第14話 ブラコンは大変だよ

朝からとんでもないことが起きてすでにヘトヘトだ。自分の部屋のベッドに寝ていて

起きたら咲希さんの部屋ってどういうことなんだよ!


「おぉ〜真希、どうしたんだよ死んだ魚みたいな目をしてよぉ〜?」

「もっと普通の姉が欲しいところだ」

「はぁ〜?お前のお姉ちゃん、めっちゃかわいいくていいじゃん。しかも胸デカいし」

「確かにめっちゃかわいいのは認めるさ、胸が大きいのも分かるよ」


ただ、ブラコンなところが問題なんだよな。アレ?というか咲希さんの毎日の行動を振り返ってみるとブラコン悪化してない?えっ、そのうち本格的な方のえっちでもされるんじゃないか?


「じゃあ、いいじゃんかよ〜?毎日が目の保養じゃん。しかもお前、噂で聞いたけどかなりお熱い関係なんだよなぁ?うほほっ!俺もその位置になりてえええ!どけ、俺が弟だってな!」

「それはお前に渡さん。けど、大変なんだよ」

「なにがよ?」

「重度のブラコンだよ。一言でいえばそうなんだよ。ブラコンは大変だよ」

「メンヘラとかよりは良いじゃん?だってさ〜毎日暴力振ってくる姉とめっちゃナデナデしてくれる姉ならさ、アレじゃない?」


確かに言われた事は合ってると思う。メンヘラは面倒くさいとか聞いたりするし、なにより暴力もしないでナデナデしてくれるから良いよな。それだけならいいんだよ!

とりあえず、あのブラコンをなんとかして欲しい


「まぁそうなんだけど、少しでも俺といないとすぐ寂しがるみたいでさ」

「へぇ〜かわいいじゃん」

「まぁそれくらいならいいんだ。ただ、分からないけど咲希さんの性格なのかすごくスキンシップが激しいんだよ。なんか毎日抱きしめてくるし、なんなら少し前にキスされたし」


アレは驚いた。まさか起きてキスされるなんて、ありえないだろ。俺のファーストキスは咲希さんに決まったんだからな!まぁ正直複雑な気持ちだったけど少し嬉しいところもあったけどな!ともかくなんとかして欲しい


「えええええええええ!?キス!」

「そうなんだよ、俺にファーストキスをキメてきたのは咲希さんなんだよ」

「おのれ!おのれええええええええええ!許さんッッ!」

「あ、咲希さんは俺とキスしたのがファーストキスだって」

「うわあああああああああああッ!聞きたくない」


何だコイツ?アイドルの結婚発表で狂ってるオタクかよ。もしかして咲希さんをガチで恋してるヤツだったのか?


「俺、咲希さんの事好きだったのにいいいいいいい!」

「お前、咲希さんの事好きだったの?」

「当たり前だよッ!半年前にな、一目惚れしたんだよ!体育館に体育着を置き忘れたところ、声を掛けて渡してくれたんだよッ!でも、この前会った時には顔を忘れられていたけどな!クソがッ!ああああああああああ死にたい」

「よせよせ、落ち着くんだ賢斗。君は俺より明るくて容姿も良くてスポーツも優秀じゃないか!だからいい出会いはあるはずだ」


おいおいコイツガチ泣きしてるぞ。欲しいお菓子をお母さんに買ってもらえないグズった子供みたいだぞ


「お母さああああん!、咲希さんがあああ!」

「おいおい、よせよ」


アレ?ポケットでスマホがなってる気がするな。とりあえず、電話っぽいな。咲希さんからだ。電話に出よう


「もしもし、咲希お姉ちゃんですか」

『そうだよ!今日もお昼ごはん一緒に食べようね?』

「分かりました」

『うふふ、それじゃあまたね』


そして電話は切れた。今日もお昼ごはんを一緒に食べる相手は賢斗じゃなくて咲希さんか。今日も咲希さんかぁ〜そう考えていたら頬が緩んでいることに気づいた


「あ、お前!咲希さんと、ちゃっかり電話していたんだよ!」

「ふふっ、賢斗が叫び狂うことだよ。咲希さんとお昼をすることになった」

「うわあああああああああああ!死ねカス!くたばれ、貧乏人!」

「元だけどな!でも今の言葉は少し傷ついたぞ」



お昼になり、眠気を振り切って咲希さんの教室に向かい全力疾走した。

咲希さんが大丈夫か少し心配になる。とりあえず咲希さんの教室に着いた


「咲希さんはいるか?」

「まーくん〜!」

「うお!?」


勢いよく抱きしめられた。そしてスリスリと頬ずりをしてきた。あぁヤバい

やっぱ、咲希さんってかわいい。どうしよ死んでしまう


「まーくん、会いたかったよぉ!元気してそうだね」

「そういえば、お弁当ないんですけど」

「あぁ、それなら大丈夫だよ。じゃあ、お昼ごはんにしようよ」

「そうですね」


今日も咲希さんとお昼ごはん。なんというか、すごくいい気分がする

今日のお昼ごはんはなんだろうか?


「まーくんがいないとやっぱり寂しいよぉ〜。まーくんが隣にいてくれたらなぁ」

「ダメですよ、僕は色々あるんですから、そんな簡単にいきませんよ」

「そっかぁ〜それでまーくん、今日のお弁当はなんだと思う?」

「なんですか?」


そういうと何やお弁当箱としてあまり見ないサイズの四角いものが出てきた

これがまさか、今日のお弁当なのか?


「今日のお弁当は牛丼弁当とあと、もう一つあるよ。それはお楽しみにということで」

「え?」


まだ他のものがあるのか?俺の胃は教室に戻ってくるまでに生きて帰れるか心配になってきたぞ

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