第31話 支離滅裂な空間
合流した二人は崩れ落ちたクンバの意気消沈とした姿に少し驚いた。
特にデンジュは「じいさん、やるな」とぼそっと呟き少し嫉妬した。
魔法陣の効果についてケイリから説明を受けると、魔法の効果が現れるまで暫くは時間がかかる、ということだった。
であればと、ミュウカは今のうちにと犬猫男子達をツイノキで旅立させると、体力回復のためビーチのリクライニングチェアで休むことにした。
勿論日焼け止めクリームを塗ってビーチパラソルの下で、です。
この南国のまったり感、ちょうどいい一服の時であろう、なればこそ少し時間を遡ろうと思うのである。
ところ変わって、ここはクレスタイン家、地下基地。
ケイリがクンバとやり合っている頃である。
やわ肌を露わにしたミュウカの裸体にデンジュは釘付けになっていると、後ろからバシッとこれまたいつの間にか裸体になったルタがデンジュの頭を叩いたのだ。
「イタっ、ていうか、なんでルタまで裸なんだ?展開おかしいでしょう!」
「デンジュ、何を今更言ってるんだ?この世界はなんでもありだぞ」
「いや、待て、ルタの言ってること全然答えになってないけど、ミュウカちゃんなんて全く喋らんけど、どうした君たち!」
「デンジュさん安心してください、決して気が狂った訳ではないのです。これからアセンションのための儀式を行うのです。デンジュさんが大賢者になるための重要なポイントで私とルタはある秘法を発動します、そこまでデンジュさんは私とルタのことを見守っていてください」
「ああ、分かったよ、なんだかよく分からないけれど、アセンションするために二人は一肌脱いでくれているんだよね、もうこうなったら俺も脱ぐしかない!えーい」
「キャーっ!」
「おお!さすがデンジュだな!」
デンジュも二人に触発されて、裸体になった。
ミュウカは何度か味わったはずのデンジュの裸体なのであるが、悲鳴を上げた、女子とはそういうものだ。
「よし、これでみんな一緒だ、思う存分そのアセンションと秘法ってのを勧めてくれ!!」
「おお!デンジュやる気になったな、おいらも負けないぞ!おいらなんて一足先にアセンションしているんだからな」
「はいはい、熱くならないの、二人ともそろそろ始まりますよ」
裸の付き合いとはこの事、分け隔てない人間関係がここにはあったのであった。
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〈あとがき〉
さらに此処まで読んでいただき、ありがとうございます。
応援までしてくれた方、さらに重ねて、ありがとうございます。
今後とも宜しくお願いします。
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