第37話 女装デート
地獄みたいなことが始まったんだが、咲希さんと俺はショッピングモールにいる。今すぐにでも帰りたい。というか街の通りすがりの女子にかわいいとか言われたけど、俺そんなかわいいのか?それより、とにかく帰りたい
「咲希お姉ちゃんにそんな趣味があるなんて思いませんでしたよ!こんな羞恥プレイどうやったら浮かぶんですか!?」
「う〜ん、なんとなくかな?それにしてもどう今の気持ちは」
「咲希お姉ちゃんが、こんなドSだと思ってませんでした。Mだと思っていたんですけどね」
「わわわ、私がMだっていいたいの!?私、ギャルの子にモテないし、歌唱力はあんまないし」
そっちのMじゃないっす。俺が言ってるのはマゾの方です。どうしてそっちが浮かぶんだよ。今の人はそれ知らないだろ
「そっちじゃないです。咲希さんってドMだと思ってましたよ。なんか毎回、誘惑してくるし。なにかやってほしいっていうか」
「それはドMじゃないよ!それはどっちかと言えばSだよ。あぁ私Sだ。まーくんをイジることしか考えてないから」
今、自覚があったみたいだな。でも確かに言われてみれば咲希さんはSっぽいところもあるかもしれない
「あ、咲希さんじゃん!それにしても隣にかわいい女の子いるな。咲希さん1人とは珍しいですね〜!隣の女の子は誰なんすか?」
「私の親戚、真子ちゃん。かわいいよね」
「めっちゃかわいいっすよ」
え、コイツマジで気づいてないの!?というか咲希さんが勝手に設定作られてる!?でも気づいてないのは驚きだ。俺ってそんなかわいいのか?
「えぇ!?かわいい写真一緒に撮っていい?」
「真子ちゃん!しっかり演じて」
演じてって今言いましたよね!?演じろってなんだよ!コレとか変えるとか無理なんですけど!
「真子ちゃんかわいいよね〜」
「え、えぇ。そうなのかな?」
「声はちょっと低いけど、いいね〜!」
「あ、ありがとう」
なんかナンパされてる!?いや、そんなに俺の姿が女っぽいのか?なんというか不思議だ。てか、妙に尻を触られてる感じがあるな。
「写真撮るよ!はい、チ〜ズ!いい感じで撮れたね〜気に入ったよ」
「あ、あの名前って」
「俺は賢斗!よろしくな」
「浮気はだめですよ?」
そういうと賢斗はめっちゃ慌てている。そしてあたふたしている。目が游ぎまくってるしコイツ大丈夫か?
「ななんなんででで、浮気きききなんていいいうのかななな?」
「賢斗くんバグってる?賢斗くんは彼女がいるでしょ。咲希ちゃんから聞いたの」
「あぁ、そうなのか?ははは、浮気なんてしないんだよ。ただ少し真子ちゃんの魅力に惹かれただけだよ」
それってアウトじゃないか?でも、これなんか楽しいな。ドッキリの仕掛け側にでもなって気分だ。いつバラしてやるかと考えると楽しいな。とりあえず少しボロを出してみよう
「おい賢斗!浮気してるんじゃねぇよ」
「真希の声!?どこにいるんだよ!咲希さん、真希いるのか」
「いないよ?今日は家で寝てるよ?」
「なんだ、気のせいか」
まだ気づいてないのか。そろそろバラしたくなってきた。なぜか恥ずかしいって感情が消えてるのだが慣れてしまったのだろうか?だとしたら自分が恐ろしいな
「ねぇ、言っちゃっていいかな」
「言いたかったら言っていいよ?もう満足できたし」
「え!?いったい何を言ってるんだよ」
「おい賢斗、俺は隣にいるけど」
「え、隣?真子ちゃんじゃん」
もしかして現実逃避でも始めてるのか?でもこれはハッキリと現実だぞ?認めるしかないんだよ、賢斗くん
「おい、俺は隣。顔を見ろ?口の動きと声が一致してるだろ?」
「え、ウソウソ!マジで、お前がじゃあ、真希なの....か?」
「そういうことだよ」
「嘘だろ....誰か説明してくれよ!」
現実ですね。賢斗くん何度も思うが現実は受け止めるしかないんだぞ。というか俺で興奮していたって考えると面白いものだ
「現実だよ」
「諦めたわ。というかお前に興奮していた俺が逆に面白いな。というかなんでお前その格好になってるの!?」
「あ!う、うぅ....」
「私の命令だよ?少しわがまま言ってたけど、大人しくしてくれたんだよ。すごいよね、まーくんって」
急に羞恥心の感覚が戻った。というか咲希さんがサラって言うあたり勘弁してくれよ恥ずかすぎて死にそうだ
「恥ずかしいいいいいいい」
「えぇ!?あんなに慣れてたのに」
「真希、お前さ女の子になって生きれば?」
「何言ってるんだ貴様」
もう二度とこんなことしたくないわ!今度やるとか言ってきたら何が合っても逃げてやる。今度はもうやらないからな
「だってさ、男やっていたってさ覇気がない男なんだからさ?女の子やってかわいいなら女の子やったほうが良いって!」
「お前、殴るぞ」
「それより、野菜とか買わないと行けないから、もうちょっと我慢していてね?」
「うわあああああああああああああ」
地獄はこれからみたいだな。誰か着替えを持ってきてくれ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます