第41話 効き目あり

 ジリジリに降り注ぐ太陽の下、植物達は元気よく背を伸ばす。

 南国の日射しは、ミュウカの体力を通常時より2、3倍の速さで回復させた。


 「あれ、二人とも、どうしてそんなに神妙な顔つきなの?」


 ミュウカは、クンバがデンジュの力を最大限引き出す為の、トリガー役である事をまだ知らない。


 「あっ、ミュウカちゃん、復活したんだね」


 「これは、お嬢様、ご機嫌宜しい様で、何よりでございます。心配はいりませんぞ、理由は単純、このクンバとやらがですなっ…」


 「オレの師匠になるらしいんだよ!」


 ケイリが言いかけると、デンジュは食い気味で、話しに割り込んだ。


 「えー、この尖り頭が!!」


 「ええ、この尖り、いや、クンバとやら実は…」


 ケイリは何やら知っている風、秘密を話しかけようとした、その時、


 グゥーン

 ブゥオーン


 辺りに重低音が鳴り響いたのである。


 「なんだ!また、何か来たのか!」


 「ほほ、落ち着いてください、デンジュ殿。これは、良いタイミングでありますな」


 「なんだよ、じいさん。何がいいタイミングなんだ?」


 「ほほっ、効き目あり、ですな。双六遊戯振出勘弁ゲッバックトゥユーの効果が現れたのですよ」


 「双六遊戯振出勘弁ゲッバックトゥユー?」


 「あ!デンジュさん!尖り頭、見てください」


 「ん…うわ、なんかスゲェ光ってるぞ!大丈夫か?」


 「ほほほっ、まぁ見ていてくだされ」


 驚き、慌てる若者二人を尻目に、ケイリは余裕、ただただ微笑むのであった。

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