第34話 お前ん家行きたい

昨日は急に父さんが凸ってきてすぐにどっかに消えたな。何があったのか今でもさっぱり理解が追いついていない。いったい、アレはなんだったのだろうか?まぁとりあえず、また咲希さんと二人に戻ったからヨシとするか


「なぁなぁ!お前ん家行きたい!」

「は?貴様何を言った?」

「え、お前ん家に遊びたいんだけど駄目?」

「うちの家なんもないけど。あと、咲希さんに会いたいとかほざくならば彼女いるから欲張るな」


なんで家に行きたがるんだよ?その理由がさっぱり分からない。本当に家に行ったところでなんもないぞ。いったい何が目的で行きたいと思うんだよ


「いやぁ、なんとなくさ。お前ん家すげぇデカいって聞くからさ、どれくらいかなって気になっていてさ」

「なんか理由にならない理由だな。正直に言っていいからさ、ぶっちゃけ隠してだろ?俺、怒らないからさ」

「それ絶対起こるやつじゃん。まぁ咲希さんとは会ってみたいよ?なんつーかな....プライベートなお前と咲希さんと触れ合ってみたいというか」


なるほど、結論としてはそうなんだな。でも咲希さん自身は、家に友達を連れてきていいだろうか。まず、そこから怪しいところだ


「まぁ、なんともいえないけど、触れ合うってなに?セクハラまがいな事は勘弁してくれよ」

「まぁ、アレだよ。すごろくとかそういうのやりたいんだけど。お前とやってみたいなって思うこともあるけど、2人ですごろくやるとかだとアレだろ?」

「じゃあ彼女と友達でやればいいじゃん」

「いや、そうじゃなくて!お前とやりたい訳」


じゃあ、俺だけで足りないなら彼女呼べばいいじゃないか。それで解決じゃないか?

やっぱり、咲希さんがメインで俺はどうでもいいんだろう!?


「そ、それはそうだな。だけど!相談して欲しいんだよ」

「分かったよ!一応電話するよ」

「今やれ。逃げるなよ」

「チッ、分かったよ」


しぶしぶと咲希さんと電話をかけた。すごろくの話をされた時、絶対に二人でやったほうが良いことがあるって気づいたのにな....でもやらないと行けない


『まーくん、どうしたの?』

「あのさ、友達がウチに来たいらしいんだけど」

『誰?山村くん』

「あ〜そう。賢斗」

『山村くんかぁ〜、ちょっとな....あ!メイナちゃんってどうなの』

「賢斗、電話変わるわ」

「え!?」


いやいや、お前の彼女の事情はお前しか知らないだろ。というか賢斗の彼女いれば問題ないのか?賢斗には少し信用がないのかもしれないな


『もしもし、山村くん』

「はい、そうです」

『私ね、悪いけどね?山村くんに対して信用がないんだよね』

「え」


賢斗がフリーズした。というか咲希さんがハッキリと信用できないって言うあたりもすごいな


『だけど、メイナちゃんがいるなら大丈夫だよ?山村くん1人だと、なんか信用できない。メイナちゃんは遊んだりしているから信用できるけどそれはちょっと』

「は、はぁ」

『それで何やるの?』

「すごろくとかですかね」


そういえば家にすごろくなんてあったのだろうか?意外とありそうだ。咲希さんが持ってそうな気がしそうだ


『すごろくね〜うちにあるよ!それでメイナちゃんと私遊びたいところもあるからメイナちゃんと連絡をつけてくれればOKだよ』

「わ、分かりました」

『それじゃあ、またね』

「電話終わったよ。なんとも言えない気分だぜ。前のこと覚えてる?水族館」


あぁ、アレか。あのホモデートか。ずっと咲希さんと行ったらいいなって思いながら水族館の水槽にいる魚を眺めていた印象しかない。


「あぁアレか。ホモデート」

「ホモデート言うな!あの時なお前と遊んだらさめちゃくちゃ連絡が咲希さんから着ていたやんか」

「そうだな。めちゃくちゃメッセージ送ってくるし、すげぇ電話もかけてきたな」


あの時はすごかった。すごい電話掛かって来て、しまいには咲希さんが不機嫌になったりして大変だった。これをやってコイツと普通に遊ぶことは不可能だと感じた


「だから、考えたんだよ。咲希さんはすげえブラコン末期だろ?肌身離さずお前といないと駄目な感じだろ?」

「まぁそうだな」

「だから咲希さんの見えるところで遊べば問題ないじゃないかって気づいたんだよ。だから、今回のことを閃いたんだよ!」

「なるほどな。それにしても、咲希さんに会いたいだけだろ?俺なんてどうでもいいんだろ」


賢斗は動揺してる。これは図星だな。いい加減、咲希さんのことを諦めろよ。彼女がいるんだから、いい加減にしろ


「うぐっ!そうですよ。さっきも言ったでしょ」

「彼女がいるんだから諦めろ。咲希さんはお前にはやらん」

「なんかさ、お前って咲希さんを独占しようとするところあるよな。姉版のシスコン」

「うぐっ」


確かにそんな気がするが認めたくない。コイツ、ムカつく。今すぐこの世からログアウトしてほしいところだ


「ははーん?やっぱりそうなんだ?」

「うるせええ!黙れ」

「ごめんってば」


次言ったらマジで許さん。

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