第39話 夜のお出かけをしたい

休日のなんもない日にこたつをぬくぬくとすることは至高の極みである

今週は女装の羞恥プレイをされて、しまいにはこたつを出せと扱き使ってきて

こたつはぬくぬくとできて非常に最高にいいものだが、こたつの件には一つ不満がある。どうして咲希さんの部屋にこたつがあるんだ!?お金があるなら、生意気だけど自分の部屋の分を用意してほしいところだ


「なんで、コタツがこっちにあるんですか」

「お姉ちゃんだから」

「理由になってませんよ?僕の部屋にはなんでないんですか?」

「お姉ちゃんだから。だって、姉弟の距離を近づけるにはそういうことした方がいいでしょ?私、お母さんと話して決めたことなんだからね」


絶対、アレだろ?そう言ってるけど、お店で1つでいいとか駄々をこねていただろ?

その姿が目に浮かんでくるんだが。9割は咲希さんの意図だろうな


「いや、咲希お姉ちゃんが駄々こねたんでしょ?」

「うっ!いや〜そんな訳ないよ?お姉ちゃんだからね....だってそうでしょ!?まーくんより、私は大人だよ?」

「見た目は大人っぽいところは少しありますけど、中身はちょっと子供っぽいところもありますよね」

「うぐっ!そそういえばさ!イルミネーションとか興味ない?」


急に話題をそらそうとしても無駄なんだが、もういいや。とりあえず、イルミネーションか。イルミネーションがどうしたのだろうか?


「イルミネーション?」

「そうそう!夜のお出かけをしたいの!まーくんも一緒に行かない?」

「夜のお出かけですか.....」

「ちょっ私をなんでじっと見てるの?もしかして、変な意味で理解してる!?そ、そんな!まーくんが考えてることとは違うからね!まだ、そんなこと.....ああああああああ恥ずかしい!そんな事だめぇ〜!」


なんだこの人。1人で腕をぶんぶん振ってじたばたしんでるんだが。やっぱりむっつりスケベじゃないか。


「咲希お姉ちゃんは変態ですね。俺は普通にイルミネーションを行くだけの事を考えていただけですよ」

「はっ!うぅ....!男の子だから、いい感じになったらホテルとか行くものじゃな」

「ないです。咲希お姉ちゃんは偏見は良くないです。もし、行くとなれば俺は普通に咲希さんと一緒に楽しんで帰るだけですよ」

「墓穴を掘ってしまった!私はちょっぴり変態さんです。まーくんのことしか考えてない変態さんです。許して」


咲希さんが自分のことを変態さんと言ってるところがかわいい。どうしよう、すごいかわいいくてヤバい


「どうしたの?頬が緩んで」

「いや、咲希さんがかわいいなぁって」

「その、ありがとう。じゃなくて!一緒にイルミネーションに行かない?」

「さっきから、その話をしてますけど!?」


というか全然話が進んでないんだが、いつ行くつもりなんだ?そろそろ話を進めてほしい


「ごめんごめん、それで明日行きたいんだけど。明日って日曜だからさ?」

「そうですね」

「とてもキレイな場所なんだよ?だから一緒に行かないかなって?というか一緒に来て!お願い」

「別にいいですけど。そういうの行ったことないので、むしろ気になります」


咲希さんは嬉しそうにガッツポーズを決めてる。そんなに俺と行くのが楽しみなんだな。その嬉しそうな姿を見てこっちが嬉しくなってきた気がする


「本当!?嬉しい、まーくんと一緒に夜のデートができるなんて嬉しい」

「そんな、嬉しいですか?冴えない男とイルミネーションを見に行って何が楽しいんですか?」

「私が楽しいと思えばいいの!そうでしょ?何が楽しいとかないの」

「はぁ、なるほど」

「それじゃあ、教えるね」


咲希さんと一緒に確認をした。内容としては4時くらいに家から出て現地に向かうみたいだ。あと、すげぇ寒いらしいから防寒着は必須らしい


「なるほど、寒いんですね」

「まーくん、防寒着とか持ってるの!?」

「あ、そういえば....持ってないですね」

「じゃあ、今日中に買わないとね!だっていつも寒いでしょ?」


確かに寒かったけど、少し前までガチで貧困状態でお金にガチで困っていてそんなもの買えなかったぞ。なんか家にあった小汚いカーディガン羽織ってなんとかしていてけどな。それでもめっちゃ寒かったけどな


「確かに、だったら学校でも使えるヤツがいいですね」

「いい感じに話しが進んでるね、まーくん!こたつから出るよ」

「嫌ですよ、こたつは神なんですから」


バカみたいに寒い外になんか死んでも行きたくないところだ。こたつから出た瞬間絶望がやってくるからな


「こたつと私どっちがいいの!?」

「う〜ん、お姉ちゃんがこたつになってくれればいいんじゃないですかね」

「それか!まーくん出て!いいこと閃いたの」

「はぁ、なんでしょうか?」


いいこと聞いて、気になってこたつから出てしまった。え、なんか急に抱きしめてきたんですけど!?咲希さんの胸が体にむにゅと触れている


「どう、こたつ代わりになった?」

「温かい....けど!これは理性が死ぬな。ええい、行きますよ!」

「急に行く気になったね〜?まぁいいっか」


コタツに出たからにはもう行くしかない。それにしても、せめて家から出たくないな

でも行くしかないのか、誰か代わりに行ってほしいんですけど!

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