第23話 デンジュの妄想(ソフト版)
ゴンっ!
「痛っ!」テーブルに頭をぶつけるデンジュ、思わず大きな声が出てしまった、
「ふー、今日はこんなところでしょうかな」
ケイリは自分の肩を摩り多少疲れた表情をしている。
「ケイリ、お疲れさま、ありがとうね!」
ミュウカはケイリを気遣い肩をモミモミしてあげた。
「いやはや、これは生き返りますなぁ、ああ、そこそこそれがいいですなぁ、はふぅ…」
今まさに恍惚の極み、ケイリは使い物になりそうにない。
「おおっ、こんな変態爺さんの顔、漫画の中だけでしか見たことないけど実際見てみたら本当に気持ち良さそうだな…」
デンジュは変に興奮してしまった、ミュウカが肩を揉む様とケイリの良がっている様子に令嬢と執事の禁断の関係を連想してしまったのだ。
デンジュの頭の中はHentaiで一杯だ。
遊び半分で以下にその妄想を記してみることにする。
途切れ途切れの雲間から青空が見えたり隠れたりたの午後、雨も降ったり止んだりである。
キッチンではヘタのついた苺が乱雑に散乱して栓の締まりきらない蛇口から線の細い水がスーっと流れたままになっていた。
「お嬢様、いけんませんなぁ、突然にこのような場所でむしゃぶりつくとはお行儀が悪いですぞ」
「ごめんなしゃい、わたしね、欲望を我慢できない悪い子なんでしゅ、ケイリのおチ…
…いつの間にか二人の体は向き合い抱きしめ合っていた、火傷する程熱い抱擁と溶けてしまいそうな接吻の中、二人は静かに果てていった。
ひとつになった二人の願いは永遠に滅せざる空間に残る、誰にも知られる事の無い空間に。
ごつん!!
頭を叩く鈍めの音が鳴った。
「ちょっと!デンジュさん!いまなにかイヤらしいこと考えてたでしょ!」
「いてぇー!そんなことないよ、ただボーっとしてただけだって」
プンっと怒ったミュウカはデンジュの言葉を信じていなそうではあるが、真意は如何であれ大したことではないので良しとしておこう、そんな感じなのである。
マッサージも終わりスッキリした表情のケイリはその光景を見ながらズズーっとお茶を啜っていたのだった。
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