第47話 名(迷)探偵もも

やべぇ…ももだよ!?好きな子家来ちゃったよ!?


「もう!入るよ!」

「お、おう。何もねぇけど…」

「そんなのいいから!本当に2人ともいなくなっちゃったの!?」


こんな状況でも好きな人が家に来てると言うだけでドキドキする。だけどなんだろ、また何か忘れてるような…


「2人の部屋は?」

「2階だ。さっき見てきたけどすっかりなんも無くなってた。」

「そう…何か置き手紙とかはなかったの?」

「あっ、置き手紙なら…っ!!」


マズイですよ!?

思い出したァァ!!!今そこにエ〇本あるやん!ちょ、どうすんの!?


「ん?置き手紙あるの?ないの?」

「ん、えーとだな…あ、その、」

「あるの?ないの?」

「な、なかった気がするなー」


来た!俺の迫真の演技…これで今まで嘘は全部誤魔化して…来たのか?

っていうかそもそも嘘をつく相手がいなかったからな…


「その反応…あるんだね?」

「っ!?なんで分かるんだよ!?」

「だってあんたのその反応…あからさますぎるでしょ!?」

「そういう所も見てくれてるんだ…嬉しい…」


つい、いつもの癖でポロッと出ちゃう。これほんと辞めないとそろそろ引かれるよな。街中で急にズボン脱ぎ出すのと同じぐらいヤバいって賢治が言ってたからな。


「…っ、あんた、そういうの変わんないわね。」


ん?今ちょっと顔が赤かったような?デレた!?めちゃ可愛い…何これ、この笑顔何円で買えますかね?


「で、その手紙はどこにあるの?」

「えっと、2階の2人の部屋にあったはずだぞ。」

「嘘ね。」

「な、なんでそう思うんだよ!?」

「あんたさっき、2人の部屋は見てきたって言ったでしょ?それならわざわざそこに手紙を置きっぱなしにするほど貴方も馬鹿じゃないの。」


すげぇ…この一瞬でこの洞察力…俺じゃなきゃ惚れちまうね(既に惚れてる)


「はぁ…あんたの事だからどうせリビングかあなたの部屋でしょ?自分の部屋は見られたくない物もあるだろうしリビング調べてるからあなたは自分の部屋を片付けて来なさい。」


逆ぅぅぅ!!!その推理正しいけど正しくないんだよ!!いや、正しいけど正しくないってなんだって話なんだけど違うんだって!


「いや、ちょっと待てもも…」


時すでに遅し。彼女はリビングの上にあった置き手紙とその本を目にしてしまった。


「ねぇ、拓馬?もしかしてさっき私のメール返信しなかったのってさ?」

「え?あ、違う!決してそれは違う!!」


だが、彼女の顔は真っ赤になって


「うるさーーーーい!!!拓馬のバカ!!」


彼女に思いっきりビンタされた。いてっ!手加減しろよ…でも、


これはこれでいいかもな…

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