第26話 再び襲来!そして紳士の対応!?
「ミュウカちゃーんどこ?おれかき氷食べたいー」
のそのそと床を這ってミュウカを探すデンジュに人間性を求めてはいけない、最早言葉を話すだけの肉塊に下っていた。
ホログラム越しでも伝わる戸惑い「デンジュ…人間…大人…」ルタの思考は思案の森の中をぐるぐる歩き回り答えの無い答えを求める求道者のようになっている。
その中をゴロゴロ、ウィーンとチリやホコリを掃除していたティ助とまめふ君は充電の為、自ら充電スタンドに収まって目を閉じた、お茶やコーヒーを作るだけでなく家事もこなす、できたロボ達なのである。
ケイリとの話しが終わり使命に駆られた顔付きのミュウカがリビングに戻るとカオスな茶番を引き裂く警報が鳴った。
ボゥウーン
ボゥウーン
ボゥウーン
「あー!!もうこんな時になんで来るの!!!」
ミュウカは肩をいからしてカタカの住人の来襲に憤慨した。
「ほほ、これはまたタイミングの悪い、此処は私目が時間を稼いでおきますのでお嬢様は例のアレをよろしくお願いいたしますぞ」
そう言ってケイリはかちゃかちゃとオリハルコン製のガントレットを両腕に装着して3、4回拳を握って感触を確かめる。
準備は出来たようで「ではお先に」とミュウカに言い残して、カエルの置物の口に手を入れると。
「クレマイオ」と一言唱えた。
ブゥオンっと転送された先は南国のビーチだった。
「きゃー、やめて」
叫び声が聴こえる。
ケイリの眼前には犬男子や猫男子と呼ばれるカタカの男子がざっと10人程群れて水着の女子を襲っていたのである。
「ほほ、これはこれはちと厄介ですな…」
ボヤいてからポキポキと首を鳴らすと、ケイリは身構える。
「さぁ男子諸君、行きますよ、お年寄りには優しくて下さいね」
ザクザクと砂浜を駆けると、ドゴォンっと一発でっかい右ストレートを犬猫男子の群れに目掛けて喰らわせた。
転瞬、その衝撃で犬男子、猫男子は四方八方に飛び散った。
ケイリは襲われていた女子を抱え上げてると「ほほ、お嬢さんもう安心しなさい」ここぞとばかりドヤ顔で言ってみた。
年齢差で普段は見向きしない筈の女子もさすがにこの展開では下半身が疼いたらしく目はうるうるで腰はクネクネにゃんにゃんしている。
「さぁ、今のうちに行きなさい」
「ありがとうございます、あの、お名前は?」
「ほほ、名乗る程の者ではありません、唯のじじいでございますよ」
「そ、そんな、せめてこれだけでも…」
襲われ水着が破けほぼ全裸の女子はそう言って「チュッ」とケイリの頬にキスをした。
「ほほ、これは光栄です、ありがとうございます、しかし時間がない、ささ、急いでお行きなさい」
それを聴くと女子は一礼してこの場を駆け足で逃げていった。
遠くに行って小さくなった女子を眺めて再びボヤいた。
「男子諸君は私を見習って欲しいものですな…」と。
ケイリは紳士である、いや、機能しないだけで心では泣いているかもしれない。
それはそうと、今は戦いの最中、ワンワン、ニャーニャーとカタカの男子は唸っている、ケイリは気を取り直して身構えるとこう言った。
「ほほ、血気盛んでありますな、それでは男子諸君、私を倒せたならばモテる男になる方法を教えてあげましょう、かかってきなさい」
余裕のケイリは手招きをして挑発した。
ナメられた男子達は血走った目つきでワーン、ニャーンと怒号を発して一斉にケイリに飛びかかっていったのであった。
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