第46話 忘れ物チェックは入念に
さて、どうしようか。
おばさんが行ってしまったが、あの二人がいないという実感がわかなかった。
上の階に行き、姉妹の部屋に行く。しかし、本当に何も無くなっている。クローゼットの中に下着忘れて…なかったわ。
「本当に、いなくなったのか。」
自分の部屋に戻り、旅行の荷物をしまい、洗濯物を出しに1階に降りる。洗濯機の中に下着…ないか。
さっきから、まるで俺が下着泥棒のように下着を探しているのは悪魔で忘れられていては困るからだ。決して他意はない。
いつもは家に着いて最初に行くはずのリビングに最後に来た。そこには手紙と封筒…?があった。
その手紙には、
「拓馬君へ
前々から君のことは怪しいと思ってましたが、姉妹2人と同居して少し悶々とするのは分かりますが、こんなに堂々と机の上に出しておくのはさすがにモラルがありません。よって、今後あおいとみずきは私が預かります。」
と、書いてあった。机の上に出した…?何の事だ?俺はちゃんと行く時に戸締りしてったけどな。
そう思って封筒を開けた俺は見覚えのある本が入ってることに気づいた。
「こ、これ…」
表紙から何か分かる。この手に馴染む実家のような安心感…
「これ、俺の持ってるエ〇本じゃねぇか!!!!!!
なんでここにある!?ってか、絶対俺堂々と机の上に出てないぞ!!」
と、俺が大声を上げたその時だった。スマホの通知がなったのは。
「ったく、こんな時に誰だよ…って待てよ、携帯でアイツらと連絡…」
と思ったが、相手からブロックされたようでトーク一覧にはいなかった。これじゃ…
ブーブー
改めて通知が来る。誰かと思い開いたそのメールは、
「っ!もも!?なんでこんな時に!?」
急いでメッセージを見る。すごい量だ、この10分で15件もももから連絡が来てる。幸せだ…昇天しそう。
にしても、気になるのはその内容だ。彼女がなんの目的もなしに俺にそんなに連絡するわけが無い…あれなんでだろ?言ってて目から涙が…。
彼女のメールにはこう書いてあった。
「みずきちゃんとあおいさんから連絡来てるけどどうしたの!?何かあったの!?」
「ねぇ、2人が実家に行ったってホントなの!?」
「もう!返事してよ!今からそっち行くから!」
すげぇ…スタンプとか、悪口とかじゃなかった。てっきり、日頃のストレスを俺へのチャットでぶちまけたのかと思ったわ。
にしても、あの二人はももとは繋がってるのか…
ん?何か大切なこと見逃してるような…
ピンポーン
と、インターホンがなる
「はいはい、どちら様です…」
インターホンを覗き込んだ俺の目に映ったのは、
「もう!返事しなさいよ!」
俺の片思いしていた相手だった。
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