第2話 どうしてこうなった

どうしてこうなった。マジでそう思ってる。なんで俺は朝から引っ越しの作業をしてるのだろうか?とりあえず、服など自分の身の回りのダンボール箱に詰め込んでいる


「よし!準備は終わったか〜?」

「あぁ、まぁね」

「じゃあ、行くぞ」


父さんが車に荷物を入れて出発した。しかし、俺は妙に違和感を覚えた。ウチには車なんてないはずだ。これはどういうことなんだ?


「父さんって車持ってないよな、これ誰の?」

「ウチの家のだ。まぁカヤさんのモノってところだな」

「カヤさん?」

「あぁ、まぁ再婚した相手っていうか....そんなところか」



あまり話さない父さんと色々と話していた。なんというか不思議な気分になった。家にほとんどいない父さんなのだが、今日は休暇を取っているらしい


「着いたぞ」

「え?どこなの家?」

「そこだよ。新築で一括払い」

「ええええええええええええええええええええええ!?」



う、嘘だろ!?昨日、バイトで郵便配達した家だ!めっちゃキレイで出来立ての家だ

ドアとかなんか高めでオシャンティーなぁって思っていた、そこなん!?え、えぇ?


「どうしたんだよ?真希」

「昨日、バイトで郵便配達したところなんだよ。なんかメッチャきれいな家だなって思ってたけど、ここが俺んちになるの....?ヤバいな」

「とりあえず、入るぞ」

「え?え、ちょっとさ!」


父さんがとことこ歩いていき、俺は焦ってって付いていった。父さんは意識高めそうなドアを開いた。するとそこにはキレイな女性が立っていた


「武彦、おかえり」

「ただいまカヤさん。それで連れてきたよ、アイツ」

「あの子なの!?なんか、マジメそうな顔していていいわね。はじめまして、私は神田じゃないわ!柴田カヤよ。今日からあなたのお母さんよ。君が真希くんでしょ?」

「そうですけど」


ずいぶんキレイな女性だ。いったいいくつだ?父さんがたしか45とかそんなところだから、いったいなんだろうか?見た目だけなら20代後半って言っても分からないくらい美人だ。これが俺のお母さんになるなんて、ありえないな話だな


「カヤさん、コイツの部屋を教えてくれないか?」

「いいわ。教えてあげる、荷物持ってね」


自分のものが入ってるダンボールを持ってカヤさんのところについていった。階段を登り歩いた。するとついたのか足が止まった。


「ここだわ。好きに使っていいよ」

「え、えええええええええええええ!?」


す、すげぇぞ!真っ白なキレイな壁、そしてなんかフカフカしなベットに新品の学習机がある。そして、テレビもあるぞ!?まるでホテルみたいだ。すごすぎる


「え、ここ俺の部屋なんですか?」

「そうよ、好きに使うといいわ」

「ありがとうございます!好きに使わせていただきます!」

「そんな土下座しなくたっていいから!本当に好きに使っていいから。向かいの部屋がサキの部屋だから」


サキ?いったい誰のことだ?もしかして、俺のお姉ちゃんなる者の名前か?一応、聞いておこう


「サキ?」

「アレ?聞いてなかった、サキは真希くんのお姉ちゃんになる人。でもそんな年の差は無いからなれるんじゃないかな?それじゃあ、またね」


そう言ってカナさんはどっか行った。なにか忙しいのだろう

そのサキさんとか言う人は優しいのかな?ちょっとドキドキしてくるな。まぁいい

持ってきたものを置いたりしよう



「ふぅ〜終わったぁ!てかベッド、ふっかふっかやな!すげぇ〜、ヤベ、これ気持ちよすぎて起きれないヤツじゃん」


なんとか片付けを終えた。元々、俺の荷物って少ないから大した量じゃないけど

少し疲れた。それにしても、このベッドに気持ちいいわぁ〜


「え?」


ドアをノックする音が聞こえた。いったい誰なんだ?親父か?まだメシとかにしては早いしな。なんだろうな?


「ねぇ〜?入っていいかな?」


若々しい声をしてる、これってもしや、さっき言っていたサキさんっていう人か!?

ど、どうしよう?とりあえず片付けなら終わってるし入っても問題ないが、問題ないという訳でもないが、とりあえず問題ないか


「は、はい!」

「私の弟くんになる人は誰かな〜?写真通りだ!えへへ....かわいい」

「え、えっと....どなた?」

「どなたとは言われる寂しいなぁ、今日から君のお姉ちゃんになる咲希だよ!お花が咲く希望って書いて咲希だよ?よろしくね」


かわええええええええええええええ!黒髪で清楚な感じだですごいかわいい。

スタイル抜群で胸が大きいヤバい。なんだ、この人!?この人がお姉ちゃんってことになるんだろ!?なんか、すげぇ優しい雰囲気が出ていて包容力がある感じなんだけど


「あ、あぁ....よろしくお願いします。あの俺が柴田真希です」

「真希くんだよね!じゃあ、まーくん隣、座っていい?」

「どうぞ!どうぞ!」

「優しいね、まーくん」


は、はえええええええ!?もう死にそうッ!耳元でそんなこと囁かれとかもうヤバい

死にます、いや死ねるわ。美少女と無縁の男が初手で耳囁きされるとか

マジでああっ!どうしてこうなった!?

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