概要
厨子は、四年に一度、当番家である六つの家を巡る。
次の当番家に移動する際に、村民一同を集めて盛大に催されるのが、〝厨子の祝宴〟だ。
幼馴染で、十数年ぶりに会う羽黒奏斗と共に無事、儀式は執り行ったのだが、次の当番家である羽村家が、「もう、こんな風習はやめないか」と言いだした。
総領娘としての意見を求められたが、答えられない志摩は、結局、厨子を回せずに手元に置いてしまう。
その日から、異変が続き……。
村は。
混沌に飲まれていく……。
※全部で10万字ちょっとで完結となります。
毎日更新予定ですが、お休みするときは、近況ノートでご連絡いたします。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!和ホラー好きさんに全力でオススメしたい作品!
この村には、長らく伝わる不思議な因習がある。
――和ホラー好きさんなら、この一文だけで胸がときめくでしょう。
しかし、その因習を破ってしまったら……?――ドキドキが止まりませんね!いけないことだとわかっていても、心が期待に躍り散らかしますよね!
今作では、しっかりと期待に応えてくれます。
そう、ただ守っているだけではわからないのです。破ったからこそ、この因習に隠された秘密を知ることができるのです。
このお話はその点も秀逸。
ホラーとしても最高に素晴らしいのですが、謎に迫るミステリーとしても読み応えある作品となっています。
ストーリーは陰惨な描写も多く、心抉られる場面も多いですが、共に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!手順通りに執り行わないと、恐ろしいことが起こる……
山深い村。といっても、そこには電気もあるし、水道ある。スマホだって使える。急病人がいれば、ヘリだって飛んでくる。
でも、ただひとつ。
そこには、他の村にはない、ちょっとかわった因習があったのだ。
四年に一度、村に伝わる厨子を祭り、その厨子をつぎの家に渡す……。
帰省していた志摩は、入院している祖母のかわりに、このちょっと変わった祝宴を取り仕切る。
「厨子の祝宴」。
それはつつがなく終了するのだが、つぎの当番家が厨子の受け入れをことわってきた。
「もうこんなこと、やめないか」
そして、その夜から、怪異が始まるのだった。
村に残る因習。それには村の暗い過去と怨念が絡…続きを読む - ★★ Very Good!!今や因習となっても、因縁は忘れてくれないし忘れてはならない
村に伝わる風習は、今は因習となり重く村の六家にのしかかります。次の当番家は因習の負担減を提案、現当番家戸主の代理である主人公が返答を保留することにより呪い(まじない)が解け、村に厄災がふりかかる、そんなお話、がっつりホラーです。苦手な方はご注意を。
その風習の因縁ですが…男の私(ここで性差を持ち出すのもどうかとは思いますが…)から見ても胸クソ悪く話でして…呪いを施した僧侶の清澄さんには激しく同意します。それにこの因縁は未だに村の下衆共に脈々と継がれているのがまた胸クソ悪いんです。もうあれですね、本当に因果応報、自業自得です。こんなに"責任を取る"と言う言葉に唾棄したくなることなんてそう…続きを読む - ★★★ Excellent!!!怖いの嫌なんだけど、どうしても眼が読み進んでしまう~~!
レビュウを読んだのが間違いでした。皆さんの感想に引き込まれて読み始めたら
一気に物語に絡められて息つく間もなく最後まで読んでましたよ。
武州様の作品、実は初めてでしたが(すいません、怖い系は寝れなくなるので)
話の展開が小気味よく怖さ来たあ~となるとするっと主人公2人の兼ね合いに話が移るので恐怖心がすぐに薄れていきそこから先の展開をワクワクしながら
読み続けているという、何だかなぁ催眠術にでもかかったのかも。
とにかく怖さも十分で村に纏わる歴史が悲しかったけどお互いを意識しこれから2人が共に人生を生きていく展開に温かくてさわやかさな読後感を受けてホラーという分野に立ち寄ってもいいかなと意識が…続きを読む - ★★★ Excellent!!!連綿と引き継がれてきた因襲には、隠された秘密がある。黯い過去の秘密が。
誰にでも、忘れがたい苦しみがある。
これからを生きる足取りが、重く沈んでしまうほどの。
閉ざされた過去の罪業が黯く渦巻く村。
そこには、謎めいた厨子が祀られている。
村全体で大切にされているものの、それは四年ごとに六つある本家筋である当番家を定められた順番で廻されており、その時期ごとに祝宴を催して飲めや歌えや大いに食らえの祭事を揃って行う。一見、祝宴がメインのようですが……。
中を見てはならないとされている厨子。
村の境に配置された当番家。
岩を標とした合祀塚。
唯一の女系の家、七塚。
因襲を繋ぐ家。忘れた家。放棄しようとしている家。守り続けている家。何も考えずに諾々と参加する家。恐れ慄…続きを読む - ★★★ Excellent!!!彼女たちに起こったことは……。
田舎の祖母の家で『厨子の祝宴』を無事終わらせた場面から物語は始まります。
もうね。冒頭から厨子の存在感がバンバンなんです。ゴオオオオオと背後に物騒な効果音が見えるようです。そしてやっぱり厨子が夜中に……!!!
ホラーな本作ですが恋愛要素も堪能できる、きゅんとギャーとひぇええええが絡み合う作品。しかも厨子にまつわる過去が次第に解き明かされていくミステリ要素もあったりして。とにかく始まりから終わりまで、ずっと勢いがあり面白いです。
怪異を起こす敵のような存在だった厨子も、真相に近づくにつれて、そのイメージは変化していきます。本当に恐ろしいのは……。
あってはならないことですが、しかし残念…続きを読む - ★★★ Excellent!!!田舎の風習にはホラーがつきもの
と私は思ってます。
ていうか、相性がすごく良い。
何でこんなことするんだろう?って子ども達が思うような儀式やら何やらには、実は身の毛もよだつような過去があって……なんて。
そして本作ももちろん。
ただただ、厨子を数年ごとに回すだけ。
回された家はそれを大事に預かって、それでまた数年後に次の家へ。
えっ、別に回さなくても良くない?
こういうことを言い出す人、絶対出て来るんですよ。金もかかるしさ、もう年寄りしかいなんだし、大変でしょ、って。
そんなことしたらどうなるか。
ええ、とんでもないことが起こります。
内容については本作をじっくり読んでいただいてですね、ええ。
この作者様のホ…続きを読む