第55話 危機回避

 上空、否、最早、頭の上とでも言うべきか。


 得体の知れぬ物体は、いよいよデンジュ達の頭上まで、凡そ、数十メートルに達していた。


(任せろとは言ったものの…何だか、頭にすらすら魔法がたくさん出てくる、一番状況に適している魔法が、どれなのか分からないな…)


 「一か八か…なら両方だ!」


 黒き金剛石(原子極性)ブラックダイアモンド(PP)


 直後、地中から黒く輝くダイアモンドの柱が何本か現れると、頭上まで迫った物体の進行をピタッと止めた。


 「へぇ、なかなかの手練れがいるようだな…」


 「はい、この飛行式国家デルトンの力に勝るとは、なかなか如きではなく、その時点でデルトン最強クラス確定でございます」


 「そうだな…見たところ、この世界に迷い込んだ同族らしい、少し遊んでみてもいいかもな」


 大きな物体は、デルトン。国らしい。

 その中で行われた会話、どうやら何かが始まりそうだ。

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大賢者、斯々然々で覚醒す。中年低スペックの俺でも異世界では役に立つみたいです。 満梛 陽焚 @churyuho

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