第4話 抱きしめたい依存症

「あら、仲良くなったんだ〜早いね!」


思っていた予想とは違うんだけど?もっと変に誤解されると思っていたけど?アレ?

ま、まあいいか。変に誤解されなくて済んだから、まぁいいよな


「そうなんだぁ〜早いね!ちょっと慣れないかなって思ってたけど」

「いや、そんなことないよ!義理でも、弟が出来たには出来たからさ。それは嬉しいもん!だから、すぐ仲良くなっちゃった」

「そうね、咲希はずっと弟欲しいって言ってたからね。それより、お昼食べに行くよ?」

「食べに行く?」

「ちょっとファミレスでみんなでお話するの。いいでしょ?」


そう言ってカナさんは去っていた。すると咲希さんは俺に向かってにっこりと微笑んできて、いきなり抱きしめてきた!


「うわっ!また」

「う〜ん!なんか、まーくん抱きしめないと精神的に持たないみたい。毎日抱きしめたら嫌かな....?」


こんなウルトラかわいい人に毎日抱きしめられて欲しいとか言われなんてヤバいだろ

これを拒否する人間なんて誰もいないだろ。これは神案件すぎるだろ


「いいですよ。俺でいいなら....お姉ちゃんが、かわいいから」

「ああああかわいい!まーくん、かわいいすぎる!お姉ちゃんって言ってくれたし

すごい!」

「もう、抱きしめないで!そろそろ行きましょうよ」

「そ、そうだね!でもなんか物足りない」


少し物足りなさそうな顔をして自分の部屋に戻っていった。確かにかわいい年上の女の子にハグされるなんて最高なハナシなんだが、咲希さんの立派な胸が俺の身体を包むようにくっつくので理性がいつまで耐えれるかという問題になってきた



外にいく準備が出来て、みんなで車に乗った。けど、この車めっちゃ高いよな?

友達からそんな話を聞いた気がするけど、それよりこの雰囲気は慣れない

父さんが車を運転していて4人で移動するという環境に慣れない


「なんか慣れない」

「どうしたの?まーくん」

「父さんが運転していて、こう家族っていうのが慣れない。母親がいて、お姉ちゃんがいる。その状況が少し慣れないんです」

「そっか。でもそのうち慣れるよ」



ファミレスに着いた。そして席に座った。俺の隣に咲希さんがいて反対には父さんとカナさんがいる。なんか緊張する


「私は何にしようかな?」

「なんでもいいぞ。好きにお前も頼んでいいんだからな」

「そうよ、好きに食べていいのよ」

「そ、そうですか....」


父さんからなんでも頼んでいいんだからなって言われることなんて人生に一度もないと思っていた。家計も厳しくて、そんな贅沢していいって言われた事なんてない。だから違和感を感じる


「えっと〜じゃあ、ドリアとドリンクバーでいいです」

「それでいいの?もっと食べないの?」

「食べないというか、ちょっと今日はあんまお腹が空いてないです。腹八分目がイチバンだと思うので」

「いい子だね〜!私がその立場ならドンドン頼んじゃうけどね」


やっぱり、そう言われても遠慮をしてしまう。咲希さんはどうなんだろうかと見てみると目をキラキラさせて悩んでる


「う〜ん、どうしようかな?じゃあ、私はカルボナーラとドリンクバーでいいかな」

「そうか、じゃあ決まりだな」


店員呼び出しのボタンを父さんが押した。そしてすぐに店員が来た。注文するものを言い終わったあと、俺と咲希さんで一緒にドリンクバーに行った


「そういえばさ、まーくんってアルバイトをしていたって聞いたけど、ファミレスとかやったことあるの?」

「ま、まぁ....そうですね。一応まかないとかあったのでそれで家計の負担を軽くしていた時がありましたね」

「そうなんだ、どこのファミレス?」

「ここですね。ここで初めてアルバイトをしました」


いちばん最初に働いたところがここだった。だから少し懐かしい感じもある

色々と試行錯誤していた頃が懐かしい。アルバイトを始めたのは学校入学してからすぐだった。あの時は春だったのに、今はもう秋になってる。だからあっという間に感じる


「そうなの!?まーくんすごいね!私はバイトしたことないからなぁ」

「バイトって大変ですけど、色々と経験が出来るのでいいと思いますよ」

「そうなの?私もやろうかなぁ」

「悪くないと思いますよ。普通なら、自分で稼いだモノで好きなことが出来ると思いますし」


咲希さんはドリンクバーでメロンソーダを入れた。僕はコーラを入れて席に戻った

そして席にしばらく座ってると注文したものが次々と来た


「いただきます!うん、麺が暖かくて美味しい!ファミレスってこれだから良いんだよね。まーくんも食べなよ!」

「あ、うん」


僕も注文したドリアを食べた。熱くて口がやけどしそうになったが、なんとか美味しく食べれた。



「ほら、お会計終わったから行こうよっ!」

「うわわっ!?また抱きしめてきましたね?」


また抱きしめてきた、でも嫌いじゃない。なんか得した気分になる。だから思わず頬が緩んでしまうほど良い


「う〜ん、抱きしめたくなっちゃった」

「咲希さ....お姉ちゃんって抱きしめたい依存症ですね」

「いい名前かも。でも抱きしても良いでしょ?嫌じゃないならさ」

「ま、まぁ....」


毎日俺は抱きしめられるのか。俺の理性という壁はどれくらい頑丈か分からないけど、とにかくなんとか持ってくれると願いたい







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