,病気や怪我を回復させる・治療する,


なおる,直る,ラ行五段,自動詞,「機嫌が直る」「天候が直る」「仲違いが直る」「機械の調子が直る」「橋が直って渡れる」「バラバラの人たちが一列に直る」「姿勢が直る」「あがり症が直る」「誤りが直る」「上座に直る」「後釜に直る」「指定席に直る」「そこに直れ」,,,元の良好な状態に戻る・元の様子に復する・元通り役立つようになる・修復される、良好な状態に改まる・好ましい様子に整う・適切なものに改められる・正される・より上位の位置に移る・指定の場にきちんと座る,

なおる,治る,ラ行五段,自動詞,「大病が治る」「傷口がふさがって治る」,,,病気や怪我が回復する・治癒する,



【なか】

なかされる,泣かされる,ラ行下一段,自動詞,「数学にはさんざん泣かされた」「泣かされるシーンだね」,,,連語。苦しめられたり困らせられたりする・ひどい目に遭わされる,


ながしこむ,流し込む,マ行五段,他動詞,「ゼリーを型に流し込む」,,,流して中へ入れる・注ぎ入れる,


なかす,泣かす,サ行五段,他動詞,「よく弟を泣かした」「泣かすエピソード」,,,「なかせる」に同じ,


ながす,流す,サ行五段,他動詞,「汚水をドブに流す」「トイレの水を流す」「脂汗を流す」「よだれを流す」「いかだを流す」「台風で橋が流される」「背中を流す」「シャワーで汗を流す」「異臭を流す」「罪人を離れ島に流す」「電流を流す」「ムード音楽を流す」「デマを流す」「情報を流す」「物資を闇に流す」「総会を流す」「ゲームを流す」「論敵の攻撃を軽く流す」「柳に風と聞き流す」「お腹の子を流す」「入質したカメラを流す」「ウォーミングアップに百メートルを軽く流す」「ライトに流す」「タクシーが盛り場を流す」「酒場をギターを引いて流す」,相互「ながれる」,,液体が流れるようにする・水などを流れさせる・血や汗や涙などをしたたらせる・水流に乗せて他のものを運ばせる・付着物を水や湯などで洗い落とす、物を動かして移らせる・空中に漂わせる・流罪に処す・配流する・次々にめぐらせる・広く伝わらせる・ひそかに売ったり渡したりする、物事が成立しないようにする・取りやめにする・中止する・脇にそらす・そのことにこだわらないようにする・流産させる・一定の期間が過ぎて質物の所有権を失う・力まないで気楽にする・野球で流し打ちをする、客を求めてあちこち移り動く,


なかせる,泣かせる,サ行下一段,他動詞,「泣きたいだけ泣かせる」「親を泣かせるようなことはするな」「人を泣かせる話」,,,泣くようにさせる、ひどい仕打ちをして泣きたくなるほど苦しめる、泣きたくなるほどの感動を与える,


ながびく,長引く,カ行五段,自動詞,「紛争の終結が長引く」「病気が長引く」,,,はかどらないで時間が長くかかる・終了までの時間が延びる,


ながめいる,眺め入る,ラ行五段,他動詞,「子供の寝顔を眺め入る」,,,じっと熱心に見る・見入る,


ながめくらす,眺め暮らす,サ行五段,他動詞,「山を眺め暮らす」,,,眺めながら暮らす,


ながめまわす,眺め回す,サ行五段,他動詞,「珍しげに眺め回す」,,,周りをひととおり眺める,


ながめやる,眺め遣る,ラ行五段,他動詞,「空の彼方を眺めやる」「物音のするほうを眺めやる」,,,遠くを眺める・またその方向へ目を向けて見る,


ながめる,眺める,マ行下一段,他動詞,「星を眺める」「田園風景を眺める」「しげしげと人の顔を眺める」「状況を眺める」,,,視野に入ってくるもの全体を見る・のんびりと遠くを見る・広く見渡す、じっと見つめる・感情を込めてつくづくと見る、かたわらで成り行きを見る・静観する,


ながらえる,存える(永らえる・長らえる),マ行下一段,自動詞,「心ならずもこの歳まで存えた」「生き存えた」,,,命を長く存続させる・長く生き続ける。「存」が生きながらえる・生存するの意なので漢字で書くなら「存」に統一,


ながれあるく,流れ歩く,カ行五段,他動詞,「日本中を流れ歩く」,,,あちこちをさすらい歩く・放浪する,


ながれこむ,流れ込む,マ行五段,自動詞,「汚水が湾内に流れ込む」,,,流れて入り込む,


ながれだす,流れ出す,サ行五段,自動詞,「火口から溶岩が流れ出す」「渋滞していた車の列が流れだす」,,,流れて外へ出る・流れ出る、流れ始める,


ながれでる,流れ出る,ダ行下一段,自動詞,「傷口から血が流れ出る」,,,流れて外へ出る・流出する・流れ出す,


ながれる,流れる,ラ行下一段,自動詞,「川が流れる」「潮が流れる」「汗が流れる」「涙が流れる」「洪水で橋が流れる」「氷山が流れる」「霧が流れる」「星が流れる」「電流が流れる」「渋滞で車が流れない」「世間に噂が流れる」「怪情報が流れる」「歳月が流れる」「職を求めて土地から土地へ流れる」「他店へ客が流れる」「砲弾が流れる」「腰が流れる」「筆が流れる」「怠惰に流れる」「奢侈に流れる」「会議が流れる」「企画が流れる」「お腹の子が流れる」「質草が流れる」「画面が上下に流れる」,相互「ながす」,,液体がある方向へ道筋をなすように移動する・水滴などが筋となって伝わり落ちる・液体の移動とともに動く・川の水などに運ばれて動く、川の水などが移動するように連続して物が動く・空中を移動する・経路を伝って移動する・伝わり広がる、時間が経過する、人が定まりなく移動する、本来の経路などから外れて動く・思いがけない方向へ行く・押さえがきかないで思わず動いてしまう・人の態度などが望ましくないほうへ傾く、予定されていた行事などが中止になる・物事が実現しないまま終わる・流産する・一定の期限が過ぎて質物の所有権がなくなる、テレビの映像が乱れる,


ながれわたる,流れ渡る,ラ行五段,他動詞,「転々と諸国を流れ渡る」,,,土地から土地へと渡り歩く,



【なき】

なきあかす,泣き明かす,サ行五段,自動詞,「遺体にすがって泣き明かす」「三日間泣き明かす」,,,一番中泣いて夜を明かす・またずっと泣いて過ごす,


なきおとす,泣き落とす,サ行五段,他動詞,「親を泣き落として資金を出させる」,,,泣いたり不幸な身の上を語ったりして相手の同情を買い自分の言い分を承知させる,


なきかわす,泣き交わす,サ行五段,自動詞,「手を取り合って泣き交わす」,,,互いに泣く・泣き合う,

なきかわす,鳴き交わす,サ行五段,自動詞,「あぜでカエルが鳴き交わす」,,,鳥獣や虫などが互いに鳴く,


なきくずれる,泣き崩れる,ラ行下一段,自動詞,「その場に泣き崩れる」,,,激しく取り乱して泣く,


なきくらす,泣き暮らす,サ行五段,自動詞,「亡き子を思い泣き暮らす」,,,泣きながら日を過ごす・来る日も来る日も泣いてばかりいる,


なきこむ,泣き込む,マ行五段,自動詞,「役所に泣き込む」,,,泣いて訴える・また泣くようにして頼み込む・泣きつく,


なきさけぶ,泣き叫ぶ,バ行五段,自動詞,「迷子が道で泣き叫ぶ」,,,大きな声で泣く・泣きながら叫ぶ,


なきしきる,泣き頻る,「泣きしきる幼子」,,,しきりに泣く・続けて泣く,

なきしきる,鳴き頻る,「松虫が鳴きしきる」,,,虫や鳥などが絶え間なく鳴き続ける・しきりに鳴く,


なきしずむ,泣き沈む,マ行五段,自動詞,「夫に先立たれて泣き沈む日々」,,,深い悲しみに泣いて沈み込む,


なきじゃくる,泣き噦る,ラ行五段,自動詞,「泣きじゃくりながら言い訳する」,,,しゃくりあげて泣く,


なきすがる,泣き縋る,ラ行五段,自動詞,「夫の胸に泣きすがる」,,,泣きながらすがりつく・また苦しい状況を訴えて援助を頼む,


なぎたおす,薙ぎ倒す,サ行五段,他動詞,「強風が稲を薙ぎ倒す」「並み居る強敵を薙ぎ倒す」,,,横ざまに払って倒す、相手を次々に打ち負かす,


なきだす,泣き出す,サ行五段,自動詞,「こらえきれずに泣きだす」,,,泣き始める,

なきだす,鳴き出す,サ行五段,自動詞,「鳥が鳴き出す」,,,鳴き始める,


なきたてる,泣き立てる,タ行下一段,自動詞,「お腹をすかせた赤ん坊が泣き立てる」,,,声をあげてしきりに泣く,

なきたてる,鳴き立てる,タ行下一段,自動詞,「子犬がキャンキャンと鳴き立てる」,,,虫や鳥獣などが声高に鳴く,


なきつく,泣き付く,カ行五段,自動詞,「わっと泣きつく」「泣きつかれて金を貸す」,,,泣きながらすがりつく、泣かんばかりに頼み込む・哀願する,


なきつくす,泣き尽くす,サ行五段,自動詞,「涙もかれんばかりに泣き尽くす」,,,泣きたいだけ存分に泣く,


なきぬらす,泣き濡らす,サ行五段,他動詞,「袖を泣き濡らす」,相互「なきぬれる」,,泣いて涙で衣服などを濡らす,


なきぬれる,泣き濡れる,ラ行下一段,自動詞,「泣き濡れた顔」,相互「なきぬらす」,,泣いて涙で頬などが濡れる,


なぎはらう,薙ぎ払う,ワ行五段,他動詞,「草を薙ぎ払う」,,,刃物などで勢いよく横に払う,


なきはらす,泣き腫らす,サ行五段,他動詞,「目を赤く泣き腫らす」,,,ひどく泣いてまぶたをはらす,


なきふす,泣き伏す,サ行五段,自動詞,「床に泣き伏す」,,,悲しみのあまりうつ伏せになって泣く,


なぎふせる,薙ぎ伏せる,サ行下一段,他動詞,「敵を薙ぎ伏せる」,,,勢いよく横に払って切り倒す・なぎたおす,


なきやむ,泣き止む,マ行五段,自動詞,「赤ん坊がなかなか泣きやまない」,,,泣くことをやめる,

なきやむ,鳴き止む,マ行五段,自動詞,「草むらの虫がピタリと鳴きやむ」,,,鳥獣や虫などが鳴くことをやめる,


なきわかれる,泣き別れる,ラ行下一段,自動詞,「恋人と泣き別れる」,,,泣きながら別れる・泣く泣く別れる,


なきわたる,鳴き渡る,ラ行五段,自動詞,「雁が鳴き渡る」,,,鳥などが鳴きながら飛んでゆく,


なきわめく,泣き喚く,カ行五段,自動詞,「駄々をこねて泣きわめく」,,,わめきながら鳴く・泣き叫ぶ,



【なく】

なく,泣く,カ行五段,自動詞,「嬉し泣きに泣く」「大声をあげて泣く」「話に感動して泣く」「悲運に泣く」「悪天候に泣く」「ここは一つ君に泣いてもらおう」「看板が泣く」「名門校の名が泣く」,相互「なける」,,悲しみや苦しみや喜びや痛さなどをおさえることができず声をあげたり涙を出したりする・身にしみてつらい思いをする・苦労を経験する、無理や損を知りつつ承知する・権利をあきらめたり仕方なく身を引いたりする・実際の内容と隔たりが大きくそれと名乗るのがはばかられる思いがする、染色や加工のとき染料が隣の色や白地の部分に浸出する,

なく,鳴く,カ行五段,自動詞,「虫が鳴く」「蛙がやかましく鳴く」「雉も鳴かずば撃たれまい」,,,鳥や虫や獣などが声を出す。「啼」はとくに野鳥が鳴くときに用いる,


なぐ,凪ぐ,ガ行五段,自動詞,「凪いだ海」,,,風がやんで波が静かになる・風波がおさまる,

なぐ,和ぐ,ガ行五段,自動詞,「心が和ぐ」,,,気持ちが穏やかになる・なごむ,

なぐ,薙ぐ,ガ行五段,他動詞,「草を薙ぐ」,,,刃物を勢いよく横に払って切る,


なぐさむ,慰む,マ行五段,自動詞,「心慰む話」「さんざ慰んで捨てる」,相互「なぐさめる」,,そのことで一時気持ちが晴れ晴れする・気がまぎれる・なごむ、もてあそんで楽しむ・慰み者にする,


なぐさめる,慰める,マ行下一段,他動詞,「失意の友を慰める」「音楽に慰められる」,相互「なぐさむ」,,何かをして一時の悲しみや苦しみをまぎらせる・心を楽しませる・心をなごやかに静める,


なくす,無くす,サ行五段,他動詞,「財布を無くす」「やる気を無くす」「無駄を無くす」,相互「なくなる」,,今まであったもの持っていてものを失う・なくする,

なくす,亡くす,サ行五段,他動詞,「一人息子を亡くす」,相互「なくなる」,,死なれて失う・死なせる,


なくする,無くする,サ行変格活用,他動詞,「戦争を無くする」「意欲を無くする」,相互「なくなる」,,「なくす」に同じ,

なくする,亡くする,サ行変格活用,他動詞,「事故で子どもを亡くする」,相互「なくなる」,,「なくす」に同じ,


なくなす,無くなす,サ行五段,他動詞,「ライターを無くなす」「明るさを無くなす」,相互「なくなる」,,無いようにする・無くす・失う,

なくなす,亡くなす,サ行五段,他動詞,「両親を亡くなす」,相互「なくなる」,,死なれて失う・亡くす,


なくなる,無くなる,ラ行五段,自動詞,「夢が無くなる」「痛みが無くなる」「網棚の荷物が無くなる」「資金が無くなる」,相互「なくす・なくする・なくなす」,,今まであったものもっていたものがない状態になる・盗まれたり紛れたりして見当たらなくなる・使ったり減ったりして尽きる,

なくなる,亡くなる,ラ行五段自動詞,「恩師が亡くなられた」,相互「なくす・なくする・なくなす」,,「人が死ぬ」の婉曲的な言い方,


なぐりこむ,殴り込む,マ行五段,自動詞,「武装して殴り込む」「大手スーパーが地元に殴り込む」,,,ケンカ相手などのところへ押しかけて乱暴を働く、相手の根拠地に進出して商売上の勝負を仕掛ける,


なぐりころす,殴り殺す,サ行五段,他動詞,「鉄棒で殴り殺す」,,,殴って殺す・殴殺する,


なぐりたおす,殴り倒す,サ行五段,他動詞,「ケンカの相手を殴り倒す」,,,殴って倒す,


なぐりつける,殴り付ける,カ行下一段,他動詞,「思いきり殴りつける」,,,強く殴る,


なぐりとばす,殴り飛ばす,サ行五段,他動詞,「悪さをして父に殴り飛ばされる」,,,力任せに強く殴る,


なぐる,殴る(擲る・撲る),ラ行五段,他動詞,「撲る蹴るの暴行」,,,拳や棒などで相手を乱暴に打つ。「殴」はうつ・たたく・鞭や杖などで叩く、「擲」は拳などで乱暴に打つ、「撲」はうつ・ぶつ意,

なぐる,殴る(擲る・撲る),ラ行五段,他動詞,「書きなぐる」,,,補助動詞的にも使う。乱暴に物事をする・また投げやりにする,



【なけ】

なげいれる,投げ入れる,ラ行下一段,他動詞,「イカリを海に投げ入れる」,,,投げて中へ入れる・投げ込む,


なげうつ,投げ打つ(擲つ・抛つ),タ行五段,他動詞,「全財産を投げ打つ」,,,惜しげもなく差し出す・また捨ててしまう。「擲」は投げ飛ばす・投げつける・サイコロを投げてバクチをする・鞭などでうち叩く、「抛」はほうる・投げ捨てる・投げ飛ばす意。常用の「投げ打つ」に統一,


なげおろす,投げ下ろす,サ行五段,他動詞,「救命具を海に投げ下ろす」,,,上から下のほうへ向けて投げる,


なげかえす,投げ返す,サ行五段,他動詞,「投手の正面に投げ返す」「微笑みを投げ返す」,,,投げて相手に返す、言葉や視線などを相手に返す,


なげかける,投げ掛ける,カ行下一段,他動詞,「帽子を投げ掛ける」「熱い視線を投げかける」「疑問を投げかける」「身を投げかける」「肩に羽織を投げかける」,,,投げて掛ける、相手に届くように送る、相手や関係のある方面に問題などを提起する、寄りかかるようにする、投げるようにして着せかける,


なげきあかす,嘆き明かす,サ行五段,他動詞,「死を悼み嘆き明かす」,,,嘆いて夜を明かす・嘆きながら月日を送る,


なげく,嘆く(歎く),カ行五段,他動詞,「身の薄幸を嘆く」「友の死を嘆く」「現今の世相を嘆く」「倫理観の喪失を嘆く」,,,ひどく悲しむ・悲しんで泣く・悲嘆に暮れる、世の風潮などを憂えて憤る・慨嘆する。「嘆」はうめく・ため息をつく、「歎」はため息をつく意。常用の「嘆」に統一,


なげこむ,投げ込む,マ行五段,他動詞,「郵便受けにチラシを投げ込む」「十分に投げ込んでから登板する」,,,投げて入れる・また無造作に投げ入れる、野球で投手が数多く投球練習をする,


なげすてる,投げ捨てる(投げ棄てる),タ行下一段,他動詞,「空き缶を投げ捨てる」「仕事を半分で投げ捨てる」,,,放り出して捨てる、途中でやめてそのまま放っておく。常用の「捨」に統一,


なげだす,投げ出す,サ行五段,他動詞,「ガラクタを外へ投げ出す」「床に足を投げ出す」「本を机の上に投げ出す」「試合を投げ出す」「学業を中途で投げ出す」「命を投げ出す」「全財産を孤児救済に投げ出す」「仕上がりが早く変化球を投げだす」,,,投げて外へ出す・放り出す、投げるように乱暴に突き出す・また無造作に置く、物事を成就しないうちにあきらめて止める・放棄する、大切なものや財産などを惜しげもなく差し出す、投げ始める,


なげつける,投げ付ける,カ行下一段,他動詞,「相手をマットに投げつける」「ひどい言葉を投げつける」,,,目標に向かって投げる・また乱暴に投げる、乱暴な言葉を相手に向けて強く発する,


なげとばす,投げ飛ばす,サ行五段,他動詞,「大男を投げ飛ばす」,,,手荒く投げる・勢いよく遠くへ投げる,


なげやる,投げ遣る,ラ行五段,他動詞,「エサを投げやる」,,,投げて与える,


なける,泣ける,カ行下一段,自動詞,「泣ける映画」「災難続きで我ながら泣けてくる」,相互「なく」,,思いがあふれてひとりでに泣いてしまう・涙が出るほど感動する,


なげる,投げる,カ行下一段,他動詞,「池に小石を投げる」「首を掴んで地面に投げる」「椅子に身を投げる」「ビルの屋上から身を投げる」「最初から投げてかかる」「やりかけた仕事を投げるようなことはしない」「視線を投げる」「自分に投げられた言葉」,,,空中へ放る・手にとって遠くへ飛ばす・また放り出す、かかえたりつかんだりして転ばす、倒れるように体を放り出す・また体を放り出して自殺する・身投げをする、あきらめる・途中でやめる・放棄する、ある方向や方面に向ける,


なげわたす,投げ渡す,サ行五段,他動詞,「浮袋を投げ渡す」,,,投げて渡してやる・また投げるようにして物をかけ渡す,



【なこ】

なごむ,和む,マ行五段,自動詞,「すさんだ気分が和む」,,,気持ちなどがやわらいで落ち着く・なごやかになる,



【なさ】

なざす,名指す,サ行五段,自動詞,「名指して回答を求める」,,,それと名を指して示す・指名,


なさる,為さる,ラ行五段,他動詞,「研究をなさる」,,,「する・なす」の尊敬語・あそばす,

なさる,為さる,ラ行五段,他動詞,「連絡なさったほうがいいでしょう」「お見舞いなさる」「ご旅行なさる」,,,補助動詞。動詞に敬意を添える,


なされる,為される,ラ行下一段,他動詞,「そんなに慌ててどうなされたのですか」,,,「なさる」に同じ,

なされる,為される,ラ行下一段,他動詞,「どうぞお召し上がりなされませ」,,,補助動詞。「なさる」に同じ,



【なし】

なしとげる,成し遂げる(為し遂げる),ガ行下一段,他動詞,「研究を成し遂げる」「新記録樹立の快挙を成し遂げる」,,,物事を最後までやりとげる・また見事にやってのける。常用読みの「成」に統一,


なじむ,馴染む,マ行五段,自動詞,「都会の成果に馴染む」「土地の言葉に馴染む」「家風に馴染む」「足に馴染んだ靴」,,,人になれて親しくなる・また物事や場所になれて親しみを持つ、味わいや調子などが一つに溶け合う・ほどよく調和する,


なじる,詰る,ラ行五段,他動詞,「心変わりをなじる」,,,相手を問いつめて責める・詰問する,



【なす】

なす,生す,サ行五段,他動詞,「子までなした仲」,,,産む・出産する,

なす,成す(為す),サ行五段,他動詞,「無益の事を成す」「なすすべもなく敗れる」,,,ある行為をする,

なす,成す,サ行五段,他動詞,「一代にして産を成す」「組織の体を成していない」「球状を成す」「門前市を成す」「新しい技法を自己のものと成す」,,,物を作り上げる・仕上げる・また事を成し遂げる、ある形や状態などをしている、他のものに変える・他の状態にする,

なす,済す,サ行五段,他動詞,「借金を済す」,,,借りた金品を返す・返済する,


なずく,懐く,カ行五段,自動詞,「」,,,「なつく」に同じ,


なずける,懐ける,カ行下一段,他動詞,「」,,,「なつける」に同じ,


なずむ,泥む(滞む),マ行五段,自動詞,「旧例になずむ」「暮れなずむ空」「船が行きなずむ」,,,そのことに心がとらわれる・こだわる・執着する、物事がはかばかしく進まないでいる・進むのに難渋する・とどこおる,


なずらえる,準える(准える・擬える),ア行下一段,他動詞,「世間を荒海になずらえる」「茶室になずらえた造り」,,,「なぞらえる」に同じ,


なすりつける,擦り付ける,カ行下一段,他動詞,「傷口に薬をなすりつける」「自分の罪を人になすりつける」,,,なすってつける、過失などを他人に押しつける・転嫁する。「こすりつける・すりつける」と同字,


なする,擦る,ラ行五段,他動詞,「顔に墨をなする」「失敗の責任を部下になする」,,,物の表面に他の物をつけようとして軽くこする、責任や罪などを他の人に負わせる・転嫁する。「こする・する」と同字,



【なせ】

なぜる,撫ぜる,ザ行下一段,他動詞,「頬を風が撫ぜる」,,,「なでる」の音変化,



【なそ】

なぞめく,謎めく,カ行五段,自動詞,「謎めいた私生活」,,,謎のように見える,


なぞらえる,準える(准える・擬える),ア行下一段,他動詞,「人生を航海になぞらえる」「正倉院になぞらえた造り」,,,ある物事を類似のものと比較して仮にそれとみなす・擬する・なずらえる、まねて作る・似せる。「準」はのっとる・擬する、「准」はなぞらえる、「擬」はまねる・比べる・似せる・のっとるの意。すべて常用外読みなのでかな書きで統一。「なずらえる」と同字,


なぞる,なぞる,ラ行五段,他動詞,「手本をなぞる」「事件の経過をなぞっただけの小説」,,,すでに書かれた文字や絵などの上をたどってそのとおりに書く、すでに行なわれた事実や書かれた文章などをたどって再現する,



【なた】

なだめすかす,宥め賺す,サ行五段,他動詞,「嫌がるのをなだめすかして薬を飲ませる」,,,機嫌をとって相手の気持ちをやわらげる・また相手の心をやわらげてこちらの都合のいいように仕向ける,


なだめる,宥める,マ行下一段,他動詞,「泣く子をなだめる」「なだめてもすかしても聞き入れない」,,,怒りや不満などをやわらげ静める・事が荒立たないようにとりなす,


なだれこむ,雪崩れ込む(傾れ込む),マ行五段,自動詞,「乗客が列車にどっとなだれ込む」,,,雪崩のような勢いで大勢の人が一時にどっと移動する,



【なつ】

なつかしむ,懐かしむ,マ行五段,他動詞,「往時を懐かしむ」,,,懐かしく思う・懐かしがる,


なつく,懐く,カ行五段,自動詞,「人によく懐く鳥」「人見知りでなかなか懐かない」,,,慣れ親しむ・慣れて付き従う,


なつける,懐ける,カ行下一段,他動詞,「犬を懐ける」,,,なつくようにする,


なづける,名付ける,カ行下一段,他動詞,「子犬をシロと名づける」「天気雨のことを名づけて狐の嫁入りという」,,,名をつける・命名する・また呼びならわす・称する・呼称する,


なつめく,夏めく,カ行五段,自動詞,「日差しが夏めく」,,,夏らしくなる,



【なて】

なであげる,撫で上げる,ガ行下一段,他動詞,「髪を撫で上げる」,相互「なでおろす」,,なでて上のほうへ上げる・上のほうへ向かってなでる,


なでおろす,撫で下ろす,サ行五段,他動詞,「髪を撫で下ろす」「事件が片づいてほっと胸を撫で下ろした」,相互「なであげる」,,なでて下のほうへ下げる・上から下へ向けてなでる、(「胸を撫で下ろす」の形で)ひとまず安心する,


なでつける,撫で付ける,カ行下一段,他動詞,「髪を撫でつける」,,,なでて押しつける・とくに乱れた髪を櫛や手で押しつけて整える,


なでまわす,撫で回す,サ行五段,他動詞,「顔を撫で回す」,,,手のひらであちらこちらをなでる,


なでる,撫でる,ダ行下一段,他動詞,「犬の頭を撫でる」「高原の風が頬を撫でる」,,,手のひらで軽く触りさする、物や風などが軽く触れる,



【なに】

なにする,何為る,サ行変格活用,自動詞,「それをうまく何してくれ」「何するんだ。よせ」,,,ある動作をぼかして遠回しにいうときの語、相手の動作をとがめるときにいう語・何をする,



【なの】

なのりあう,名乗り合う,ワ行五段,自動詞,「初対面で名乗り合う」,,,互いにおのおのの名を告げる,


なのりでる,名乗り出る,ダ行下一段,自動詞,「落とし主が名乗り出る」,,,自分の姓名や身分などを告げて出る・自分が当人であると申し出る,


なのる,名乗る(名告る),ラ行五段,他動詞,「名を名乗ってから話を切り出す」「芸名を名乗る」「二代目を名乗る」,,,自分の姓名や身分などを相手に告げる、自分の名としていう・称する,



【なは】

なはる,なはる,ラ行五段,他動詞,「さあ飲みなはれ」「ご覧なはれ」,,,補助動詞。(関西方面で用いる)〜なさる,



【なひ】

なびかす,靡かす,サ行五段,他動詞,「旗を風になびかす」「彼女をなびかすのは無理だ」,相互「なびく」,,なびくようにする・なびかせる、相手を自分の意に従わせる,


なびく,靡く,カ行五段,自動詞,「柳が風になびく」「威光になびく」「いくら口説いてもなびかない」,相互「なびかす」,,風や水の勢いに従って横に揺らめくように動く、他の意志や威力などに屈したり引き寄せられたりして服従する・また女性が男性に言い寄られて承知する,



【なふ】

なぶる,嬲る,ラ行五段,他動詞,「新入りをなぶる」「教師が生徒になぶられる」「おもちゃをなぶる」,,,弱い立場の者などを面白半分に苦しめたりもてあそんだりする、からかってバカにする・愚弄する、手でもてあそぶ・いじりまわす,



【なま】

なまける,怠ける(懶ける),カ行下一段,他動詞,「仕事を怠ける」,,,なすべきことをしない・働かない・ずるける。「怠」はおこたる・なまける・ゆるむ・油断する・あきる・うむ、「懶」はおこたる・なまける意,


なます,鈍す,サ行五段,他動詞,「刃物をなます」,,,焼いた鉄を水に入れて鍛える,


なまめく,艶めく,カ行五段,自動詞,「艶めかしいしぐさ」,,,異性の心を誘うような色っぽさが感じられる・またあだっぽい振る舞いをする。「つやめく」と同字,


なまる,訛る,ラ行五段,自動詞,「東北地方でよくなまる言葉」,,,ある地方特有の発音をする・標準語や共通語とは異なった発音をする,

なまる,鈍る,ラ行五段,自動詞,「包丁がなまる」「体がなまる」「腕がなまる」,,,刃物の切れ味が悪くなる、鋭さが失われる、技量や働きの冴えがなくなる。「にぶる」と同字,



【なみ】

なみいる,並み居る,ア行上一段,自動詞,「並み居るお歴々」,,,その場所に並んで座っている,


なみうつ,波打つ,タ行五段,自動詞,「波打つ荒磯」「秋風に波打つ稲穂」「心臓が激しく波打つ」,,,波が寄せてくる・波がうねる、波のように起伏して揺れ動く・また起伏がある,


なみだぐむ,涙ぐむ,マ行五段,自動詞,「昔を思い出して涙ぐむ」,,,目に涙をためる・涙をもよおす,


なみだする,涙する,サ行変格活用,自動詞,「人知れず涙する」,,,涙を流す・泣く,


なみだつ,波立つ,タ行五段,自動詞,「湖面が波立つ」「周囲が波立つ」「不安に胸が波立つ」,,,波が立つ・波が起こる・また波のように起伏する、争いごとが起きて騒がしくなる、心が動揺する,


なみはずれる,並外れる,ラ行下一段,自動詞,「並外れて足が速い」,,,普通の程度や状態とかなりに違っている,



【なめ】

なめす,鞣す,サ行五段,他動詞,「鹿皮をなめした手袋」,,,動物の生皮から不要なタンパク質や脂肪を取り除き薬品で処理して耐久性や耐熱性や柔軟性をもたせる,


なめまわす,嘗め回す(舐め回す),サ行五段,他動詞,「唇をなめまわす」,,,あちこちをなめる,


なめる,嘗める(舐める),マ行下一段,他動詞,「切手をなめて貼る」「猫が毛をなめる」「砂糖をなめる」「ウイスキーをなめる」「苦汁を嘗める」「辛酸を嘗める」「炎が家並みをなめる」「若造になめられる」「なめたことを言うな」,,,舌の先でなでるように触れる、舌の先で味をみる・またそのようにして酒を少しずつ飲む・口に含んだものを舌で味わう、つらいことや苦しいことを経験する、炎がはうようにして燃え広がる、かるく見なす・甘く見る・みくびる。「嘗」は舌でなめ味わう・経験する、「舐」はねぶる・舌の先でなめる,



【なや】

なやます,悩ます,サ行五段,他動詞,「頭を悩ます」「腰痛に悩まされる」,相互「なやむ」,,悩むようにする・苦しめる,


なやむ,悩む,マ行五段,自動詞,「進学か就職かで悩む」「恋に悩む若者」「人生に悩む」「騒音に悩む」「人材不足に悩む企業」「頭痛に悩む」「持病の喘息に悩む」,相互「なやます・なやめる」,,決めかねたり解決の方法が見いだせなかったりして心を痛める・思いわずらう、対応や処理が難しくて苦しむ・困る、体の痛みなどに苦しむ・また病気になる,


なやめる,悩める,マ行下一段,他動詞,「この将来に心を悩める」,相互「なやむ」,,悩ます・苦しめる,



【なら】

ならう,倣う(傚う),ワ行五段,自動詞,「前例に倣う」,,,すでにあるやり方や例をまねてそのとおりにする・手本としてまねをする,

ならう,習う(慣らう・馴らう),ワ行五段,他動詞,「夜更けに一人でダンスのステップを習う」「父から将棋を習う」「中学で習った先生」,相互「ならわす」,,教わったことを繰り返し練習して身につける・稽古する、知識や技術などの教えを受ける・教わる・学ぶ。「習う」は雛鳥が翼を動かして飛び方をならう・繰り返し練習する・学ぶ・まねる・なれる・てなれる・熟練する・なれ親しむ、「慣」はなれる・習熟する、「馴」は素直に従う・経験を積んで楽にできるようになる意。常用の「習」に統一,


ならす,生らす,サ行五段,他動詞,「柿の木が実をならす」,相互「なる」,,果実を実らせる・実を結ばせる,

ならす,均す(平す),サ行五段,他動詞,「グラウンドをならす」「利益をならして分配する」,,,肯定や凹凸をなくして平らにする、平均する。「均」はひとしくする・公平にする、「平」はたいらにする意。どちらも常用外読みなのでかな書きに統一,

ならす,慣らす(馴らす),サ行五段,他動詞,「準備運動をして体を慣らす」「水に慣らす」「履き慣らした靴」「鷹を馴らす」「野生の馬を飼い馴らす」,,,ある状態や環境になれさせる・少しずつ何度も試みてそのことが当然のことになるようにする・またうまくやれるかどうか前もって調子を試したり整えたりする・馴染ませる・順応させる、動物を訓練して懐かせる・人に馴染み親しむようにする。「慣」はなれる・ならう・習熟する、「馴」はなれさせる・言うことを聞くようにさせる意,

ならす,鳴らす,サ行五段,他動詞,「鐘を鳴らす」「ブザーを鳴らす」「指を鳴らす」「昔は名投手で鳴らしたものだ」「不平を鳴らす」「非を鳴らす」,,,音を出すようにする・音を響かせる、そのことでたいへん世間の評判をとる、やかましく言い立てる,


ならびたつ,並び立つ,タ行五段,自動詞,「街道に並び立つ松」「諸大国と並び立つ」「両雄並び立たず」,,,並んで立つ、対等の位置に並ぶ・同等の勢力をもつ,


ならぶ,並ぶ(双ぶ・列ぶ),バ行五段,自動詞,「切符を買いに並ぶ」「店に品物が並んでいる」「並んで座る」「実力、人気ともに並ぶ」「彼に並ぶ者はいない」,相互「ならべる」,,列などを作って位置する・また隣り合う・つらなる、二つのものが一緒に存在する・力の程度に優劣がなく対等である・匹敵する。「並」はたちならぶ・つらなる・一緒になる・等しい・匹敵する、「双」はならぶ・ならべる・匹敵する、「列」はつら・ならび・行列の意,


ならべたてる,並べ立てる,タ行下一段,他動詞,「品物を並べ立てる」「看板を並べ立てる」「不平を並べ立てる」,,,多くの物を次々に並べる・また立て並べる、いろいろ並べて言う,


ならべる,並べる(双べる),バ行下一段,他動詞,「二列に並べる」「肩を並べて歩く」「机を並べて勉強した間柄」「碁石を並べる」「食卓に料理を並べる」「欠点を並べる」,相互「ならぶ」,,並んだ状態に位置させる・列をなすように位置させる・また隣り合わせに置く、いくつもまたいろいろなものを次々と置く、次々といくつもあげて言う。「並」はならべる、「双」はならぶ・ならべる・匹敵する意,


ならわす,習わす(慣わす),サ行五段,他動詞,「英会話を習わす」,相互「ならう」,,学ばせる・習わせる,

ならわす,慣わす(習わす),サ行五段,他動詞,「言い慣わす」「呼び慣わす」,,,補助動詞。いつも〜する・〜することになっている,



【なり】

なりあがる,成り上がる,ラ行五段,自動詞,「政界に身を投じて大臣にまで成り上がる」,,対語「なりさがる」,貧しかったり地位の低かったりした者が金持ちになったり高い地位を得たりする,


なりおおせる,成り果せる,サ行下一段,自動詞,「学生らしく成りおおせた」,,,そのものになりきる・なりすます,


なりかかる,鳴り掛かる,ラ行五段,自動詞,「電話のベルが鳴りかかる」,,,鳴りそうになる・またちょっと鳴ってやむ,


なりかわる,成り代わる(為り変わる),ラ行五段,自動詞,「本人に成り代わりましてお礼を申し上げます」「山林がすっかり宅地に為り変わる」,,,臨時にその人の代わりとなる、別のものになる,


なりきる,成り切る,ラ行五段,自動詞,「主人公の役柄になりきる」,,,すっかりそのものになる,


なりさがる,成り下がる,ラ行五段,自動詞,「泥棒に成り下がる」,,対語「なりあがる」,地位や財産などを失う・落ちぶれる,


なりすます,成り済ます,サ行五段,自動詞,「医者になりすます」,,,本当にそのものであるようなふりをする,


なりたつ,成り立つ,タ行五段,自動詞,「交渉が成り立つ」「限られたメンバーによって成り立つ」「商売が成り立つ」「暮らしが成り立つ」,,,ある物事が出来あがる・すっかりある状態になる・成立する、いくつかの要素が組み合わさって出来あがる、採算がとれて経営や生活などを続けていくことができる,


なりはてる,成り果てる,タ行下一段,自動詞,「功成り果てる」「負け犬に成り果てる」,,,すっかりその状態になる・すっかり達成する、みじめな状態になる・落ちぶれてしまう,


なりひびく,鳴り響く,カ行五段,自動詞,「電話のベルが鳴り響く」「勇名が天下に鳴り響く」,,,音が鳴ってあたりに響きわたる、名声や評判が世の中に知れわたる,


なりゆく,成り行く,カ行五段,自動詞,「どう成り行くかを見極める」,,,次第にある状態に移っていく,



【なる】

なる,生る,ラ行五段,自動詞,「柿がなる」,相互「ならす」,,草木の実が出来る・結実する・実る,

なる,成る(為る),ラ行五段,自動詞,「ついにご連覇がなる」「念願なって独り立ちする」「氷が水になる」「血となり肉となる」「夜になる」「結婚して十年になる」「積み上げると三メートルにもなる」「全部で千円になる」「不用意な発言が紛糾のもととなる」「将来のためになる話」「負けてなるものか」「勘弁ならない」,,,物事が出来あがる・実現する・成就する、今までと違った状態や形に変わる、ある時分や時期などに至る・ある数値に達する、ある働きをする、許すことができる・許してよいとする,

なる,成る(為る),ラ行五段,自動詞,「名工の手になる茶碗」「空海の筆になる書」「前編と後編とからなる」「組織は三部門からなる」「先輩の世話になって就職する」「出先でごちそうになる」,,,(「手になる」「筆になる」などの形で)その人によってつくられる、(「〜からなる」などの形で)全体がそれによって構成される、(「人の〜になる」の形で)他からその恩恵を受ける,

なる,成る(為る),ラ行五段,自動詞,「お休みになる」「ご訪問になる」,,,(「御〜になる」の形で)尊敬の意を表す,

なる,鳴る,ラ行五段,自動詞,「鐘が鳴る」「雷が鳴る」「策士をもってなる人物」,,,音が出る・音を発する、名声などが広く世間に知れわたる,



【なれ】

なれあう,馴れ合う,ワ行五段,自動詞,「馴れ合って気心の知れた仲」「業者同士が馴れ合う」,,,互いに親しむ、共謀して悪事を企む・グルになって他を欺く,


なれる,狎れる,ラ行下一段,自動詞,「寵愛になれる」,,,親しくするあまり礼儀を失した振る舞いをする,

なれる,慣れる(馴れる),ラ行下一段,自動詞,「その土地の気候に慣れる」「移動する車中での睡眠に慣れる」「彼女の気まぐれにはもう慣れた」「住み慣れる」「患者の扱いに慣れる」「慣れた手つき」「旅慣れる」「馴れた靴で出かける」「馴れた万年筆で書く」,,,その状態に長く置かれたりたびたびそれを経験したりして違和感がなくなる・通常のこととして受け入れられるようになる、経験を重ねてそのことがうまくできるようになる・習熟する、道具などが体になじむ。「慣」はならう・習熟する、「馴」は馬が人になれる・また動物が人になれる・素直に従う・言うことを聞くようになる・従う・経験を積んで楽にできるようになる意,

なれる,馴れる(慣れる),ラ行下一段,自動詞,「子どもが家庭教師に馴れる」「新しい上司に馴れる」「人に馴れない馬」,,,その人に対して違和感がなくなる・その人に親しみの気持ちを持つようになる・動物が人に対して警戒心などを抱かなくなる,

なれる,熟れる,ラ行下一段,自動詞,「よく熟れた味噌」,,,食物がほどよく発酵するなどして味がよくなる・熟成する。「うれる」と同字,



【なん】

なんじる,難じる,ザ行上一段,自動詞,「仕事が遅いと難じる」,,,「難ずる」の音変化,


なんずる,難ずる,サ行変格活用,他動詞,「相手の非を難ずる」,,,非難する・悪く言う・また難癖をつける,


なんなんとする,垂んとする,サ行変格活用,自動詞,「十年になんなんとする歳月」,,,その状態になろうとしている・もう少しでそれに及ぼうとする,



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