今や因習となっても、因縁は忘れてくれないし忘れてはならない

 村に伝わる風習は、今は因習となり重く村の六家にのしかかります。次の当番家は因習の負担減を提案、現当番家戸主の代理である主人公が返答を保留することにより呪い(まじない)が解け、村に厄災がふりかかる、そんなお話、がっつりホラーです。苦手な方はご注意を。

 その風習の因縁ですが…男の私(ここで性差を持ち出すのもどうかとは思いますが…)から見ても胸クソ悪く話でして…呪いを施した僧侶の清澄さんには激しく同意します。それにこの因縁は未だに村の下衆共に脈々と継がれているのがまた胸クソ悪いんです。もうあれですね、本当に因果応報、自業自得です。こんなに"責任を取る"と言う言葉に唾棄したくなることなんてそうそうないです。

 このお話はフィクションだと思うのですが、この因縁には現実味があります。このような祟りは日本中、どこにでもありえると思います。
そして、形は違っても現代日本に於いてもまだまだ無くならないのが現実です。現に日本は未だに人身売買大国、特に子供に関してそう呼ばれているのですから。

 繰り返しますが、このお話はがっつりホラーです。ですが、怪奇だけではない怖さ、闇を知ることのできるお話です。
もう手遅れな自称大人ではなく、これからの世を担う若い人達にぜひ読んていただきたいお話です。

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