第36話 形容詞(な行)
よみ,漢字,用例,対語,補記,
【ない】
ない,無い,「あやしい節はない」「読書に飽きることはない」「金がない」「子どもがない」「信用がない」「品がない」「魅力がない」「開演まで五分もない」「海岸まで百メートルとない」「正体なく酔っている」「まるでやる気がない」「見たことがない」「またとない珍品」「」,対語「ある」,物事が存在しない、持っていない、時間や数量などがその表示された数に達していない、気持ちを持たない・心がはっきりしていない、経験していない、同じものが二つと存在しない・類がない,
ない,亡い(無い),「母の亡い子」「私は亡い者と考えてください」,,すでに死んでこの世にいない,
ない,無い,「あの映画は面白くない」「そんな話は聞きたくない」「後悔なんて君らしくもない」「人が言うほど綺麗でない」「申し出は受け入れられそうにない」「見た目ほど忙しいようではない」「言い分はわからないでもない」「条件によっては承知できないこともない」「あれほど説明したではないか」「やればできるじゃないか」「ともに頑張ろうではないか」「人をからかうものではない」「頭で覚えるんじゃない、体で覚えるんだ」「聞くともなく話を聞く」「降るともなく降り続く雨」「調子に乗っておふざけでない」「心ない」「違いない」「面目ない」,,補助形容詞。打ち消しの意を表す・(「〜ないではない」「〜ないこともない」などの形で)すっかり否定しきらないでいくらかは認めるさま、(「〜ではないか」などの形で)確認したり念を押したりする意、(「〜しようではないか」などの形で)勧誘したり催促したりする意、(「〜のではない」などの形で)否定や禁止の意、(「〜ともなく」などの形で)はっきりしないままそれが行なわれるさま、(「お〜でない」などの形で)禁止の意、名詞に付いて否定の意を含む形容詞をつくる,
【なう】
なうい,ナウい,「ナウい服装」,,いかにも現代的である・当世風で格好がいい,
【なか】
ながい,長い,「長い橋」「長い紐」「手足が長い」「気が長い」「息の長い研究」,,対語「短い」,端から端までの隔たりが大きい、のんびりしている・また辛抱強い。「長」は時間が長い・久しい・距離が長い・遠い・物の長さが長い・奥行きが長い・深い・大きい・また多い・盛んである・背丈が長い意。隔たりの程度が大きい・形や距離や時間に関して,
ながい,永い(長い),「永い年月」「永い旅に出る」「永い時間話し合う」,,対語「短い」,ある時点までの間隔が大きい・久しい・また永久である。「永」は物が長い・距離が長い・遠い・はるか・時間が長い・久しい意。いつまでも続く・時間に限って。一般的には「長」に統一,
ながたらしい,長たらしい,「長たらしいお説教」,,いかにも長い・嫌になるほど長い・長ったらしい,
なかった,なかった,「こんなに大きな地震はなかった」「あの料理はうまくなかった」「雨で外に出られなかった」,,連語。ある事柄が過去に存在しない意、過去のある状態や心情などを打ち消す意、過去のある動作や作用を打ち消す意,
ながったらしい,長ったらしい,「長ったらしい演説」,,「ながたらしい」に同じ,
ながながしい,長長しい(永永しい),「長長しい前置き」,,きわめて長い・嫌になるほど長い,
【なけ】
なげかわしい,嘆かわしい,「嘆かわしい事件が起こる」,,悲しく情けなく感じられる・残念に思う,
【なこ】
なごりおしい,名残惜しい,「親友との別れはことさら名残惜しい」,,別れがつらく心残りのするさま,
【なさ】
なさけない,情け無い,「情けない成績に終わる」「優柔不断な自分が情けない」「ずぶ濡れの情けない姿」「情けない声で訴える」,,同情の余地がない・嘆かわしい、みじめである・見るにしのびない,
なさけぶかい,情け深い,「情け深い人」,,思いやりの心が強い,
【なた】
なだかい,名高い,「歴史に名高い寺院」,,世間に名が知られている・有名である,
【なつ】
なつかしい,懐かしい,「三十年ぶりに懐かしい顔ぶれが揃った」「遠い昔が懐かしく思い出される」,,かつて慣れ親しんだ人や事物を思い出して昔に戻ったようで楽しい,
なつこい,懐こい,「懐こく話しかける」,,人にすぐなれ親しみやすい・人懐こい・なつっこい,
なつっこい,懐っこい,「懐っこく微笑みかける」,,「なつこい」の音変化,
【なに】
なにげない,何気無い,「なにげないふうを装う」「なにげなく近づく」,,はっきりした考えや意図がなくて行動するさま・またそのように見えるさま・さりげない,
【なま】
なまあたたかい,生暖かい,「生暖かい風が吹く」,,なんとなく暖かい,
なまあたらしい,生新しい,「生新しい傷あと」,,いかにも新しい・なまなましい,
なまぐさい,生臭い(腥い),「魚を料理して手が生臭くなる」「生臭い風が吹く」「生臭い坊主」「政界と財界との生臭い癒着」,,生の魚や肉のにおいがする、気持ちの悪いにおいがする・また血のにおいがする、僧が戒律を守らず堕落している・俗臭が鼻につくさま、欲望や利害などが絡んでいるさま,
なまじろい,生白い,「病み上がりの生白い顔」,,いくらか白い・また肌などの色がいやに白い・そのような人の弱々しさについてもいう・なまっちろい,
なまっちょろい,生っちょろい,「そんな生っちょろいことではなめられるぞ」,,態度ややり方などに厳しさが足りない・あまっちょろい。「生ちょろい」の音変化,
なまっちろい,生っ白い,「生っ白い若者」,,「なまじろい」の音変化,
なまなましい,生生しい,「生生しい傷あと」「生生しい事件の現場」「記憶に生生しい」「生生しい体験談」,,今できたばかりのようである・真新しい感じがする、目の前に見ているよな感じである,
なまぬるい,生温い,「生ぬるい風呂」「生ぬるい春風」「生ぬるい処置」「しつけ方が生ぬるい」,,少しあたたかい・中途半端にあたたかい・また変にあたたかい・なまあたたかい、厳しさがない・手ぬるい,
なまめかしい,艶めかしい,「艶めかしい声」「艶かしくしなを作る」,,姿やしぐさが色っぽい・あだっぽい,
なまやさしい,生易しい,「思ったほど生やさしい仕事ではない」,,(打ち消しの語を伴って)簡単である・たやすい,
【なみ】
なみだぐましい,涙ぐましい,「涙ぐましい努力」,,涙が出そうなほど感動する・またあわれである,
なみだもろい,涙脆い,「涙もろい人」,,,ちょっとしたことにも涙が出がちである・情にほだされやすい,
【なや】
なやましい,悩ましい,「怒りと苛立ちの悩ましい日々を送る」「悩ましい姿態」「悩ましい調べに誘われる」,,悩むことがあって苦しい・難儀である、官能が刺激されて心が平静でいられない,
【なら】
ならない,ならない,「話の続きが気になってならない」「おかしくてならない」「絶対に忘れてはならない」「許可なしに入室してはならない」「法律には従わなければならない」「今月中に仕事を仕上げなくてはならない」「政治は国民のためのものでなくてはならない」,,連語。(「てならない」の形で)そのことについて押さえようのない気持ちを表す、(多く「てはならない」の形で)禁止を表す、(「なければならない」「なくてはならない」「ねばならない」などの形で)責任や義務の意を表す・必要不可欠の意を表す,
ならぬ,ならぬ,「私語を交わしてはならぬ」「どにかせねばならぬ」,,「ならない」に同じ。「ならん」の形でも用いる,
ならびない,並び無い,「並びない権力者」,,他と比較できるものがない・類がない・たぐいない,
【なれ】
なれなれしい,馴れ馴れしい,「馴れ馴れしく軽口を交わす」「上司に馴れ馴れしい口をきく」,,非常に親しい様子である、ぶしつけである・遠慮がなさすぎる,
【にあ】
にあわしい,似合わしい,「似合わしい相手」「プロに似合わしからぬミス」,,よく似合っている・ふさわしい・につかわしい,
【にえ】
にえきらない,萎え切らない,「煮え切らない返事」,,連語。態度がはっきりしない・ぐずぐずしている,
【にか】
にがい,苦い,「餅が黒焦げになって苦い」「苦いコーヒー」,対語「五味」,舌を刺激し口がゆがむような嫌な味である,
にがい,苦い,「交渉決裂の報に苦い顔をする」「苦い思い」「苦い経験」,,不快である・おもしろくない・にがにがしい、つらくて苦しい・その事を考えたり思い出したりするのも嫌である,
にがにがしい,苦苦しい,「苦苦しく思う」,,非常に不愉快である,
【にき】
にぎにぎしい,賑賑しい,「大勢で賑賑しく出迎える」,,非常ににぎやかである,
にぎわしい,賑わしい,「表通りは夜更けまで賑わしい」,,にぎわっている,
【にく】
にくい,憎い(悪い),「冷酷な犯人が憎い」「不正を許す社会が憎い」「なかなか憎い趣向だ」「憎いことを言うね」「三拍子そろった憎い選手」,,そのものに強い抵抗感や不快感を抱くさま・許しがたく思って嫌うさま・にくらしい、(反語的に)感心すべきである・たいそう好ましい。「憎」はにくらしい・腹立たしい・あっぱれである意。「悪い」は「わるい」と同字,
にくい,難い(悪い),「見にくい」「読みにくい」「書きにくい」,,補助形容詞。〜することが難しい・〜しづらい・〜しがたいなどの意,
にくたらしい,憎たらしい,「憎たらしい口をきく」,,いかにも憎らしい・なんとも憎らしい・にくったらしい,
にくにくしい,憎憎しい,「憎憎しい態度」,,いかにも憎らしい・非常に憎らしい,
にくめない,憎めない,「乱暴者だが憎めないやつ」,,連語。憎もうとしても憎むことができない・愛すべきところがある,
にくらしい,憎らしい,「言い方がいちいち憎らしい」「私を捨てたあの人が憎らしい」「憎らしい心配り」,,気に障って許しがたく思うさま・ひどくしゃくに障るさま、気に触るほど素晴らしい。にくい,
【につ】
につかわしい,似付かわしい,「子どもに似つかわしい遊び」,,いかにもふさわしい・似合わしい,
【にふ】
にぶい,鈍い,「ナイフの布が鈍い」「客足が鈍い」「動作の鈍い動物」「勘が鈍い」「運動神経が鈍い」「鈍い日差し」「鈍い音」「鈍い痛み」,対語「するどい」,刃物の切れ味が悪い、動きがのろい・動作が機敏でない・感覚が鋭敏でない・反応が遅い、人の感覚を刺激する力が弱い,
【にへ】
にべない,にべ無い,「にべない返事」「にべなく拒否される」,,愛想がない・おせじがない・そっけない・にべもない。「にべ」は魚の浮袋から作るニカワの意なので異世界では使いづらい表現。「おそい・のろい」と同字,
【にん】
にんげんらしい,人間らしい,「人間らしい生活」,,人間としてふさわしい・また人間味がある,
【ぬか】
ぬかみそくさい, 糠味噌臭い,「糠味噌臭い手」「糠味噌臭い古女房」,,糠味噌のにおいがする、女性が所帯じみている,
【ぬき】
ぬきがたい,抜き難い,「抜きがたい不信感」,,取り除くことが難しい,
【ぬく】
ぬくい,温い,「布団がぬくい」,,あたたかい・ぬくとい,
【ぬる】
ぬるい,温い,「風呂が温い」「温いビール」「若手の鍛え方が温い」,,適温よりも低い・またなまあたたかい、(「暖い」とも書く)厳しくない・手ぬるい,
【ねか】
ねがわしい,願わしい,「皆が協力し合うことが願わしい」,,願うところである・そうなってほしい,
【ねく】
ねぐるしい,寝苦しい,「蒸し暑くて寝苦しい」,,暑さなどのためになかなか眠りにつけない・気持ちよく眠れない,
【ねた】
ねたましい,妬ましい(嫉ましい),「人気のある新人が妬ましい」,,うらやましくて憎らしい・悔しい。「妬」はねたむ・そねむ・やく・やきもちを焼く・他の男女の仲をにくむ・また他人のよいところをうらやみ憎む、「嫉」はねたむ・そねむ・やく・またねたみ・そねみの意,
ねだりがましい,強請りがましい,「ねだりがましく催促する」,,いかにもねだるようである・ゆするようである,
【ねち】
ねちこい,ねちこい,「ねちこい性格」,,「ねちっこい」に同じ,
ねちっこい,ねちっこい,「ねちっこい性格」「ねちっこく説教する」,,ねちねちしている・しつこい・ねちこい,
【ねつ】
ねつい,ねつい,「ねつい性格」「いつまでもねつく小言をいう」,,粘り強い・熱心である、しつこい・くどい,
ねつくさい,熱臭い,「熱臭い寝具」,,熱気がこもっている・高熱の病人の体熱が感じられる,
ねつこい,ねつこい,「ねつこく勧誘する」,,「ねつい」に同じ,
ねつっぽい,熱っぽい,「風邪で体が熱っぽい」「熱っぽい議論」,,熱があるようである、情熱的である,
ねづよい,根強い,「根強い人気」「根強く残る迷信」「根強い努力を重ねる」,,深く根を張っていて揺るがない・基本がしっかりしていて強い、根気よい・粘り強い・しつこい,
【ねは】
ねばっこい,粘っこい,「粘っこい樹液」「粘っこく食い下がる」,,ねばねばしている・粘りけがある、粘り強い・しつこい,
ねばりづよい,粘り強い,「粘り強い餅」「粘り強い性格」「粘り強く交渉する」,,粘着力が強い・非常に粘りがある、根気強く最後までやり通そうとするさま,
【ねふ】
ねぶかい,根深い,「根深くて抜きにくい草」「根深い不信感」,,根が深く入っている、原因や根拠などが深いところにある,
ねぶたい,眠たい(睡たい),「徹夜明けでねぶたくて仕方ない」,,「ねむたい」に同じ,
【ねむ】
ねむい,眠い(睡い),「眠い目をこする」「眠くなる講義」,,眠気を催している・眠り入るような気持ちである・ねむたい。「眠」はねむる・ねる・死ぬ、「睡」はねむる・いねむりする・座ったままねむる・床につく・ねる・いぬの意,
ねむたい,眠たい(睡たい),「眠たくてあくびが出る」,,「ねむい」に同じ,
【のこ】
のこりおおい,残り多い,「残り多い別れ」,,心残りが多い・残念である・なごり惜しい,
のこりおしい,残り惜しい,「このまま去るのも残り惜しい気がする」,,心残りがする・なごり惜しい,
のこりすくない,残り少ない,「残り少ない夏休み」,,あとに残っているものが少ない,
【のそ】
のぞましい,望ましい,「全員参加が望ましい」,,そうあってほしい・ねがわしい,
【のつ】
のっぴきならない,退っ引きならない,「のっぴきならない用事で外出する」「のっぴきならない事態に陥る」,,避けることもしりぞくこともできず動きがとれない・ぬきさしならない,
【のふ】
のぶとい,野太い(箆太い),「野太いやつ」「野太い声」,,神経が太いさま・大胆不敵なさま・ずぶとい、声が太いさま。「箆」は矢に使う竹の意,
【のろ】
のろい,鈍い,「脚がのろい」「車がのろい」「反応がのろい」,,進み方がゆっくりしている・遅い、動作や頭の働きなどが悪い。「おそい・にぶい」と同字,
のろくさい,鈍臭い,「のろくさい説明の仕方」,,動作がいかにものろい・じれったいほど遅い,
のろわしい,呪わしい,「呪わしい運命」「呪わしい事件」,,呪いたい気持ちである,
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