第20話 クレスタイン家の裏話しその3の5


 風が吹けば葉がこすれ合うざわつきが亜歩山を賑やかし。


 洞窟を出るとそこにあるのは平らな地面、昨日は寝床であったのですが今日はアブニイのバー霊魂が詰まった種を埋める場所になります。


 「ここに種を埋めましょう」


 「そうやね、いいと思うよ、他の木の邪魔にならんし日当たりも最高やしね」


 ザクッとこの場所の中心に種を埋めようと軽く地面を掘った時、ヴゥオンッと風が吹きつけ砂煙が舞う、何の前触れも無い一瞬の出来事でメリュカ達は立ち竦んでしまっているが、無理もない突然と目の前にメリュカの2.5倍程はあるであろう異形の者が現れたのである。


 「ふーむ、君から感じるねぇ、それにしてもまだ人間が居たなんて、聞いてた話しと違いますねぇ」


 「だ、だれですか、あなたは」


 「これは失礼致しました、わたしはカタカから参りましたアギと申します」


 姿形からは想像出来ないほど礼儀正しいそのアギと名乗る者はメリュカに一歩二歩と近寄るとアブニイのバーに手を伸ばす。


 「やめて」


 メリュカは両手でアギの大きな腕を振り払うとバーを渡すまいとして石之助の側に駆け寄った。

 転瞬、主人に危害を加える者は許さないとばかりにサンディがアギに立ち向かうものの力の差は凄まじく片手で払い退けられてしまった。

 幸いにも命迄は落としていない、奥の岩場でのびているだけのようである。

 そしてこれから始まる戦いがクレスタイン家の戦いの歴史の原点なのであった。






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〈あとがき〉

 

 此処まで、読んでいただき、ありがとうございます。

 

 応援までしてくれた方、さらに重ねて、ありがとうございます。


 一週間に一話ペースで上げています。

 今後とも、宜しくお願いします!

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