第53話 トプロ到着

 ドッ。ギュン!!


 ばさばさ、っと、なんとも雑に、

デンジュ達は緑色の地面に落ちた。

 

 「痛っ、クンバー、もう少し丁寧に出来ないのかよ」


 「ふふ、我儘言わないの〜、着いたよ〜」


 ここは何処だろう?

 デンジュは見たことの無い、青々とした豊かな景色に、感動を感じずには、いられなかった。


 「おい、クンバ、これって本当に地球、いや、トプロなのか?」


 「そうだよ〜、デンジュの国では名前は地球だったよね〜」


 「あの…デンジュさん、この景色に見覚えは無いのですか?」


 戸惑いの感がある、デンジュの雰囲気に、メリュカは優しい声をかけた。

 

 「うん、自然が多すぎるんだよ、しかも、やたらデカいし、初めて見る虫も、たくさん…」


 「ヒヒーン!!!」


 サンディのいななきは、徐々に頭の整理がついた、デンジュに新たな衝撃を与える。


 「サンディ、どうしたの?大丈夫?」


 「うわー、大変だよー!サンディのお尻に何か刺さってるよ〜」


 「ヒヒ…ン」


 サンディは、その場に痛々しく横たわり、メリュカにすりすりと擦り寄った。


 「これって、石の矢だな、随分旧式の武器…」


 不穏な空気に、デンジュは辺りを見渡すが、どうやら、サンディを撃った者は近くには居ないようだった。


 「クンバ、メリュカさん、あまり長く此処に居るのは良くないみたいだ、兎に角、早く場所を変えよう」


 「でも、サンディが…」


 「大丈夫、安心して、これで良くなる」


 デンジュは、痛がるサンディに少し辛抱しろと言って、一気に矢尻を抜くと、優しい口調で、こう唱えた。

 

 『ポオルレ』


 すると、ポワッとした波長の、丸み帯びたオーラの塊が、矢尻が刺さった傷口に入り込んで行って、見る見るうちに傷口を塞いだのだ。

 

 「すごい…」


 メリュカは目を見張り、その奇跡に恍惚となりかけた、その時。


 「デンジュ〜、上だよー、何か大きなものがやって来たよー」


 ばさっ、ばさっ


 めっちゃデカい、飛行する物体が現れたのであった。

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