第8話 お姉ちゃんと一緒に行こうね

昨日は、疲れたな。けど、嬉しかったこともあったからいいか。もうそろそろ起きないと学校に遅れるし。


「ふわ~、起きよう....」

「おはよう、まーくん?」

「うえええええええ!?」


なんかまた咲希さんが添い寝してるううううううう!?えっ?どういうこと

てかいつから添い寝してるんだ?


「さっ、ご飯だよ?」

「いやいや、いつから俺のベットに居るんですか!?」

「1時間前かな?いい寝顔だったよ?それよりご飯食べてね?」

「わ、分かった」


制服に着替えてリビングに行った。どうやら、親はもう家には居ないみたいだ

ずいぶん早く家に出るんだな


「ご飯置いてあるから食べてね?」

「うん、分かったよ。それにしても咲希....お姉ちゃんはもう食べたの?」

「そうね、もう食べたよ!あとまーくんのお弁当も作っといたよ」

「え、ありがとう!俺、嬉しいな」

「それより早く食べてね?」


今日の朝食はごはんに味噌汁、そしてアジの開きにたくあんと日本の朝食らしい雰囲気がするご飯だった。どれも、美味しくてごちそうだった。自分も自炊をして生活をしていたけど、これほど美味しいものは作れない



「ごちそうさまでした」

「うん、きっちり食べてくれたね」

「いえ、美味しかったんで。あと皿洗いやっときますよ」

「大丈夫だよ?それより学校にいく準備しといてね?お姉ちゃんと一緒に行こうね」


咲希さんはにっこりと微笑みかけてきた。ヤバい、この人は女神なのかな?美味しいご飯出してくれるし、お弁当作ってくれるとかヤバいでしょ。とにかくすごい



「今日は晴れてるね〜、まーくん?」

「そうですね。あの、外でそう言われると恥ずかしいんで」

「そう?まーくんって言われてバカにする友達がいるの?」

「いや、そういう訳じゃなくて」

「おちょくってくる悪い人はスルーっていう攻撃に弱いんだよ?だから気にしなければいいんじゃない?」


まったく言ってその通りだ。俺は何考えてるだよ。もともと、俺のことを見てる人間なんていないくせに何を考えてるだよ


「ド正論ですね。すいません」

「いやいや、大丈夫だよ。それより聞きたいことあるんだ」

「なんですか?」

「お姉ちゃんって言うの嫌だよね?その、なんか恥ずかしいのかなって」

「えっ」


気づかれていた!?正直、お姉ちゃんって言うのは恥ずかしくてうまく言えなかった

毎回、咲希さんと言いかけそうになってしまう


「だから、本当嫌なら言わなくていいから」

「いや、そのお姉ちゃんって言葉に慣れないんです」

「そっか、でもお姉ちゃんって言って欲しいな」

「じゃあ、咲希お姉ちゃんでどうですか?俺的に呼びやすい名前が今ピンときましたよ」


すごく嬉しそうな顔をしている。よかった、これだったら俺も言いやすいからこれで問題ない。


「咲希お姉ちゃん....すごくいいね、それでいいよ!」



なんとか学校に着いた。けど、なんかすでに疲れた。というかやっと一人で過ごせる時間だ。咲希さんが嫌いじゃないけど、女性経験ナシの人間にはもうヘトヘトだ


「あ〜もう疲れた」

「よっ真希!なんか、くたばってるけどどうしたんだよ?」

「いやな、姉が出来てさぁ」

「あ、姉ぇ!?お前、姉が出来たと言ったな?」

「しまった!」


ぼけーっとしていたら口からポロッと言ってしまった!これは面倒なことになったな

でも暇はあるからしっかりと賢斗に訳を説明してやろう


「姉ってなんだよ!おい、どういうことだよ?昨日からお前、変だぞ?」

「言っただろ賢斗?『明日、学校で話す』って言っただろ?だから今教えてやるから。お前が変な誤解される前に説明してやる」

「了解した。それでどういうことなんだ?」


やっと冷静になったみたいだな。まぁコイツに説明しといたほうが彼女出来たのか?とかいやらしい関係なのかとかそんなウザい質問されなくて済むからしといたほうがいいだろう


「分かりやすくステップを踏んで説明しよう。その1、親が再婚した。その2、父さんが再婚した相手には連れ子がいた。その3、その連れ子は1つ年上ですごくキレイでかわいい女の子だった。その4、その姉はここの学校の人間。つまり2年生」

「なるほどな。それでバイトしなくていいって言うのはなんでだよ?」


そのことに関しての説明が抜けていたな。たぶん聞いた賢斗はビックリするだろうな

理解が追いつかなくなるかもな


「まぁ再婚相手の人が超お金持ちな訳。立派な新築の一軒家を一括払いする人で、それで今は新築の一軒家に住んでる」

「えええええええええええええええ!?マジかよ!じゃあお前は一軒家に住んでるの?新築の!」


本当にありえない話だよな。だって再婚してめっちゃかわいい姉が出来て新築の一軒家で一緒に暮らすことになりましたってどこの映画だよってなるよな


「まぁそうだな〜バイトの件にはまとめると、相手がお金持ちで家計のこととかそういうのがその人のおかげで言ってしまえばチャラになった訳」

「すげえええええ!」

「いや本当だよな」

「まーくん」


アレ?なんか聞き覚えがある声が後ろからしたな。ま、まさかな.....ハハハッそんな訳ないよね?

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