第49話 非オタ(?)の姉妹が俺の持ってるエ○本に興味津々なんだが…

「え?ちょっ!?待って!?」


慌てるももなど気にせず強引に言う。


「行くぞ?『あなた達は僕が修学旅行に行っている間に僕の部屋で何をしましたか?』と、こう送れ。」

「しましたか…っと、こ、これ送ればいいの?」


相変わらず強引に押し切られるとやってしまうタイプで助かる。こういう所も可愛い。


「あぁ。そのまま送ってくれ。」

「お、送ったわよ?」

「もも、今送った文面を見て落ち着いて考えてくれ。俺がそういう本を机の上に置きっぱにすると思うか?」


しばらくの間無言が続く。少し経つと、彼女は答えが出たのか、ノックしてくる。


「…大体分かったわ。叩いちゃったりしてごめんね?」

「いや、いいんだ。ああいうのを持ってる俺も俺で良くなかったしな。あの2人が家にいればどうなるかを考えておくべきだった。」


事件が解決した。そんな時だった、


「返信来た!」

「なんて書いてある?」

「うーんとね、『ごめんなさい、実は私たちたっくんが修学旅行に言った日…』」


◇◇◇


「よし!たっくんが行ったし、部屋調べちゃおう!!」

「そうだね!私はそっち調べるからお姉ちゃんはそっち調べて!」


私たちはたっくんがいないことをいいことに色々探した。ベットの下、タンスの裏、枕の下、机の中…そして、、、


「!?」

「みずき!?どうかしたの!?」

「見つけた!クローゼットの中のコートの中に隠してあったよ!」

「でかした!で、どんなのだった?」


◇◇◇


「いや、『でかした!』じゃねぇよ…」

「これは、さすがに拓馬も可哀想ね…」


俺たちの予想は大体当たっていた。

だが、本題はなぜその本が俺の机にあったかだ。普通、あの二人なら持ち帰るか元に戻すはずだ。俺の机の上に置くなんてことはしない。


「もうメールは無いのか?」

「それが…途中で途切れちゃってるのよね。」

「多分、おばさんが途中で入ってきて辞めたんだろ。まだブロックはされてなさそうか?」

「、、、メッセージは送れませんだって…」


まずい…!俺らの連絡手段が消えた…。

どうする?どうすればいいんだ?


その時だった。


ーーガチャリ。


「拓馬、待たせたな。」


あいつが現れたのは…


◇◇◇


「もう携帯も没収ね。」


お母さんは冷たい声で私たちにそう言った。


「ねぇ、なんでよ!なんで私達をおにぃに会わせてくれないの!?」

「決まってるでしょ、あんな不潔な男にあなた達を会わせるわけないの。」

「だから言ってるでしょ!!それはあなたの勘違いでっ!!!」


どんどん激しくなる言い合い。全く…こんな時にあお姉は何してんの!?一緒に反論しなさいよ!


「いいから黙りなさい。あなた達の言い分も彼の言い分も聞きたくないわ。」

「っ…なんでよ!どうしてよ!!」


「…やめなさい。」


「え?」


お姉ちゃんが急に喋ったらと思ったらそれだった。なんで?どうしてこっちの味方じゃないの?


「もういい!!お姉ちゃんもお母さんも知らない!私は、おにぃの家に帰るっ!!」


私は後悔の念が出てくる前に家を飛び出してしまっていた…。

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