第45話 乙女のアピール
咲希さんが俺のことを好きだと?これはどういうことだ。いや、なんだ!?頭の中が混乱してマトモに頭が回らない
「まったく信じてない顔だな?私をなんだと思うのかね?」
「珍獣、宇宙人または、未確認生物といってところですかね」
「ちょっちょ!?真希くんよぉ?そちゃぁないんじゃないんかなぁ〜い?」
なんかまた人格が変わったな。というか久美さんがそれ以外に当てはまるものが正直ないんだが
「咲希さんが思ってることって言ったら傷つきます?」
「そちゃぁ、そうよ?」
「じゃあそういうことで」
「うっぐ、咲希め....とっちめてやんよ。それで君はどう思う。咲希ちゃんのことを」
どう思うと言われても、今ひとつ頭が冷静になっていないため思考が上手く回らない
だけど、なにか大切な人っていうのは分かる。特別で大切な人だ
「頭がぐわんぐわする....でも俺は咲希さんは大切な人だと思います」
「ほぅ、やる気になった顔だな。なぜ、咲希ちゃんが君の事が好きという事実が知ってるのか気になるよな?」
「今の喋り方はなんですか?」
「デフォルトの喋り方だな。まぁクソ真面目モードとも言うが。私はな君が思うがには99.9%ふざけていて、奇行が目立つビッチだと思っただろ?YES、それは正解だよ
しかし私にも真面目な時ってあるんだよ。咲希ちゃんには見せないけどね〜」
これがデフォルトの喋り方なのか。じゃあ最初のからそれにしてくれないですかね?
くっそムカつく喋り方なので
「おっと〜話が逸れたね。証拠はある、これから流すものは電話の会話だ。おや、イヤホンを持ってなさそうだね。私のを貸してあげよう。しっかり消毒してるぞ?」
俺は耳にイヤホンを入れた。組み立てるはニヤついて音声ボタンを再生した。しかし音がならない、これはどういうことだ
『どーしたのよ、咲希ちゃ〜んよ?』
『聞いて、私ってまーくんのことが好きなんだけどダメなのかな?』
『知らないってぇ〜。でも義理の姉弟だからぁ、結婚ができるよ〜?』
『そんなの知ってるよ!私はまーくんと末永く隣に居たいんだもん。だからそれくらい』
ちょ、ちょっと待ったぁ!?この人、俺と結婚するまで入ってるのかよ。まぁ付き合いたいっていうのがあるから、そういうのも考えるもんか。でも、この人どうしよう
なんかドキドキとしてきた
『へぇ〜君の弟くんは一目惚れなの?』
『それはそうだよ。私にとって1人のかわいい弟だもん。だけど、最近それも違う気がしてきた』
『違うって何よ〜い?』
『だんだん、弟っていうよりは男の子って感じがしてきたの。ずっと一緒にいたいとか。手放したくないというか、ドキドキするし』
なるほど、次第に気持ちが変わっていったわけか。これはブラコンの次元を超えてしまったって事なんだろうな。すると音声が急にプツンと消えた
「音声はまだ続くが、続きを聞かせても良いが条件がある。君は咲希さんに恋をしてるか?興味ないか?一度でも抱きたいとか思ったりしないか?ドキッとしたりしないか?君はクソ童貞陰キャだから、そういう体験が少ないはずだ。だから咲希ちゃんと触れ合った時にそういう感覚をした回数は数えるはずだ。正直にいいなよ」
「あります。なんというか、家族や友達に対しての好きじゃない好きの感情が湧いたことが何回かあります」
「いいことだ。その調子で聞くといい」
久美さんは満足げな顔をして再び音声を再生した、今度は何を喋ってるのだろうか
すごくドキドキして体が暑い
『私、恋してるのかなって。いつもまーくんのこと考えてる』
『それは、恋してるんじゃない〜?アタシは適当に面白そうな男と付き合っただけだし知らんけど』
『私ね、だからアピールしてるんだけど、喜んでいる感じというか....でも気づいてない感じして』
なるほど、俺って久美さんに言われたとおりのクソ鈍感野郎じゃねぇかよ!なんでだよ。でもいつからそういうふうに意識してやったんだ?
「悪いがこれは君に苛立ってしまったんだ。子供じゃないんだから泣くんじゃないぞ?いくぞ」
「ぐふッ....いてぇぇ!暴力はいけないですよぉ!いてぇ」
顔に拳が飛んできたぞ!?この人マジで頭イカれてるな。しかも女の子としての威力にして強すぎ拳だったぞ!?
「言葉の暴力を扱った人間がそれを言えるかな?私が殴ったのはな、君が乙女のアピールを気づかなかったことは重罪だ。ここがファミレスじゃなかったらフルボッコだったかもな」
「ハンバークが出てきそうです....」
「不潔だ、やめたまえ。君もドキドキをしているか?なら良いことだ。両想いって展開だな、ひゃ〜クソラブラブするんだろうな。リア充死ね」
「両想いですか」
俺は咲希さんのことが好きなのか?いや、どうなんだ。でもそんな気がしてきた気がする。どうすればいいんだこの先は、でも進むしかないんだ
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