第49話 副詞など(さ行)

よみ,漢字,用例,補記,


【さあ】

ざあざあ,ざあざあ,「湯をザアザア(と)かける」「ザアザア降り」「ザアザア(と)鳴るばかりでよく聞こえない」,雨が激しく降ったり水が勢いよく落ちたるするときの音、ラジオやレコードなどの雑音,


さあっと,さあっと,「風がサアッと吹く」「車がサアッと通り過ぎる」,瞬間的にまたは軽やかに物事が行なわれるさま,


ざあっと,ざあっと,「夕立がザアッとやってきた」「水をザアッとかぶる」「豆がザアッとこぼれる」「とりあえずざあっとご説明します」,雨がいきなり強く降り出したり水などが激しく流れ落ちたりするさま、物事を大まかにひととおり行なうさま・ざっと,


さあらぬ,然有らぬ,「さあらぬ体(てい)で挨拶する」,連語。なにげない・なにくわぬ・さらぬ,



【さい】

さいさい,再再,「再再申し上げたとおり」「再再の催促」,ある動作が繰り返し行われるさま・たびたび・何度も・再三,



【さえ】

さえざえ,冴え冴え,「冴え冴えと晴れわたった空」「冴え冴え(と)した顔つき」,澄んではっきりしているさま・爽やかなさま,



【さき】

さきに,先に(前に・曩に),「先に述べたごとく」「先に行われた大会」,以前よりも前に・以前に。「先」ははじめ・第一・まえ・先頭・昔・以前・死んだ・亡くなった、「前」は空間的時間的のまえ・正面・前方・手近・目の当たり・あらかじめ・過去、「曩」は以前・前日・昔・先の事柄・前者の意。「先」で統一,



【さく】

さく,昨,「昨シーズン」「昨十九日」「昨平成二十六年」,今の一つ前の・昨日の・去年の,


さくさく,さくさく,「サクサク(と)新雪を踏む」「サクサク(と)白菜を刻む」「リンゴのサクサク(と)した歯ごたえ」,雪や霜柱や砂などを踏んで歩くときの音、野菜などを刻んだり歯で噛んだりするときの軽快な音,


ざくざく,ざくざく,「ザクザクと砂利を踏みながら行く」「キャベツをザクザクと切る」「大判小判がザクザクと出る」,砂利や小石などを踏み歩くときに出る音、野菜などを力強く切り刻むときに出る音、金貨などがたくさんあるさま,


さくり,さくり,「メロンをサクリと切る」「新雪の上をサクリ、サクリと歩く」「砂糖をスプーンでサクリとすくう」,たやすく物が切れるさま・鋭い刃物などを使って容易に物を切るさま、粒の細かい砂や雪などを踏んだり掘ったりするときの音,



【さこ】

さこそ,然こそ,「遺族の気持ちはさこそと察せられる」,(あとに推量を表す語を伴って)そのことが十分に推察できるさま・さぞや・さぞかし,



【さし】

さしあたって,差し当たって,「差し当たって暮らしに困るようなことはない」,「さしあたり」に同じ,


さしあたり,差し当たり,「差し当たり必要なものだけを買う」,先のことはともかく・今のところ・今しばらくの間・当面,


さした,然した,「さした目的もなく参加した」,連体。(下に打ち消しの語を伴って)取り立てて言うほどの・これという,


さしたる,然したる,「さしたる相違もない」「さしたる用事もない」,連体。(下に打ち消しの語を伴って)取りててて言うほどの・さほどの,


さしづめ,差し詰め,「差し詰め君しか適任者はいない」「差し詰め生活には困らない」,結局・詰まるところ、さしあたり・今のところ,


さして,然して,「これはさして重要ではない」「さして遜色はない」,,,(下に打ち消しの語を伴って)取り立てて言うほど・それほど・たいして,


さしむき,差し向き,「さしむき金には困らない」,さしあたり・今のところ・当面,


さしも,然しも,「さしも栄えた平氏一門もついには滅びた」,あれほど・あんなにも,


さしもの,然しもの,「さしもの敵も今度ばかりは策を誤った」,連語。さすがの・あれほど大した,



【さす】

さすが,流石(遉),「味はよいがこれだけ多いとさすがに飽きる」「非はこちらにあるが一方的に責められるとさすがに腹が立つ」「独り暮らしはさすがに寂しい」「さすがはベテランだ」「さすがの名探偵も今度ばかりはお手上げだろう」,あることを認めはするが特定の条件下ではそれと相反する感情を抱くさま・そうはいうものの・それはそうだが・やはり、予想や期待したことを事実として納得するさま・事実に改めて感心するさま・なるほど・やはり、(「さすがの〜も」の形で)そのものの価値は認めはするが特定の条件下ではそれを否定するさま・さしもの,



【さそ】

さぞ,嘸,「旅行はさぞ楽しかったでしょう」,未知の経験を目前のことのように想像したり他人の経験に共感したりするさま・さだめし・きっと・さぞかし,


さぞかし,嘸かし,「さぞかしお喜びのことでしょう」,「さぞ」を強めて言う語。さだめし・さぞや,


さぞや,嘸や,「さぞや寂しかろう」,「さぞ」を強めて言う語。さだめし・さぞかし,



【さた】

さだめし,定めし,「定めし楽しかったことだろう」「定めしつらかろうと思う」,(推量の語を伴って)おそらく・きっと・さぞかし,



【さつ】

ざっく,ざっく,「金貨をザックとつかむ」「白菜をザックと切る」,砂利や硬貨などを勢いよくすくったり掘ったり分だりするときの音、力を込めて勢いよく切ったり割ったりするさま・ざくり,


ざっくざっく,ざっくざっく,「参道をザックザック(と)行進する」「キャベツをザックザック(と)切る」「金貨や銀貨がザックザック(と)出てくる」,砂利や小石などを勢いよく続けて踏む音、野菜などを勢いよく続けて切る音、多くの小さな硬い物が触れ合って立てる音,


さっくり,さっくり,「ビスケットがサックリと割れる」「さっくりとした性格」,ごく簡単に切れたり割れたりするさま、率直で好感が持てるさま・あっさりしているさま・さっぱり,


ざっくり,ざっくり,「キャベツをザックリ(と)切る」「ザックリ(と)割れたスイカ」「砂利(を)ザックリとすくう」「ザックリ(と)着こなす」「ザックリ(と)したセーター」,力を込めて一気に切ったり割ったりするさま・大きく切れ目を入れるさま、深くえぐれたり大きく割れたりするさま、金や米や砂などを大量にまた無造作に掴んだりすくったりするさま、上着などを無造作に着るさま、編み物などの網目や手触りなどが粗く厚みを感じるさま,


さっさ,さっさ,「さっさと歩く」「さっさと用事を済ませる」,動作の素早いさま・ためらったり迷ったりせず手際よく物事を行なうさま,


さっそく,早速,「電話をかけたら早速やってきた」,すぐさま・すぐに・ただちに,


さっと,颯と,「さっと身を隠す」「さっと顔色が変わる」「さっと通り雨が降る」,動作が素早く行なわれるさま・物事が急に変化するさま、雨が急に降り出したり風が急に吹いたりするさま,


ざっと,ざっと,「書類にざっと目を通す」「出席者はざっと千人だ」「ざっと水をかける」,細部を問題にせずおおまかに物事を行なう・ひと通り、全体の数量や内容などについておおまかな見当をつけるさま・だいたい・およそ、水や雨が勢いよく落ちかかるさま,


さっぱり,さっぱり,「入浴してさっぱりとする」「思う存分泣いたのでさっぱりした」「さっぱりとした味」「約束をさっぱりと忘れていた」「出世などとうの昔にさっぱりと諦めている」「さっぱり見えない」「さっぱり駄目だ」,不快感やわだかまりなどが消えて気持ちのよいさま・すっきり、嫌味のないさま・しつこくないさま・あっさり、後に何も残らないさま・すっかり、(否定を表す語を伴って)全然・まったく,



【さて】

さてこそ,さてこそ,「難事を解決してさてこそ大政治家といえる」「さてこそ事故が起きたか」,前述の事柄を受けてそれを強調する語・それでこそ・そうして初めて、まさしく思った通り・果たして・やっぱり,



【さな】

さながら,宛ら,「さながら滝のような汗」「地獄絵さながらの凄まじさ」,非常によく似ている・まるで・そっくり,


さなくとも,然なくとも,「さなくとも優れた人なので」,連語。そうでなくても・さなくても,



【さに】

さにあらず,然にあらず,「白状するかと思えばさにあらず白を切っている」,連語。そうではない,



【さは】

さばさば,さばさば,「みんな焼けてしまってかえってさばさば(と)した」「さばさばした性格」,気分がすっきりする・爽やかになるさま、物事にこだわらずあっさりしているさま・さばけている,



【さふ】

ざぶざぶ,ざぶざぶ,「川の中にザブザブ(と)入っていく」「湯でザブザブ(と)洗う」,水を大きく動かしたり大量の水を勢いよく使ったりするときの音,


ざぶり,ざぶり,「ザブリと川へ飛び込む」,水中に勢いよく飛び込んだり物を勢いよく水に投げ込んだりまた水を勢いよくかけたりするときの音,



【さほ】

さほど,然程,「さほどにひどい病気ではない」「さほどの出来でもない」,(多く打ち消しの語を伴って)それほど・たいして,



【さま】

さまで,然迄,「さまで気にかけてはいない」,(多く打ち消しの語を伴って)それほど・そんなにまで,



【さむ】

さむざむ,寒寒,「冬の夜空に月が寒寒(と)かかる」「人気のない寒寒(と)した家」「寒寒(と)した人間関係」,いかにも寒そうなさま・心が冷えるさま・殺風景なさま,



【さめ】

さめざめ,さめざめ,「さめざめと泣く」,しきりに涙を流して静かに泣くさま,



【さも】

さも,然も,「さもあろう」「さも嬉しそうな顔をする」,そうも・そのようにも、確かにそれに違いないと思われるさま・いかにも,


さもさも,然も然も,「さもさも苦しげにうなる」,「さも」を強めた語。いかにもいかにも,



【さや】

さやさや,さやさや,「篠竹が風にさやさや(と)鳴る」,薄いものが軽く触れ合って鳴る音,



【さら】

さらさら,さらさら,「風が笹の葉をサラサラ(と)鳴らす」「小川がサラサラ(と)流れる」「サラサラ(と)署名する」「サラサラ(と)した髪」,,,物が軽く触れ合う音、浅い川の水がよどみなく軽やかに流れるさま、つかえずに軽快に進むさま、物に湿り気や粘り気がなく乾いた感じのするさま,

さらさら,更更,「誤る気は更更ない」,(打ち消しの語を伴って)少しも・決して,


ざらざら,ざらざら,「袋が破れて豆がザラザラとこぼれる」「砂埃で畳がザラザラしている」「ザラザラした声」,小粒で堅いものが触れ合って立てる音、触った感じが粗く滑らかでないさま、ささくれて粗さの感じられるさま,


さらっと,さらっと,「さらっとした手触り」「さらっとした味わいのスープ」「失敗をさらっと忘れてやり直す」,湿り気や粘り気がなく爽やかなさま、物事にこだわらず思いきりのよいさま・性格が淡白であるさま・さっぱり,


さらに,更に,「さらに一年の月日が過ぎた」「さらにこういう問題もある」「さらにきれいになった」「事態はさらに悪くなった」「さらに憶えがない」「反省する様子はさらになく」,同じことが重なったり加わったりするさま・重ねて・加えて・そのうえに、今までよりも程度が増すさま・前にも増して・いっそう・ますます、(打ち消しの語を伴って)いっこうに・まったく・少しも,


さらり,さらり,「サラリとした布地」「さらりと水に流す」「さらりとした性格」「さらりと身をかわす」,湿り気や粘り気がなく爽やかなさま、物事にこだわらず思いきりのよいさま・性格が淡白であるさま・さっぱり、軽快に滞りなく行なわれるさま,


ざらり,ざらり,「硬貨をザラリと袋に入れる」「ザラリとした感じの紙」,粒状などの固く小さいものが一度に落ちたり降り合ったりして発する音・ざらざら、物の表面が滑らかでなく手触りが粗く感じられるさま・ざらっ,



【さる】

さる,去る,「去る四月八日」,連体。対語「きたる」。過ぎ去った,

さる,然る,「さる人の紹介」「さる子細があって」,連体。名称や内容を具体的に示さずに人や場所や物事などを漠然と指していう語・ある,


さるかた,然る方,「さる方の仰せられるには」,連語。それ相応な人・身分ある・ある人,


さること,然る事,「さることはさておき」「日頃の心がけもさることながら」,連語。そのようなこと・そういうこと・そんなこと、いうまでもないこと・もちろんのこと・もっともなこと,


ざるべからず,ざるべからず,「精励せざるべからず」,連語。〜しなければならない・〜せよ,


さるもの,然る者,「敵もさる者」「さる者からえた情報」,なかなかの人物・侮れない人・重んじる価値のある人、ある人物・某・個人名を明らかにできないような場合に言う,


ざるをえない,ざるを得ない,「悪天候が続けば登頂は断念せざるをえない」,連語。〜しないわけにはいかない・やむをえず〜する,



【され】

さればこそ,然ればこそ,「さればこそあのとき注意したのだ」,連語。そうだからこそ・それだから,



【さわ】

さわさわ,さわさわ,「衣擦れのさわさわという音」,薄いものなどが軽く触れて立てる音,


さわさわ,爽爽,「秋風が爽爽(と)吹く」,風が木立の葉をそよがせながら爽やかに吹くさま,


ざわざわ,ざわざわ,「ザワザワ(と)した会場」「木々がザワザワ(と)音を立てる」,大勢集まった人々の話し声などが醸し出す騒がしい音・そういう人々の騒がしく落ち着かないさま、木の葉などが触れ合う音,



【さん】

さんざ,さんざ,「さんざ待たされた挙句断られた」,「さんざん」の略,


さんざっぱら,さんざっぱら,「さんざっぱら迷惑をかけながら平気な顔をしている」,「さんざ」を強めた語。思いっきり・ひどく・さんざんぱら,


さんざん,散散,「散散言って聞かせたのにわからない」「散散遊んでおきながら」,嫌になるほど程度が甚だしいさま・ひどく・さんざ,


ざんざん,ざんざん,「朝からザンザン降り続く」,雨が激しい勢いで降るさま,


ざんぶ,ざんぶ,「橋の上からざんぶと川に飛び込んだ」,大きなものが勢いよく水中に飛び込む音・大きな波が打ち寄せる音,







【しい】

じい,じい,「蝉がジイと鳴いて飛び去った」,かすかな物音や虫の鳴き声など・じいじい,


じいじい,じいじい,「フライパンの肉がジイジイ(と)焼ける」「炎天下で蝉がジイジイと鳴く」「ゼンマイ仕掛けのオモチャがジイジイと動く」,油などの焼ける音、アブラゼミなどの鳴き声、機械などが作動しているときに出る音,


しいて,強いて,「嫌がる子に強いてやれとは言えない」,困難や抵抗や反対などを押し切って物事を行なうさま・あえて・無理に・無理やり,


しいん,しいん,「シインと静まりかえった本堂」,物音一つ聞こえない様子・物静かなさま,


じいん,じいん,「腰にジインとした痛みがある」「目頭がジインと熱くなる」,体のある部分に感じる痺れを表す、体の奥の方から感動や感激などが湧き上がってくるさま,



【しか】

しかじか,然然,「彼はこれこれしかじかの理由で出席できないという」,繰り返して言わないときやわかりきったことをいちいち言わないときや必要のないことなので省略するときなどにその代わりに用いる・かようかよう・かくかく・うんぬん,


しかず,如かず(若かず・及かず),「百聞は一見に如かず」「三十六計逃げるに如かず」,「如」かかな書きで統一,


しかと,確と,「夕方のことでしかとは見えなかった」「しかと相違ありません」「地盤をしかと固める」「詩歌と考えてみる」,はっきりとしているさま・確実で間違いのないさま・たしかに、固く・しっかりと・十分に、完全に、しっかと,


じかに,直に,「ワイシャツを肌に直に着る」,間に他のものを入れないで直接にするさま,


しかるべき,然るべき,「しかるべき人に相談しなさい」,連体詞的に用いて。適当な・ふさわしい,


じき,直,「もうじき春だ」「学校は直そばだ」,時間的距離的に近いさま・すぐ,


じきじき,直直,「総理が直直(に)指揮する」,人を介さず本人が直接にする様子・じか,


じきに,直に,「直に追いつくよ」,もう少ししたら・もうすぐ,


しきりと,頻りと,「返答も待たずに頻りと話しかける」「部員獲得のため頻りと勧誘する」,繰り返し何度も・ひつきりなしに・たびたび、むやみに・ひどく・熱心に,



【しく】

しくしく,しくしく,「子どもがしくしく(と)泣く」「腹がしくしくする」,声を潜めて弱々しくなくさま・それほど激しくはないが絶えず痛むさま,


じくじく,じくじく,「年中じくじく(と)している土地」「傷口がじくじく(と)して治らない」,水分を多く含み湿っているさま、水がにじみ出ているさま,



【しけ】

しげく,繁く,「繁く通う」,副詞的に用いる。しきりに・しばしば,


しげしげ,繁繁,「その店へ繁繁(と)足を運ぶ」「相手の顔を繁繁と見つめる」,物事が度重なるさま・たびたび・何度も、物をよくよく見るさま・じっと・つくづく,



【しこ】

しこしこ,しこしこ,「しこしこ(と)した歯触り」「今でも少人数で読書会をしことこ(と)続けている」,食べ物を噛んだときの弾力に富んで歯ごたえがあるさま、持続的に地味な活動をするさま,


しこたま,しこたま,「しこたま儲ける」「しこたま詰め込む」,数量の多い様子を表す俗な言い方・たくさん・どっさり,



【しし】

じじこっこく,時時刻刻,「時時刻刻と情報が入る」「出発時刻が時時刻刻に迫る」,しだいに・次々と,


じじつ,事実,「事実一度もその人には会っていない」,本当に・実際に,


しじゅう,始終,「始終監視されている」「仕事もせずに始終ブラブラしている」,絶え間ないさま・頻繁に行なわれるさま・いつも・しょっちゅう,



【しす】

しずしず,静静,「静静と祭壇の前に進み出る」,動作などが静かにゆっくり行なわれるさま,



【しせ】

じせつがら,時節柄,「時節柄早めにお召し上がりください」「時節柄お体を大切に」,自説が自説なので・時分柄,


しぜん,自然,「無口だから自然(と)友達も少ない」「大人になれば自然(と)わかる」,ことさら意識したり手を加えたりせずに事態が進むさま・当然の結果としてそうなるさま・自ずから・ひとりでに,



【した】

したしく,親しく,「親しく苗木をお植えになる」「高名な学者に親しく教えを受けた」,高貴な人などが自ら物事を行なうさま・ご自分で、普通なかなかできないようなことを自分でじかに経験するさま・実地に,


したたか,強か(健か),「強か食糧を買い込む」「強か腰を打つ」,分量が大変多いさま・たくさん、程度が甚だしいさま・ひどく。「強」は力がある・大きい・盛ん・丈夫である・すこやか・堅い・激しい・厳しい、「健」はよく・非常にの意,


じたばた,じたばた,「ジタバタ(と)もがき苦しむ」「今頃ジタバタ(と)したってもう遅い」,手足をばたばた動かすさま、ある状態から逃れようと慌てたり焦ったりするさま,



【しつ】

しっかと,確と,「大地に確と根を張る」,しっかりと・かたく。「しかと」の音変化,


しっかり,確り(聢り),「ロープをしっかり(と)結ぶ」「土台のしっかり(と)した建物」「しっかり(と)した意見の持ち主」「論旨のしっかり(と)した論文」「しっかり(と)勉強する」「上級生らしくしっかりしなさい」「しっかり(と)した足取り」「高齢でも頭はしっかりしている」「今のうちにしっかり(と)食べておく」「金をしっかり貯め込んでいる」,物事の基礎や構成が堅固で安定しているさま・固く強いさま・確かで揺るぎがないさま、考えや人柄などが堅実で信用できるさま、気持ちを引き締めて確実にするさま、心身が健全であるさま・意識がはっきりしているさま、十分であるさま・たくさん・皮肉を込めていうこともある,


しっくり,しっくり,「着物にしっくり(と)合った髪形」「夫婦の間がしっくり(と)いかない」,物と物や人の心と心などが調和して安定しているさま・ぴったり,


じっくり,じっくり,「腰を据えてじっくり(と)話し合う」,落ち着いてまた念入りに物事をするさま,


じっさい,実際,「あのときは実際ダメだと思った」「実際やってみると難しい」,ほんとに・実に・確かに,


じっちゅうはっく,十中八九,「十中八九は大丈夫だろう」「十中八九間違いない」,副詞的にも用いる。ほとんど・大方,


じっと,じっと,「家でじっとしている」「相手の顔をじっと見つめる」「じっと考え込む」「非難にじっと耐える」,,,動かないでそのままの状態を保つさま、視線や心などを集中してよく見たり考えたりするさま・つくづく、心を抑えて我慢するさま,


しっとり,しっとり,「しっとり(と)濡れた若草」「しっとり(と)した感じの女性」,軽く湿り気が行き渡っているさま、静かに落ち着いて好ましい趣のあるさま,


じっとり,じっとり,「じっとりと汗ばむ」,ひどく湿っているさま,


じつに,実に,「この料理は実にうまい」「この工事は実に十年の歳月を要した」,感嘆の意を込めてある状態の程度が甚だしいさま・まったく・本当に・まことに、強調または驚嘆すべきことを述べるときに用いる・なんと,


じつの,実の,「実の話」「実の親」,連体。本当の・真実の、血のつながりのある,


じつのところ,実のところ,「実のところ拝見するのは初めてです」,副詞的に用いる。本当を言うと・打ち明けて言うと・実は,


じつは,実は,「実は私が企てたことなのです」,事実を言えば・本当のところは・打ち明けて言うと,


しっぽり,しっぽり,「春雨にしっぽり(と)濡れる」「しっぽり(と)語り明かす」,濡れて自由分に湿り気を含むさま、男女の情愛の細やかなさま,



【しと】

しとしと,しとしと,「春雨がしとしと(と)降る」,雨が静かに降るさま,


じとじと,じとじと,「長雨で畳がじとじと(と)している」,不快なほどひどく湿気を含んでいるさま・じっとり,



【しな】

しなしな,しなしな,「しなしな(と)した柳の枝」「しなしな(と)歩く」,弾力があってしないたわむさま、動きがなよなよとしているさま,



【しは】

しばし,暫し,「完成はしばし続いた」「しばしの別れ」「待てしばし」,少しの間継続するさま・しばらく,


しばしば,しばしば,「目をしばしばさせる」,しきりにまばたきをするさま,

しばしば,屡(屡々),「この種の事件はしばしば起こる」,同じことが何度も重なって行なわれるさま・たびたび,


しばらく,暫く(姑く),「しばらくお待ちください」「しばらくして主人が現れた」「好天はしばらく続くだろう」「しばらくは当地に滞在する」「その件はしばらくおくとして」,すぐではないがあまり時間がかからないさま・少しの間・しばし、次巻的にある程度長く続くさま・当分、一時的であるさま・仮に。「暫」はわずかの間・久しく・久しぶり・にわか・急に・仮の・仮に、「姑」はとりあえず・一時の意,



【しふ】

しぶしぶ,渋渋,「渋渋(と)承諾する」,気が進まぬまま仕方なく物事をするさま・嫌々ながら,



【しみ】

しみじみ,染み染み(沁み沁み),「世代の違いをしみじみ(と)感じる」「親の有り難さがしみじみ(と)わかる」「友としみじみ(と)語り合う」「しみじみ(と)自分の顔を眺める」,心の底から深く感じるさま、心を開いて対象と向き合うさま、じっと見るさま。「染」は深く感じる・潤う・しみとおる・らしく見える、「沁」はしみこむ意。常用の「染」に統一,



【しめ】

じめじめ,じめじめ,「ジメジメ(と)した土地」「下着が汗でジメジメする」「ジメジメ(と)した話」,湿気が多く不快なさま、湿っぽくて陰気なさま・活気のないさま,


しめて,締めて(〆て),「しめて七万円の売上」,全部合わせて・合計すると・都合,



【しや】

しゃあしゃあ,しゃあしゃあ,「怒られてもしゃあしゃあとしている」「いけしゃあしゃあ」「いけしゃあしゃあ」「シャアシャア(と)シャワーを浴びる」,厚かましくて恥を恥とも思わないで平気でいるさま、水を注ぎかけたり水が勢いよく流れ出たりする音,


じゃあじゃあ,じゃあじゃあ,「水をジャアジャア(と)かけて車を洗う」,多量の水が勢いよく流れ出たり水をたくさん注ぎかけたりする音,


じゃかじゃか,じゃかじゃか,「ギターをジャカジャカ鳴らす」,楽器などがやかましく鳴る音,


じゃかすか,じゃかすか,「じゃかすか(と)金を使う」,勢いよく物事をするさま,


しゃきしゃき,しゃきしゃき,「新鮮な大根のシャキシャキとした歯触り」「シャキシャキした性格」,物を噛んだり切り刻んだりするときの歯触りや切れ味のよいさま・その音、活発で手際よく物事を行なうさま,


しゃきっと,しゃきっと,「風に当たって気分がシャキッとする」「年をとってもシャキッとしている」「シャキッとしたセロリ」,緩んだ気持ちなどが引き締まるさま・姿勢や態度が引き締まっているさま、軽い歯ごたえがありそれでいて歯切れのよいさま,


しゃっきり,しゃっきり,「しゃっきり(と)背筋を伸ばす」「もっとしゃっきりしなさい」,ぴんと張っているさま・気持ちや態度や姿勢などがしっかりしているさま,


しゃなりしゃなり,しゃなりしゃなり,「盛装した女性がしゃなりしゃなり(と)出てくる」,身のこなしをしなやかにし気取って歩くさま・しゃなしゃな・しゃならしゃなら,


しゃにむに,遮二無二,「目標へ遮二無二突進する」,他のことを考えないでただひたすらに・がむしゃらに,


じゃぶじゃぶ,じゃぶじゃぶ,「ジャブジャブ(と)洗濯する」「浅瀬をジャブジャブ(と)渡る」,水をかき回したり水に使って歩いたりするときの音やさま,


じゃぼん,じゃぼん,「プールにジャボンと入る」,勢いよく水中に飛び込んだり物が水中に落ちたりするときの音,


じゃらじゃら,じゃらじゃら,「ポケットの小銭をジャラジャラさせる」「じゃらじゃら(と)しなだれかかる」「人前でじゃらじゃらする」,金属などの硬くて小さい物がたくさん触れ合って立てる音、なまめかしくいやらしい感じがするさま・だらしなくじゃれかかるさま・でれでれ,


しゃりしゃり,しゃりしゃり,「シャリシャリ(と)して歯触りのいい漬物」,固くて薄いものが触れ合って立てる音・固くて薄いものを噛み砕いたり連続的に切ったりする際の官職を表す語,


じゃりじゃり,じゃりじゃり,「船底がジャリジャリと小石を噛む」「顎を撫でると無精髭がジャリジャリとする」,細く堅い粒状のものがきしる音・手触りや舌触りのざらざらした感じを表す語,


しゃりっと,しゃりっと,「リンゴをしゃりっと嚼む」,布地の肌触りや食べ物の歯ごたえが柔らかい中に快い抵抗感を含んでいるさま,


じゃんじゃか,じゃんじゃか,「楽隊がジャンジャカやってくる」「ジャンジャカ金を稼ぐ」,音楽などをやかましく響かせるさま・じゃかじゃか、仕事などをどんどんと捗らせるさま,


しゃんしゃん,しゃんしゃん,「シャンシャン(と)鈴を鳴らして馬車が通る」「ではめでたくシャンシャンと手を締めましょう」「年の割にはしゃんしゃんしている」「しゃんしゃん片づける」,鈴などが続けて鳴る音、大勢の人が揃って手を打つ音やそのさま、肉体的に衰えを見せず元気で活動しているさま、仕事を手順よく処理するさま,


じゃんじゃん,じゃんじゃん,「早鐘をジャンジャン(と)打ち鳴らす」「今夜はごちそうするからジャンジャン飲もう」「抗議の電話がじゃんじゃんかかる」,半鐘などが激しく続いて鳴る音、物事が盛んな勢いで立て続けに行なわれるさま・次から次へと盛んに起こるさま・どんどん,


しゃんと,しゃんと,「背筋を伸ばしてしゃんと立ちなさい」「めそめそしていないでしゃんとしなさい」「高齢なのにしゃんとしている」,姿勢または態度などがだらけていないできちんとしているさま、衰えを見せず元気で活発にしているさま,



【しゆ】

じゅくじゅく,じゅくじゅく,「傷口が膿んでじゅくじゅく(と)している」,「じくじく」に同じ,


しゅたる,主たる,「主たる目的」「主たる原因」,連体。おもな・主要な,


しゅっしゅっ,しゅっしゅっ,「汽車がシュッシュッ(と)走る」「靴をシュッシュッ(と)磨く」,上記などが勢いよく断続的に吹き出る音、勢いよく摩擦するさま,


しゅとして,主として,「会員は主として四、五十代の男性だ」,おもに・もっぱら・物事の重点や大勢を述べるときに用いる,


しゅびよく,首尾良く,「交渉が首尾よくまとまる」,物事が都合良く運ぶさま・うまい具合に,


しゅん,しゅん,「こっぴどく叱られてしゅんとなる」,しょげかえって声も出ないさま・元気をなくして沈んでいるさま,


しゅんしゅん,しゅんしゅん,「鉄瓶にシュンシュン(と)湯が沸いている」,やかんなどの湯が沸き立つ音,



【しよ】

しょうがい,生涯,「生涯忘れられない出来事」,副詞的にも用いる。この世に生きている間・一生の間・終生,


しょうじき,正直,「その計画は正直不可能だ」,見せかけやごまかしではないさま・率直なさま・本当のところ,


しょうしょう,少少,「お金が少々足りない」「もう少々お詰めください」「少々お待ちください」,分量や程度が少しであるさま・少しばかり・いくらか・ちょっと、ほんのしばらく・ちょっとの間,


しょうらい,将来,「将来医者になりたい」,副詞的にも用いる。これから先・未来・前途,


じょきじょき,じょきじょき,「髪をジョキジョキ(と)刈る」,ハサミなどで勢いよく物を切るさま・その音,


じょじょに,徐々に,「新体制に徐々に移行する」,少しずつ進行したり変化したりするさま,


しょせん,所詮,「しょせん叶わぬ夢」「生意気を言ってもしょせんは子どもだ」,最後に行き着くところを述べるときに用いる・どうこういっても結局は・つまるところ。多く否定的な意味の語句を伴って用いる,


しょっちゅう,しょっちゅう,「しょっちゅう遅刻する」,いつも・始終,


しょぼしょぼ,しょぼしょぼ,「雨がしょぼしょぼ(と)降り続く」「眠くて目がしょぼしょぼ(と)する」「しょぼしょぼ(と)した後ろ姿」,雨があまり激しくなく降り続くさま、疲れなどで目がはっきり開けられずしきりにまばたきをするさま、力が衰えて見るからにわびしそうなさま,


しょぼんと,しょぼんと,「叱られてしょぼんとなる」,元気をなくして弱々しく寂しげに見えるさま,


じょりじょり,じょりじょり,「ジョリジョリ(と)襟足を刈る」,髪や髭などを剃る音,


しょんぼり,しょんぼり,「試合に負けてしょんぼり(と)帰る」「しょんぼり(と)した後ろ姿」,元気がなく寂しそうなさま,



【しら】

じらい,爾来,「爾来友好関係を保っている」,それからのち・それ以来,


しらじら,白白,「白白と夜が明ける」「闇にくちなしの花が白白と浮かぶ」「白白と言い訳をする」「慇懃無礼な扱いに白白とした気持ちになる」,夜が明けてだんだん明るくなっていくさま、色の白いさま・白く見えるさま、平気でしらばくれたり見え透いたことを言ったりするさま、興ざめなさま,


しらっと,しらっと,「しらっとした表情」,しらけたさま,



【しり】

じりじり,じりじり,「首位にジリジリ(と)迫る」「なかなか電車が来なくてジリジリする」「真夏の太陽がジリジリ(と)照りつける」「始業のベルがジリジリ(と)鳴る」,ゆっくりとわずかずつ確実に進み迫ったり退いたりするさま・じわじわ、いらだたしい気持ちが募って落ち着かなくなるさま、太陽が焼けつくように強く照りつけるさま、ベルなどの鳴る音,



【しれ】

しれっと,しれっと,「ウソがバレてもしれっとしている」,平然としているさま・けろっとしているさま,



【しろ】

しろじろ,白白,「白白と続く雪原」「東の空が白白と明るくなる」,いかにも白く見えるさま、夜が次第に明けていくさま,


じろじろ,じろじろ,「そんなにじろじろ(と)人の顔を見るな」,無遠慮に目を向けるさま,


じろり,じろり,「じろりと一瞥する」,目玉を動かして鋭い目つきで見るさま・じろっ,



【しわ】

じわじわ,じわじわ,「借金がじわじわ(と)増える」「汗がじわじわ(と)にじみ出る」「汚染がじわじわ(と)広がる」,物事がゆっくりと確実に進行するさま、液体が少しずつしみ込むさま・またにじみ出るさま,


じわっと,じわっと,「感情がじわっとこみあげる」「手のひらがじわっと汗ばむ」「水がじわっと土の中に吸い込まれていく」,物事がゆっくりと表れてくるさま、液体がしみ込むさま・にじみ出るさま,


じわり,じわり,「恐怖がじわり(と)広がる」,物事が少しずつ確実に進行するさま・じんわり,


じわりじわり,じわりじわり,「病気がじわりじわりと体を冒していく」「じわりじわりと相手を追い詰める」,物事が少しずつ確実に進行するさま・しだいに圧迫していくさま・じわじわ,



【しん】

しんから,心から,「心から喜ぶ」「心から嫌になる」,こころから・心の底から・心底から,


しんじつ,真実,「真実情けない思いをした」,本当に・確かに,


しんそこ,心底,「心底惚れる」「心底呆れる」,心から・本当に,


じんと,じんと,「胸にじんとくる言葉」「つま先がジンと痺れる冷たさ」,感動して思わず涙が出そうになるさま、手足などに痛みや痺れを感じるさま,


しんに,真に,「真に喜ばしい成果」,本当に・まことに,


しんねり,しんねり,「しんねり(と)した口調で長々と説教する」「しんねり(と)して口数が少ない人」,ねちねちして粘り強いさま、陰気ではきはきしないさま,


しんみり,しんみり,「親子水入らずでしんみり(と)語り合う」「別れの挨拶にしんみり(と)する」,心静かに落ち着いているさま、もの寂しく湿っぽい気分になるさま,


じんわり,じんわり,「感謝の念がじんわりと湧き起こる」「じんわりと目に涙が浮かぶ」,物事がゆっくりと少しずつ進行していくさま、汗や涙などが徐々ににじみ出てくるさま,







【すい】

ずいじ,随時,「随時巡回する」「随時入院することができる」,適宜なときに行なうさま・その時々、日時に制限のないさま・好きなときにいつでも,


すいすい,すいすい,「氷の上をすいすい(と)滑って行く」「問題が意外なほどすいすい(と)解けた」,いかにも軽やかに・素早く動くさま、物事が滞りなく進行するさま・すらすら,


すいと,すいと,「すいと身をかわす」「すいと横切る」,音も立てずに素早く体を動かすさま・さっと・すっと,


ずいと,ずいと,「ずいと腕を伸ばす」「ずいと見回す」「声もかけずにずいと入ってくる」,一気に勢いよく動作を起こすさま・遠慮なく振る舞うさま,


ずいぶん,随分,「年の割にはずいぶん(と)老けた見える」「ずいぶん(と)大げさなことを言う人だ」「しっかり勉強すれば成績もずいぶん(と)よくなるものだ」「ずいぶん(と)養生してください」「ずいぶん(と)努力してみましょう」,著しいさま・多く予想外だとか不本意だとかいう気持ちを込めて用いる・非常に・だいぶ・かなり、その人の能力や身分や立場などにふさわしいさま・事態がある状況にふさわしいさま・分相応に・それなりに、その人の置かれている状況の中で最善を尽くすさま,



【すう】

すうすう,すうすう,「少しだけ開いた窓から風がすうすう(と)入ってくる」「背中のあたりがすうすうする」「すうすうと寝息を立てる」「思いのほかすうすうとことが運ぶ」,狭いところを風が吹き抜けるさま・そのように感じられるさま、息を軽く吸ったり吐いたりする音、物事が滞りなく進行するさま,


ずうずう,ずうずう,「洟(ハナ)をずうずう(と)すする」「スープをずうずう(と)飲む」,鼻汁や鼻水をすする音、汁などをすする音,


すうだん,数段,「二人の実力には数段の開きがある」「前回より数段劣る作品」,多く副詞的に用いる。程度に際立って差がある・数等,


すうっと,すうっと,「間をすうっとすり抜ける」「ウキをすうっと引き込む」「タイヤの空気がすうっと抜ける」「すうっと切れ目を入れる」「汗がすうっと流れる」「言うだけ言ったらすうっとした」,滞りなく滑らかに動作や変化が進むさま、一直線に伸びているさま、わだかまりやつかえがなくなって気持ちで平静になっていくさま,


ずうっと,ずうっと,「君のほうがずうっと好きだ」「あの人にはずうっと会っていません」,「ずっと」を強めた言い方,

すうとう,数等,「相手の方が数等上だ」,「すうだん」に同じ,



【すえ】

すえずえ,末末,「末末楽しみな少年」,副詞的にも用いる。時間の先の方・行く末・さきざき・将来,


すえながく,末長く(末永く),「末長くお幸せに」,遠い将来までいつまでも・これから先も長くずっと,



【すか】

すかさず,透かさず,「言葉尻をとらえてすかさず言い返す」,機を逸することなく直ちに対応して行動するさま・間を置かずにすぐさま,


ずかずか,ずかずか,「ズカズカと上がり込む」「他人の心にズカズカと入り込む」,遠慮なく乱暴に入ったり近寄ったりするさま,


すかっと,すかっと,「すかっと晴れ上がる」「スカッとした勝ちっぷり」「スカッとした身なり」,スッキリと快いさま・つかえていたものがなくなって気持ちがさわやかになるさま・服装などが垢抜けていて好感がもてるさま,


すかり,すかり,「すかりと切る」,たやすく事が行なわれるさま・刃物で物を切るさまなど,



【すき】

ずきずき,ずきずき,「虫歯がズキズキと痛む」「頭がズキズキする」,傷口などが脈打つように耐えず痛むさま,


すきっと,すきっと,「スキッとした気分」「スキッとした身なり」,すがすがしいさま・さっぱりした感じがするさま,


ずきり,ずきり,「心にズキリ(と)来る言葉」,人の言葉などが心に鋭く突き刺さるさま,



【すく】

すぐ,直ぐ,「連絡があればすぐ対応する」「交番で聞けば道順はすぐわかります」「この問題ならすぐ解ける」「店はすぐ目の前にある」「すぐ近くで火事が出る」,時間を置かないさま・ただちに、手数がかからないさま・容易に・簡単に、距離的に離れていないさま,


すぐさま,直ぐ様,「連絡が入ってすぐさま出動する」,時間的に間を置かないさま・ただちに・即刻,


すくすく,すくすく,「すくすく(と)育つ」,勢いよく成長するさま,


すぐと,直ぐと,「すぐと飽きてしまった」,時間を置かないさま・ただちに、間を隔てず直接なさま・じかに,


すくなからず,少なからず,「死者が少なからず出た」「少なからず喜んだ」,数量や程度などが軽少でないさま・たくさん・かなり,


すくなからぬ,少なからぬ,「少なからぬご配慮を賜りまして」,連語。数量や程度が少なくない・かなり多くの,


すくなくとも,少なくとも,「少なくとも一年はかかる」「少なくとも一日二時間は勉強しろ」「少なくともこれだけは約束する」,少なく見積もっても・内輪に見ても・少なくも、せめて・ともかく・少なくも,


すくなくも,少なくも,「少なくも十年は使える」,少なく見積もっても・内輪に見ても・少なくとも,


すぐに,直ぐに,「すぐに伺います」「帰るとすぐに寝る」,時間を置かないさま・ただちに,


すぐる,過ぐる,「過ぐる三月の末」,連体。過ぎ去った・去る,


すぐれて,優れて(勝れて),「優れて民主的な憲法」,特別に・とりわけ・際立って。「優」はすぐれるで「劣る」の対語、「勝」はすぐれたこと・すぐれたところの意,



【すけ】

ずけずけ,ずけずけ,「他人の悪口をずけずけ(と)言う」,遠慮や加減をしないではっきりとものを言うさま・つけつけ,



【すこ】

すこし,少し(寡し),「少し休もう」「通常より少し高い金額」「もう少しで到着する」「少しは改善された」,数量や程度などがわずかであるさま・ちょっと。「少」はすくない・まれ・わずか、「寡」はすくないこと・すくないものの意,


すこしく,少しく,「以下に少しく具体例を示す」,少しばかり・いささか,


すこしも,少しも,「少しも寒くない」,(打ち消しの語を伴って)全然・まったく・ちっとも,


すごすご,悄悄,「勝負に敗れてすごすご(と)退場する」,気落ちして元気がないさま・元気なくその場を立ち去るさま,


すこぶる,頗る,「すこぶる愉快だ」「すこぶる迷惑な話」,程度が甚だしいさま・非常に・たいそう,



【すし】

ずしずし,ずしずし,「力士がズシズシ(と)土俵に上がる」,体の重いものがあるときなどの重く響く音・またそのさま・ずしりずしり・ずしんずしん,


ずしっと,ずしっと,「教育費がズシッと家計に響く」,重さや手応えを感じるさま・ずしりと,


ずしり,ずしり,「大きな荷物をずしりと床に下ろす」「この箱は小さいがずしりと重い」「先輩の一言がずしりと胸にこたえた」,重い物を置くときなどに立てる地響きを表す語、物を持ったときなどに重さや手応えを感じるさま・ずしん・ずっしり,


ずしん,ずしん,「ずしんずしんと杭を打ち込む」「ファンの期待がずしんと胸に伝わる」,「ずしり」に同じ,



【すた】

すたこら,すたこら,「すたこら(と)逃げ出す」「車道をすたこら歩く」,急いで歩くさま・慌てて立ち去るさま,


すたすた,すたすた,「すたすたと行ってしまった」,脇目もふらず足早に歩くさま,


ずたずた,寸寸,「ずたずたに引き裂く」「大雨で鉄道がずたずたに寸断される」,きれぎれになるさま,



【すつ】

すっかり,すっかり,「金庫の金がすっかりなくなる」「仕事がすっかり片づく」「体はもうすっかりよい」「すっかり春だ」,残るもののないさま・ことごとく、完全にある状態になっているさま・まったく,


すっきり,すっきり,「すっきり(と)した文章」「頭がすっきりする」「気分がすっきりする」「和服をすっきりと着こなす」,わだかまりがなく気持ちのよいさま・余計なものがないさま・さっぱり、服装や姿勢などが洗練されていて人に好感を与えるさま,


すっく,すっく,「椅子からすっくと立ち上がる」,勢いよく立ち上がるさま・力強くまっすぐに立っているさま,


ずっしり,ずっしり,「ずっしり(と)した銅像」「その一言がずっしりと胸にこたえた」「ずっしり(と)構える」「ずっしり(と)した風貌」,きわめて重いさま・重そうなさま・ずしり、重厚で威厳のあるさま・どっしり,


すっすっと,すっすっと,「すっすっと通り抜ける」「すっすっと片づける」,滞りなく素早く行なわれるさま,


すってんころり,すってんころり,「濡れた廊下ですってんころり(と)尻餅をつく」,勢いよく滑って転ぶさま・すってんころりん,


すっと,すっと,「すっと手を出す」「人影がすっと消える」「体がすっと軽くなる」「すっと伸びた肢体」「胸がすっとした」「気分がすっとする」,素早く滞らずに動作するさま・変化が起こるさま、まっすぐに伸びているさま、胸のつかえや心配などがなくなって気持ちがよくなるさま,


ずっと,ずっと,「このほうがずっし大きい」「それよりずっと以前の話だ」「駅は学校のずっと先にある」「友達のことでずっと悩んでいる」「夏休みはずっと家にいた」「広い校内をずっと探しまわる」「街中をずっと見まわる」「さあ、ずっとお通りください」,他のものと比べてかけ離れているさま・段違いに・はるかに、同じ状況が長く続いているさま・その間じゅう、ある範囲内に残す所なく動作を及ぼすさま・くまなく・隅から隅まで、ためらわずにまた滞らずに動作をするさま・ずいと,


すっぱ,すっぱ,「すっぱと切る」,「すっぱり」に同じ,


すっぱり,すっぱり,「すっぱりと切り落とす」「すっぱりとタバコをやめる」,鮮やかに物を切るさま・すぱっと、思いきりよく実行するさま・きっぱり,


ずっぷり,ずっぷり,「風呂にずっぷり(と)身を沈める」「にわか雨にずっぷり(と)濡れる」,全体が湯や水などにすっかり浸かっているさま・どっぷり、全身が雨に濡れるさま,


すっぽり,すっぽり,「頭からすっぽり(と)布団をかぶる」「雪にすっぽりと覆われる」「指がビール瓶の口にすっぽりとはまる」「人形の首がすっぽりととれてしまう」,全体をあますところなく覆うさま、物がうまくはまりこむさま・はまっている物が抜けてしまうさま,



【すて】

すでに,既に(已に),「すでに述べた事柄」「彼はすでに大人だ」「手術はしたもののすでに手後れだった」「この事がすでに権威の失墜を物語っている」,ある動作が過去に行われていたことを表す・以前に・前に、その時点ではもうその状態になっていることを表す・もはや・とっくに、動かしがたい事実であることを表す・どう見ても・現に,


すてん,すてん,「雪の道で滑ってすてんと転ぶ」「すてんころり」,勢いよく倒れるさま,


ずでん,ずでん,「棚の上の花瓶がずでんと落っこちる」「つまずいてずでんと転ぶ」,勢いよく音を立てて倒れたり落ちたりするさま,



【すと】

すとん,すとん,「手元ですとんと落ちるカーブ」「高熱が注射ですとんと下がった」,あまり大きくない物や重くない物などが落ちたり倒れたりする音やさま、数値などが急激に減少するさま,


ずどん,ずどん,「ズドンと一発撃つ」「巨体がズドンと仰向けに倒れた」,鉄砲などを発射するときの音、かなり大きくて重いものが落ちたり倒れたりする音やさま・どすん,



【すは】

すぱすぱ,すぱすぱ,「タバコをスパスパ(と)吸う」「大根をスパスパ(と)切る」「問題をスパスパ(と)片づける」,立て続けにタバコを吸うさま、手際よく立て続けに切るさま、ためらわずにどんどん物事を行なうさま,


ずばずば,ずばずば,「相手構わずズバズバと言う」「速球をズバズバと投げ込む」,核心に触れたことをためらわずに言うさま、思い切りよく続けてするさま,


すぱっと,すぱっと,「スパッと結論を出す」「会社をスパッと辞める」,思いきりよく一気に事を行なうさま,


ずばっと,ずばっと,「矢がズバッと胴に突き刺さる」「相手の心中をズバッと言い当てる」,矢や槍などが突き刺さるさま、素早く的確に物事を行なうさま,


すぱり,すぱり,「枝をはさみでスパリと切る」「スパリ(と)思い切る」,刃物でいっぺんに切り落とすさま・すぱっと、ためらわずに物事を行なうさま・すっぱり,


ずばり,ずばり,「魚の頭をズバリと切り落とす」「相手の考えをズバリと言い当てる」,刀などで勢いよく切るさま、物事の核心を正確にまたは単刀直入に指摘するさま,



【すふ】

ずぶ,ずぶ,「ずぶの素人」,まったく・まるっきり・全然。現代では多く「ずぶの」の形で用いられる,


ずぶずぶ,ずぶずぶ,「足が雪の中にズブズブ(と)めり込む」「針をズブズブ(と)刺す」,水や泥などに深く沈むさま、柔らかいものの中へ深く突き入れるさま,


ずぶり,ずぶり,「ぬかるみにズブリとはまり込む」「短刀でズブリと刺す」,水や泥などに沈み込むさま、柔らかなものに突き入るさま,



【すへ】

すべからく,須く,「学生はすべからく学問を本分とすべきである」,あることをぜひともしなければならないという気持ちを表す・当然,


すべすべ,滑滑,「滑滑(と)した肌」,物の表面の手触りがなめらかでざらつきのないさま,


すべて,凡て(総て・全て),「財産をすべて投げ出す」「見たことをすべて話す」,ことごとく・残らず。「凡」はあらゆる・みな・ことごとく、「総」はみな・全部、「全」はほんとうにの意。すべて常用外なのでかな書きで統一,



【すほ】

すぽっと,すぽっと,「箱にスポッと収まる」「ワインのコルク栓がスポッと抜けた」,物の中に完全に包み込まれたり入ったりするさま・すぽりと、栓などを勢いよく引き抜くさま・その音,


すぽん,すぽん,「茶筒のふたをスポンととる」,一気にうまく物をはめ込んだり引き抜いたりするさま・その音,



【すや】

すやすや,すやすや,「子どもがすやすや(と)眠る」,静かによく眠っているさま・そのときの寝息の音,



【すら】

すらすら,すらすら,「そらですらすら(と)言う」「話がすらすら(と)まとまる」,物事が滞りなくなめらかに進行するさま,


ずらずら,ずらずら,「条件をずらずら(と)並べ立てる」,途切れないで長く続くさま,


すらっと,すらっと,「背のすらった人」,ほっそりと形よく伸びているさま・すらり,


ずらっと,ずらっと,「著名人がずらっと名を連ねる」,人や物がたくさん並び連なっているさま・ずらり,


すらり,すらり,「太刀をすらりと抜き放つ」「すらりと伸びた手足」,刀などを一気に抜くさま、「すらっと」に同じ,


ずらり,ずらり,「各界の名士がずらりと顔を揃えた」,「ずらっと」に同じ,



【する】

するする,するする,「するする(と)音もなく障子が開く」「ランナーがするする(と)塁を離れる」「舟がするする(と)岸を離れる」,滑るようになめらかに動くさま・ある動作が静かに滞りなく進行するさま,


ずるずる,ずるずる,「大きな荷物をズルズルと引きずる」「雪の斜面をズルズルと滑り落ちる」「ズルズルと返事を延ばす」「スープをズルズルと飲む」「洟(ハナ)をズルズルとすすり上げる」,重い物や長い物をゆっくり引きずるさま・少しずつ滑り落ちたり後退したりするさま、物事の決まりをつけないさま、音を立てて汁を飲んだり鼻汁をすすったりするさま・その音,


ずるずるべったり,ずるずるべったり,「ズルズルベッタリ(と)居ついてしまう」,はっきりとけじめをつけず惰性である状態を続けるさま,


するっと,するっと,「指輪がするっと抜け落ちる」「タックルをするっとかわす」,動きが滑るようになめらかなさま,


するり,するり,「戸がするりと開く」「警戒網をするりとくぐり抜ける」,動きが滑るようになめらかなさま,


ずるり,ずるり,「ぬかるみにずるり(と)足を取られた」,やや重い物が滑るように動くさま,



【すん】

ずんぐり,ずんぐり,「ずんぐり(と)した体型」「ずんぐり(と)した形の壺」,太っていて背が低いさま・物が太くて短いさま,


ずんぐりむっくり,ずんぐりむっくり,「どんぐりむっくり(と)した人」,「ずんぐり」を強めた語,


ずんずん,ずんずん,「振り向きもせずずんずんと歩く」「仕事がずんずんと捗る」,人が勢いよくためらわずに進んでいくさま・物事が勢いよくとどまることなく進むさま,


すんでに,既に(已に),「すんでに溺れるところだった」,もう少しである好ましくない事態になりそうなさま・危うく・すんでのこと・すんでのところ,


すんでのこと,既の事(已の事),「すんでのことで忘れるところだった」「すんでのことに事故を起こすところだった」,「すでに」に同じ,


すんでのところ,既の所(已の所),「すんでのところ壊すところだった」「すんでのところで命が救われた」,「すんでのこと」に同じ,


すんなり,すんなり,「すんなり(と)した手足」「交渉はすんなり(と)妥結した」,しなやかでほっそりしているさま、物事が滞ることなくなめらかに進むさま,







【せい】

せいいっぱい,精一杯,「精一杯努力する」,副詞的にも用いる。持っている力のすべてを出す・力の限り・できる限り,


せいぜい,精精,「せいぜいおまけします」「せいぜい養生してください」「病み上がりで近所を散歩するのがせいぜいだ」「遅くてもせいぜい二、三日で届くだろう」「高くてもせいぜい一万円だろう」,能力の及ぶ限り努力するさま・できるだけ・せいいっぱい、できるだけ多く見積もってもその程度であるさま,


ぜいぜい,ぜいぜい,「喉がゼイゼイと鳴る」,息遣いが激しいさま・苦しげに呼吸する音,



【せか】

せかせか,せかせか,「せかせかと動き回る」「気ばかりせかせかする」,動作や言葉などがせわしくて落ち着きのないさま,



【せつ】

せっかく,折角,「せっかく来てくれたんだからゆっくりしていきなさい」「せっかくの土産を汽車の中に置き忘れた」「せっかくの休日だからどこにもでかけたくない」「せっかくの好機を逃してしまった」「先生のお言葉を忘れずに折角勉学に励む覚悟です」,いろいろの困難を排して事をするさま・無理をして・苦労して・わざわざ、(「せっかくの」の形で連体として)滅多に得られない恵まれた状況を大切に思う気持ちを表す、(手紙文などで用いる)全力を傾けて事をするさま・つとめて・せいぜい,


せっせ,せっせ,「せっせと通う」「せっせと働く」,脇目もふらず熱心に物事をするさま,


ぜったい,絶対,「絶対に行く」「絶対合格する」「絶対に負けない」「絶対に許さない」「絶対反対」,副詞的に用いる。どうしても・なにがあっても、(打ち消しの語を伴って)決して,



【せひ】

ぜひ,是非,「この計画をぜひやり遂げたい」「ぜひおいでください」,どんな困難も乗り越えて実行しようとするさま・どうあっても・きっと、心を込めて強く願うさま・なにとぞ,


ぜひぜひ,是非是非,「ぜひぜひお願いします」,「ぜひ」を強めて言う語・ぜひとも,


ぜひとも,是非とも,「ぜひともお出かけください」,ぜひを強めて言う語・ぜひぜひ,


ぜひに,是非に,「ぜひに出席を願う」,どんなことがあっても・ぜひとも,


【せめ】

せめて,せめて,「せめて声だけでも聞きたい」「せめて十歳若ければなあ」,不満足ながらこれだけは実現させたいという最低限の願望を表す・少なくとも・十分ではないが・これだけでも,


せめてのこと,せめての事,「被災地へせめてのことに見舞金を送る」,連語。不満足ながらこれだけでもと願う事柄・せめてものこと,


せめても,せめても,「せめても準備だけはしておく」「これが私にできるせめてもの償いだ」,「せめて」を強めた語。せいぜい・精いっぱい・無理にも,



【せん】

ぜんぜん,全然,「全然食欲がない」「その話は全然知らない」「スポーツは全然ダメです」「全然愉快だ」,(打ち消しの語や否定的な表現を伴って)まるで・少しも、(俗な言い方)非常に・とても,


ぜんたい,全体,「全体自分が悪いのだ」「全体これはどういうことか」,元々・元より、(疑問を表す語を伴って)いったい・一体全体,







【そう】

そう,そう,「私もそう思う」「そう大きくない」,そのように、(打ち消しの語を伴って)それほど・そんなに,


そういう,然ういう,「そういう態度がいけない」,連体。そのような・そんな,


そういっそう,層一層,「層一層緊張が高まる」,「いっそう」を強めて言う語,


そうこう,然う斯う,「そうこうするうちに駅に着いた」,あれこれと・何やかやと,


そうした,然うした,「そうしたご心配は無用です」,連体。そのような・そんな,


そうして,然うして,「そうして切るとうまくいく」「そうして食べるとおいしい魚だ」,前に述べた方法や手段によるさま,


そうじて,総じて,「総じていくらの出費が」「今年の夏は総じて雨が多かった」,全部で、全般の傾向として・一般に・概して,


そうそう,早早,「あの様子だと早々帰るだろう」「早早に用事を済ませる」,急いで物事をするさま。「はやばや」と同字,

そうそう,然う然う,「そうそう遊んではいられない」「そうそううまい具合に行くものか」,(打ち消しの語や反語を伴って)そんなに・それほどに,


そうたい,総体,「総体よくできた」「子どもは総体に自己中心的だ」「総体無理な相談だったんだ」,全般に・一体に・総じて、元々・どだい,


そうばん,早晩,「あの力士は早晩横綱になるだろう」,遅かれ早かれ・いずれ,



【そく】

そく,即,「言われたら即実行する」,ただちに・すなわち,


ぞくぞく,ぞくぞく,「風邪でゾクゾク(と)する」「試合を前にゾクゾク(と)する」,寒気がするさま、感情の高ぶりや緊張また恐怖などのために身震いするさま,


ぞぐぞく,続々,「見物人が続々(と)入場する」「投書が続々(と)寄せられる」,絶え間なく続くさま,



【そこ】

そこそこ,そこそこ,「食事もそこそこに出かける」「そこそこの評判を得る」,(多く「〜もそこそこに」の形で)あることを十分し終えないで先を急ぐさま、十分ではないが一応のレベルにあるさま,



【そし】

そしらぬ,素知らぬ,「素知らぬ顔で行き過ぎる」,連体。知っているのにそうでないふりをするさま,



【そそ】

そそくさ,そそくさ,「そそくさ(と帰)る」,落ち着かずせわしなく振る舞うさま・慌ただしいさま,


そぞろ,漫ろ,「そぞろ寒さが身にしみる」,わけもなく・なんとなく,



【そち】

そちこち,其方此方,「そちこちする中、昼も過ぎた」「彼ももうそちこち四十だろう」,あれこれ、だいたい・かれこれ,



【そつ】

そっくり,そっくり,「昔の建物がそっくり残る」,欠けることのないさま・そのまま・残らず・全部,


そっと,そっと,「障子をそっと閉める」「秘密をそっと打ち明ける」「しばらくそっとしておこう」,音を立てないように物事をするさま・静かに、他人に気づかれないように物事をするさま・こっそり・密かに、干渉しないで静かにしておくさま,


ぞっと,ぞっと,「ゾッと寒けを覚える」「今地震が来たらと思うとゾッとする」「ゾッとするほどの美人」,寒さや恐怖などのためにまた強い感動を受けて体が震え上がるさま,



【その】

その,其の,「その男は何者だ」「その服はどこで買いましたか」「その仕事が終わったら次を頼むよ」「その調子で進めてください」「その日はとても暑かった」「その話はもうやめよう」「その一、その二」,連体。空間敵心理的に聞き手に近い人や物を指す、聞き手が当面している事柄や場面を指す・今の、現在話に出ているまたは話に出たばかりの事柄を指す、全体を幾つかに分けた中のある部分を指す,


そのうち,其の内,「そのうち雨が降るだろう」,それが実現するまでにそれほど時日を要しないことを表す語・近いうち,


そののち,其の後,「そののち二人の運命は大きく変わっていった」,副詞的にも用いる。その時からあと,


そのまま,其の儘,「横になるなりそのまま寝てしまった」,前の動作からすぐ次の動作に移るさま・すぐに,



【そよ】

そよ,そよ,「風がそよとも吹かない」,風がかすかに吹くさま・物が揺れて立てるかすかな音,


そよそよ,そよそよ,「春風がそよそよ(と)吹く」「木の葉がそよそよ(と)揺れる」,風が静かに心地よく吹くさま・風に吹かれて草木の葉などがかすかに音を立てて揺れ動くさま,



【そり】

ぞりぞり,ぞりぞり,「髭とゾリゾリと剃る」,髪や髭を剃る音・じょりじょり,



【それ】

それきり,其れ切り(其れ限り),「話がそれきりになってしまう」「先月遊びに来たがそれきり顔を見せない」「それきり持ち合わせがないのか」,副詞的にも用いる。それが最後である、それが全部である。それっきり,


それくらい,其れ位,「それくらいのことでくよくよするな」「それくらい勉強すれば十分だ」,副詞的にも用いる。その程度や分量・物事の程度を軽んじたり強調したりする・それだけ・そのくらい,


それこそ,其れこそ,「失敗したらそれこそ取り返しがつかない」,そのことを強調するさま・間違いなく・本当に,


それぞれ,其其(夫夫),「それぞれが自分の道を選ぶ」「地方によってそれぞれ習慣が違う」,副詞的にも用いる。複数の物や人の一つひとつや一人ひとり・おのおの・めいめい,


それだけ,其れ丈,「それだけは勘弁してくれ」「君はそれだけの人間か」「わずかだがそれだけでも収穫だ」「それだけ努力すれば十分だ」「値段は高いがそれだけの品物だ」「人は良いがそれだけにだまされやすい」「続けばそれだけ進歩する」,副詞的にも用いる。特定のその物事・そのことだけ・そのものだけ、その程度や分量や範囲・それくらい・それほど、程度などがそれに釣り合う・それ相応であること,


それっきり,其れっ切り(其れっ限り),「それっきり手紙もよこさない」,副詞的にも用いる。「それきり」を強めて言う語,


それとなく,其れと無く,「それとなく断る」「妙な噂がそれとなく耳に入る」,遠回しに・それとなしに,


それとなしに,其れと無しに,「それとなしに注意する」,それとなく・それとはなしに,


それなり,其れなり,「交渉はそれなりで進展がない」「交信はそれなり途絶えている」,副詞的にも用いる。その状態のままで変わらない・そのまま・それきり,


それほど,其れ程,「それほどの気持ちがあればやれるだろう」「それほど好きなら結婚すればいい」「世間は騒いでいるがそれほどの事件ではない」「それほど気にしていない」,そこに示されている程度・その程度が甚だしい場合に用いる・そのくらいまで、(打ち消しの語を伴って)とくにそれと問題になるほど・とりたてていうほど,


それまで,それまで,「会社をそれまでにするには大変な苦労だった」「よくもそれまで我慢したね」,副詞的にも用いる。物事がある程度にまで達した・そんなにまで・それほどまで,


それやこれや,其れや此れや,「年の瀬はそれやこれやで忙しい」,連語。そのことやこのことや・いろいろ,



【そろ】

そろそろ,そろそろ,「そろそろ(と)歩く」「幕がそろそろ(と)上がる」「話がそろそろ佳境に入ってきた」「そろそろ出かけよう」,動作が静かにゆっくりと行なわれるさま・そろり、ある時期や状態になりつつあるさま・ぼつぼつ,


ぞろぞろ,ぞろぞろ,「取り巻きがぞろぞろとついて歩く」「幼虫がぞろぞろと這い出る」「着物の裾をぞろぞろと引きずる」,多くの人や動物などが引き続いて動くさま、長いものを引きずるさま,


そろり,そろり,「そろり(と)足を踏み出す」「そろりそろり(と)歩く」「そろりと部屋を抜け出る」,静かにゆっくりと動作が行なわれるさま・そろそろ、滑るようになめらかに動くさま・するり,


ぞろり,ぞろり,「各界の名士がぞろりと居並ぶ」,多くのものが一続きに繋がっているさま,



【そわ】

そわそわ,そわそわ,「発表待ちで朝からそわそわする」,気持ちや態度が落ち着かないさま,



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