第33話 父さんとの食事

親父(自称)と一緒に夕食を食べているのだが、どうしてこうなった

てか抜き打ちテストっていったいなんのことなんだよ?


「う〜ん、寒い時のおでんは最高だな〜!この大根よく染みていてすごいよ。咲希ちゃんって料理上手なんだね」

「いえいえ、そんな上手くないですけど」

「なんだよ真希?浮かない顔をして、俺のこと嫌いか?」

「嫌いだよ」


色々な不満が爆発して口から放ってしまった。あの時に暮らした時の理不尽なことが爆発してしまった。父さんは嫌いだ。でも、家のために必死に働いていた事だってわかるけど、やっぱり食費減らしたりするなんておかしい。しまいにはアルバイトで少しはなんとかなるとか言う発想も嫌いだ


「まーくん、ちょっと」

「まぁ、そっか。俺はクズだもんな。お前の親として失格なのは分かるさ。ごめんな。でも、青春はまだ終わってないからいいだろ?まだ高1だからさぁ」


もう2学期は終盤だぞ!?父さんの頭どうなってる!?あとどんな開き直り方だよ!

なんも反省していないだろ!俺、バイトで半年分の青春は消えたんだぞ。返してくれよ俺の青春よ!


「どうしてそうなるんだよ!父さん、病院に行ったほうがいいぞ」

「いや、だってさカヤさんと縁がなかったら借金生活のままだぞ」

「それはそうかもしれないが....俺の青春を返せえええええ!あと食費勝手に減らすんじゃねえええよ!」

「分かった、分かった。ごめんな。それは申し訳ない」


とりあえず、反省してるようだから許すとしよう。それにしては抜き打ちテストってなんだろうか?


「それはそうとして、抜き打ちテストとは」

「私も気になってましたけど」

「あぁ〜ちょっとな。カヤさんから頼まれたんだよ。それでいくつかカヤさんから君たち宛の質問がある。まぁ、あと個人的に聞きたいことはなどと。とりあえず、子供達を見てきてくれって頼まれたわけ。だから定期的にどっちかが帰ってくると思う」


そうなんだな。じゃあ、時々どっちかが帰ってくるわけか。それにしても、どんな質問が来るのだろうか?


「それで質問は?」

「カヤさんからの質問だが、性行為はしたか?」

「どんな質問をしてくるんだよ!?したことないよ。童貞だけどさ」

「私もそうだけど」

「なるほど」


そこで父さんニヤつくのは相当キモいだろ?てかそれ本当にカヤさんの質問かよ!?

絶対、咲希さんの情報知りたかっただけだろ


「次に結婚願望はあるかと来ているけど、どう?」

「俺は将来的にはある」

「わっ私はすごくある!」

「そうか。真希と咲希ちゃんはお互いをどう思ってる?」


どう思ってるってどうなんだろうか?難しい質問だ。逆に咲希さんは俺のことをどう思ってるんだろうか?俺としては優しくて、料理が上手でブラコン。あとはなんかえっちな感じもある。そしてかわいい。なんか考えていたら少しドキドキしてきたぞ?


「私は、まーくんの事がとびっきり大好き。ずっと居たいくらい好き、手放したくないくらい大好き」

「へぇ〜それはすごいな。それで真希は?」

「自分は咲希お姉ちゃんのことは、そのなんというか最強って言葉にふさわしい人だと思います!その....性格、容赦、技術的なところがすごいです。咲希お姉ちゃんのことは好きです」

「はわわっ!そんなこと言われると恥ずかしいって!」


咲希さんは照れてる。そして父さんはまたニヤニヤしてる。父さん、アンタ気持ち悪いぞ。さっきからニヤニヤしまくって


「なるほど、それで前より仲良くなったみたいだね。個人的な質問だけど、咲希ちゃん、ちょっといいかい?」

「えぇ、いいですよ」

「あそこに置いてあったメイド服ってなんだい?」


咲希さんはビクッとした。た、頼む!うまいことごまかしてくれるといいんだが

なんとかならないか


「それは、文化祭でメイド喫茶やった時の衣装です。まーくんが文化祭で楽しい思い出がなかったって言ってたので持ってきて見せてあげたんです」

「あ〜なるほどな。お前、文化祭で何していたんだよ?」

「受付を朝から晩まで休みなくやらされた」

「それは大変だな。メイド喫茶かぁ〜いいね。若いって」


そう言って軽く笑っていた。というか質問ってこれだけなのか?思っているより質問の数が少ないぞ


「質問ってそれだけなのかよ?」

「まぁそれだけかな。抜き打ちテストっていうか様子を見に来るって感じ。あと、トラブルは起こさなければいいんだよ」

「逆に質問いいかい?」

「いいよ」

「父さん、小綺麗になったよな」


いままで薄汚い作業着やジャージでそのまま寝て髪型ボサボサで外にいったりしていたけど、今だとキレイなスーツを来て髪型もピチッとしていて身だしなみがキレイだ

そこにはすごいと思う


「あぁ、それはな。ありがとう、カヤさんに色々と言われたからな。基礎からファッションを学んだよ。今じゃあコーディネートなんて楽勝だぜ」

「そうか。違和感しかないけど、いいと思うよ」

「それにしても、二人はお似合いだよなカップルみたいだよな」

「カップル!?いえ、そそそっそんな!」


咲希さんがあわあわとパニックになってる。だけど、なんで毎回そう言われるとあたふたするのだろうか?よくわからないところだ


「まぁいいよ。早くメシ食っていかないとな。抜き打ちテストはおしまいだぞ。おっとそろそろ行かないとな。ささっと食って....じゃあな!」


そう言って急いで出ていってしまった、いったいなんだったのだろうか?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る