第44話 密会の暴露

なぜか久美さんに絶賛、ファミレスで拉致らる中なんだが何をするつもりだ?この人なんか365度キョロキョロしていてなんというか奇妙だ


「なぁなぁ、ファミレスだよ?真希くんはファミレスに言ったら何をす〜るかい?」

「えっと、ドリンクバー」

「じゃあ、君にハンバークとライスを贈ろう。私はこう見えても肉食でね?まーくんも美味しくぺろり頂けそうだね。もちろん、君の大好きなドリンクバーをお付けしよう。さて、ファミレスに来たら?それはメシなんだぞぉ〜い?真希くんよ」


なんだこの人!?別人のように喋り方が変わったぞ!?この人は多重人格者なのか?それとも厨二病なのか?久美さんはご機嫌に鼻歌をしながら注文ボタンを押した。しばらくすると店員が来て、ハンバークの大盛りライス付きとドリンクバーを2つ頼んだ。咲希さんという抑える役がいないから正直いってマジで怖い


「私が君をコールした理由は分かるかね?」

「いや、さっぱり分からないですけど」

「真希くんにドキドキのアオハル情熱情報を教えてしまうかなってね?それよりまだ童貞?」

「童貞イジりは勘弁してくれよ」


なんでこの人、童貞チェックしてくるんだろうな。それ、なんでやるのか知りたいところだ。というか気になるから思い切って聞いてみよう


「へぇ〜童貞?ウケる」

「なんで俺のことを童貞かってチェックしてくるんですか?」

「それは咲希ちゃんとセッ」

「分かりましたよ!あなたがそういうの確かめたいんでしょ?」


まったく呆れる人間だ。それで早く要件を言って欲しいんだが、なんだっていいたいんだよ?今頃、咲希さんが心配してるんじゃないか?


「おっと言い忘れた。電話は私に渡してくれないか?電源を消して預かっていただく」

「それでけ重要と?」

「YESとも」


なんだ、このアクション映画のワンシーンみたいな展開は!?久美さんはどっかのエージェントか何かかよ?


「では聞きたまえ、Mr.真希?これは密会の暴露だ。今から話すことは恋だ。コイと言っても錦鯉とかの鯉じゃないぞ」

「分かりましたよ。あと錦鯉は鯉じゃないですよ」

「知識が浅いな、Mr.真希。錦鯉は鯉を鑑賞用に改良した鯉なのだ。だから完璧に鯉ではないという考えは間違えだ」

「へぇ〜そうですか。それより話を進めてくれないですかね?」


そんな、しょうもないことで揚げ足取らないで早く話を進めてくれ。だんだんイライラしてきた。咲希さん大丈夫かな


「君はイライラしているな。それはどういう感情だ?私がグダグダ喋ってることに苛立っているのか?」

「えぇそうですよ!」

「おまたせいたしました〜ハンバークステーキ2つと大盛りライスです。ごゆっくりお過ごしくださいませ」

「さて、食事でもしようかね?君も食べたほうがいい。食事は脳みそのエネルギー補給でもあるからなぁ」


とりあえず、言われたとおりにハンバークを食べた。口の中で肉汁が広がって、とても美味しい。そしてご飯をくちに頬張る。これは美味しいな


「うまい!」

「ご機嫌がよくなったみたいだな?まぁ、落ち着いてる様子だな。Ms.咲希のことなんだが。彼には好意を持ってる相手がいるんだ」

「その話なら聞いたことありますよ」

「ほう、それは心外だな。Ms.咲希がそんなことを語るなんてな。さてはMs.咲希は気づいて欲しいとアピールをしたのか?すまない、気にしないでくれ」


なんか、この人バリバリ厨二病入ってるよな?絶対これはアクション映画見て厨二病になったんだろ?


「それで?」

「単刀直入に言おう。いいか?」

「いいですよ」

「よし、じゃあ言うぞ。咲希は咲希のことが好きだ?」

「え?」


なんだそれ?うん?それはいったいどういうことだ。謎が謎を呼ぶワードだな

まるで意味がわからないぞ


「あぁクソ、いいわもう!だいたいあなた達分かりにくいのよ、真希に咲希ってわかりにくいのよ!ったくもう。気づかないの?ねぇ」

「何がですか?」

「本当に鈍臭いねッ!咲希の気持ちが伝わらないのはこういうことね」


なんかまた別の人格になったけど、どういうことなんだ。俺が鈍臭いとはいったいどういうことなんだ?


「ごほん、失礼。取り乱したのだが、君は勘が壊滅的に良くないな」

「なんかバカにされた!?」

「それでなんだが、咲希は君、そう真希のことを恋愛対象として好意を抱いてる」

「久美さん、それは冗談でしょ?」


さすがに、ブラコンでもそれはないだろ。どうせ久美さんがからかってるだけじゃないのか?


「本当に私が言ったことが冗談だと思うのかね?」


その瞬間、パチンと乾いた音が鳴った。とてつもない速さで頬にビンタをしてきた

これはいったいどういうことだ?


「なんですか....!?急に殴って」

「いいかい、これはフィクションじゃないんだ。ノンフィクションだ。私がいつまでも、ふざけてると思うな!」


つまり咲希さんは俺に恋してるってことか?そう考えた瞬間、衝撃のあまり頭が回らなくなった

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