第25話 理解が追いつかない
「なんで起こしてくれないのおおおおおおお!ねぇ、まーくん!」
「それより、元気そうでなによりですよ!体調はどうですか!?」
「え、体調?まぁ、良い感じかなって急がないといけないでしょ!?」
朝からドタバタして大変だった。とりあえずはトースト1枚を焼いて朝ごはんは済ましたのだが、それよりも体がヘトヘトだ。とりあえず元気そうだったのは良かったのだが
「あ〜、もう疲れたわ....看病なんてこりごりだわ」
「なんだよ、ヘニャヘニャになってよ?元気ないじゃん」
「朝起きたら、7時だった。咲希さんの隣で寝落ちした」
「それはいったいどういう状況なんだ。理解が追いつかない」
まぁ、普通に聞いたらそうなるわな。姉と一緒にねるとか、この歳ではまずないし
そもそもコイツの好きな人だったしな
「看病してたんだけど、隣で寝て欲しいって駄々こねられたから隣に寝てあげたら朝の7時になっていた訳」
「それっていったいどういうことなんだよ。それより、なんで昨日休んでいたんだよ?」
「勘が良くないなお前。咲希さんの看病するために休んだんだ。家に一人にさせては問題があるだろ?」
「確かにな。あ!俺、いい事あったけど気になる?」
良いこと?いったいなんだろうか?卵を割ったら君が2つ出たとかよ?というか
咲希さん関連の話をするとコイツは狂うように叫びまくるけど、なんか今回は発狂してないんだが、これって良いことのヤツに繋がっているのか?
「多少は気になる。なんだよ、いいことって?フライパン返しをしたらキレイに一回転が出来たとか?」
「違う!」
「じゃあ、四つ葉のクローバーを見つけたとか?」
「違う!俺に、ついに恋が来ちゃったんだよ!」
あぁ!もしかしてこの前ホモデートをした時になんか言ってたような気がするな
それでなんか連絡をとってどうのこうのって話だった気がする
「良かったじゃん。相手はどんな人なの?デートとかやった感じなの」
「へへ、まぁそうだな!相手がめちゃくちゃかわいいんだよ。これ写真があるんだけど見るか?これなんだけど」
「えぇ!?」
え、えええええええ!?そんなことあるんか!?咲希さんのクラスメイトの金髪美少女さんじゃないか!どうして、こんな子と出会うんだよ。ネットってすげぇな
「なんだよ、知り合いなのか?」
「知り合いじゃないけど、咲希さんのクラスメイトの人じゃん!俺知ってるよ。てか相手は年上なのかよ!」
「そうだけど、なんか悪いのかよ?」
「いや、そうじゃないけど相手がなんか意外だった」
世間とは広くて狭いものなんだなと深く実感した。まぁイケメンだからそんなもんだろうか?でも驚きだ
「そうなん?まぁ、めっちゃかわいいから最高だよ!それでデートにいったんだけど、めっちゃ良い感じだったよ。相手も俺のこと気になってる感じあるし」
「へぇ〜そうなんだ。でもさ、それってお前がそう勘違いしてるだけなんじゃないか?」
「そうじゃないってば!」
「ケンく〜ん!」
女の子の声が聞こえた。そして、噂をすれば金髪美少女さんの登場してきた
しかし賢斗の事を本当に気になっているのだろうか?
「あ、メイナさん!」
「暇だからケンくんのところに来ちゃった」
「そうなんっすか!?俺なんて遊び相手にすぎないんじゃないっすか?」
「そうじゃない!いつ告白してくれるの?」
あ、あれ〜?自分が知らない間にそんな展開になっていたのか。これほど仲が良いとは思っていなかった
「告白!?いや、まだ....その自信ないっす」
「ケンくんのこと、私は好きだからね!早く言ってよ、ね?」
「えぇ!?あの!メイナさん!」
「なに?」
「俺も好きです。付き合ってください!」
え、えええええええぇぇぇ!?いや、ここで言う?賢斗の頭おかしくなったのか?正気なのか!?まったく理解が追いつかない
「いいよ」
「やった〜!」
「あ、それより君は咲希の弟くんじゃん!咲希が溺愛していることは知ってるよ?お弁当食べていた時もすごいイチャイチャしていたもんね」
アレ、見られていたのか。それはそうか、咲希さんみたいな美少女と一緒に食ってるヤツがクソ陰キャだったら目に入るか。しかしながら恥ずかしい
「み、見ていたんですね!?」
「姉弟の距離じゃないでしょ、あれはさ〜恋人距離でしょ?」
「咲希さんがベタベタ触ってくるだけですよ」
「いいじゃん。それより、思い出したことがあった!じゃあまたね〜」
そう言ってどっか行ってしまった。まったく理解が追いつかないことが多かった
なんであの場で賢斗は告白したんだよ。てかノリが軽すぎないか?
「やっったあああああ!これで非リアじゃないぜええええええ!」
「そうかい、ウチは毎日ずっと咲希さんと居れるから悔しくもないね」
「それはそれで重罪だ。ゆるさん!」
「彼女がいるなら文句言うなよ」
アレ?咲希さんからメッセージが来てるな。いったいなんだ?
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