第5話 気が休めない

お昼ごはんをすましてなんとか帰宅。そしてあまりに精神的な疲労が激しかった。眠気を感じる。あ、このめっちゃふかふかのベッドにすごい誘われてる気がする。なんか寝てもいいか。疲れたなら寝ればいい


「もういいや、寝よ...ふわぁ」


横になって一つ思うことがある。めっちゃふかふかして気持ちいい。これは心身の疲れが取れそうだ。あ、もう目が閉じてきた。もうなんかいいや



「....くぅん。好きぃ」


あぁ夢なんだろうか?咲希さんの声が聞こえる。そしてなんか腕にふわふわと暖かくて柔らかいものが包んでるけどたぶん布団なんだろうな。でも、ん?なんかふんわりと優しい甘い匂いがするな?匂い?夢でニオイって感じるわけないはずだ。

なんか嫌な予感がするな


「まーくん....」


目を開いた瞬間、目の前には咲希さんのかわいい寝顔が見えるぞ?かわいいな....

っておい!そうじゃないやろ。離れようと動いた瞬間抱きしめてきた

あ〜、もうヤバいね。心臓がバックンバックン言ってますね。それよりそれより!

この状況を変えるにはまず動くんだ


「よし、動くぞ」

「ムニャムニャ....」


ああああああああああああああ!致命傷です。咲希さんの脚が俺の脚に挟んできました。しかもがっしりと。もうこれ動けないじゃん。誰か助けてください


「んん....起きてたのかぁ〜。まーくん、おはよ?」


えっと俺と咲希さんって恋人だったっけ?この人の距離感ってマイナスでもいってるのかな?マジでヤバい


「お、おはようございます。咲希さ....いえ、お姉ちゃん」

「まだ慣れないの? まぁ、そうだよね。だけど、できれば言ってくれるといいな」

「わ、分かりました」

「敬語じゃない方がいいかな?だって家族だからいいじゃない?」


まだここの家に来てから1日も経ってないけど、確かにこれから家族になる人間だ。だから永遠に咲希さんに敬語だと、うまく一緒に馴染めない気がする


「そうですね。分かりました。少し崩すように頑張るよ」

「やった!嬉しいよ。それにしても楽しみだなぁ。まーくんと学校に行くの。一緒に行こうね?」

「あぁ、はい」

「そういえば同じ学校に通ってるのに、まーくんと会ったことないね。まーくんっぽい人見ないね」


俺はだいたい教室で友達と話してりして休み時間を済ましてる。あまり教室から出ないから、会うわないのかもしれない。けど、咲希さんはあんなにかわいいくてなにより男性諸君達が好きな部分の胸がデカいから、そんな人間いたら話題になるはずだ

なのにちっとも回ってこない


「たぶん俺があんま出ないからかなぁ」

「そうなんだ。まーくんみたいな、ちょっとかわいい顔つきしていて俺って自分の事いう子が好きな女子って私以外に居ると思うんだけどなぁ。まーくんってちょっとかわいいよね」

「え、どこがかわいいんですか?」

「ちょっと、私に対して恥ずかしがってる姿とか顔とか少しかわいい感じあるし、私のお気に入りになっちゃった」



また抱きしめられた。今日で何回抱きしめられたんだろうか?もう永遠に抱きしめられてきそうだ


「それにしても、ご飯の時間まで寝ちゃっていたんだね。う〜ん、ダメだ。まーくんと離れたいけど、なんかもったいない気がする!」

「こんなにかわいい女の子に抱きしめられたことない....」

「私のこと今かわいいって言った?あぁ....もう好き」


俺って咲希さんの彼氏だっけ?もうマジでこの人の距離感ってどうなってるの?

けど、年上の女の子が自分的にタイプだから、ちょっと嬉しいところもある


「咲希!ご飯できたよ」

「は〜い!ご飯できてたみたい。一緒にリビングに行こうね」

「は、はい」


一階に降りてリビングまで行った。リビングに入ると美味しそうな匂いがした

そして食卓に置かれていたのは唐揚げだった


「やった!唐揚げだ。美味そう!」

「好きなだけ食べていいからね?」

「あ、はい....!じゃあいただきます」


こうやってみんなで食事をするのはいつぶりだろうか?毎回、家に帰ると誰もいなくて薄暗かった。一人でなにか作って過ごすことはもうないんだなって思った

でも、家族が二人増えたことには少し慣れないところだ。



「ごちそうさまでした」

「よく食べたね〜!あ、お風呂入った方がいいんじゃない?」

「場所ってどこですか?」

「咲希教えて上げて」

「分かった。教えるね!まーくん」


ここの家は広い。リビングも広くて自分の部屋もとてつもなく広い。こんなドアがある家に住んだこと無いのでマジで分からん



「ふわぁ〜なんかやっと心が休める」


湯船がめっちゃ広く伸び伸びしてる、こんな脚が伸び伸びとできる湯船になんか一度も入ったことない。あぁ最高すぎるだろ。もう、体育座り湯船とはおさらばだ

しかしながら最高すぎる。やっと気が休める


「あぁ、最高〜マジで最高。こんなポカポカしていて脚が広々とできるの神」


アレ?なんかお風呂の戸がカラカラと開くような音が聞こえたな。まぁ疲れてるのだろうな。ハハッ....もうちょっと湯船に浸ってようかな


「まーくん?」

「うええええええええええええ!?」


え、咲希さん!?あっあっ....誰か助けてくれええええええええ!!

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