第22話 恋人距離

お昼ごはんが終わり、次はコーヒーカップとかいうアトラクションに乗るみたいだ

コーヒーカップっていったいなんだ?自分は遊園地で知ってるアトラクションなんてジェットコースターとメリーゴーランド、あとは観覧車ぐらいしか知らない


「コーヒーカップってなんですか?ジェットコースターみたいに怖いんすか?」

「いやいや、そんな訳ないよ!もっとゆったりとして楽しいよ」

「そうなんですか。なら良かったです」

「相当ジェットコースターが怖かったのね?ほら、アレだよ!」


咲希さんが指を指した先には本当にコーヒーカップの形をしたものだった

これはいったいどういうものなのだろうか?


「これってなんですか?」

「乗ってみれば分かるよ!楽しいよ」



ということで、コーヒーカップに乗ることになった。動く前から咲希さんは自分に向かってニコニコとしている。その笑顔はめっちゃかわいいんだが


「では、動きます!コーヒーカップをお楽しみください!」


そう言うと、コーヒーカップは動いた。ジェットコースターとは違い緩やかな動きをしてる。これは結構いいかもしれない


「あ、動いたよ!ふふふ」

「動きましたね、結構、緩やかな感じなんですね!」

「それより、スマホで撮ってよ!」

「いいですよ」


ここでも写真を一緒に撮った。咲希さんは嬉しそうにニコニコとしてる。その瞬間を僕はスマホで撮った。咲希さんはまた恥ずかしがっている


「あぁ、もうっ!まーくん撮らないでよ〜」

「だって、咲希お姉ちゃんがかわいいから」

「う〜!まーくんったら、恥ずかしい....」



コーヒーカップで遊んだあと、咲希さんはメリーゴーランドに行こうと提案された

メリーゴーランドは遊園地で行ったみたいところだったので咲希さんに聞いてみたたら、OKをもらった


「なんか、恋人みたいじゃない?」

「え?」

「さっきからね、通りすがりの人が『あんなカップルいいね』とか言われてるし、なんか恋人同士でやることやってる気がするし」

「確かに言われてるような気がしましたけど、そうですね!」

「ここはもう思い切って今日はまーくんと恋人距離になってみようかな」


いやいや!?え、じゃあ今までの距離感がバグった同衾とか毎日ハグしてくるのとかベッドでのお熱いキスは家族距離だったの?え、えええええええ!?


「いやいや!もとから咲希さんの距離感は恋人距離なんですけど」

「え!?そうなの?じゃあ平常運転でいいのかな?」

「まぁ....そうですね。咲希さんの家族愛の基準ってなんですか!?」

「えぇ!?そんなことを聞かれても、困るなぁ。でも愛すことじゃないかな?でも、まーくんはちょっと何か違う気がするような」


ちょっと違う気がする?それはいったいどういう意味なんだろうか?



メリーゴーランドに着いた。メリーゴーランドはとても大きかった。自分の予想以上に大きい。これがメリーゴーランドなのか


「メリーゴーランドだよ!」

「大きいですね」

「大きいよね〜!それじゃ乗ろうよ」


馬に自分は乗った。咲希さんはユニコーンに乗った。そしてスタッフのアナウンスが言い終わった後にメリーゴーランドは動いた


「すごい!動いた」

「久しぶりに乗ったけど、楽しいな」

「写真撮ってよ!一緒に映ろうよ」


自分はスマホを取り出してまた咲希さんと一緒にツーショットを撮った

すると咲希さんが自分に向かって写真を撮ってきた


「な、なんで撮るんですか?」

「さっきのお返しだよ!私ばっか撮られるのはおかしいでしょ?」


そう言って咲希さんは笑い、また自分に向かって写真を撮って満足そうな表情をしていた。咲希さんの喜んでる姿を見ていると頬の緩みを感じる



メリーゴーランドに乗った後、他にも色々とたくさん乗ったりして遊んで楽しんだ

最後に観覧車に乗って帰ろうと咲希さんから提案が来た。観覧車に乗ろうとしたところ、もう日が暮れて夜になってしまった


「少し寒いね、まーくん」

「そうですね。でも観覧車から見る景色が楽しみです」

「どんな景色が見れるんだろうね。楽しみ」


待ってる時間は寒い。でも、並んでる時間は人数が少ないせいか、それほど時間はかからなかった


「寒かったね。乗れたね!」

「ここでも寒いですけど」

「確かにそうだね、景色が楽しみだね」


だんだんと観覧車は高くなっていく。すると観覧車からはとてもキレイな夜景が見えた。こんなに観覧車から見る夜景は綺麗なのか


「綺麗だぁ〜」

「キレイだね。なんか、観覧車から一緒に夜景を見るなんて恋人みたいだね。それより、この夜景は撮った方がいいと思うよ!綺麗だし思い出になるよ」

「確かにそうですね」


スマホを取り出して、夜景を撮った。それにしても、今日はたくさん写真を撮った気がする。普段、写真なんて撮らない自分がこんなに撮ってることに不思議だ


「まーくん、こっち向いて。肩にゴミが付いてるから」

「分かりました」

「嘘だよ」


その言葉を放たれた瞬間、咲希さんは頬を赤らめてキスをしてきた。いったい何が起きたのかさっぱり分からない。これはいったいどういうことなんだ!?


「さささ、咲希お姉ちゃん!?」

「今日はまーくんとは恋人距離になるって言ったでしょ?もっとキスしよ?」

「咲希お姉ちゃんの理性が壊れてる!?」

「もう一回だけ、ね?」



観覧車から降りたけど、まだ恥ずかしすぎる。咲希さんとなんで観覧車でキスしたんだ?これは本当に恋人の域にいく距離感じゃないか!?


「家に帰るまで、まーくんと恋人ごっこしたいな」

「さすがに嫌です」


俺の脳みその情報がパンクして爆発するので、そこまでやったらガチで

死ぬ....ていうか、咲希さんが腕を抱きしめてきたあああああ!?誰か助けてくれ!

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