第44話 眠りの後には

 ちっさいクンバは、みんなの人気者になっていた。

 その人気に疑問を感じる、一人の男が居た。デンジュである。

 デンジュは察知したのだ、ちっさいクンバは何か隠していると…


 「さぁ、もう此処に居る理由は無くなったし、そろそろお家に帰りましょうー」

 

 ミュウカが元気に号令をかけると、ケイリは頷き、両手を合わせ、「直帰還クレマグス」と、唱えた。


 ドッ

 ズゥン!


 一瞬にして基地に戻って来た、5人?は戦いの疲れを癒すべく、大っぴらに休息を希望している。

 当然である、色々あったのだから。


 然らば、満場一致で、今日の夜ご飯は出前で決まったのであった。


 「たまには、こういうのもいいね〜」


 「ですよね、手作りもいいけど、たまには手を抜かないと!」


 「この、ピザみたいなの、なんて名前なの?」


 「ああ、これは「ザーピー」です。この辺りだと定番ですよ」


 「ザーピー…業界関係者か…」


 ザーピーに若干の違和感を覚えつつも、和やかに食事は終わった。


 流石に皆、疲れているらしく、早めの就寝となったのだが、デンジュはある事が気になって、中々寝付けずにいた。


 (ちっさいクンバ、アイツがどうやって俺の能力を引き出すんだろう…何か隠してる気がするんだよな。にしても、ザーピー美味しかったなぁ、後でお店行ってみよう…)

 

 デンジュは夢想に耽るうち、いつの間にか眠りについたのであった。

 

 そして、基地に静寂が訪れたのだが…

 

 ギィーッ、と、デンジュの部屋の扉がゆっくりと、開いたのである。

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