第37話 形容詞(は行)
よみ,漢字,用例,対語,補記,
【はか】
ばかくさい,馬鹿臭い,「そんなことに大金を出すのもバカくさい」,,いかにもバカげている・バカらしい,
ばかでかい,バカでかい,「バカでかい靴」,,並外れて大きい・やたらと大きい,
はかない,儚い(果無い・果敢無い),「儚い命」「儚い恋」「儚い望み」,,束の間であっけないさま・むなしく消えていくさま、不確実であったり見込みがなかったりして頼りにならないさま,
はかばかしい,捗捗しい(果果しい),「工事の進み具合が捗捗しくない」「回復が捗捗しくない」,,(多く打ち消しの語を伴って)物事が望ましい方向へ進むさま・順調に進むさま,
ばかばかしい,馬鹿馬鹿しい,「手間ばかりかかるバカバカしい仕事」「バカバカしく大きい船」「バカバカしい値段」,,無意味でくだらなく見えるさま・ばからしい、事物の性質や状態が度を越えて甚だしいさま,
はがゆい,歯痒い,「歯がゆくてみていられない」,,思い通りにならなくていらだたしい・もどかしい,
ばからしい,馬鹿らしい,「バカらしくて話にならない」,,「ばかばかしい」に同じ,
はかりしれない,計り知れない,「計り知れない恩」「その影響は計り知れないものがある」,,連語。おしはかることができない・想像できないほどである,
【はけ】
はげしい,激しい(烈しい・劇しい),「激しい風雨」「気性の激しい人」「激しい反対に遭う」「激しい痛みに悩まさせる」「暑さが激しい」「変化の激しい社会」「人の出入りが激しい」,,勢いがたいへん強い、程度が度を過ぎて甚だしい・ひどい、行なわれる回数が驚くほど多い・非常に頻繁である。「激」は勢いが鋭く強い・厳しい・甚だしい・速い・速やか、「烈」は厳しい・荒い・たけだけしい、「劇」は甚だしい・厳しい・強い・盛ん・多い・忙しい・わずらわしい・多い意。常用の「激」に統一,
【はし】
はしたない,はしたない,「はしたない言葉遣い」「些細なことではしたなく言い争う」,,慎みがなく礼儀にはずれたり品格に欠けたりして見苦しい・みっともない,
はしぢかい,端近い,「部屋の端近くにかしこまる」,,家の中で出入り口に近い場所である,
はしっこい,捷い(敏捷い),「はしっこく動きまわる」,,機転が利き、動作が敏捷である・すばしこい・はしこい,
【はす】
はずかしい,恥ずかしい(羞ずかしい),「成績が悪くて恥ずかしい」「字が下手で恥ずかしい」「人前に出るのが恥ずかしい」「そんなに褒められると恥ずかしい」,,自分の欠点や過失などを自覚して体裁悪く感じるさま・面目ない、人目につきたくない思いである・気詰まりである・照れくさい。常用の「恥」に統一,
【はた】
ばたくさい,バタ臭い,「バタくさい顔立ち」,,西洋風である・また西洋かぶれしている。バターのにおいがする意から,
はださむい,肌寒い(膚寒い),「肌寒い一日」「残虐さに肌寒いものを感じる」,,肌に寒さを感じるさま、恐ろしさなどにぞっとするさま。「はだざむい」とも。「肌」ははだえ・皮膚、「膚」ははだえ・体の表面の意と大差ないので画数の少ない「肌」に統一,
【たつ】
ばっちい,ばっちい,「ばっちいお手々」,,「きたない」の幼児語。ばばっちい,
【はて】
はてしない,果てし無い,「果てしない論争」「果てしなく広がる海」,,限りがない・終わりがない,
【はな】
はなはずかしい,花恥ずかしい,「花恥ずかしい年頃」,,花も恥じらうほど初々しく美しい・娘の恥じらうさまにもいう,
はなはだしい,甚だしい,「甚だしい被害」「非常識も甚だしい」,,普通の度合いを遥かに超えている,
はなばなしい,花花しい(華華しい),「華華しくデビューする」「華華しい一生」,,派手で人目をひくさま・華やかで見事である,
【はは】
ばばっちい,ばばっちい,「泥んこでばばっちいお手々だね」,,きたない意の幼児語・ばっちい,
【はや】
はやい,速い,「足が速い」「返事が速い」「流れの速い川」「飲み込みの速い人」,対語「おそい」,物事の進む度合いが大きい・動作や進行などがすみやかである,
はやい,早い,「朝早い電車に乗る」「早い内に手を打つ」「卒業が一年早い」「梅雨入りが早い」,対語「おそい」,ある基準より時間があまり過ぎていない・またある基準より時期が前である,
はやい,早い,「結婚するにはまだ早い」「あきらめるのは早い」「調べるより聞くほうが早い」「自分でするのがいちばん早い」「家に帰るが早いかテレビの前に座り込む」,,まだその時期ではない・その時がまだ来ていない、簡単である・手っ取り早い、(「〜するが早いか」「〜するより早く」の形で)時間をおかないで次の動作や物事が行なわれるさま,
【はら】
はらぎたない,腹穢い(腹汚い),「腹汚い悪党」,,心の中がきたない・根性がよくない・腹黒い,
はらぐろい,腹黒い,「腹黒いやり方」,,心になにか悪巧みを持っている・陰険で意地が悪い,
はらだたしい,腹立たしい,「腹立たしい思いをする」「顔を見ただけでも腹立たしい」,,しゃくにさわる・腹が立ってくる,
【はれ】
はれがましい,晴れがましい,「晴れがましい席に着く」「受賞式に臨む晴れがましい姿」「こんなたいそうな集まりは晴れがましい」,,表立って華やかである・晴れやかで誇らしげである、表立ちすぎていて気恥ずかしい,
はればれしい,晴れ晴れしい,「晴れ晴れしい笑顔」,,心にわずらいなどがなく晴れやかなさま,
はれぼったい,腫れぼったい,「腫れぼったいまぶた」,,腫れていていかにも鬱陶しそうである,
【はん】
はんかくさい,半可臭い,「半可くさい理屈」,,愚かである・バカらしい,
【ひか】
ひがみっぽい,僻みっぽい,「僻みっぽい正確」,,ひがむことが多い・すぐ僻む傾向がある,
【ひく】
ひくい,低い,「鳥が低く飛ぶ」「雲が低く垂れ込める」「天井の低い部屋」「背が低い」「鼻が低い」「低いかかと」「低い姿勢」「スピーカーの音を低くする」「男の低い声」「低い地位に甘んじる」「不当に低く評価される」「政治に対する関心が低い」「人間の程度が低い」「志が低い」「望みが低い」「話の次元が低い」「水温が低い」「犯罪年齢が低くなる」「回答率が低い」「賃金が低い」「コストを低くおさえる」,対語「たかい」,物が地面などから空間的に近い位置にある・垂直方向への伸び具合が小さい・基準となる面からの出っ張りが小さい、音量が少ない・また音声の振動数が少ない、物事の程度が他よりも下である・また水準以下である・現実的で理想を求めるなどの意欲に欠ける・また俗っぽい、数値や数量が小さい・また比率や割合が小さい・金額が小さい・また全体の金額に対する支払うべき費用などの割合が小さい,
【ひさ】
ひさしい,久しい,「久しく姿を見ない」「故郷を離れてから久しい」「これはまたお久しいことで」,,長い時間が経っている、しばらくぶりである・久しぶりである,
【ひた】
ひだるい,饑い,「ひだるいときにはまずいものはない」,,,空腹である・ひもじい,
【ひつ】
ひつこい,ひつこい,「ひつこく付きまとう」,,「しつこい」の音変化,
【ひと】
ひどい,酷い(非道い),「ひどい目に遭う」「ひどい人」「ひどい寒さ」「ひどい降りだ」「ひどい出来具合」「ひどい点をとる」,,残酷である・むごい、度を越している・甚だしい、程度が非常に悪い。「むごい」と同字,
ひとこいしい,人恋しい,「山奥に住んでいると人恋しくなる」,,人に会いたいや人と話がしたいという気持ちである,
ひとしい,等しい(均しい・斉しい),「二辺の長さが等しい」「三人に等しく分ける」「薬効がないに等しい」「詐欺に等しい行為」「皆等しく非難する」,,二つ以上の物事の間でその数量や程度や形状などに相違がない・同じである、二つ以上の物事の間に性質や状況のうえで同一性がある・よく似ている、(「ひとしく」の形で)大勢が同じ行動をするさま。「等」は等級が同じ、「均」は同じ・平等・程度が揃っている・整っている、「斉」はととのう・揃っている・きちんとしている・同じである意。常用読みの「等」に統一,
ひとしれず,人知れず,「人知れず悩む」「人知れぬ苦労」,,連語。人に気づかれない,
ひとなつかしい,人懐かしい,「人懐かしい気持ちが募る」,,ことさら人が懐かしく思われる・人恋しい,
ひとなつこい,人懐こい,「人懐こい笑顔」,,すぐに打ち解けて親しみやすい・ひとなつっこい,
ひとらしい,人らしい,「人らしい感情を持ち合わせない」,,人間らしい・人としてふさわしい,
【ひな】
ひなたくさい,日向臭い,「日向くさい干し物」,,日光にさらされたものに特有のにおいがしている,
【ひひ】
びびしい,美美しい,「美美しく着飾る」,,華やかで美しい・きらびやかである,
【ひも】
ひもじい,ひもじい,「終戦当時ひもじい思いをした」,,空腹で食べ物が欲しい・ひどく腹が減っている,
【ひや】
ひゃっこい,冷やっこい,「冷やっこい水」,,ひやりとする・冷たい。「ひやこい」音変化,
ひょろながい,ひょろ長い,「ひょろ長い手足」,,ひょろひょろと細くて長い,
ひよわい,ひ弱い,「ひ弱い構造」「ひ弱い体つき」,,もろくて弱い・いかにも弱々しい,
【ひら】
ひらたい,平たい,「平たい箱」「平たい顔」「平たく言う」,,厚さが少なく横に広がっている、たいらで凹凸が少ない、表現などがわかりやすい・平俗である,
ひらったい,平ったい,「平ったく言ってしまえば」,,「ひらたい」に同じ,
ひらべったい,平べったい,「平べったいカバン」,,平らである・ひらたい,
【ひろ】
ひろい,広い(宏い・弘い),「広い部屋」「広い野原」「広い道路」「出口が広い」,対語「せまい」,面積が大きい・空間に余裕がある、間隔に余裕がある・幅が大きい。「広」は広大、「宏」はひろい、「弘」はひろいの意。常用の「広い」に統一,
ひろい,広い(博い),「顔が広い」「広い知識を持つ」,対語「せまい」,大きい範囲に行きわたっている,
ひろい,広い(寛い),「心が広い」,対語「せまい」,寛大で度量が大きい,
【ふあ】
ぶあつい,分厚い,「分厚い札束」「分厚い本」,,厚みがかなりある・厚い感じがする,
【ふか】
ふかい,深い,「深い川」「深い茶碗」「椅子に深く腰かける」「山深く分け入る」「彫りの深い顔」「深い感銘を覚える」「あまり深く考えないほうがいい」「もとから関心が深かった」「欲が深い」「空の青さはどこまでも深い」「山の緑が日増しに深くなる」,対語「あさい」,表面から底までまた入り口から奥までの距離が長い、物事の程度や分量またかかわりなどが多い、色合いが濃い,
ふかい,深い,「霧が深い」「深い草むら」「夜が深い」「秋も深くなる」,,密度が濃い・また密生している、かなり時が経っている・また盛りの時期にある・たけなわである,
ぶかい,深い,「奥深い」「根深い」「情け深い」「疑り深い」,,補助形容詞。表面や外から底や奥までの距離がある意・程度の甚だしいさまを表す,
ふがいない,不甲斐無い(腑甲斐無い),「零敗とは不甲斐無い」,,情けないほど意気地がない・まったくだらしがない,
【ふく】
ふくぶくしい,福福しい,「福福しい顔立ち」,,顔つきがふっくらとしていて幸福そうなさま,
【ふさ】
ふさわしい,相応しい,「収入にふさわしい生活」「子供にふさわしくない遊び」「あの男性なら彼女にふさわしい」,,似つかわしい・つりあっている,
【ふて】
ふてぶてしい,太太しい,「ふてぶてしい面構え」,,開き直っていて図太い・大胆不敵である,
【ふと】
ふとい,太い,「太いパイプ」「首が太い」「太い線」「太い声」「神経が太い」,対語「ほそい」,棒状のもの径が大きい・周囲が大きい・また肢体などに肉や脂肪がついている、線状のものの幅が大きい、声量が豊かである・また低く重々しい声である、大胆である・また落ち着いている,
ふとい,太い,「食い逃げとは太いやつだ」「太い猟犬」,,横着である・ずうずうしい,
【ふる】
ふるい,古い(故い・旧い),「古い制度」「古いレコード」「古くからの顔ぶれ」「古い話を持ち出す」「感覚が古い」「その手はもう古い」「古いリンゴ」,対語「あたらしい」,その状態になってから長い年月が経過している・そうなってから久しい・ずっと以前から現在まで続いている・昔の出来事である、時代遅れである・古風である・また新しくない、食べ物などが新鮮でない。「古」はふるめかしい、「故」はふるい、「旧」は昔のことである・久しく年を経ている・ふるくさい・めずらしくない・昔の・過去のの意。常用読みの「古」に統一,
ふるくさい,古臭い,「古臭い考え」「古臭いコート」,,いかにも古い感じである・古びていて陳腐である・時代遅れである,
ふるめかしい,古めかしい,「古めかしい建物」,,いかにも古く感じられる・古風である,
【ふん】
ふんべつくさい,分別臭い,「若いのに分別くさい物言いをする」,,いかにも分別がありそうな様子である,
ふんべつらしい,分別らしい,「分別らしい態度」,,いかにも分別があるように見える,
【ほう】
ぼうずくさい,坊主臭い,「話が坊主臭くなる」,,すること考えることなどが仏教的なくさみがある・抹香臭い,
【ほか】
ほかならない,他ならない,「彼の成功は努力の成果に他ならない」「他ならない君の頼みでは断れない」,,連語。(多く「〜にに他ならない」の形で)それ以外のものでは決してない・まさしくそうである。他の人とは違っていて特別な間柄にある。ほかならぬ,
ほかならぬ,他ならぬ,「人生は旅に他ならぬ」「他ならぬ君のことだ、なんとかしよう」,,「ほかならない」に同じ,
【ほこ】
ほこらしい,誇らしい,「誇らしい顔つき」「選出されたことを誇らしく思う」,,得意で自慢したい気持ちである,
ほこりっぽい,埃っぽい,「机の上が埃っぽい」「埃っぽい街」,,ホコリが多い・ホコリでよごれている,
【ほし】
ほしい,欲しい,「果物が欲しい」「返事が欲しい」「政府の対応に柔軟さが欲しい」「見せてほしい」「無事でいてほしい」,,自分のものにしたい・手に入れたい、あることが望ましい、(「〜てほしい」の形で)そうしてもらいたい,
【ほそ】
ほそい,細い,「麺が細い」「首周りが細い」「細い腕」「道が細くなる」「細い罫」「細い目」「細い声で話す」「神経が細い」「商売が細くなる」,対語「ふとい」,棒状のものの径が小さい・周囲が小さい・また肢体などが痩せている、線状のものの幅が小さい・幅が狭い、声量が少ない・また高く弱々しい声である、気が小さい・また繊細である、物事の規模が小さい・栄えていない,
ほそい,細い,「ガスの炎を細くする」「食が細い」「乳の出が細い」,,量が少なく勢いが弱い,
ほそながい,細長い,「細長い土地」「細長く商売する」,,細くて長い、細々と長く続くさま,
【ほつ】
ぼったい,ぼったい,「厚ぼったい」「腫れぼったい」,,補助形容詞。いかにもそういう状態であるそういう感じであるなどの意,
【ほと】
ほとけくさい,仏臭い,「仏臭い名前」「仏臭いことばかり言う」,,仏教的な感じである・坊主くさい・抹茶くさい,
ほどちかい,程近い,「駅に程近い所」「理想に程近いものになる」,対語「ほどとおい」,距離や時間などの隔たりが少ない,
ほどとおい,程遠い,「家から程遠からぬ所」「現実には程遠いプラン」,対語「ほどちかい」,距離や時間などの隔たりが大きい,
ほどよい,程良い,「程よい味付け」「程よくその場に行き合わせる」,,ちょうどよい程度である・また都合がよい,
【ほね】
ほねっぽい,骨っぽい,「骨っぽい魚」「骨っぽい手」「骨っぽい若者」,,魚肉などに小骨が多い、やせてごつごつと骨ばっている、しっかりしていてて五話・気骨がある,
【ほの】
ほのぐらい,仄暗い,「ほの暗いロウソクの光」,対語「ほのあかるい」,ほのかに暗い・光が弱くて薄暗い,
ほのじろい,仄白い,「闇にほの白い顔が浮かぶ」,,ほのかに白い・かすかに白い,
【ほほ】
ほほえましい,微笑ましい(頬笑ましい),「微笑ましい親子の姿」,,思わず微笑したくなるさま・ほおえましい,
【ほれ】
ほれっぽい,惚れっぽい,「惚れっぽい性格」,,簡単にほれる傾向がある・ほれやすい,
【ほろ】
ぼろい,ぼろい,「ボロい商売」「ボロい車」,,元手や労力に比べて利益が甚だ多い・ラクで儲けが多い、古くなって傷んでいる・ぼろっちい,
ほろにがい,ほろ苦い,「ほろ苦い味わい」「ほろ苦い初恋の思い出」,,ちょっと苦味がある・なんとなく苦い,
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