第20話 動詞(の)

よみ,漢字,活用,自他,用例,相互,対語,補記,


【のか】

のがす,逃す(遁す),サ行五段,他動詞,「捕虜を逃す」「機会を逃す」,相互「のがれる」,,にげさせる・にがす、つかみそこなう・失する・逸する。「逃」はにがす、「遁」は「のがれる」の相互,

のがす,逃す(遁す),サ行五段,他動詞,「肝心な点を聞き逃す」「見逃してやる」,,,補助動詞。〜すればできたのに・〜しないでしまう意・また〜しそこなう意,


のがれる,逃れる(遁れる),ラ行下一段,他動詞,「俗世を遁れる」「難を逃れる」「責任を逃れる」「罪を逃れる」,相互「のがす」,,危険や不快を避けて遠くに身を置く、自分にとって好ましくない状態になるのを回避する。「逃」はにげる・走り去っていなくなる・避ける・捕まらないように避け去る・去る・身を引いて立ち去る・去りかくれる・免れる・危険や責任などを免れる、「遁」はにげる・隠れる・避ける意,



【のく】

のく,退く,カ行五段,他動詞,「ちょっとそこをのいてください」「借家をのく」「現場から少しのいた場所」「大学教授からのく」「組合からのく」「夫婦ものけば他人」,,,今までいた場所から離れる・今までの場所をあけて他へ移る・どく、ある場所から離れている・隔たっている、地位や職務から離れる・引退する、組織や仲間から抜ける・脱退する、今までの関係を離れる・縁が切れる。「しりぞく・どく」と同字,



【のけ】

のけぞる,仰け反る,ラ行五段,自動詞,「胸元の速球に思わずのけ反る」,,,あおむけにそる,


のける,退ける(除ける),カ行下一段,他動詞,「道に積もった雪をのける」「人をのけて密談する」「不良品をのける」「売約済みの品をのけておく」「グループからのけられる」,,,そこから他の場所へ移したり行かせたりする・しりぞける、取り除く・除外する、取り分けて残す・別にする、仲間から外す・のけものにする。「退ける」は「しりぞける・どける」と同字、「除ける」は「よける」と同字,

のける,退ける(除ける),カ行下一段,他動詞,「少ない日程で作業をやってのける」「言いたいことを相手構わず言ってのける」,,,補助動詞。やりにくいことを見事にまた思い切ってやってしまう意,



【のこ】

のこす,残す(遺す),サ行五段,他動詞,「メモを残して帰る」「昔の面影を残す」「武蔵野の自然を遺す地区」「食べきれずに残す」「電車賃だけは残す」「証拠を残す」「誤解を残す」「偉大な足跡を遺す」「名を遺す」「小金を残す」「土俵際で残す」,,,あとにとどめておく・残るようにする、もとのままにしておく、全体のうちの一部などに手をつけないでおく、消さないでそのままにしておく、後世に伝える・死後にとどめる、ためこむ、相撲で相手の攻めに対して踏みこらえる。「残」はのこす・のこる・のこり、「遺」はのこす・のこる・とどめるの意,


のこる,残る(遺る),ラ行五段,自動詞,「会社に残って仕事を片づける」「弁当が数人分残る」「まだ時間は残っている」「傷が残る」「最後の言葉が耳に残る」「夫に先立たれ妻子があとに遺る」「歴史に残る快挙」「土俵際で残る」,,,あとにとどまる、取り去ったり使ったりした後になくならないである、消えないであり続ける、死に後れる・生き残る、後世に伝わる・死後消えないである、相撲で相手の攻めを踏みこらえる。「残」はのこす・のこる・のこり、「遺」はのこす・のこる・とどめるの意,



【のさ】

のさばりかえる,のさばり返る,ラ行五段,自動詞,「権力を笠に着てのさばりかえる」,,,「のさばる」を強めていう語,


のさばる,のさばる,ラ行五段,自動詞,「雑草がのさばる」「新参者がのさばる」,,,ほしいままに伸び広がる、わがもの顔で振る舞う・勢力を振るう,



【のし】

のしあがる,伸し上がる,ラ行五段,自動詞,「一躍スターダムにのし上がる」,相互「のしあげる」,,他を押さえて地位などが急に上がる,


のしあげる,伸し上げる,ガ行下一段,他動詞,「身代をのし上げる」,相互「のしあがる」,,高い地位などにのぼらせる,


のしあるく,伸し歩く,カ行五段,自動詞,「親分風を吹かせてのし歩く」,,,威張った様子で歩く,


のしかかる,伸し掛かる,ラ行五段,自動詞,「のしかかって押さえ込む」「借金の重圧が肩にのしかかる」,,,体を伸ばして相手の上に覆いかぶさる、責任や負担などが身の上に覆いかぶさる,



【のす】

のす,伸す,サ行五段,自動詞,「枝葉が四方へのす」「急速にのしてきた企業」「新潟へ行ったついでに佐渡までのす」「大物にのされる」「腰をのす」「餅をのす」「麺棒でのす」「しわをのす」「勢力をのす」「生意気だからのしてしまえ」,,,伸びる・伸び広がる・他を押さえて地位などが上がる・勢力などが発展する・さらに遠くまで行く・足を伸ばす・釣りで掛かった魚が釣り糸を強く引き込む、曲がったところを伸ばしてまっすぐにする・たたんであるものを広げる・均等に力を加えて物を伸ばし広げる・アイロンやこてなどで熱を加えてしわなどを伸ばし平らにする・勢いや力を伸ばす・発展させる・殴り倒す・うちのめす・のばす,



【のせ】

のせかける,乗せ掛ける(載せ掛ける),カ行下一段,他動詞,「体重を乗せかけて途中でやめる」,,,のせ始める・のせようとする,


のせる,乗せる,サ行下一段,他動詞,「客を乗せたタクシー」「ピアノの調べに乗せて歌う」「計画を軌道に乗せる」「その仕事に一口乗せてください」「口車に乗せる」「まんまと乗せられる」「ニュースを電波に乗せる」「午後の便に乗せる」「販売ルートに乗せる」,相互「のる」,対語「おろす」,乗り物の上または中に人や物を置く、音や調子に合わせる、物事が順調にいくようにする・勢いに任せて進める、仲間として加える・参画する、思惑通りに相手を動かす・計略にかける・だます、物事をある手段や経路によって運ぶ。「乗」は乗り物に乗る・達する・応じる・もちかける・運ぶ・伝える・進む意。車や馬や船などに乗る・付け込む・乗ずる意,

のせる,載せる,サ行下一段,他動詞,「荷物を網棚に載せる」「子どもを膝に載せてあやす」「トラックに引越荷物を載せる」「広告を載せる」「名簿に載せる」,相互「のる」,対語「おろす」,物の上に置く、乗り物の上または中に人や物を置く、新聞や雑誌などの刊行物に掲載する・また帳簿などに記載する。「載」は積載・物を置く意。船や車に載せて運ぶ・物を上に載せる・いただく・受ける・書き記す意,



【のそ】

のぞかす,覗かす,サ行五段,他動詞,「白い歯をのぞかして笑う」,,,「のぞかせる」の音変化,


のぞかせる,覗かせる,サ行下一段,他動詞,「袖口からシャツをのぞかせる」「月が顔をのぞかせる」「右をのぞかせる」,,,物の一部分が外から見えるようにする・ちょっと現し出す、相撲で相手の脇に浅く差す,


のぞきこむ,覗き込む,マ行五段,他動詞,「滝壺をのぞき込む」,,,顔を近づけたり首を突き出したりして中をのぞく,


のぞく,除く,カ行五段,他動詞,「障害を除く」「不良品を除く」「花壇の雑草を除く」「未経験者は除く」「母を除いてみんな賛成した」「奸臣を除く」,,,取ってなくする・取りのける・除去する、その範囲に加えないようにする・除外する、邪魔者などを殺す,

のぞく,覗く(窺く),カ行五段,他動詞,「鍵穴からのぞく」「部屋をのぞく」「望遠鏡をのぞく」「谷底をのぞく」「私生活をのぞく」「娘の日記をのぞく」「大人の世界をのぞく」「経済学をのぞいたことがある」「古本屋をのぞく」「葉の間から青空がのぞく」「襟元からスカーフがのぞいている」,,,物陰やすきま小さな穴などから見る、装置を用いて物体を見る、高いところから低いところを見る、密かに様子をうかがう・また隠しごとや秘密にしているものなどをこっそりと見る、ちょっと見る・また本格的でなくほんの一部分だけを知る、ちょっと立ち寄る・ついでに訪れる、一部分が現れ出る・一部が外から見える。「覗」はうかがう・盗み見る、「窺」はうかがう・そっと見る意,


のぞむ,望む,マ行五段,他動詞,「富士を望む展望台」「栄達を望む」「名声など望まない」「誰でも幸福を望んでいる」「自重を望む」「一層の努力が望まれる」「後妻にと望まれる」「徳を望む」,,,はるかに隔てて見る・遠くを眺めやる、物事がこうであればいい自分としてはこうしたいこうなりたいまたなんとか得られないものかなどと心に思う・特定の相手に対してこうあってほしいこうしてもらいたいと思う・注文する、自分のところに来てくれるように働きかける・欲しがる、したう・仰ぐ,

のぞむ,臨む,マ行五段,自動詞,「海に望んだ部屋」「危機に臨む」「死に臨む」「終わりに臨んで礼を述べる」「開会式に臨む」「試合に臨む」「強権の発動をもって臨む」「厳正な態度で臨む」,,,風景や場所などを目の前にする・向かい対する・面する、ある事態が起こるようなところに身を置く・そういう時に当たる・出合う・直面する、その場所へ出かけていく・とくに公のまたは晴れの場所などに出席または参加する、支配者が被支配者に対する・また予想できる事態に対応した態度で人に対する,



【のた】

のたうちまわる,のたうち回る,ラ行五段,自動詞,「激痛にのたうちまわる」,,,苦しみもがいて転げまわる,


のたうつ,のたうつ,タ行五段,自動詞,「不意の胃痛にのたうつ」,,,苦しみもがく・苦痛で転げまわる,


のたくる,のたくる,ラ行五段,自動詞,「ミミズがのたくる」「ノートの端にメモをのたくる」,,,体をくねらせて這う・うねって動く、文字などを乱暴に書く,



【のつ】

のっかかる,乗っ掛かる,ラ行五段,自動詞,「上に乗っかかって押さえ込む」,,,「のりかかる」の音変化,


のっかる,乗っかる(載っかる),ラ行五段,自動詞,「台に載っかって見る」,,,「のる」をくだけていう語,


のっきる,乗っ切る,ラ行五段,他動詞,「難局を乗っきる」,,,「のりきる」の音変化,


のっける,乗っける(載っける),カ行下一段,自動詞,「車に乗っけてもらう」「鍵はテーブルに載っけておくよ」,,,「のせる」をくだけていう語,


のっとる,則る(法る),ラ行五段,自動詞,「伝統に則った儀式」「法に則って裁く」,,,基準や規範として従う。「則」は手本とする、「法」はならう・手本とする・従う・かたどる意,

のっとる,乗っ取る,ラ行五段,他動詞,「敵の本拠を乗っ取る」「会社を乗っ取られる」「旅客機が乗っ取られる」,,,奪い取って自分の支配下におさめる・攻め入って自分のものとする、航空機や船などに乗り込んだ者が乗員を脅してその乗り物を自分の支配下に置く,



【のの】

ののしる,罵る,ラ行五段,自動詞,「口汚く罵る」,,,ひどい言葉で悪口を言う・声高に非難する・罵倒する,



【のは】

のばす,伸ばす(延ばす),サ行五段,他動詞,「線路を延ばす」「髭を伸ばす」,相互「のびる」,,空間的に長さを増したり広さを大きくしたりする,

のばす,伸ばす,サ行五段,他動詞,「ゴム紐を伸ばす」「曲がった釘を伸ばす」「餅を伸ばす」「しわを伸ばす」「糊を水で伸ばす」「輸出を伸ばす」「個性を伸ばす」「一発で伸ばされてしまった」,相互「のびる」,,ゴムやスプリングなどを引っ張って長くする・曲がったり縮んだりしているものをまっすぐにする・厚みのあるのものを押し広げて薄く平たくする・しわなどをなくして平らにする・他のものを加えて濃度を薄める、相手を殴り倒す・のす,

のばす,延ばす,サ行五段,他動詞,「会期を延ばす」「返事を延ばす」,相互「のびる」,,時間や日時を後らせる・長引くようにする,



【のひ】

のびあがる,伸び上がる,ラ行五段,自動詞,「伸び上がって遠くを見る」,,,つま先立ちになるなどして体を高くする,


のびたつ,伸び立つ,タ行五段,自動詞,「まっすぐに伸び立った若木」,,,伸びて高くなる,


のびなやむ,伸び悩む,マ行五段,自動詞,「若手が伸び悩む」「小豆の相場が伸び悩む」,,,伸びそうでいて思ったほど伸びず期待されたところより低い水準で停滞する,


のびる,伸びる,バ行上一段,自動詞,「背が伸びる」「すらりと伸びた脚」「枝が伸びる」「司直の手が伸びる」「つい菓子に手が伸びてしまう」「腰が伸びる」「しわが伸びる」「よく伸びる塗料」「そばが伸びる」「過労で伸びる」「輸出が伸びる」「会社は順調に伸びている」「記録が伸びている」「学力が伸びる」,相互「のばす・のべる」,,生長して長くなったり高くなったりする・ある段階や範囲にまで及ぶ・たっする・曲がったり縮んだりしていたものがまっすぐになったり広がったりする・全体に薄く均等にひろがる・時間が経って長い状態になったりしまりなく柔らかくなったりして弾力がなくなる・さんざん殴られて動けくなってしまう・ひどく疲れてぐったりする・グロッキーになる、勢いや力が増す・大きく盛んになる・發展する・能力などがつき向上する,

のびる,延びる,バ行上一段,自動詞,「バス路線が郊外まで延びる」「日脚が伸びる」「平均寿命が延びる」「事故で出発が延びる」,相互「のばす・のべる」,,元からある物につなげられて長くなる、時間的に長く広がる・命などが長く保つ・長生きする・期日や時刻が決められたその時より後れる,



【のへ】

のべたてる,述べ立てる,タ行下一段,他動詞,「よどみなくプランを述べ立てる」,,,あれこれと盛んに述べる・しきりに述べる,


のべる,伸べる,バ行下一段,他動詞,「布団を伸べる」「手を伸べて助け起こす」「救いの手を伸べる」,相互「のびる」,,空間的に長くする・また広くする・たたんであるものなどを広げる・敷く・(「手をのべる」の形で)対象に向かって届かせるように手を伸ばす・積極的に差し出す・差し伸べる,

のべる,延べる,バ行下一段,他動詞,「飴を延べる」「金を延べる」「出発の期日を延べる」,相互「のびる」,,固まり状の物を打って均等に薄く広げる、時間的に長くする・期日や時刻を遅らせる・延期する・また延長する,

のべる,述べる(宣べる・陳べる),バ行下一段,他動詞,「所信を述べる」「礼を述べる」「前章に述べたごとく」,,,考えや意見などを口に出して言う、文章で表す。「述」は語る・いう・受け継いで明らかにする・思うところを文章に表し記す・説き明かす・説明する、「宣」は行き渡る・行き渡らせる・広める・示す・知らせる・言う・述べる・明らかにする・表明する・揚げる・発揚する、「陳」は述べる・説く意。常用読みの「述べる」に統一,



【のほ】

のぼす,上す,「議題に上す」「食卓に上す」,,,「のぼせる」に同じ,


のぼせあがる,逆上せ上がる,ラ行五段,自動詞,「褒められたからって逆上せ上がるな」,,,すっかりのぼせる・ひどくのぼせる,


のぼせる,上せる,サ行下一段,自動詞,「話題に上せる」「議事録に上せる」「山海の珍味を食膳に上せる」「舞台に上せる」「意識に上せる」「演壇に上せる」「地位に上せる」,,,取り上げて公の場に出す・正式に書き記して残す・記載する・料理として出す・上演されるようにする・頭に浮かべる・高いところへ上がらせる・上のくらいに進ませる,

のぼせる,逆上せる,サ行下一段,自動詞,「長湯でのぼせる」「暑さでのぼせる」「のぼせて前後の見境がなくなる」「アイドル歌手にのぼせる」「成長したからといってのぼせるな」,,,血が頭へのぼってぼうっとなる・上気する、興奮して理性を失う・血迷う・逆上する、すっかり夢中になる・熱中する、思い上がる・うぬぼれる,


のぼりつめる,上り詰める(登り詰める),マ行下一段,他動詞,「長い坂を上り詰める」「出世の階段を登り詰める」,,,のぼれるだけのぼる・登っていっていちばん上まで達する,


のぼる,上る,ラ行五段,自動詞,「坂道を上る」「川を上る」「京へ上る」「江戸へ上る」「頭に血が上る」「死傷者が数百人に上る」「世情の口に上る」「話題に上る」,,対語「くだる」,そこを通って高いところに行く・皮の上流へ向かって進む・さかのぼる、地方から中央へ行く・都へ向かう、(「頭に血がのぼる」などの形で)のぼせる・夢中になる、数量が無視できない相当の程度に達する,

のぼる,登る,ラ行五段,自動詞,「山に登る」「演壇に登る」,,対語「おりる」,他より一段と高いところへ移り進む,

のぼる,昇る,ラ行五段,自動詞,「大臣の位に昇る」「日が昇る」「気球が昇る」,,対語「おりる・しずむ」,高い地位につく・昇進する、太陽や月などが空高く現れる・また上方へ進んで高いところに達する,



【のま】

のます,飲ます,サ行五段,他動詞,「病人に薬を飲ます」「嘘ついたら針千本飲ます」「一杯飲まして慰労する」,,,飲むようにさせる・飲ませる、酒肴を供する,


のませる,飲ませる,サ行下一段,他動詞,「赤ん坊にミルクを飲ませる」,,,「のます」に同じ,


のまれる,飲まれる(呑まれる),ラ行下一段,自動詞,「渦に飲まれる」「酒に飲まれる」「相手の気迫に飲まれる」,,,連語。引き込まれる・取り込まれる、相手や雰囲気に圧倒される・威圧される,




【のみ】

のみあかす,飲み明かす,サ行五段,自動詞,「旧友と飲み明かす」,,,夜が明けるまで酒を飲み続ける・夜通し酒を飲む,


のみあるく,飲み歩く,カ行五段,他動詞,「馴染みの店を飲み歩く」,,,あちこちの店を歩き回り酒を飲む,


のみかける,飲み掛ける,カ行下一段,他動詞,「酒を飲みかけた時に来客があった」,,,飲もうとする・また途中まで飲む,


のみくだす,飲み下す,サ行五段,他動詞,「薬を一息に飲み下す」,,,飲んで胃へ流し込む,


のみこむ,飲み込む(呑み込む),マ行五段,他動詞,「生唾を飲み込む」「錠剤を飲み込む」「口に出そうとした返事をあわてて飲み込む」「大観衆を飲み込んだスタジアム」「山津波が一瞬のうちに家々を飲み込む」「すっかりコツを飲み込む」「状況を万事飲み込んでいる」,,,飲んでのどを通す・またかまずに丸飲みにする、出そうになった言葉やあくびなどを出さずにおさえる、自然現象や大きな建造物などがすっかり取り囲んでしまう・中に引き込んで外に出さないようにする、理解する・納得する,


のみさす,飲み止す,サ行五段,他動詞,「茶を飲みさしたまま席を立つ」,,,飲み始めて中途でやめる,


のみたおす,飲み倒す,サ行五段,他動詞,「客に飲み倒される」「身代を飲み倒す」,,,酒を飲んで代金を支払わないままにする、「のみつぶす」に同じ,


のみつける,飲み付ける,カ行下一段,他動詞,「飲みつけた銘柄の酒」,,,日常よく飲んでいる・飲み慣れている,


のみつぶす,飲み潰す,サ行五段,他動詞,「身上を飲み潰す」,,,飲酒にふけり財産をなくしてしまう,


のみつぶれる,飲み潰れる,ラ行下一段,自動詞,「忘年会で飲み潰れる」,,,酒を飲みすぎて正体を失う・酔いつぶれる,


のみなおす,飲み直す,サ行五段,他動詞,「河岸を変えて飲み直す」,,,気分や場所を換えてさらに酒を飲む,


のみほす,飲み干す(飲み乾す),「大杯を一気に飲み干す」,,,器に入った飲み物を一滴も残さずに飲む,


のみまわす,飲み回す,サ行五段,他動詞,「濃茶を飲み回す」,,,一つの器に入った飲み物を何人かで回して飲む,



【のむ】

のむ,飲む(呑む・喫む),マ行五段,他動詞,「水を飲む」「薬を飲む」「飲まず食わずの生活」「同僚と飲む」「タバコをうまそうに喫む」「相手を呑んでかかる」「会場の雰囲気に呑まれる」「条件を呑む」「清濁併せ呑む」「息を呑む」「涙を呑む」「懐にドスを呑む」,,,「飲」は水や酒などを口から腹に入れる・こらえる・こらえて表に出さない意で主に液体を、「呑」はのみくだす・丸のみにする・含み隠す・あわせつつむ・とりこむ・滅ぼす・軽んじる・馬鹿にする意で丸のみにする・受け入れる、「喫」は口に入れる・飲む・吸う意でタバコを吸うときに用いるがかな書きが多い,



【のめ】

のめす,のめす,サ行五段,他動詞,「突いてのめす」,相互「のめる」,,前へ倒す・のめらせる,

のめす,のめす,サ行五段,他動詞,「打ちのめす」「しゃれのめす」,,,補助動詞。その故意を徹底的にする意,


のめりこむ,のめり込む,マ行五段,自動詞,「ぬかるみにのめり込む」「研究にのめり込む」「バクチにのめり込む」,,,前へ倒れるように入り込む、ある環境や状況の中に深く入り込む,


のめる,のめる,ラ行五段,自動詞,「つまずいてのめる」,相互「のめす」,,体が前に倒れる・前へ倒れそうになる,

のめる,飲める,マ行下一段,他動詞,「なかなか飲める酒」,,,飲む価値がある,



【のり】

のりあう,乗り合う,ワ行五段,自動詞,「方向が同じ者同士でタクシーに乗り合う」,,,一つの乗り物に一緒に乗る,


のりあげる,乗り上げる,ガ行下一段,自動詞,「船が暗礁に乗り上げる」,,,船や車などが進行中に障害物などの上に乗ってしまう,


のりあわす,乗り合わす,サ行五段,自動詞,「同じ飛行機乗り合わす」,,,「のりあわせる」の音変化,


のりあわせる,乗り合わせる,サ行下一段,自動詞,「旧友と同じ電車に乗り合わせる」,,,偶然同じ乗り物に一緒に乗る、たまたまその乗り物に乗っている,


のりいれる,乗り入れる,ラ行下一段,自動詞,「正面玄関まで車を乗り入れる」「空港まで直通列車が乗り入れる」,,,乗り物を中へ進め入れる・乗り物に乗ったまま中へ入る、バスや鉄道などの路線を延長してある地域まで通じるようにする・また他の会社や系統の路線まで延長して運行する,


のりうつる,乗り移る,ラ行五段,自動詞,「本船からはしけに乗り移る」「悪霊が乗り移る」,,,別の乗り物に移る・乗り換える、神霊やもののけなどが人の身にとりつく,


のりおくれる,乗り遅れる,ラ行下一段,自動詞,「約束の列車に乗り遅れる」「流行に乗り遅れる」,,,乗り物の出発時刻に遅れてそれに乗り損なう、時代の流れなどに対応できず取り残される,


のりかえる,乗り換える(乗り替える),ア行下一段,自動詞,「各駅停車から急行に乗り換える」「条件のいい仕事に乗り換える」「新車に乗り換える」,,,乗っていた乗り物を降りて別の乗り物に乗る・乗り物を換える、今までの立場や考え方やかかわりなどを捨てて他のものに換える,


のりかかる,乗り掛かる,ラ行五段,自動詞,「乗りかかって押さえつける」「タクシーに乗りかかったところをつかまえる」「乗りかかった以上あとにひけない」,,,上に乗って体を寄りかからせる、乗り物に乗ろうとする・乗りかける、物事をし始める,


のりかける,乗り掛ける,「車に乗りかけたところで用事を思い出す」,,,乗ろうとする・また中途まで乗る,


のりきる,乗り切る,ラ行五段,他動詞,「ヨットで太平洋を乗り切る」「難局を乗り切る」,,,乗ったままで向こうまで行ききる、困難や危機などを切り抜ける,

のりきる,乗り切る,ラ行五段,自動詞,「全員バスに乗り切るのを待つ」「役者として油の乗り切った演技」,,,残らず乗る・また十分に乗る,


のりくむ,乗り組む,マ行五段,自動詞,「捕鯨船に乗組」,,,共に一つの乗り物に乗る・乗り合う・また業務上のいち員として船舶や航空機などに乗る,


のりこえる,乗り越える,ア行下一段,他動詞,「塀を乗り越えて侵入する」「師を乗り越える」「人生の荒波を乗り越える」,,,物の上を越えて向こう側へ行く、先人の成し遂げた仕事の水準などを追い越す、困難などを切り抜けて進む,


のりこす,乗り越す,サ行五段,他動詞,「居眠りして乗り越す」「垣根を乗り越す」,,,列車などに乗車したまま下車する予定の場所より先へ行ってしまう、物の上を越して進む・乗り越える,


のりこなす,乗り熟す,サ行五段,他動詞,「馬を自由に乗りこなす」「大型バイクを乗りこなす」,,,乗って自分の思うままに動かす,


のりこむ,乗り込む,マ行五段,自動詞,「車で現地に乗り込む」「通勤の客がいっせいに電車に乗り込む」「大挙して談判に乗り込む」,,,乗り物に乗ってその中へ入る、乗客や乗員が乗り物の中へ入る、敵の領分などに勇んで入り込む,


のりしずめる,乗り静める,マ行下一段,他動詞,「いれこんだ馬を騎手が乗り静める」,,,暴れ馬などを乗っておとなしくさせる,


のりすごす,乗り過ごす,サ行五段,自動詞,「うっかりして一駅乗り過ごす」,,,下車予定の場所より先まで行ってしまう・乗り越す,


のりすてる,乗り捨てる,タ行下一段,他動詞,「レンタカーを所定の場所に乗り捨てる」,,,乗り物から降りたあとその乗り物を放置する・また乗り物から降りてあとはかまわずに行く,


のりする,糊する,サ行変格活用,他動詞,「わずかの給料でようやく家族の口を糊する」,,,(多く「口を糊する」の形で)かゆをすする・かろうじて生計を立てる,


のりそこなう,乗り損なう,ワ行五段,自動詞,「最終電車に乗り損なう」,,,乗ることに失敗する・乗ることができなくなる,


のりだす,乗り出す,サ行五段,自動詞,「大海に乗り出す」「資源開発に乗り出す」「調停に乗り出す」「自動車をやめてバイクに乗りだす」「身を乗り出して演奏を聴く」,,,船などに乗って出発する、進んでその物事に関係する、乗ることをし始める、体を前にぐっと出す,


のりつぐ,乗り継ぐ,ガ行五段,他動詞,「列車を乗り継ぐ」,,,乗り物を降りて引き続き次の乗り物に乗る・次々と乗り換えて先へ進む,


のりつける,乗り付ける,カ行下一段,自動詞,「乗りつけない飛行機での長旅に疲れる」「急を聞いてタクシーで乗りつける」,,,乗り慣れる、乗り物に乗ってその場所に到着する,

のりつける,乗り付ける,カ行下一段,他動詞,「ホテルに車を乗りつける」,,,乗り物に乗ったまま入り口などに横づけする,


のりつぶす,乗り潰す,サ行五段,他動詞,「新車を三年で乗り潰す」,,,乗り物を使えなくなるまで乗る,


のりならす,乗り馴らす(乗り慣らす),サ行五段,他動詞,「悍馬を乗り馴らす」,,,馬などの乗り物や車に乗ってならす・乗りやすくする,


のりなれる,乗り慣れる(乗り馴れる),ラ行下一段,自動詞,「乗り慣れたバイク」,,,馬や乗り物などに乗るのに慣れる・乗りつける,


のりまわす,乗り回す,サ行五段,他動詞,「外車を乗りまわす」,,,乗り物に乗ってあちこち走りまわる,



【のる】

のる,乗る,ラ行五段,自動詞,「馬に乗る」「汽車に載る」「船に乗る」「リズムに乗って踊る」「マイクによく乗る声」「興が乗る」「図に乗る」「ブームに乗る」「仕事が軌道に乗る」「その話に一口乗る」「相談に乗る」「おだてに乗る」「口車に乗る」「その手には乗らない」「おしろいが肌に乗る」「脂が乗った魚」「電波に乗る」「風に乗って盆唄が聞こえてくる」「三味線に乗ったセリフ」,相互「のせる」,対語「おりる」,乗り物の上または中に身を置く・乗り物で移動する、調子や動きによく合う、勢いがついて物事が具合良く運ぶ・勢いにまかせて進む、誘いや持ちかけに応じて仲間や相手になる・仲間として加わる・参画する、相手の思惑通りに動かされる・引っかかる・だまされる、うまくつく・十分につく、風や潮流などによって運ばれる、邦楽や能楽でリズミカルに演奏する・またテンポを早めて演奏する(「ノル」とカナ書きで記す)、歌舞伎や舞踊や能楽などでしぐさや踊りが音楽に合う・そうほうのリズムがうまく調和する,

のる,載る,ラ行五段,自動詞,「踏み台の上に載る」「子が父の膝に載る」「新聞に載る」「台帳に載る」,相互「のせる」,相互「おりる」,物の上にあがる、書かれる・記録される,



【のろ】

のろう,詛う(呪う),ワ行五段,他動詞,「恋仇を詛う」「詛われた運命」「世を詛う」,,,恨みや憎しみを抱いている人に災いが起こるように神仏に祈る・また災難がふりかかったり失敗したりするように願う、強く恨む。「呪」はいのる・まじなう・病気や悪魔を追い払うよう神仏に祈る、「詛」は神に祈って恨みのある人に災いをくださせる意なので「詛」が正しいが画数の少ない「呪」に統一。「呪う」は「まじなう」と同字,


のろける,惚気る,カ行下一段,自動詞,「手放しでのろける」,,,自分の配偶者や恋人などとの仲を人前で得意になって話す,


のんだくれる,飲んだくれる,ラ行下一段,「失恋して毎晩飲んだくれている」,,,大酒を飲んでだらしなく酔う,



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