第48話 名探偵拓馬

いてて、、、

こんな本気でぶたれたのいつ以来だよ…


にしても、さっきこの頬にももの手が…そう思うと、俺の頬が愛おしく見えてきた。


ガチャ…


俺が頬を手ですりすりしながら立っていると、ももがリビングから帰ってきた。


「ねぇ、拓馬?」

「ん?どうした?」


なんだ?怖いんですけど!なんか人殺しそうな目でこっち見てくるんですけど!!


「あんた…最低!!!!」


「え?」


なんの事だか分からず頭がショートする。なんだ?なんの事だ?


「えっち!変態!エロ助!!」


なんでエ○本持ってるだけでそこまで言われなきゃ…って、そうだ!


あの置き手紙、その内容…!!!


「…っ、違うんだ!もも!信じてくれ!」

「うるさーーーーい!!!」


俺はももに思いっきり殴られそうになる。

咄嗟の判断で自分の部屋へ逃げる。


「待てー!!!」

「ちょっ!待て待て!」

「うるさい!この変態!」


急いで部屋に入り扉を閉めて、その扉を押させないようにドアをおさえつける。


やっと落ち着けた。パニックになると冷静な判断が出来なくなる。こういう時は一つ一つ考えていくことが必要だ。


まず、現状の問題を解決しよう。彼女に言葉は通じない。ならどうしようか…

ギャルゲープレイヤーとして、ここは選択肢を何個か考えよう。


1 閉じこもり、冷静になるまで待つ

2 部屋を出てももに立ち向かう

3 エ○本奪われたからエ○本を買いに行く


よし、3だな!!俺は扉の持ち手に手を当てガチャりと下へ引きおろ…


さねーよ!!何だこの選択肢!俺の脳内どうなってんの!?脳内選択肢に邪魔されて学園ラブコメできないの!?


にしても、ここは1を選ぶべきだ。2をしてもいいが、ももを傷つけたくない。


冷静に考えろ。そもそもなんで今ももがここにいるんだ?俺のことが好きだから?

それはない。って自分で言ってて泣きたくなるがそれはそうなのだ。


ももはなんでこの家にみずきとあお姉がいないことを知っている?どこ情報だ?

そうだ、さっき俺が考えたことが正しいんじゃないか?


「なぁもも。お前、あお姉とみずきと連絡できるんじゃないか?」

「ん?何よ。できるわよ。」


なら、この状況も打破できるのでは?


「もも、通話はできるか?」

「っ!エロ助の話は聞きたくない!」


まずい…ももが冷静さを失ってる。

それなら、まずやるべき事はもものその解釈を変えることだ。なんでエロ本が俺の机の上に置いてあったか。それを考えなきゃ…

そう思い、俺は机の上の方を見る。


ん?待てよ?そういえば片付けている時はパニックで気づかなかったが、何か色々置いてある物の場所が変わってないか?まるで誰かが荒らしたかのような…


っ!そういうことか!?


「もも!頼む!チャットで今から俺が言うことをあいつらに聞いてくれ!」

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