第2話 何処ですかココ?

 だいぶ、ヤバイなこれ


 「どうやら、光が射すのはこの下です、早く、早くしましょう!」


 なんだろう、この展開、俺ってば無職で、挙げ句の果てには借金まであるクズ、しかも独身39歳、おっさん。

 気乗りがせんし、信用もできん、臆病なのか慎重なのか、頭で考えちまう、嫌だねぇ、つくづく自分が嫌になる、こんな状況、今後二度と起こらないってわかってんのに、だったら、やる事決まってるよな?


 俺!

 やるぞ!

 やるしかねぇ!

 もう金とか歳とか関係ねぇ!

 目の前で起こってること、全部かかって来いや!

 俺が、全部相手してやるよ!!!


 「うぉーーーーー!!」


 生きてきて一番でかい声、出してみた。


 掛け声と同時に、足元の光目掛けて手を出すと、その光に吸い込まれるように、体が包まれていった。


「待っていましたよ、やっと会えましたねぇ


 今度はなんだ、なんなんだ。

 ただ、だだっ広い無機質な空間。

 しかも目の前には女神の如く輝く女が俺のことを待っていたと言っている。


「随分と時間が掛かりましたね、それでも、あの子にしては頑張ったのたのよ、許してくださいね」


 うん、さっきの子とこの人はお知り合い、お仲間なんだな。しかし、この女神…

  

 うっ、だめだ、雑念が!!

 オッパイが大きい…

 しかもお尻も大きい…

 ていうか、スタイルスゲェいいっ!


 「ダメよ、わたしはあなたとは別の次元で生きる者、交わりたくても触れることすらできないの、認識するだけ、あなたが見ている姿も、あなたが作りだした虚像でしかない」


 そうか、考えてること全部筒抜けか、そういう存在なんだな。

 あの女神は俺の妄想の産物、残念だ、触れたい、まさに理想!なのに、でもいいよ、さっき楽しめたし、来週までは我慢できるよ

僕!!


 「ふふっ、理解が早くて助かります」


 「で、俺はどうすればいいんでしょうか?」


 「ええ、それは簡単よ、あなたには、とある世界を救って頂きたいの、もちろん仲間もいるので安心してね」


 「とある世界ですか、、、元々居た世界には戻れないってことですか?」


 「いえ、違うの、元の世界とは同じく存在しているの、だから、元の世界へは戻れるから安心して頂戴、それではこの空間構築の時間も限られていますし、天授の起床を始めましょう」


 「あぁ、戻れんだね、ならよかった」

 

 少しホッとした、でも絶対にこれから大変だよなぁ、待て待て、前向きに行こう。


 「で、天授の起床ってなんでしょうか?」


 「心配しないで、難しくないわ、あなたに与えた才能を目覚めさせるだけよ、このリングを左手の親指にはめるだけでいいの、簡単でしょ?さぁ手を開いて受け取って」


 女神のようなその存在は俺の左手にそっとリングを手渡した。


 「これを付ければいいんですね」


 左手の親指にスルッとリングをはめると一瞬にして辺りは雷光の如く輝き、星々のように瞬いた。


 バシャーン!


 次の瞬間、急に水しぶきが上がった。


 「キャーっ」

 

 大きな悲鳴が聞こえてくる、気がつくと俺は裸の女体に囲まれていた!


 「え、風呂ですか、ココ??」

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