第19話 男からの♡ほど要らないものはない
買い物に行こうとドアを開けて少しして、俺のポケットの中に入れていたスマホが鳴った。
「ん?なんだ?まさか、ももか?」
なんていう淡い心を抱きつつ、開いたら賢治だった。なんだ賢治かよ。つまんねぇの。
賢治からの要件は、今日遊べる?というものでさすがにNoというスタンプを押して送っておいた。このスタンプ可愛いんだよね。ハムスターのキャラクターが「No!!」ってやって手をバツ印にしてるのなんだけどたまらん。癒しだわ。
すると、5秒で「りょ」と返信が来て、俺は買い物に出かけた。
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買い物に出かけた・・・はずだったんだけども。
「なぁ、賢治?お前さては俺のストーカーか?」
「え、お前用事あるんじゃねぇのかよ。むしろなんでお前がここにいるんだよ。」
「え、いやいや。お前がももに今日のこと言ったんだろ?なんで知らないんだよ?」
「え、俺が・・・?」
「え、だってももがそう言ってたぞ?」
「え、俺そんなの知らない・・・」
「え、じゃあそれって・・・つまり、」
「え、それってそういうことか?」
「え、ーっとそういうことじゃね?」
「もうこの最初に『え、』つける縛りやめようや。」
じゃあ、ももは誰と連絡をとったのかが不思議だが・・・こいつが知ってるわけないからそこについては聞かなくていいや。
「んで、暇人のお前はここで何を?」
「ここにいたら、たくまきゅんが来るかなって♡」
男からの♡ほど要らないものはないわ。その♡瓦割りの要領で割ってやろうか?おもいっきり割ってやるよ。
「キモいのはいつもの事として、お前も買い物?」
「俺がいつもキモいって俺泣くぞ?まぁでも俺も期間限定の菓子を買いに来てな。あと飲み物。」
お前がキモいことくらい、この読者みんな知ってるわ。健全そうな言葉を使うな。エロく見えるぞ?
「んじゃ行くか。」
「おけ。その菓子とやら俺にも見せてくれよ。気になったら買うわ。」
何気に2人で買い物というのも初めてで。新鮮な感じだな。気まずいような、でも実家のような安心感もあって・・・
「お前、このあと少し空いてるか?」
賢治から話を振りかけてきた。なんだ?この後なら時間ないって分かるだろバカかよ。
「いや、だから時間は・・・」
「お前の姉ちゃんのバイト先に一緒に行かね?って言おうとしたけど、お前時間ないもんな。悪い、一人で行くわ。」
「そういえば時間空いてるから行くわ。」
時間なんて有り余ってるに決まってるだろ。だってみんな大好き日曜だぞ?そのくらいわかるだろバカかよ。
いや、俺理不尽すぎわろた。
各々会計を済ませ(奢らされそうになったが、何とか阻止した)姉ちゃんのバイト先に向かった。看板娘って感じなんだろうなぁ。でも、近所のあそこそんな混んでなかったし今でもすいてるか。
「家族のバイト先って行くの少し緊張するよな。」
「そうか?俺は制服姿楽しみだけど。」
やっぱただの変態じゃねぇかよ。
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