第13話 同衾したいの!

外から雀がチュンチュンと鳴いてる声が聞こえる。これはもう朝ってヤツか

でも、おかしいことがあるんだ。なんか甘い優しい香りがフワってするんだよ

しかもなんかベッドに違和感がある気がする。けど、これは夢だからか?

夢を見てないでいい加減起きないといけないな。よし起きるぞっ!


「は?」


目を開けて周りを見ると、そこは自分の部屋じゃなかった。

え、え〜!?どういうこと?これは夢か?でも、この部屋のは少し女の子っぽい雰囲気がある。え?ここどこなんだ?


「まーくんっ」

「うわっ!?」


後ろから急に誰かが抱きついてきた。聞き覚えのある声、これってもしや!?

ここはまさか!


「まーくん、おはよ?ぐっすり寝ていたね」

「あの間違えだったらアレなんですけど、ここは咲希お姉ちゃんの部屋ですか?」

「そうだよ〜?まーくんと私でこの布団で寝てたんだよ?急に抱きついてきた時はドキってしちゃったよ〜」

「うええええええええええええええええええええ!?」


どういうこと!?What do you mean?!全く理解が出来ないぞ?

どうして、僕はここに?tell me why!?え、自分のマイルームのベットで寝たよね?えっなんで?


「どういうことか説明してください。頼みます」

「う〜ん、まーくんを私のベッドまで運んだってところかなぁ」

「え!?咲希お姉ちゃんが運んだ?」

「まーくんが寝てしばらくして運んだの。それで私と一緒にぐっすり」


なんか背中が堅くてズリズリなんだろうなって夢で思ってたけど、あれは現実だったんかい。それより咲希さんがちょっとだけヤンデレ説も上がってきたな。怖いなぁ


「咲希お姉ちゃんってヤンデレ....?」

「違うの、違う!私はまーくんと同衾がしたいの!」


朝っぱらから咲希さんに同衾をしてほしいって言われるなんて思わなかった

これってどうすればいいのかさっぱり分からない


「え?」

「まーくんと一緒にベッドで一夜を共に過ごして寝るの!だめ?」

「あ、あの〜、朝ごはん食べません?」

「うん、そうだね!だけど私は同衾したいの!いや同衾して!これはお姉ちゃんの命令だよ?」


話を上手くすり替えようとしたが、同衾の話に戻された。同衾ってもう訳わかんないよ。ガチでこのお姉ちゃん何者なんだよ


「とりあえず、分かりました!」

「私はまーくんと今日同衾する気まんまんなの!だから同衾して、私のベッドで一緒にぐっすりね?まーくんの紳士って言ってるものが崩れても私は受け止めるからね?だから一緒に同衾してよ」

「それより、学校に行く時間が迫ってます」

「そうだね、だけど同衾」

「分かった!もう分かりましたよ!学校の行く時間も迫ってますし良いですよ!同衾してあげますよ」


あっ、やらかした。勢いに乗って言ってしまった。咲希さんはにんまりとしてる

しまった。これはもう逃げれないぞ。やるしかないのか。あ、やべええええええ!


「ふふ〜ん、そうこないとね!よーし!今すぐご飯出すからね。まっててね」


やっっちたあああああああああああああああああああ!もう手遅れだ

もうするしかないのかあぁ〜!!



朝食を食べて支度をして咲希さんと一緒に家を出た。ここでも同衾のお話なんだろうか?でも客観的に見たご立派な胸をしているナイスボーディーでかわいい年上のお姉さんと共に夜を寝れるんだからな。だから、こんなことは人生で一生、経験することじゃないかもしれないんだぞ!でもこれって誘われてるのか....?


「同衾〜!まーくんと同衾、んっふふ〜」

「俺と一緒に寝て何が良いんですか?」

「う〜ん、なんだろうなぁ。私にはメリットがあるの!私ってまーくんを抱きしめたりしないと死んじゃう病気だから」

「どんな病気ですか!そんな抱きしめないと死ぬ病気なんて」


というか咲希さんに毎日抱きしめられてる気がするんだが。逆に抱きしめられてない日なんてあったのだろうかってぐらい毎日、抱きしめられてる気がする


「う〜ん、私ってまーくんから出るエネルギーを吸収して生きてるのかも〜」

「や、やめてくださいよ!」

「いいじゃないのー?そういえばさ、まーくんっていつも私のどこを見てるの?」

「うえ!?どこってえ、えぇ?」


どこを見てるかといえば顔か?いや、でも気づいたら胸を見ていることがあるしな

でも身体全体を見てる感じがする


「顔ですかね?やっぱり咲希さん顔かわいいので」

「か、かわいい!?あ〜うん。ありがとう。まさかそんな事言われるとは思わなかったよ。でもさ〜私分かるんだよね。私の胸見てるでしょ?」

「え、えぇ!?確かに見ちゃいますよ....だって俺も男なんですから」

「うんうん、素直でいいよ〜私の胸って好き?」


誰しも女の子の胸が嫌いな人はいないはずだ。でもここは正直に言うべきか?

分からない。でもこの人の前では最終的に本音が出てしまう。ならば正直に言うしかないな


「好きです!俺は男なので、やっぱり好きです!」

「正直でいいね。ふふふ、いいこと閃いた。楽しみにしておいてね」


楽しみにしておいて?なに嫌な予感がする気がするけど、それは気のせいだろうな

でも何が起きるのかと考えるとドキドキする。いったい何をするんだ!?

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