第20話 スーパー独占欲

「むぅ〜、やっぱダメなの!」

「えぇ....?」


今どう状況になってるかと言うと、家に帰ってきたのだが、どうやら俺と賢斗が水族館に行ったことが不満らしい。いや、女の子と水族館に行ってイチャついたとかなら嫉妬する理由として成り立つところはあるよ?だけど、どうして男同士のカオスな水族館デートに嫉妬するのか!?


「男の子同士でもやっぱダメだもん!まさか水族館に行くとは思ってないし。それに男の子でもまーくんにいつ発情するかも分からないし」

「いや、アイツが水族館に行きたいって言ったからさ」

「ダメなのはダメ!やっぱ、まーくんが友達と遊ぶのはいいけど、良くないけど....それより!なんで水族館に行くの!?」


プリプリと怒ってる。けど怒ってる姿が全然怖くなくってかわいいくて頬が緩んでしまいそうだ


「友達の付き合いだからしょうがないじゃくないですか!?」

「ダメ!水族館に行くのはダメなの!」

「今日の咲希さん、お姉ちゃんって言うより妹みたいですよ」

「うぐっ!ちょっと開けて話す....」


そう行って二階へ行ってしまった。全くよく分からない。男とも俺は遊べないのだろうか?独占欲がすごいな



しばらくしても中々部屋に出てこない。それよりお腹が減ってきたな

もう7時か。咲希さんは機嫌が悪いし、なんか作っとくか。手軽なものでスパゲッティとか良いかもしれない


「よしメシ作るか」


そう思ってキッチンから作るための具材など材料を探した。すると自分が探してるもの全部あった。しかも、なんか妙にオシャンティーなヤツだ


「う〜ん。とりあえず、オリーブオイルがなんか開いてるから使うか。作業開始だ」


玉ねぎを、にんにく、人参をみじん切りにした。そしてオリーブオイルをフライパン敷いて炒めた。しばらく炒めてるといい感じになってきたから、トマト缶やら調味料ぶっこんだ。ある程度煮込んで完成した


「いや〜、レシピ本で覚えたヤツだけど味はどうかな....?これは良さそうだな」


あとはパスタを茹よう。あとは配膳をしないいけないな。人に料理を出すって行動は一度もやったことないから、咲希さんの口に合うかと考えると、少し心配なところがある。なんとか美味しいって言ってもらえるといいんだが



「ヨシッ!出来たぞ」


なんやかんや色々やっていたら配膳が出来てた。あとは、咲希さんを呼ぶだけだ

しかし、まだ怒ってるのかな?とりあえず2階の咲希さんの部屋に行くとするか


「咲希お姉ちゃん、ごはんですよ!」


なにも反応はこなかった。咲希さんの機嫌を悪くさせてしまったのか。自分は

そんな事、想定してなかったけど俺が悪いのにはまちがいない


「咲希お姉ちゃ〜ん!ダメか」


すると勢いよく扉が開いた。そして咲希さんが飛び出してきて俺を抱きしめてきた。

あまりの勢いで尻もちをついた


「いててて....」

「ねぇ!私のためにご飯作ってくれたの?」

「ま、まぁ」

「まーくん、ありがとう。大好き」


そう言われた瞬間ドキッとした。恥ずかしさのせいか、体中が熱くなった

ヤバい、どうしよう、心臓がバックバクしてるしヤバ過ぎる


「ご飯食べたいから、早くしようよ」

「いいですよ。早くしないと冷めちゃいますから」


食卓に向かうと咲希さんは目をキラキラとさせていた。そして自分がいる方向に体を向けてきた


「まーくん、ありがとう!私ね、嫉妬しちゃった。まーくんと水族館に行ってることにさ。だってさ、私行きたいもん。水族館にまーくんと一緒に行きたいんだもん」

「そうですか。俺だってアイツと水族館に行くの地獄でしたけど」

「それより、食べていい?」

「食べていいですよ」


口に合うのか合わないのか、咲希さんが口に入る瞬間を見てすごくドキドキする

はたしていったいどうなのか?


「うん、美味しい!」

「口に合って良かったです。少しホッとしました」

「それより、お姉ちゃんからの命令だよ?私以外遊んじゃだめだからね!」

「え、えぇ....?」


ずいぶん、ぶっ飛んだ命令だな。でもこれで、また地獄のホモデートが起きなくて済むと考えれば良いのか


「でも、ある程度はいいよ!帰り道とか少しごはん食べたりするのはオッケーだけどどっかに行くのはダメ!私が寂しいから。私と絡んでほしいもん。まーくんが行きたいところがあれば、私はなんでもしてあげる。お金だってだすし、なんでもしてあげるもん」


この独占欲すごいな。スーパー独占欲だな。咲希さんはいったいどれくらい俺のことが好きなんだ?


「わ、分かりました」

「約束を破ったら、お・し・お・きしちゃうぞっ」


言葉ってすごいな、咲希さんから今の言葉を放たれて俺の心臓は急激にバックバク言い始めたぞ



というわけで賢斗に例の件を話してみた。お前とはもう遊べないって説明をした

それを聞いてた賢斗は困惑してる表情をしてる


「いや、そうはならんやろ」

「なってるんだよ!」

「咲希さん、スーパー独占欲やな、独占欲の塊だな。いいなぁ俺も独占されてぇ」

「DMの女の子とでも仲良くやってな!俺は咲希さんと週末に遊園地に行くんだからな。にひひひ」

「なんだそれムカつく!」


とりあえず説得はしたのでOK!早く来い!週末が待ち遠しい



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