第16話 好きな人は目の前にいるんだよ?
俺はいま咲希さんと一緒にベッドで横になってる。ドキドキしてヤバい
咲希さんの顔が今、目の前にある。そして微笑んできてる
「まーくんってかわいいね」
「そうですか?それより咲希お姉ちゃんの顔が近くてドキドキします」
「うふふ、私もまーくんの顔が近くにあるからか少しドキドキしてるのかも」
「そうですか」
咲希さんの顔は本当にキレイな顔でかわいい。咲希さんの顔が少し赤くなってる
それより、この状況はどうすればいいんだ?
「まーくんってさ」
「は、はい!?」
「好きな女の子とかいる?」
「えぇ!?」
こういうシチュエーションの時はこういう会話をするのか?!
好きな女の子っていうのは今までで一回たりも出来たことない。かわいいなって思う女の子はいるけど、そいうものはなかった
「いや、いないですけど。俺、バイトで忙しかったですし、そんなこと考えたことないですよ。仮に見た目がかわいい女の子がいたとしても、性格までかわいいって言えるような人じゃないということだってありますし」
「確かにそうだね。まーくんってしっかりしてる男の子だよね〜」
自分はしっかりしてるのだろうか?あまり自分ではそうとは思ってないが
咲希さんにはそう見えるのだろうか?
「そうですか?」
「それはそうだよ。だって家のために必死にアルバイトしていたし、本当にすごいよ、すごいよまーくんは」
咲希さんに抱きしめられた。いつも抱きしめられてドキドキするけど、その時以上に心臓がバクバクと激しく打っていて死ぬほどドキドキする
「そ、そういえば!咲希お姉ちゃんって彼氏とかいないんですか?」
「うーん、彼氏なんて作ったことないかな。なんなら私は処女だよ?」
「しょ、処女?」
え?この人なんて言った?自分の聞き間違いじゃなければ処してない女子って単語が聞こえたんだけど?えっ?咲希さんの口からそんなワードが聞こえたような....
「今なんておっしゃいました?」
「私は処女だよ。処女だから、嬉しいの?」
「いや、あの....その!僕も正直、童貞なので」
バカ!いったい何を言ってるんだ俺は!?咲希さんの前でそんなこと言って
なんてバカなんだろうか。自分に苛立ちを感じる
「そっかぁ、恥ずかしがることではないと思うんだ。私はそう思うよ?」
「そ、そうですか。咲希お姉ちゃんこそ好きな人はいないんですか?」
「いない訳じゃないよ?」
「そうですか....」
やっぱり、そうだよな。女の子だから好きな男なんて一人くらいいたって当たり前だよな。でも咲希さんが家に彼氏連れ込むところを考えるとなんともいえない
「ま、まーくん!どどどうしたの?落ち込んでる雰囲気あるけど」
「い、いやぁ....その咲希さんにも好きな人いるんだなぁって!まぁ、咲希さんの彼氏が家に来たらアレだなぁって」
「違うよ、私の好きな人は目の前にいるんだよ?」
「えっ?」
頭がパニックになっていると、咲希さんは自分の頭に手を添えてきて顔を紅潮させていた。そしてキスをしてきた。しかもさらに抱きしめてきた。なんだこれ!?さっぱり分からない。けど中々話さない。なんというかすごくロマンチックな感じする
「まーくん、おやすみ。好きだよ」
そう言ってすぐに寝てしまった。てか咲希さん眠りに入るの爆速すぎんか!?
いや、ええええ!?てかまだ強く抱きしめられたままで抱きまくら状態になっているんだけど、誰か助けてくれええええええええええええ!!
「え〜今から新郎新婦が入ります。皆さん拍手してお入りください」
新郎新婦だって?どういうことだ?身体が無意識に歩いていく。そして周りは拍手をしている。これは結婚式か?それにしても花嫁は誰なんだ?
「まーくん、ついにこの時が来たね」
んん?どっかで聞き覚えがあるような声だな?今、まーくんとか俺のことを言わなかったかな〜?これはどういうことだ?
「では新郎新婦の誓いのキスをします」
「まーくん、ついに結婚できるんだね。私は幸せだよ」
「えっ」
もしかして結婚相手って咲希さん!?ええええええええええええっっ!?
嘘だろ?マジなのかああああああああ
「咲希さんと結婚はああああああああああああ!」
アレ?なんだ夢だったのか....安心した。これが現実だったらとんでもないよな
咲希さんと結婚する夢を見る自分もとんでもないけどな
「おはよう!まーくん。私と結婚する夢を見たの?」
「いや、あの〜その」
「まーくんと結婚かぁ〜良いかもね」
「ええ!?」
「それより、朝ごはんできてるから食べてね?」
なんとか平穏な朝が始まったみたいだ。しかし昨日の咲希さんはすごかったな
頭の中ですごく強烈に残ってる
俺はリビングに向かい食卓の席に座った。今日の朝はトーストとサラダにカフェオレなどと、なんとも素晴らしい朝食だ。こんな朝食が出るなんてドラマくらいしかないと思っていたけど、これが出るのがすごい
「今日もいい朝食だなぁ」
「そう?嬉しいなぁ〜」
「こんな朝食が出るのなんてドラマくらいかなって思ってましたよ」
「そっかぁ〜そう言えば今日はまーくんにプレゼントがあるんだ。あと、お母さんが帰ってくるよ」
え、プレゼントってなんだ?それにお母さんが帰ってくるって言ってたけど、これってなんかプレゼントに関係するのか!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます