第7話 お買い物デート

「どうしたの?これはまーくんのだよ」

「そんな大金受けとれません」

「えっ?だって、これお母さんからのお小遣いで渡されてるヤツだよ?」


あ、これすっげ〜恥ずかしい思いしたわ。てっきり咲希さんからのポケットマネーのものかなって思って焦ったけどなんだ少し安心した。けど、これカナさんからのお小遣いだろ?お小遣いで1万ってヤバくね?


「あ、あぁ。そうなんだ!けど、1万かぁ〜すごいな」

「あとお母さんがまーくんの口座に10万振り込んだって言ってたよ」

「え、ええええ〜!?」


10万!?そんな人間ってポンッて10万を口座にいれるのかよ。あのカナさんって人マジで何者?


「それより、朝ごはん食べてよ。お腹すいてるでしょ?」

「あぁ、そうだね。喜んで食べるよ」

「そう言ってくれるて嬉しいな」


朝に朝食はサンドイッチとサラダだった。そして飲み物にアイスコーヒーが置かれている。まるでオシャレな喫茶店のモーニングランチみたいだ


「咲希....お姉ちゃん、こんな美味しいの作れてすごいね!」

「あはは、ありがとう。まーくんに言われるの嬉しいな。けど、うーん....」

「どうしたの?」

「いや、なんでもない!」



朝の食事はとても良かった。けど、あの時は少し複雑そうな表情を少ししていたけどいったいアレはなんだろうか?


「今日の朝食は美味しかったなぁ〜今日はどうしようか」

「私とお買い物デートしないかな?」

「えぇ!?」

「嫌かな?私はまーくんと行きたいなって思ってたんだけど」


残念そうな表情をさせてしまった。違うんだ。別に咲希さんと一緒に買い物に行くのは嫌じゃないし、むしろ良い方だ。俺はなんで『えぇ!?』って言ったんだよ!


「行きます!行きましょうよ」

「そっかじゃあ準備して行くよ」



という訳で、ショッピングモールに咲希さんと一緒にお買い物をすることになった。なんというか、女の子が一緒にこんなところに行くのは慣れなくてドキドキ

している。どうすればいいのかって必死に頭を回してる


「慣れてなさそうな顔をしているけどショッピングモール行くのは初めて?」

「いや、小さい頃に言ったことがあります。けど、俺は咲希さんみたいなキレイな人とショッピングモールに行くみたいのはないので」

「か、かわいい!?恥ずかしい....あ!そうそう欲しい本があるんだよね。ちょっとあそこの本屋さんに行っていい?」

「いいよ」


自分はお金は持ってなかったから自分で本を買ったりしたことはない

かといって欲しい本なんてないから買わないから本屋は自分にとって用がない場所

だと言える


「買ってきたよ!」

「は、早い!もう終わったんですか?」

「うん、まぁね。まーくんは欲しいものってあるの?」


自分の欲しい物。自分が欲しい物っていうの特にないに等しいかもしれない。せいぜい言うならば少しシャーペンが壊れたから買うか考えてるぐらいだ


「自分は特に欲しい物はないかな。でもちょっとシャーペンが壊れたのを思い出したってところですね」

「じゃあ、文房具屋さんに行こうっか」

「そうですね」

「私も何か買うかもしれないね」


文房具屋についた。文房具屋にはたくさんの文房具が並んでいた。俺はシャーペンのコーナーを見た。いつも買ってるシャーペンを買おうと思ったが、お小遣いをもらったことを思い出し、少し高いシャーペンを買ってみた。そして、咲希さんもなにか

買ったみたいだ



「まーくんってさ、お財布買わないの?」

「財布ですか、俺はそういうのにお金を掛けるの余裕もないので買わないですね。もっと学校の消耗品とかにお金を使いたいので」

「そっか〜。あっ!ちょっと待っていて」


どっか咲希さんは行ってしまった。トイレにでも急に行きたくなったのだろうか?

ダッシュで行ったからなぁ〜いったいなんだろうか?分からないな


「よお、真希!お前がショッピングモールにいるなんて不思議だな。なんか、あったのか?てかバイトは?」

「バイトは契約が終わって、しばらくはバイトしないかな」

「そうなん!?いや、お前は家計を支えるためにバイトしないとイケないんだろ?」

「まぁ〜そこらへんはなぁ....賢斗、学校で会った時に話すよ」

「お、おう!じゃあな」


まさかここで賢斗と会うとは思わなかった。賢斗は俺の数少ない友達の一人だ

やっぱ普通の高校生はこういうところに遊びにいくんだろうな。それにしても咲希さんとばったり会う展開にならなくて良かった


「ま〜くん!」

「あ、どうしたんすか?」

「これ、私からのプレゼント?」

「見ていいですか?」


咲希さんはニコニコと嬉しそうな顔をしている。この袋にはなにが入ってるんだろうか?少しドキドキとする


「え!?これは財布ですか?」

「うん、そうだよ?まーくんのお財布がボロボロだったからさ、その....なんていうか私からのプレゼント!使ってくれたら嬉しいな」

「ありがとうございます!俺、これ大事に使いますよ」

「やった!喜んでくれて良かった〜」


まさか、お財布をプレゼントされるとは思わなかった。本当に咲希さんってステキな人だな。この魅力には虜になってしまいそうだ

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