第51話 おい父さんそこ変われ

「まぁいい。それより、話を聞いてってくれるかい?」


そう言われ、ももは頷いてから はい と返事をした。



「で、あの二人の事、どこまで知ってるかい?」

「どこまでって言われてもな…」

「それじゃ、なんであの二人が来たかは知ってるか?」

「知らないぞ?聞いてないからな。」

「えと、私はなんとなく分かります…」


え!?もも分かんの!?それならなんで俺が知らないんだ…?


「そうだな…恐らくももちゃんが考えていることは当たっている。が、それは3つある理由のうちの1つだろう。」


み、3つ!?そんなにあんのに俺一個も知らないの!?無知スギィ!!


「その反応ってことは知らないんだな。なら順を追って話そう。」


これは話が長くなるなとももに申し訳なく思いつつ、3個の理由を考え始ながら父の話を聞き始めた。


「まず1つ。それは、拓馬。お前を助けるためだ。引きこもってたお前を助けるために彼女たちは来た。恐らくももちゃんがわかったのはこれだ。」


た、確かに…。忘れてたけど俺引きこもってたんだ。アイツらとワチャワチャして引きこもってた事実を忘れてたわ。

俺は驚いたが、ももはきょとんとした顔をしていて、なんの事?って感じだった。もしかしてあいつの思ってたこと違ったんじゃねぇの!?


「2つ目。これは俺と昔の嫁の関係だ。俺が関係を戻そうとして彼女の家に行ってた。それも置き手紙に書いてったようだが、この置き手紙とは違うようだな。」


お父さん、あの人の家いってたのか…ん?待てよ、それなら。


「なぁ?それならアイツらと会わなかったのか?」

「いや、会ってないな。まぁまずは話を聞いてくれや。」


「お前が出かけたあの日、お前の母はお前の家に行った。そしてお前の部屋を見たんだろうな。安心できなくなってあいつらを実家に避難させた。

それと、俺のこともそんなに気に食わなかったんだろうな。アピールしても冷たい態度ばっか取られて、いつの間にかこうなってたって感じだ。」


なるほどな。あの人ならそうなりそうっていうのがひしひしと分かる。何してもクールにしてそう。

そんな中、ももは1人ニコニコしていて。


「もも?ニヤニヤしてどうしたんだ?」

「ニヤニヤなんてしてないよ!!」


お前も即否定かよ。俺を肯定してくれる天使実装はよ!!

そんな俺の叫びは虚しく誰も現れない。そしてももは再度口を開く。


「でも、なんだか親子なんだなって思って少し微笑ましくなってしまって…。」


は?何言ってんの?今の話のどこが親子なんだ…?

だが、そう言われたお父さんは笑い声を上げて、


「そうかそうか。そうなんだな。ももちゃん、うちの息子が迷惑をかけて申し訳ないね。」


そんな風に2人で笑いあっていた。

え?なんで俺ボッチなん?

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