第42話 肝試しヒャッハー!!!

「はぁ・・・なんだかんだ言って林間学校も今夜で終わり。明日で帰りか・・・」

「なんか、あんまりなんもなかったな。」


俺たちはあの後特に何も無く普通にというのも変だが、普通に林間学校していた。林間学校するっていうパワーワードね。


「んで、もう夜だぜ?」

「それな〜。でもここからが本番だろ?」


そう。この林間学校、最終日前夜に肝試し大会が行われるのである!


「それじゃ、毎年恒例の肝試し大会するぞー!」

「「「「ウェェェェェェェェェエエエエエエエエィィィィィィィィイイイイ!!!」」」」


何だこのノリ・・・っていうか俺が説明しようとしてたのに。


「みなさんは男女ペアで行ってもらいます!くじ引きでもいいけど、せっかくなら思い切って誘ってみろ!先生達はお前たちの青春も全部くじで決めたくないから男女ペア自由でよし!余ったらくじは用意してるからそれを各自引け!以上!!」


この先生みんなからやけに好かれるんだよね。優しいし生徒第一みたいでいいんだけどさ・・・


それより、皆さん今のルール聞きました!?おかしくない!?余ったらくじ。これって明らかにOUTでしょ!陽と陰の境目できちゃってるよ!

ようするに、好きな女子か男子とペアを組めれば勝ち。組めなければくじで確率論。 何だこの無理ゲー。


「なぁ建治?どうする・・・あれ?」


そう思った時にはあいつはいなくなっていた。そっか、確かにあいつ意外とモテそうだしな。割と誘われそう・・・チッ


「俺はクジの方引きに行くか・・・」


と思ったらそこに既に奴はいた。


「なんだ、おまえもういたのかよ。」

「お前が来るの遅いんだよ。ワンチャン女子となんて考えるから。」

「すんません・・・」


でもおかしいな。俺の予定だと、初日のあれで、


「拓馬くんかっこいい!私と行こ!」

「うちともうちとも!」

「ダメ!拓馬くんは私のなの!」


みたいになる予定だったんだけど。それに、


「ねぇ、拓馬?一緒に行こ?」


ってももから言われる予定だったのになぁ。


「ねぇ、拓馬?一緒に行こ?」


うんうん。さすが俺としか言えないな。脳内でセリフを決めたら、それがリアルで聴こえるんだもんな。さすが俺。脳内再生をまるで本当に聞いたかのように聞こえられる・・・ん?リアルで聴こえる?

俺はそこで一筋の希望を見つけ、その声の元を辿る。これは!この声は誰だかわからないが女子の声!俺を求める女子の声がした!


「さて、僕は構わないよ・・・?」


誰だろうと思わず振り向く。そこに居たのは、


「うふふ。一緒に行きましょうね?たくまきゅん♡(裏声)」

「いや。賢治かよ!お前潰すぞ!?からかってんじゃねぇよ!」

「悪ぃ悪ぃ。お前の反応面白くてつい・・・な。」


あいつ、絶対いつか仕返ししてやるからな・・・ん?なんだあれ。


おれはそこであたふたしていた、肝試しの脅かす側の実行委員的な人を見て。閃いてしまった。


「よし、賢治。俺をからかった罪、覚えとけよ?」

「え?ちょっ、何?」


俺は早足でそっちの方へ向かった。

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