第10話 お昼ごはん

4時間目終わった!国語でやたらめったら眠たくなる内容だが、なんとか寝ないで授業が終わるまでやったぞ。これで休める....って、やべえ!これから咲希さんのところに行かないと行けないんだ!


「お〜い真希、一緒に飲み物を買いに行かね?」

「悪ぃな!ちょっと、用があって無理だから!じゃ、じゃあな!」

「お、おい!メシは?」

「咲希さんと」

「くそおおおおおおおお!」


賢斗の叫びが聞こえたような気がするけど、それより2年5組に行かないといけない

話ってなんだ?2年棟には居るけど、2年5組ってどこなんだよ!上級生になんて今までなんも関係ない存在だったからよく分からない。


「うわぁ〜わっかんねぇ!5組ってどこなんだよ」

「え、君5組行きたいの?」


およ?金髪の美少女さんが俺に話しかけてきたぞ!いい匂いがするなぁ〜

いやそんなことより5組がどこか聞かなくてはいけない!


「あ、そうです。あの5組ってどこですか?」

「私は5組だから、ついてきなよ」

「え、あっはい!」


こんなキレイな人ってうちの学校に居たっけ?まぁいいや、とりあえず教えてくれならそれで問題は解決するから良いんだ



「ここが5組。誰か探してるの?」

「あ、いや〜咲希さんを」

「え!?咲希の知り合い!?ま、いいや呼んでくるよ」


そう言って金髪美少女さんは教室に入っていった。そしてしばらくすると咲希さんがやってきた


「うおおお!まーくんだっ!かわいいねぇ〜」


急に抱きしめられた。しかも中々がっちりと抱きしめてきてるので相当、俺のことを寂しいって思ってたんだろうな。てか学校でそれはやめて欲しいのが正直なところだ

嬉しいのは確かなんだけど、それより恥ずかしい


「もうそろそろ....」

「あ、ごめんね!じゃあ一緒に食べようか」

「話ってなんですか?」

「あとで話すよ」



ということで咲希さんと対面でお弁当を食べることになった。上級生の教室で一緒に食べるこの違和感がすごい。けど、咲希さんって本当にかわいいくてキレイな顔をしてる。このクラスにいる男ならば、たぶん女の子の人気ランキングを作るなら確定で

1位に咲希さんが来そうだ


「まーくん、どうしたの?冴えない顔してるけど何かあったの?」

「あ、なんか他学年でこうお昼ごはんを食べて過ごすっていうのはやったことないので違和感があるだけです」

「そっかぁ、口を開けてよ?」

「え?」

「あ〜ん?」


えっ?えええええええっ!?俺にあ〜んをしてきてる!?おかしい!こんな事あっていいのだろうか?僕の人生ってもっとこう、父さんのせがれを背負って借金の返済に翻弄される人生なんじゃないか?ってあれ....?父さんの借金ってどうなったんだ?


「あれ、恥ずかしい?恥ずかしからないでもっと素直じゃないとね!あ〜ん」

「では頂きます」

「わ〜嬉しい!そういうところ私好き!」


俺が食べたことに喜んでる咲希さんマジでかわいいっ!しかもあ〜んんしてもらっただし巻き卵めっちゃ美味しいし!あぁ、もう最高だ。

しかし、父さんの借金の事を思い出してしまった。あんま思い出したくないことなんだが、確か借金が500万ほどあると言われた。アレはまだあるのか?


「父さんの借金ってどうなったんだ....?」

「まーくんのお父さんの借金?お母さんが全部変えしたよ?450万とかだったけなぁ。でもまーくんのお父さんにべた惚れしてる感じするね」

「逆に父さんみたいな人間がなんで惹かれるのかな」

「それは人それぞれだよ。だってさ、まーくんの事を興味ない人がたくさんいる中に私みたいな、まーくんに惹かれる人間だっているし。人それぞれかな!はい。あ〜ん」


確かにその通りかもしれない。人によって価値観が違うのは当たり前だ

でも、人生って不思議だと感じる。こんな美人でかわいい姉が出来ると少し前の僕なら考えもしないだろうな。なんというか幸せな気持ちだ


「幸せ」

「えっ?どうしたの」

「この穏やかな一時がすごい幸せに感じる」

「なんか、恥ずかしいね....そうだ!スマホなんだけどね」

「ねぇ」


さっきの金髪の美少女さんが声掛けてきた。もしかして、汚らわしい貧乏たぬきめ!

姫様と容易く戯れるな!って時代劇とかであるヤツみたいのが起きるのか!?

ジっと見てるし、女の子に真顔で見られるのってやっぱり怖い


「ひめかちゃん、どうしたの?」

「私さぁ、どうも気になるんだよね?この咲希ちゃんと一緒にお昼してる子がね〜」

「ヒッ!」

「ひめかちゃん、脅さないでよ?この子は私の弟の真希くんだよ!」

「ま、まき!?ウハハハハっ!」


やめてくれ!トラウマが蘇る!小学生の時、魔法少女のアニメを見ていたのがバレて女子の軍団に笑われながらリンチにされたトラウマが蘇るっ!


「何がおかしいの?」

「マキに咲希か〜!面白いね、これ!マキサキコンビだな!用事を思い出したなぁ〜それじゃあ、咲希ちゃんじゃあね〜!」


アレはいったい何者なんだろうか?少し気になるだがまぁいい。それで話っていうのはなんだろうか?


「話ってなんですか?」

「それはあとで、お・し・え・て・あ・げ・る」


うわあああああああ!なんだこのかわいい行動は、あかん。また咲希さんに惹かれる

胸のハートを破壊してきました。もうヤバいです。キュン死って言う言葉あったけど、これのことか。それより、今度はいったい何が起きるんだよ!

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