第3話 お姉ちゃんって呼んで
家計を支えるために友達と遊んだり、女の子を誘ったりする青春をドブに捨てた男が今、めっちゃかわいい女の子が隣にいるんだがああああ!?
しかも毎日いる。24時間365日 every day と居るのだ!ヤバいだろヤバ過ぎる
「どうしたの?顔を真っ赤にして?あ、分かった!女の子とあんま話さないんでしょ?ふふふ、かわいい」
「え!?あぁ....その。咲希さんの言う通りです。俺、家計を支えるためにバイトしてたんで友達とか少なくて、下校したらバイトって感じで」
「そうなんだ、それは寂しかったね。けど、私がいれば大丈夫だよ」
え、えええええ!?なんか抱きしめられたんだけどおおおおお!けど優しい甘い香りがして身体がポカポカしてる。なんか、溶けてしまいそうだ。てか、こんな女の子の胸って柔らかいんだ。陰キャとしてこんな体験ができるとはありがたき幸せ....!
「咲希さん、温かいです」
「あ、咲希って呼ばないでいいからさ」
「え?」
「お姉ちゃんって呼んでくれるかな?まーくん?」
はぎょおおおえええええ!?そういうことか!?けど、なんというかお姉ちゃんって言うことに抵抗がある。いきなりは言えない
「どうして黙り込んじゃうの?恥ずかしいのかな。でも、私まーくんに言って欲しいかなぁお姉ちゃんって。私、その方が嬉しいし、まーくんのことが好きになるかな」
「お姉ちゃ....ん?」
「よく出来ました!まーくん、やれば出来るじゃん!」
またハグされたあああああ!?てか押し倒れた!咲希さんが俺の顔をスリスリしてる
けど、すごいかわいい。このかわいいさはもう昇天してしまうやろうが
「抱きしめてくれるのは嬉しいんですが、ちょっと離れてくれないですか?」
「あぁ、ごめん....嫌だったら言っていいからね」
「いや、なんかちょっともったいな事しちゃったな」
「やっぱして欲しい?まーくんかわいい....じゃあしてあげるよ」
俺、もう死亡。青春を全部ドブに捨てたような人間にはそういう抱きしめられる耐性はついてないから。マジで死にそうなくらいヤバい
「もう、そろそろ....」
「そうだね!また抱きしめてあげるから」
「そんなに僕のことが好きなんですか?」
「あのね、私は弟がほしかったの。昔からね?どんなモノよりも弟が欲しかったの。毎日、いつか弟ができるといいなぁって思ってたの。そしたらまーくんがやってきたの。その話を聞いた時はすごく嬉しかったよ」
そんなに弟が欲しかったのか。だから、あれほど抱きしめてくるのか
だいたい理由が分かったけど、この世でこんな人は1人しか居なさそうだな
「そうだったんですか」
「どんな子かなってドキドキしてたけど、もしかしてヤンチャな子なのかなぁって思ったりしてたけど、すごくマジメそうで何より私のどストライクな子が来ちゃったからもう、ダメ!ダメ!かわいい、まーくん好き、しゅきぃ」
こういう時どうすればいいのか分からない。だれか対応できる人間いれば助けてくれよ。知ってる人間がいるなら至急、連絡をして欲しい
「あ、あの〜咲希さ」
「お姉ちゃんって呼んでくれないかな?私ね、弟ができたらお姉ちゃんって言われるのが夢なんだ。だから、わがままだけどダメかな....?」
そんなうるうるとした目で見られたって困る。というか俺の心臓が死にそうです。不整脈になりそうだ。でも、それくらいなら構わない。もっと俺が想像する義姉になる人間は出会って初手で腹パンされたりパシりをくらうのかと思ってたので、それくらいなら全然いい
「分かりました。じゃあお姉ちゃん」
「ああああかわいいいい!お姉ちゃんって呼ばれた!かわいい」
「俺ってそんなかわいいですか?」
「私からしたらバッチリかわいいと思うよ?だって私の好きなタイプの子が来たんだもん。かわいいもん、弟だからさ」
俺、一日で女の子にこんなかわいいって言われたことないわ。それにしても、咲希さんってかわいい。これが俺の姉か。幸せすぎるだろ
「そ、そうですか」
「ねぇ、まーくんからして私ってどう見える?怖い?優しいのかな?正直に言ってよ。私はまーくんの言うことは怒らないよ?」
「すごくかわいいくて、なんというか優しくてどこか包容力がある雰囲気があってあと、む....」
「あと、む?ハッキリ言いなよ。私は受け止めるよ」
しまった!どうすればいいんだ!?胸が大きいと言いかけそうになった事を聞かれた!もう途中まで耳に聞こえてるんだ。ここはもう正直に言うしかない。もう咲希さんのこのスマイルした表情は見れないだろう
「胸がすごく大きいです....」
あ、もう終わったわ。俺の人生終わった。もっといいごまかしはなかったのだろうか?もうすぐ、強力なカウンターが入ってくるだろう。もう終わりましたね
「そっかぁ〜、まーくんを誘惑するためにあるんだよ?うふふ、辛くなったらこの胸に向かって飛んできていいからね?」
「え、えぇ....?」
「ほらこんな感じでさ」
うおおおおおおおお、咲希さんの胸に顔が挟まれてるううう!やべ、こんなことあっていいのだろうか?いや、ダメやろうな
「咲希〜?」
「は〜い!」
カナさんが入ってくるヤバい!ヤバ過ぎるぞおおおお!!!これは間違いなく誤解される、今もうドアが開くぞおおお!終わったあああああ!
「あ」
マジで終わったわ、ここにおいて俺の人生終わりか。誰かなんとかしてくれ
至急、頼むよ....
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます