第40話 覚醒の後は?
これから、どうするかは決まっている。
大賢者の力、その力を完璧に使いこなす。
その為にはユルネの云う、ある人に会う、これに尽きる。
しかし、それは一旦お預けして、ケイリの元へ行かなくてはならない、この事が先決である。
ある人、とやらも、ケイリが知っている。
その流れに身を任せ、今に至る。のであった。
「なぁ、ケイリのじいさん、ちょっと聞いていいか?」
「ほほ、なんですかな、お嬢様の秘密は教えられませんぞ」
「違うよ、ミュウカちゃんのことではなくてさ。おれの力を最大限引き出すために、ある人に会えって、ユルネさんに言われたんだ。その、ある人ってどんな人か教えて欲しくてさ」
「ほほっ、左様でございますか。ユルネ様は、ある人と仰いましたか」
「え、人じゃないの?」
「ほほっ、いえね、まあ確かに人の様ではありますがな…それなら、ほれ、あなたの目の前に居りますぞ!」
「うん、目の前…」
デンジュの目の前といえば、項垂れ、意気消沈した、尖り頭の象耳男しか居ない。
「ええ!もしかして、ある人って、コイツなの」
「ほほっ、ご名答でございます。さすが、察しが良いですなぁ」
デンジュは、まさかの展開に呆気に取られらた。
だが、抜群の適応力で、すかさず受け入れると、ぼそり、呟くのであった。
「クンバが…」
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